「僕らが困った話ではないけれど、お国柄を感じたこと」 困ったことがあった。 いや、僕らが困ったわけではないため、正しくは、友人たちに困ったことがあった、というべきかもしれない。何に困っていたのかというと、新築アパートメントについて困っている友人が何人かいた、ということになる。 僕らがボストンで二年近く住んだアパートメントは、古びたところで、階段のタイルは剥がれ、廊下のカーペットもところどころとれている。部屋の中も掃除はしているけれども、何回も重ね塗りされた壁や、年季の入った冷房(ボストンで冷房を使うことはあまりない。一年を通して二週間あるかないかの使用だった)、ちょっと危険な臭いのするベランダ…