今日はアーリーリタイアのための節約術を新たに紹介する。5000円でスニーカーを買おうとした時、200メートル先の店で同じものが1000円安く、4000千円で売られているという情報を耳にしたら多くの人がそれなら安い方の店で買おうと考える。ではこれが200万円の車で、違う店ではそれが1000円安い、1999000千円で売られていたとしたら?おそらくほとんどの人は気にもとめないだろう。ものごとをシンプルにして理解しやすくするために...
「感応度逓減性」を知らないと、せっかくの節約が吹っ飛んじゃうよ
今日はアーリーリタイアのための節約術を新たに紹介する。5000円でスニーカーを買おうとした時、200メートル先の店で同じものが1000円安く、4000千円で売られているという情報を耳にしたら多くの人がそれなら安い方の店で買おうと考える。ではこれが200万円の車で、違う店ではそれが1000円安い、1999000千円で売られていたとしたら?おそらくほとんどの人は気にもとめないだろう。ものごとをシンプルにして理解しやすくするために...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。【人...
多くの研究によるとバカはかなり高い頻度で自己評価を一定レベルに維持するテクニックを駆使するという。。。
ジャン=フランソワ・マルミオン編「バカの研究」(亜紀書房)をとても楽しく読んだ。例えばこんなところ。“多くの研究によると、バカはかなり高い頻度で自己評価を一定レベルに維持するテクニックを駆使するという。<偽の合意効果>〔他人は自分と同じように考えるとみなす認知バイアス〕に関する研究結果によると、わたしたちは、自分と同じ悪習を持つ人間の数を誇張する傾向があるらしい。だから、バカに一時停止違反を指摘す...
このコスパの良さはある意味問題?―「お釈迦さま以外はみんなバカ」を読んで
なんともコスパのいい本をみつけたのでご紹介。高橋源一郎著「お釈迦さま以外はみんなバカ」(インターナショナル新書)。稀代の目利き高橋源一郎が、自分が面白いと思った本の面白いところを紹介していくという、どう考えても面白くしかなりようのない本だ。例えば「ドクター・オジーに訊け!」(シンコーミュージック・エンタテイメント)の紹介。リンクブラック・サバスのフロントマンで酒、クスリ、女遊びと三拍子そろったオジ...
自己実現のためにはアーリーリタイアが ”ほぼ必須” なのかもしれない
「自己実現」という言葉は、皆さんも聞き覚えがあると思う。自分探しをして、自分のやりたいことをみつけ、それを実現させるような意味に使われる。では「自我実現」はどうだろう? こちらの方は、あまり馴染みがないかもしれない。実はこれらの言葉は、スイスの心理学者ユングが最初につくったものだ。自己実現は、自分が通常考える自分(自我)を超えて、無意識の自分をも含めて自己と捉え、それを開花させること、つまり自分で...
今の若者は結婚するにも車を買うにも「年収600万円はないと」と考えているらしい。
今日はSMBCが定期的に行っている意識調査「20代の金銭感覚についての意識調査」について書く。file:///C:/Users/uchiyama/Downloads/d39964-17-fa2b37eb324805f5ed4391be5fbd6731%20(1).pdf「半数以上がが●●しようと思えるシリーズ」では、・ 20代の半数以上が結婚しようと思えるのは「年収600万円」・ 20代の半数以上が自家用車を購入しようと思えるのは「年収600万円」とのこと。結婚と自家用車が600万円と同額であった。ちなみ...
数年前、H会長という地元経済界の重鎮に講演を頼まれた時の話。会場はとあるホテルの宴会場。集まったのは地元の人間なら誰もが知る有名な企業の経営者ばかりだ。講演に先駆け、事情通の友人からは、「ロータリーやJCの活動では飽き足らない、選りすぐりの人材が集まるすごい会だよ」とか、「なんせ大物ばかりだから、値踏みされているような気分になるかも」と脅されていた。しかし自分がそのような理由で緊張することはないだろ...
最近、やや金遣いが荒い。自分でも理由はわかっている。インフレだ。去年の物価上昇率は3%。ただし、一般的な買い物の範疇にある商品群での上昇率はもっと高く、実感としてのインフレは数字以上らしい。僕自身はほとんど買い物をしないので、それを体感することはほとんどないのだが、貯蓄に目を向けて計算すれば目減りのほどがはっきりと見えてくる。銀行預金の金利は若干上がったとはいえ限りなくゼロに近いから、実質金利は大...
