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よも 言葉のアトリエ http://apismos.blog.fc2.com/

言葉で描くみえないこころ。 縦横高さ、時間軸、いつか 見えてくるでしょうか? 拙いながらの一綴り、ジャンルは絵のように…詩や小説の創作物を載せています。 どうぞお気軽にお立ち寄りください。

上遠野世方
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2020/06/20

  • 月輪奇譚 十一、水晶はポケットから現われた

    「違ーう。そうじゃない。選択するということは選択しないということだ。つねに表裏一体。選択することは最も単純で最も高度な賭けなんだ。」「じゃあどうすれば…」何度目のことだったろう。祖父はヴィルを叱りつけた。「分からんのか。賭けは人生と同じだ。選択することで勝ち取ってゆく。そんなことじゃあ負け続けることになるぞ。」そんなことは分かっている。これまでずっと負け続けて来たんだ。何を選んでも、どう選んでも負...

  • 祭儀「通りゃんせ」二

    私は息を切らして坂道を駆け上がると、最後の石段の前で立ち止まり一息ついた。石段を上り切れば天神様がある。天神様の屋根の部分がここからでも見えた。歌声からするとてっきり子供たちがいるものと思って駆けてきたのだが、石段の下から見上げる境内に人の気配はないようだ。ということはもつとお堂の近くで遊んでいるのか?私は呼吸を整え歌に耳を澄ました。すると…歌はまだ続いていた。続いてはいたがそれは実に奇妙な感じ...

  • 祭儀「通りゃんせ」

    私が生まれた町には数多くの天神様があった。と言っても実際に数えたことはなかったし、理由は?…わからない。これまで気にしたこともなかった。後になって知ったことだが、私が生まれた年に神隠しがあった。これはだいぶ有名な話で、地方にも関わらず当時は全国的に注目されたという。それでも私が十三歳になるまで知らなかったのは誰もが口を閉ざしてその事を口にしなかったからだ。町を上げて負の出来事を封印した理由はこの町...

  • 短編 『子守り人の空 二』

    栞ちゃんは柵のところで止まりました。校庭を指さして見てといいます。「あの子達を見て」年齢も性別もいろんな子供たちがたくさん校庭にいました。ほんとうにたくさんの…「ダメっ」栞ちゃんは私の手を取ります。何が起きたか分からないまま、私は手を引かれ階段を駆け降りました。「どうしたの」私は聞かざるを得ませんでした。「言葉が生まれようとしてる。生まれたら呪われる。自分自身に」栞ちゃんはすまし声でそう言います。...

  • 短編 『子守り人の空 一』

    秋になると紅葉した葉が散りはじめ空が広くなってくる。ここビルの多い街でも街路樹などが透け、ちょっとだけ空が広くなっているのに気づきます。そして空が背伸びをするように高く、成層圏に手が届くようになった頃のこと。そう。大宇宙が地球の地表に近づいてきたとき、ちょうど晩秋になりかけた頃のことです。濡れた地面や水溜まりに薄氷が張るようになったある日。見上げると空に大きな丸い何かが張り付いているのです。その...

  • 日暮れの記

    更新が絶えて早や二か月である一日がこんなにも早く過ぎ去っているなんてと驚嘆する母が緊急車両に運ばれてちょうど二か月仕事を休みながら行ったり来たりするすべてが年老いてゆく残るものは残骸 「夢の島」だ残骸だけは日々生まれ置き去りになり山を高くする今日もまた置き去り…穏やかに続けと願う 日暮れの記風に揺れたるユキヤナギ、紅の蕾のハナカイドウ、ひらりひらりとユスラウメ、レンギョウは目の覚めるような黄色で...

  • 月輪奇譚 十、フィフティフィフティ

    いた!けど、なんだ。あれが魔王だと。それは姿形というものではなかった。圧倒的な負の雲というべき形のない何かだった。モレールは神の及ばぬ影といい、リシェルは金剛十種の帯といった。誰も巻いたことのない世界王者の帯ということらしい。どっちにしろヴィルにとっては想定内のことだった。「あなたの力は絶対だ。それは誰もが知るところ。でもそれではゲームにならない。それも誰もが知るところ。ゲームは常に50:50だ。...

