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勝鬨美樹
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2020/12/27

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  • 黒海の記憶#42番外/黒海は東洋と西洋の境目にある#04

    東から黒海北側にある大草原に入ってきた人びとの大半が遊牧民であった。一部は半農半牧だったが、農のサイズは限られていた。灌漑がないところで文字が生まれることは稀だ。ましては計算術は確立しにくい。そのために彼ら自身によって残された史料はほぼない。彼らと関わった、文字を持つ定人々が語るものからしかその姿は窺い知ることができない。 それでも総体として見られるのは、文化様式/言語/経済方法全般にわたってイラン的要素とテュルク的要素の混淆であること、そして強くギリシャ世界/ペルシャ世界も受けていたことであろう。 彼らについて、東ローマの歴史家たちが語るとき、ヘロドトスを踏襲しながらも 「言うなれば

  • 黒海の記憶#41番外/黒海は東洋と西洋の境目にある#03

    これほどヘロドトスがスキタイ人について詳細に(『歴史』第4巻)描いたのは、彼らが黒海を北岸における主要な交易相手になったこと、そしてアケメネス朝ペルシア帝国が台頭してきたためであった。 イラン高原に興ったアケメネス朝は、ダレイオス1世の治世時代から熱心に黒海の周辺/北側・東側へ進出を始めるようになった。そしてなし崩し的にギリシャとの間で衝突を繰り返していたのだ。実は、彼らの進出は東方中央アジア方面にも及んでおり、先住である遊牧騎馬民族との間にも抗争を繰り返していたのである。ペルシャ人たちは、彼らを「サカSaka」と呼んだ。 その名は、ダレイオス1世が残した巨大な磨崖碑「ベヒストゥン碑文

  • 黒海の記憶#40番外/黒海は東洋と西洋の境目にある#02

    旧い世界地図を見ると‥「東洋Orient」と「西洋Occident」を分けるのはウクライナを走るドンDonets川のものが多い。 ドン川は、モスクワの南東トゥーラ近くから始まり、最初は南東のヴォロネジへ向けて流れ、南西へと向かい、約1,950kmを流れアゾフ海北東部のタガンログ湾へ注いでいる。川沿いに主要都市ロストフ・ナ・ドヌとアゾフがある。最東端はヴォルガ川と接近しており、いまはドン=ヴォルガ運河(全長105km)によって結ばれている。 黒海に流れ込む川は多い。アゴイ、ビジップ、ベレカ、グミスタ、イェシリルマック、エングリ、コドル、ソチ、チョロキ、プソウ等々。大河はドナウ、ドニエスト

  • 黒海の記憶#39番外/黒海は東洋と西洋の境目にある#01

    エーゲ海と黒海を繋ぐボスポラス海峡の西側にイスタンブル/旧市街がある。北に金角湾Golden Hornがある。金角湾の向こう側が新市街だ。 その湾を跨いでいるのがガラダ橋。 橋は二階建てで、一階部分は商店レストランが並ぶ。二階部分は道路と歩道だ。ガラダ橋は何回か焼け落ちており、僕が知っているガラダ橋はもう少し西側にあった。今のガラダ橋は知らない。・・ふと、その焼け落ちたガラダ橋を思い出したのは、昨今のロシア・プーチンと英米のウクライナを利用した東西抗争のニュースを見ていた時である。 東西?どこまでが「東洋Orient」でどこから「西洋Occident」なのか・・である。 今、使われてい

  • 黒海の記憶#38番外/己の利権を守ることに固執した東ローマの官吏・政治家・軍民たち

    ギリシャ商人/東ローマ商人たちはギリシャ正教を左手に、交易物を右手に持って、黒海の後背地へ北へ繋がる川筋から、険しい峠道を踏み固めた街道から入り込み、北方ステップに住む人々あるいはドナウ平原に住む人々と繋がっていた。商いはいつでも信頼と道義の上に成り立つ。商いの最も重要な価値は「平和」の維持なのである。 それを犯すのが国家だ。国家はオノレの利害を優先する。多くの国家組織は、利害は相対的であるべきだという原則を忘れてしまう。実は、それが「外交」だというのにだ・・北風と太陽の寓話を忘れてしまう。なぜか?国家を構成する人々は、オノレ自身で計算板や鋤鍬金槌を持ったことがないからだ。 そればかり

  • ハーレムのなおみとひろしのこと#04~おわり

    二人の話は友人たちの間にすぐさま広がった。それに続く「自殺幇助」と「家宅捜査」の話も広がった。理不尽に失職したにも関わらず彼が何もしなかったことも友人たちの間に知れ渡った。そして同時に「なおみ」が守っていたセーフハウスのことも少しずつ漏れ聞こえるようになった。となると「がんばれ!まけるな!ハーレムの日本男子」「黒色の日本男子を支えよう!」と奔走していたFのキャンペーンも、いつの間にか全員が及び腰になってしまった。 それでも何人かの友人は彼を支えるために奔走し続けた。しかし・・「ひろし」の失意は深かった。彼はハーレムのアパートに閉じこもったままになった。僕らが訪ねても、彼は上の空で対応す

  • ハーレムのなおみとひろしのこと#03

    911が有った年だったことはよく憶えている。僕自身もNYCにいたからだ。ある夜。深夜。「ひろし」の携帯電話が鳴った。日本の「なおみ」が入院している病院からだった。「ひろし」はドキッとした。電話に出ると、病院の事務局の人間だろうか、猛烈に怒っていた。 「今日の朝、奥様が病室から失踪しました。総出で院内を探したのですが見つかりませんでした。」電話の向こうの声が言った。 「失踪?どうして??」 「しかたなく警察に届けました。私物をすべて持ち出されてたので、勝手に自宅へ帰られたのかなと思いまして、届け出をしました。しかし、自宅にもいらっしゃらなかったんです。万一のことを考えて、施錠していた窓ガ