幸福の要素を箇条書きにしてみました!~“世界の学者が語る幸福”続き。
“世界の学者が語る幸福”(西村書店)について、続き。リンク今日は僕にとって個人的にいいなと思った知見を、箇条書きにして紹介する。()内は内山のコメント。・一方、悪い形の「中毒性の」幸福もある――アルコールと薬物、成功と地位への固執、くだらない娯楽、そして孤独な社会生活に浸るような幸福である。(気をつけよっ 笑)・結局のところ、私の幸福は私自身と私自身の考え方次第なのである。その他のことは全て、二の次な...
ほうら、やっぱりお金で幸せは買えないんじゃん! と再確認 ~ “世界の学者が語る幸福”
“世界の学者が語る幸福”(西村書店)の紹介。編者であるレオ・ボルマンスはポジティブ心理学において、彼が考える「最も著名な専門家100人」にコンタクトをとり、それぞれの研究を世界中の人々に向けてのメッセージとして1000語以内にまとめてほしいと依頼した。その結果、レオ・ボルマンスは50の異なる国々から原稿をうけとることに成功し、この本を取りまとめることになったというわけだ。僕は自著“幸せの確率~あなたにもできる...
“幸せを手に入れる方法が1つある。それは気持ちの持ち方を変えることだ” ~ デール・カーネギー
今日紹介するのは、デール・カーネギー(1888年 – 1955年)による名言。アメリカの作家で教師にして、自己啓発、セールス、スピーチおよび対人スキルに関する各種コースの開発者、と肩書満載のお方だ。現代風に訳すと、企業研修の講師・コンサルタントといったところか。自己啓発系作家のハシリと言ってもいいかもしれない。彼が残した名言は、これ。“世の中の人は誰でも幸せになりたいと思っている。それを手に入れる方法が1つあ...
岡本太郎 “ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに「歓喜」という言葉を使う。“
今日は、岡本太郎(1911年- 1996年)。「芸術は爆発だ!」の、あのお方である。幸せに関する言葉も、これと感じが似ている。“ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに「歓喜」という言葉を使う。“「しあわせ」という言葉は、確かに「歓喜」に比べたらニブく聞こえる。でも、もし「幸せがニブイ人間のもの」と考えるのなら、「歓喜を求める生き方は、スルドくはあるが不幸な人間をつ...
いつか人生を終える日がやってくるという事実から、僕らは目を逸らしてはならい
よく取り上げられる名言なので、知っている人も多いとは思うが・・・。アップルの創始者、故・スティーブ・ジョブズは毎朝、鏡に映る自分にこう問いかけたそうだ。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか?」と。そして「違う」という答えが何日も続くようなら、それは生き方を見直すサインだと捉えていた。僕自身、現役時代、医師としての仕事に誇りもやりがいも感じていたが、それでも年を追...
愛する人が殺害されたとき、僕らは犯人を憎まずにいられるだろうか?
今日紹介するのは今枝由郎著「ブッダが説いた幸せな生き方」。リンクとあるエピソードに感銘を受けたので記したい。p221~ブッダのメッセージを自らの行動で示したフランス人がいます。彼は仏教徒ではありませんが、いかなる宗教的観点から見ても、これが人としての崇高な行動であることは誰もが認めるものです。2015年11月13日にパリで起こったイスラム教過激派組織による同時多発テロで、妻を失ったアントワーヌ・レリスさんは...
今日は昨日の記事の続きで、サピエンス全史(河出書房新社)、下巻からの抜粋。農業革命で人類が農耕・牧畜の手法を習得したとき、周囲の環境を整える、集団としての能力は増大したが、多くの人間にとって、個人としての運命はより苛酷になった。農民は、種類の面でも栄養の面でも劣る食料でなんとか生き延びていくために、狩猟採集民以上に働かなければならなかったし、病気になったり、搾取されたりする危険も格別に増した。同じ...