  • 月輪奇譚 九、虎の峰へ

    三人は綿密に計画をたてたはずだった。ボーイスカウトで身支度をしてもろもろ準備をした。モレールは『魔術大全』に聖書、ロザリオに肝心な十字架など、悪魔と対峙したときに必要と思われるものをかき集め、リシェルはヌンチャクに偃月刀、三節棍などを陰陽図を刺繡した巾着バックに詰め込んだ。ヴィルは山岳道具一式とクライミングシューズにハーネス、カラビナ・スリング・確保器などを準備する。それとリシェルに言われた電池...

  • 月輪奇譚 八、リシェルの決意

    「ダ―マン家ではな。十二時を過ぎると悪魔の時間なんだ。夜半の街へ行けば分かるだろう狂乱と犯罪が増えてる。目が覚めてたらお祈りをつづることになってる。」「あっ、そ。けどね、いつの時代もゆく手には壁があるの。社会の、年齢の、仕事の、性もそう。現実は悪魔よりも広汎性があって、悪意すらある。わかんないの。」「へえ、言うじゃない。日中は誰もがそれぞれの歯車を規則正しく動かしてる。小さな自由を夜に行使しても...

  • 月輪奇譚 七、モレール家の決まり事

    その日の深夜のこと。ヴィルは突如目が覚めた。耳鳴りの中、部屋の壁が細かに振動している。いや、そうではない。自分の視覚がおかしいのだ。身体がおかしいのだ。淀んで腐った水に漂うボウフラ。そんな気分になった。足元がふらふらする。酒を飲みすぎた親父が、廊下で大きな音を立てるのを思い出した。トイレへもまともに行けない親父。ヴィルは震える自分の足に笑みを浮かべ、窓際に近づいた。新鮮な空気を入れなくては。窓に...

  • 月輪奇譚 ― 五、真夜中の徘徊者

    『怠け者はぜったいに魔術師にはなれない。魔術はすべての時間、すべての瞬間にまたがる修練である。快楽の誘惑、食欲、そして眠気にも打ち克てることが。立身出世にたいしてだけでなく、低い身分にたいしても平気でいられることが必要である。その暮らしは、一つの理念によって導かれ自然全体によってかしずかれる一つの意志の現れでなければならない。そのためには先ず五官を精神に従属させ、五官と照応する宇宙の諸力の中にお...

  • 月輪奇譚 ― 五、カタストロフィー

    僕たちは頭も感情も混乱していた。恐怖とも違う。逃げ出したいとも違う。モレールとリシェルの姿に自分の中で何かが目覚めた。気づくと飛び出していた。カンテラを振り回してハクスリー先生に突っ込んだ。モレールの手から魔術大全を奪い取るとカンテラの傘を外し火を点けた。「何を!」モレールは驚いて叫んだ。お構いなしに火を点けた。古い本はすぐに燃え出すと、炎が辺りを照らし出した。リシェルが全身を黒く染め数体の彼らと...

  • 月輪奇譚 ― 四、終末にむけて

    その時刻、ベンダー湖の東岸に一台のセダンが止まった。湖の北側には夕日を浴びた森が続き、南側の街道沿いに街が続いている。ミルズ校は湖の反対側、岸から五百メートルほど行ったところにあった。「なあベティ。これからどうする?ドライブが終わってもうしまいか?食事でもしないか?モーテルの脇にダイナーがあるだろう。あそこのイタリア料理は絶品だ!そしてさ…」「そして何?モーテルでわたしのフルコースでもいただく?」...

  • 月輪奇譚 ― 三、柄杓に続く廊下

    金属は錆びるが、木造は朽ちていく。時代と無数の虫に喰い荒らされていく。まるで腐敗臭を放って腐っていくようにも見える。本当であれば木は死んでも生きている。地中で炭鉱にもなるし、壁も柱も呼吸している。人間のように老いると愚痴も言うし、老骨を鞭打って悲鳴も上げる。昔気質の祖父はよく言っていた。そんな悲鳴が上がる階段を暗い方へ暗い方へと下っていた。懺悔室にはいかないのか?と訊くと、まずは石膏像がしまい込...

