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根来戦記の世界 https://negorosenki.hatenablog.com/

 戦国期の根来衆、そして京都についてのブログ。かなり角度の入った分野の日本史ブログですが、楽しんでいただければ幸甚です。

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2022/07/22

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  • 室町期の仏教について~その⑥ 「禅の民衆化」に成功した曹洞宗

    さて現代において最も寺院数の多い仏教宗派は何かというと、実は曹洞宗なのである。文化庁が発行している宗教年鑑によると、曹洞宗だけで1万4000を超えるのだ。次点が浄土真宗で本願寺派が約1万、3位が大谷派の約8000である。これまでの記事で紹介した、室町期に盛んであった臨済宗はというと、妙心寺派が最大でその数は約3000である。 鎌倉期から南北朝期にかけて、曹洞宗はまだ小さい教団でしかなかった。ひとつの独立した宗派というよりも、同じ禅宗ということで臨済宗に数多ある林下諸派――大覚寺派や妙心寺派と、同じようなものとして一括りに捉えられていたのである。この記事では、如何にして曹洞宗が室町期以降にその教…

  • 室町期の仏教について~その⑤ 禅寺の興亡 その制度と文化(下)

    次に禅寺における生活スタイルを見てみよう。禅僧たちは、基本的には僧房において集団生活を行っていた。彼らを率いるのは、既に悟りの境地にいる(はずの)師匠である。師と共に生活し、その一挙手一投足に注目し、そこから何らかの意味を見出すべく日々坐禅し、公案に挑むのである。大寺院であれば数百人規模の禅僧たちが、一堂に会して生活していたわけである。 とはいえ時代が下るにつれ、五山における禅風に変化が起きてくる。まずは禅の密教化である。初期臨済宗の特徴は兼修禅であったから、必ずしも密教を否定する立場にはなかった。禅僧の中には伝法灌頂を受けるものなどもいたのである。しかしその場合でも、密教はあくまでも禅と並列…

  • 室町期の仏教について~その④ 禅寺の興亡 その制度と文化(上)

    五山の禅僧には、宗教活動を行う「西班衆」と、寺院の経理や荘園の管理を担う職能集団の「東班衆」がいたことが分かっている。これはどんな宗派の寺院も一緒なのだが、巨大な寺院群を運営していく以上、このように役割を分担せざるを得ないのである。 例えば旧仏教の一員である根来寺のケースを見てみよう。これまでの記事でさんざん紹介済みだが、根来寺には上級僧侶である「学侶方」と、下級僧侶である「行人方」がいた。そして両者の間には、はっきりとした身分の差があったのである。下級僧である行人は、あくまでも学侶僧の修業を補助する存在であり、学侶僧が参加する法会などには参加する資格はなかった。(最も時代が下っていくと、行人…

  • 室町期の仏教について~その③ 室町幕府の財政を支えた禅寺

    このように臨済宗は、室町幕府の下で大きく発展することになる。室町幕府は鎌倉以来の禅寺の「五山制度」をそのまま受け継いだが、この室町期に五山は官寺としての組織化が徹底して進むことになる。 一例として、室町幕府には「禅律方」という役職があった。これは幕府が禅宗と新義律宗を統率するための役職なのである(この頃、新義律宗もまた大きな勢力を持っていたことが分かる)。 禅律方には頭人(とうにん)と奉行を置き、それに五山を統率させたのである。五山の下には、最終的には数千の末寺・塔頭が所属することになるのだが、この膨大な数の禅寺は室町幕府の管理の下、巨大なピラミッド型の官僚体制が構築されたのであった。 このよ…

  • 室町期の仏教について~その② マルチな才能を発揮した禅宗のプロデューサー・夢窓疎石

    弘安の役から18年後――鎌倉期も終盤にさしかかった1299年に、建長寺で入門試験が行われている。記録によると、この時の試験において上級でパスしたのは2人だけ、うち1人が夢窓疎石という僧であった。彼はこの時25歳、既に京と鎌倉の禅寺においてかなりの研鑽を積んだ、前途有望な僧であった。 彼は元々、奈良の東大寺で受戒した真言僧である。しかし天台の高僧であった師の死に臨んで、その教えに疑義を抱くようになり、禅宗へ宗旨替えしたのである。極めて優秀な頭脳の持ち主であった夢窓は、建長寺にて最終的には修行僧の最上位である「首座(しゅそ)」の座にまで昇り詰めるのだ。しかしそこで壁に突き当たってしまう。どうしても…

  • 室町期の仏教について~その① 武士たちにとって親しみやすかった、臨済宗

    これまでのシリーズで、仏教が如何にして日本社会に受容されていったか、そして2人の天才・空海と最澄の登場による平安仏教の興隆、更に鎌倉仏教の登場についてなどを紹介してきた。このシリーズではその後、南北朝から室町期において仏教各宗派はどのように発展していったか?を紹介してみたいと思う。 結論から言ってしまうと、室町期の仏教は鎌倉仏教が巻き起こしたような、思想上のセンセーションは起こさなかった。教義的にはそこまで大きな進展はないのだ。その代わり、各教団において組織の質的変化と規模の拡大が行われた。各宗派はより組織化され、洗練された教団へと成長していくのである。 なお内容の一部は前シリーズのものと重複…

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