  • ハーレムのなおみとひろしのこと#02

    その闘病を経て「なおみ」は教会を通して地域のボランティアをするようになった。それは彼女のように薬から抜け出すために戦う決心をした女性たちの意志を側面から支えるボランティアだった。・・実は挫折が多い。結局は抜け出せずに終わる人のほうが圧倒的に多い。「なおみ」は担当した女性が結局は薬から逃れられず奈落に落ち込んでいくと、深く傷ついた。その傷心ぶりを見かねて、一度だけ「ひろし」が「ボランティアは辞めたほうがいい」と言ったことがある。彼女が言った。 「あなたのところに弁護を求めに来る貧しい人たち。どのくらい裁判に勝てたり理由になったりするの?1/2?1/3??」 「いや・・そんなにはいない。」

  • ハーレムのなおみとひろしのこと#01

    訃報をもらった旧い友の話をしたい。もう誰にも迷惑がいかないだろうから、書き残したい。 彼は「ひろし」という、僕とほぼ同世代だ。元弁護士だ。ハーレムの奥まった老朽アパートで生涯を終えた。 彼の伴侶は「なおみ」という。看護婦だった。彼女が亡くなったのは20年ほど前だ。 二人は高校時代からのカップルだった。 「ひろし」の母は、僕の母と同世代だ。彼女は東京で黒人兵である「ひろし」の父と出会って結婚し、渡米した。 「ひろし」の母にとって、アメリカは黄金の夢の国だったに違いない。しかし結婚して移り住んだのはNYCの北の外れハーレムだった。彼女は差別という塗炭の苦しみを味わった。そして「ひろし」がま

  • はかなさを切り取る

    写真は”儚さ”を切り取れたものが色褪せないんだと思う。 “ご近所写真”が陳腐にならないのは、その写真にオノレを重ねて共感する人々がいるからだ。・・儚さ/はかなさを切り取った写真は、長く長く生き残る。 だからトリミングもphotoshopもいらない。自分の心に映った風景を、映ったまま切り取ればいい。 わかってくれる人にだけ、わかってもらえばいい。

  • 旧い友の訃報をうけて

    この年になると旧い友の訃報がときおり舞い込むようになる。 文面の裏側に「お前をそろそろ身繕いしろよ」と書いてあるような気がして・・哀しいだけではなく、何ともやるせない気持ちになる。 朝起きたら、ママはもう店に出てた。僕も「身繕い」ならぬ身支度をして家をでた。銀座タワーと安平神社の間を抜けた。ふと神社の茂みを見ると、枝にわりと大振りなバッタが刺さっていた。百舌がいるンだね。銀座もすてたもンじゃないと思った。 そうだね。最後まで漢は"狩り"を忘れちゃいけないよな・・ 百舌の贄 老いの言い訳 しられけり

  • 自衛隊の持つ武器は国産にすべきだという話

    日本国憲法9条は二つの機能を持ってます。 ひとつは、米国を「世界一の軍隊保有国にしない」こと。自衛隊が日本軍へ歩成すると、当然米軍と連携しますから、人員も武器装備も露西亜/中共を凌ぎます。日本と米国は群を抜いた世界一の軍隊を持つことになる。露西亜/中共は、これを徹底的に嫌います。彼らの走狗たちが憲法改正絶対反対を叫ぶ理由は、ただ一つこれです。平和の祈りなんぞというキャンディ舐めさせられてその気にならないように。 もうひとつは、日本人の稼ぎを「何も生みださない」軍備に使わせないためです。その使わないお金を生産のために再投資して更なる高利益を得るためです(これは過去形になった)そしてその

  • 銀杏の 染みを数えて 木挽町

    銀座の道は草花の名前が付いているものが多い。スズラン通りとか並木通りとか花椿通りとか・・肉食系じゃないとこが秀逸でしょ?イノシシ通りとかバイソン通りとかブルドック通りなんてぇのはイヤだもんなあ。たとえ闊歩してるのが、海から来たんだか山から来たんだかわからない連中だとしてもね・・ で。木挽町です。晴海通りからこっち側(どっち側だよ)縦に走るのは、ウチの店の前を走ってるのが柳通り、となりがマロニエ通り、そのさきは松屋通り・・あ、これは松は松だけど、しばらく待つの松じゃないけど・・ そして、横に走るのは木挽町通りです。 木挽町という奥床しい名前は、銀座に替えりゃ地価が上がるだろうというヨコ

  • 判っちゃいるけど茹でカエル

    「日本は技術立国」という幻想をいまだに持ち続けている限り、日本国に未来はないです。断言します。ないです。 いまの日本は技術立国ではない。新しい技術の開発をしていないからです。・・実はいま中国も韓国もすでに日本の技術を鼻で笑うほど進化しているのです。それを認めて、独自技術開発に国家ぐるみで資本投下しないかぎり、日本はインバウンド狙いで海外からきた観光客にお土産ものを買ってもらうだけの国に成り下がります。 技術の新開発は、LEDの中村さんのように研究室のなかで偶発的に出来上がったモノでないかぎり、今、猛烈にお金がかかるものになっているのです。民間レベルの資金繰りで何とかなるものではない

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