  • 月輪奇譚 - 校舎の記憶

    《…過ぎ去る夏の足音が、ときにタップのように踊りだした後、そろりと忍び寄る猫のような毛並みと共に秋は忍び寄り、秋と共に見たこともない妖艶な女性の教師が赴任してきた。妖艶とはなんだろうといつも考えたが、よくわからない。そのわからないあたりが妖艶なのだ。以前悪童で名が知れ渡っていたリザリーが親父の「playboy」を持ってきたことがあったが、女性たちは妖艶とは似ても似つかないもので、もちろん自分にとってはだが...

  • 月輪奇譚 ― 一、オールド・ミルズ校の亡霊

    オールド・ミルズ校は百年の歴史を壁や柱や床に、あるいはその外観を見ただけでも古き良き時代のモダンさを骨董色の肌に染み込ませ、開拓者たちの息吹き、その気骨を受け継ぎ、柱一本一本に鞭打って今日も町の外れに建っていた。しかし、そう思えるのは良き学生時代を過ごした者の贔屓といってもいい。制度に翻弄され、差別と懲罰の地雷に触れた者、あるいは、教師の行使する権力の独裁とに踏みにじられた者からすれば、特に後者...

  • 雪明り

    雪明かり 冬の日暮れの 路地便り 冷たき風の 耳裏の音空高く 成層の青 開け見る いつかのわたしの 無心の空を空気裂く バイクの爆音 受け止めて 夜へと返す 雪壁の道...

  • 貿易風が走っていった

    くわえ煙草のアンニュイな朝はどっちもこっちも にっちもさっちも沈んだ気分は深海魚今日という日はすでにあった過去のようで経験し終えた情報のようで通信手段の量子化は経済活動をしり目に新たな神を見せている猥雑さは想像力の翼を萎えさせるそして経済活動は貧弱な幸福感を餌にして一生の大半を牛耳っているそんな世界に馴れ合うこともできず自己満足と倫理が混合し合った善の押し売りに辟易し言葉の端々にぶら下がる自己責任...

  • 唸る北風

    ビジネスの 行き着く果てから ゴミの山 大地も海も 地球のそらまで落ち葉舞う 唸る北風 打つ粒の 雨も凍える 雪に変わりて常世から 帰り花咲く ヒガンバナ 終し赤にぞ 秘めたる心は...

  • 古くなる取り組み

    薔薇は自らが薔薇であることを証明もせず咲き誇る血の鮮やかさで、皮膚を裂く棘の上に瞑想している獅子は自らが獅子であることを証明もせず僕は僕であることを恐れはしない約束された生死はすでに過去のもの明日死す者はすでに契約の内に死んでいる世界に隠れた知恵は隠すことでありのままを現すそのありのまま が美なのだ鳥は賢しい手技を空に捧げ風で設計された翼を手に入れた人間の翼への進化は思考に結実し時間と思...

  • 国土の黄昏

    秋深し 人間同士の 黄昏か 死体を並べて 国土を讃うこころして 祈念が届く 神ならば 込めた思いが 世の有り様こもり人 生産性あらば 経済人 社会の参加 多様にありて...

  • 人の違いは

    人間は 同じ成分 同じ五感 前頭葉にふる スパイスの違い左右の手 神を似せたか 神真似の 生かすも殺すも エゴと知りえば投票率 最初に半分 放棄して 僅かな残りに 支持率争いて...

  • 社会の保険

    未来にも 過去にも起きた 始まりは 人は偏見を 学び直すこと喜びは 生きていることと 笑む子等の 希望に隠した 社会の保険夜には 目が見えぬのに 昼にも 見えぬ心うち 誰ぞあざむく ...

  • 憎しみのスガタ

    階段を 夜の明かりが 這っている 光も疲れて 背を伏す今日と明日へと続く 行く先知らない 労働は 明日に終わる 人々を知らず憎しみの 相貌(すがた)が魚に あったなら 鳥にも牛にも あったなら...

  • びーどろ

    忍び寄る 終(つい)を見るか アキアカネ 道の上にて 天を眺める青空に 何を急ぐや 紅葉狩り 静かに座して ただ山となれコスモスに 止まるビードロの 秋津かな せわしく動く 球体の星で...

  • 赤き潮騒

    香ばしき 匂いたつかな 安銀座 煙も油も 甘き焼き芋も 血流に 耳を澄ませば 月の浜 赤き潮騒に 人は眠れる月も鳴く 時の奴隷の その中で 身を置き馳せる 壁の向こう側 ...

