和歌メモ……藤の花(俊子内親王大進)
今回は、平安時代後期の藤の花。 俊子内親王大進(しゅんしないしんのうだいじん)という女性の歌。 久しく音せぬ男につかはしける とはぬまをうらむらさきに咲く藤の何とて松にかかりそめけん (とわぬまを うらむらさきに さくふじの なにとてまつに かかりそめけん) 詞花和歌集 257 *うらむらさき……紫色。「恨む」とかけている。 *かかる……寄りかかる。関係する。熱中する。 【ねこたま意訳】 松の木に絡みついて咲いている藤の花。 美しいってみんなは言うけど、私は嫌い。 だって、男に依存しなきゃ立っていられない惨めな女みたいじゃない。うんざりするわ。 会いに来てくれない誰かを待って、ただ恨んで嘆くだ…
2023/04/27 16:54