「鬼切丸伝」楠桂 歴史の中に潜む鬼を斬る主人公は人間嫌い 人間を愛す鬼姫・鈴鹿御前との絡みが面白い 宇喜多直家や楠木正成の逸話が秀逸
「鬼切丸伝」(5巻) 「鬼切丸伝」楠桂 漫画家・楠桂の「鬼切丸伝」は、鬼を斬ることができる唯一の刀「鬼切丸」を持つ主人公が、歴史のさまざまな時代に潜む鬼を探して退治する物語。 同じ作者の作品「鬼切丸」の外伝的な作品だ。 基本的には1~3話でひとつのエピソードが構成される。 織田信長、源義経ら武将のほか、世阿弥、小野小町ら文化人も含めて歴史上の人物が物語に絡み、興味深い。 この作品の世界では、人間は深い恨みや悲しみ、あるいは愛情や執念がもとで、人間を喰らう鬼になる。 鬼には普通の武器は通じず、鬼を傷つけられるのは、別の鬼の攻撃か、鬼切丸だけ。 つまり、この作品では、歴史のさまざまな場面で人間が抱…
2025/04/21 00:13