そもそも越前にあった超勝寺・本覚寺だが、その歴史は古く、隣国・加賀においても多くの門末を抱えており、特に白山山麓にある山之内庄に門徒が多かった。 この山之内門徒衆は、加賀一向一揆の中でも精強を以て知られた集団で、その頭目は二曲(ふとげ)城を拠点とする、土豪の山之内右京進である。 蓮悟ら「加賀三箇寺」の挙兵を知った超勝寺・本覚寺勢は、山之内庄に立てこもることにする。幸いここは山に囲まれた谷間なので、守るに有利な地勢なのだ。 対する三箇寺勢は、これまた有力国人であった洲崎氏・河合氏らの加勢を得て山之内庄を攻撃する。 まず両軍は「長嶺で戦った」とあるが、この長嶺は山之内庄を囲む尾根筋のことだと思われ…