「沈黙交易・ものくるる友・賢者の贈り物」~もののやり取りについて考える①
三つの話が頭に浮かんでくる。 沈黙貿易の話。吉田兼好の「ものくるる人」、 オー・ヘンリーの「賢者の贈り物」、 ものを送ることに関する三つの物語、という話。(写真:フォトAC) 【沈黙交易の話】 古代において、ふたつの民族あるいは部族、あるいは村が、まったく言葉を交わすことのないまま物品を交換する、その方法を「沈黙交易」または「無言交易」といって世界中に例があるようです。 具体的には、 一方が、ある決められた場所に物品を置き、一定の合図(角笛や法螺といった楽器による音声など)を送ってから姿を隠すと、合図を受けたもう一方の集団はその場所へ行って置かれた物品を受け取り、等価と思われる質と量の物を置い…
2024/09/03 07:19