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よも 言葉のアトリエ http://apismos.blog.fc2.com/

言葉で描くみえないこころ。 縦横高さ、時間軸、いつか 見えてくるでしょうか? 拙いながらの一綴り、ジャンルは絵のように…詩や小説の創作物を載せています。 どうぞお気軽にお立ち寄りください。

上遠野世方
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2020/06/20

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  • これっきりの…

    ただこれっきりの一日がただこれっきりの一時が性急に、そして静かにあるがままに過ぎてゆく泣いて笑って過ぎてゆく怒って悔やんで過ぎてゆく力を入れても、抜いても根を詰めても、投げ出しても相変わらずにぼくの気持ちに無関心でぼくの体に寄り添うこともなくただ無心に過ぎてゆくそれでも何事もなく無事に過ぎてゆく一日には幸福のありのままの姿があるただこれっきりの一日にいのちはある息もある大気の中を、日暮れの中をぼく...

  • 花冷えの雨に立つ

    花冷えの 新芽に雨の 涙かな 喜びにみち ふるえて空へいろいろな新芽がふき出してきたと思ったら寒い風と冷たい雨が降ったそれでも草木は喜びに包まれているように見える期待に満ちてつぼみをふくらませ空にひかりを求めている弱く、まだ優しげだがいのちは激烈であるああ…ごきげんよう!まぼろしの春おまえが姿を変えるひとときに住むすべての生きものたちよぼくとともに季節に目を見張れ!...

  • 散歩するもの達

    笹やぶを かきわけて住む 赤鳥居 稲荷古びぬ たえて来ぬ人道を横にずれる丸木を組んで石を敷き詰めた階段入ってみる木々の枝が張り出し空を見上げると壊れたかごのようだ赤鳥居があり、その奥に稲荷がある稲荷も歩いていたぼくは歩いて来たともに旅路を歩いている木々のつぼみも草花のつぼみも芽吹いて太陽にむかって歩き出すぼくも歩き出す目覚めた蜘蛛も、蟻もせっせと歩き出すみんな運ばれていくぼくも踵をかえして...

  • 隊列を組む「徒花(はな)」

    陣を張る 腐葉の下は 古戦場 隊列組んで 水仙並ぶいつ芽が出たのかつぼみがそろって顔を上げている思えばここは古戦場だったらしい戦いで散った花はいつも徒花だった…それでも散り行くことにはちゃんと意味があったのだろうと思う帰りは神社に参拝でもしていこう日を追うごとに春である...

  • 道祖神

    地蔵さま? ここにおわすは 道祖神 足もと開ける 若葉の道次まだ落ち葉や雪折れの枝が散らばる遊歩の道をあるいた。進むとヒガンバナの群生がある秋までに花の養分をためるためであろうか威勢がいい落ち葉の下にも新芽の草葉がかくれている目を覚ます春の道をこころに問いかけぼくに示しているようである...

  • 梅花の香り

    大宇宙 山端をなぞる 星の海 夜をふかめて かおる梅花はいつの夜も新しい。朝に限らず。夕に限らず。強迫的な昼に限らず。魂をいざなうような神秘さで心を開いてゆく…宇宙よ。地球を包んでさすらう大いなる魂よ。ただ野生であれ、憐憫も、同情もなく、ただ鮮烈であれ。その鮮烈さゆえに生きとし生けるものの鏡なのだから。...

  • 可惜夜 あたらよ

    またひとつ 明かりの消えし 街裏で ひとり迎える 可惜夜の月春になるとベランダから夜の街を見るのが好きだ。街路灯の後ろで落葉の梢が動き始めている。もうすぐ闇に思い思いの顔をあらわすだろう。存在感を増して、それぞれの言葉で語りだすのだ。それは… もうすぐ。アパートの明かりが消えた。夜の明かりは不思議にこころをくすぐる。明かりはなにか存在の証明(照明)なのだ。空を見上げる。傾いていく月を見...

  • ユべリアの窓

    足しげく 通いなれたし セコイアの ゲートのさきに ユべリアの窓遠くなった過去を思い出した。うたのように足しげくというわけではないが、足しげく通えばよかったと何度も思った。今は通わなくなった公園にはセコイアやマロニエ、オオヤマザクラ、また低木のツツジやアベリアのブッシュがある。ベンチで待つことも楽しかった。公園を出るところに、道を挟んで宝石店があった。四季によってか少しづつ展示演出がかわっ...

  • 春分けて三月

    春分けて こよみの中の 三月は きみと祈りと 彼岸に渡して…何年となく春はいつも分けてきた。季節を、過去を、わたしとあなたを、此岸と彼岸を…その永遠の刹那は、今ここに生きている私たちの刹那でもある。時は取り返せない。もし取り返すことができたとしても、その時は、いつも未来の時間となるだろうし、その未来の時間は、つねに過去の時となってゆく。まるで、時とはうつろう美のようだ。ただ、後になって振り返...

  • かんなぎの空

    ものほしで 風に手をふる コートかな 寒凪のそらに わかれを告げて陸橋を越えてショッピングモールまで歩いた。風が心地よく、線路は立ち並ぶ家々に消えてる。ふと見渡すと洗濯物が多い。日光浴をしているようにもみえる。寒の虫干しといえるだろうか。東北にも早い春が来る。若い風があしにまとわりつく。腕にも肩にもまとわる。これは少年たちだな、とかんじる。そして、まだ少年であれ、とおもう。人と同じようにそ...

  • 聲の道

    あゆむ子ら かげもゆらいだ あかね道 こだまかえして 行きゆきて聲茜空の道を数人の小学生が歩いている。それはいつの日の光景だっただろう。伸びた影が重なりあって恥を知らない声はよく通る。思わずハッとするその声は遠い過去から届く自分の声だ。それはまっすぐで心地よい。いつかまっすぐに話せなくなった者にはうらやましささえ覚える声だ。過去に思いをはせながら、歩きながら、自分の内奥の声に耳をすました。...

  • 転寝の底

    地上へと のびるひかりの 春の手は 枝もわたしも 小鳥も抱いて風が光を運んでいる。小さな庭に出る。ワームムーンの翌日、日なたの壁をクモが動いている。啓蟄も六日に過ぎた。土が活動を始めている。豆乳とトースト食し庭に出た。葉が生い茂り、日陰になる一角にスペースを作り、シェードを張ろうかと考えた。初夏には木陰でひととき思索にふけるのもいい。庭に出ているときガス設備の保安点検のしらせが来た。昨年...

  • ウサギの残り雪

    残雪に 浮かぶウサギの 耳たてて 見下ろす里にも 春がくるかもひがし山の一角に残雪か見えるどことなくウサギに見えるそれは右耳が欠けている今季の大雪のせいだろうかしかしそれがまたいい雲はこぶ陽風に聞き耳をたてているようにも感じる散歩をしている姿も多い土曜日はまた道行く車も多かった春は足元から空へ向かって動き出している春鳴りの音もまた 鼓動のように聴こえるはるはやて(春疾...

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