  • バス窓にさかのぼる

    雨に濡れ 穂先に黄金の 粒ひとつ 落ちて生まれる こともあらばとバス窓に 点るボタンに さかのぼる 過去に見上げた 白き手のひと薬持ち 肌をなぞって 吹く風に 秋も来たかと 後にする店...

  • 月の客

    窓越しに 釣瓶も落ちる 早さかな うつむく夏の 星座残されて つかぬ間の 夕焼け空に 夕月夜 引き戸を開けて 月の客来る錦繍の パッチワークの 雅かな あれもこれも皆 こころと成して...

  • 闇を飲み込む

    だんらんの 恋したるかな 秋の夜の 虫の音悲し 闇を呑み込みさわさわと ため息まじりの 秋の草 秋津止まりて 斜陽傾く行きあいの 雲の騒ぎて 刻々と 千変万化の ひかりのこだま...

  • 色無き風

    秋戦 地面かすめて 兵急ぐ 風の羽借り 夏の虫狩る 鳩の鳴く 色なき風に 身を打たれ ついばみ捨てる 断捨離の秋遠雷の 青き光りが ひた走る 白黒の街に 鼓をひき連れて...

  • 案山子かな

    久延毘古も 変わり鳥追い 案山子かな 時代を写す ポーズ決めこむ 千社札 参拝あとの 後利益も 多数作善に 平和おとずれ通学路 黄色の帽子と ランドセル 弾んで歩く 金次郎の道… Sigrid で「 Home To You 」...

  • 願掛けの道

    古民家の かまちの高さ 将棋駒 縁台の戦 時を重ねて築地塀 たわわに実る ゆずの日の 駆けて回った 願掛けの道ブランコの 先は校庭 赤き屋根 学びの校舎 人影も無くAlexis Ffrench で 「 Songbird 」を...

  • 風ボーキ

    九月の偈 衰えしらずの 夏送り 煩悩の熱 下がるを知らず風箒 夏の懺悔を 集めつつ 業の火高く 空に送れば多数決 暴力と知らず 加担する 数の論理は 遠慮も知らず…Akira Kosemura で「 Fallen Flowers 」を...

  • 日照り夏

    日照り夏 葉の丸まりて 芽は枯れて 群がる蟻も 枯草に隠れ水滴の ふき出す先から 地に落ちる 雨を補給し 汗を放水す日常を 悪夢の底へ 落すかな 天災は忘れる 前にやってくる…洋楽で Imagine Dragons の 「 Demons 」を...

  • 夏草のかおり

    空高く 分水嶺から 吹き下ろす 野分ビル風 雷鼓のうたげ夏草の 香りかぐわし 雨上がり かかる虹にも 秋風の立つ風の道の そうそうと鳴る 草千里 馬草食みて 雲にいななき…「 夏影 」を...

  • 白き雲棚

    海鳥と 台風一過の 土用波 雲棚連れて 白き手を振る夢のごと 立って座って 時失せて 老いた目で見た 現世のまぼろし 治めの夏 障子に影の モミジかな 枝をのばして 傘を捧げん…haruka nakamuraさんで『 Alone together 』を...

  • 初音鳴き

    初音鳴き 夏は時雨て はた織の 音色すずしや 秋津たたずむ波騒ぐ ネットの海に 魚影あり 捕らえて上げた 雑魚と私と草闇の 奥で奏でる 蟋蟀の 眠りに落ちる ビオロンの絃…haruka nakamura×細川亜依 さんで 『食卓とピアノと』を...

  • アクアマリンの滴

    雲切れて 光りさす世に 数知れず 青の落した ベリルのしずく 杞憂なる 未来も今も 誰ぞいる 数の論理に 個は失われメデューサの 首散らばって 落ちる空 ペルセウス座 冠いだいて…paniyoiodで『 ひかりのにおい 』を...

  • 虫語り

    わびしくも 夏の一夜の 虫語り 秋立てばはや 潮騒とならん 炎天に 息を引き取る 蚯蚓かな 土から産まれ 土にぞ帰る星海の 上下左右に 底知れぬ 光と闇に ひとり棲み分け… [.que] で 「twilight 」...

  • 風の平手

    つけ火かな 決意の程も 酒の宴 ガス欠過ぎの 空ぶかしもまた虫の音の 騒ぐ月夜に 一陣の 風の平手に 秋も立つかな目をみはる 頭上に蒼い そらがある 下にくすんだ わが身を置いて…[.que] さんで『 海辺にて 』を...

  • 波の一滴

    借知識 すべて忘れて すっきりと はじめたる晩 学の手習い波騒ぐ 人押し寄せる ビルの岩 ああ行きずりの 都市に打ち上げおはようの 戯れもすぎ 学童ら 声高らかに 里山を行く…[.que] でd『rops』を...

  • 生きづらさ

    生きづらさ 正直ほどの 非常識 誤解を問われ 左右に千切れ行く先を 知らずに跳ぶ 命あり 目先を追いて 無辺へと飛ぶ雲高し 木々のさざめく 清流に 泳ぐハヤ影 ひぐらしの鳴く…Paniyoroで「風の絵」を...

  • 青蛙

    染色の 劣らぬ色に 染められて 虹をすべ来る 雨いろのきみ 吹き下ろす 風の一揆と 雨の礫(つぶ) 過去を更新 押し寄せる川街路灯 外れて噎せぶ 青蛙 昼を逃れて 夜に隠れて… 「 2度と戻れない、あの夏のノスタルジー 」を 夏は二度と戻れないノスタルジーのようなものを 内にもっている。 夏はいつもアオハルの隣にいるだろう。...

  • 水羊羹

    和有田に 載せてこごる水 羊羹の 澄む渓流に 山女魚の泳ぐ振りやまぬ 雲の尾根から 土砂降りの 天の水だる ひっくり返して カーブミラー 道を見下ろし ここかしこ 耳傾けて 青空に澄む…Paniyoroで「green & cloud」を...

  • 光の矢

    つつましく 泳ぐ二匹の トンボかな 添いては離れ 影落とす庭夕立に 煙りし山へ 光の矢 思いの窓に アカネ届けてほむら立つ 地上の火事に 大わらわ 欲色悋気と 火種かかえて …[.que] で「drops」を...

  • 夏暦

    追いかけて 追いかけてなお 雲の下 逃げても逃げても われ網の中苦しいと 言えずに笑う 強がりも 溶けたアイスの 甘さに和む木漏れ日の まだらの路の 夏暦 梅花藻ゆらぎ ホタル棲むかも …Paniyoroで「 雨 」を...

  • アサガオ

    風鈴の 音色しぐれて 縁の夏 咲いたアサガオの 種も採らずに水鏡 面影映す アヤメかな 伏せる目に入る 誰ぞ浴衣か膨らんで いる海がまた 声を上げ 浜には子等の 笑顔(かお)はち切れて… akira kosemuraさんで「“小夏日和”からMain Theme」を...

  • カジカ沢

    半夏生 青葉を揺らし 初セミの 木魂も返る 鬨めく坂を待ち受ける 事も知らずに 無鉄砲 黒縁の中 はにかむ遠友(とも)は闇木立 ホタル参りの カジカ沢 月も隠れて 溺死人(しびと)出現れ…古川本舗さんで「ストーリーライター」を...

  • トビウオ

    憂いても 生きるも死ぬも 身のひとつ 陽に向かう芽の 曲がりても直アカネ空 想いに焼かれ 手を伸ばし 指の先から 遠くなる影そよぐ夏 大気の海に 鈴音かな ヒレで風切る トビウオのきみ…Akira Kosemuraさんで「 Light Dance 」を...

  • 風鈴

    風鈴の 音色涼しき 言の葉を 括りて縒りて 請い歌を詠み剣かな 驟雨断ち切る 稲光 神輿にすくむ 神送りの礼入道を 追って雲立つ 夕立に 茜に染まり ともに泣くきみ…ローレン・アキリーアで「you can be king again」を どこか懐かしいアニメ「蛍火の社」の中でギンと蛍と社が刹那の夏の日の記憶とぬくもりを伝えてくる。...

  • 怪しき月

    宵の街 枝垂れんばかりに 色っぽく かすみの酒に 足も千鳥てめくるめく 怪しき月が ビルの横 いつどこまでも 追いかけて来るスマホ手に 時の退屈 なぐさみて 臓腑引きずり 目と耳は踊り…DAOKO さんで『水星』を...

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