昨日の記事の中で、サピエンス全史(河出書房新社)に触れた。ずいぶん前のベストセラーであり今さらという感じもするが、いまだ古びた感はまったくないので、一部を引用の上、自分の考えを述べたい。今回は、主に上巻からの抜粋。狩猟採集民は、地域ごと、季節ごとに大きく異なる暮らしをしていたが、後の農民や牧夫、肉体労働者、事務員よりも、全体として快適で実りの多い生活様式を享受していたようだ。狩猟採集民が未来を考慮...
豪・メルボルン大学の研究機関で、年齢が40歳以上である6000人以上の男女を対象にして、週に何時間働くと認識能力に影響が出るのかを測定したところ、男性にとって最適な労働時間は週25〜30 時間、女性の場合は週22〜27時間ということがわかったそうだ。これ以上になると認識能力の働きに悪影響を与える可能性があるとのこと。https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2737742そして、これは自著 “幸せの確率~あなた...
少し前にREITは買いの好機では? との記事を書いた。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1421.html以下は2月26日の大和アセットマネジメントによるレターから。(REITはこの後3月中旬に上昇するも下旬~4月上旬に下落したため、紹介されている数値はあまり変わっていない)。ポイントは、• J-REIT市場は2020年12月以来の水準まで下落• J-REITが保有する不動産の賃貸市況は良好。配当は成長続く• 高い利回りと資産価値からみ...
子供たちの春休みが終わった。一番上は大学2年生で上京しており、下に高校1年生、中学2年生の3人の息子がいる。リタイアした身なので一般の方々ほど月日の流れが早いわけではないが、それでも子供たちとべったり過ごせる時間はあと何年も残されていないわけで、1日1日は実に貴重。もちろんこの春休みもたっぷり遊ばせてもらった。家族全体として一番の思い出になったのは、長男の帰省に合わせて訪れたリゾートホテル。株式市場が順...
幸福のあり方は年とともに変わり、だんだんとお金がかからなくなる!(はず)
今日は幸福について、加齢の観点から述べてみる。年を重ねると共に、若い頃とは幸せの感覚が変わってきたと感じることはないだろうか? ペンシルバニア大学のビジネススクールであるウォートンスクールの研究で、若い頃は特別な経験からより大きな幸せを感じる傾向があるが、年をとるとともに、何ということもない普通の経験が幸せにつながるようになることがわかっている。そのような変化が起きる原因は、人生において、あとどの...
「もっと多くのお金があれば幸せなのに」とつい思うのは日本人の特性らしい
今回は資産額と幸福との関係について。今まで地位財による幸せは持続時間が短いことや、収入が幸福に直結しないことを紹介してきた。「お金で幸せが買えない」以上、一定以上の資産が幸福面では意味がないことは容易に推察できることと思う。さらに人は資産額が増えるほど、それを失いたくないという不安感が強くなっていく。そう、資産は常に、「失う恐怖」と表裏一体の関係にあるのだ。実際に多くの人が富を手に入れた途端、日々...
「死とは何か」という大問題には早めに(そして真摯に)向き合っておいたほうがいいかもよ
今日紹介するのはシェリー・ケーガン著「死とは何か―イェール大学で23年連続の人気講義(文響社)」。リンクまずはアマゾンでの書籍紹介。○死とは何か○人は、死ぬとどうなるのか○死への「正しい接し方」――本当に、恐れたり、絶望したりすべきものなのか○なぜ歳をとるごとに、「死への恐怖」は高まっていく...
収入増は幸せに直結しない!~僕が医師時代、激務の中で感じたこと
自著“幸せの確率―あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ”の著者紹介欄には、このように書かれている。“1968年生まれ。医学博士。2004年に独立し、自分のクリニックを立ち上げたところ、多くの患者さんを集め、「行列のできる診療所」として有名に。しかしその後、激務と重圧から、人生のあり方をみつめ直すようになり、幸福学、心理学、伝統仏教など学んだ結果、家族や友人とより多くの時間を過ごしながら、自己実現に腰を据...
現役時代に楽しみにしていた趣味を実際思う存分やってみると3日で飽きてしまうってホント?
千田琢哉著「超一流のマインドフルネス」(徳間書店)の紹介。リンク瞑想に興味があり、日課にしているため手に取ったのだが、残念ながら内容は僕が知りたかった分野ではなく、著者自身の哲学という趣だった。相当な自信家らしく、次から次へと上から目線で持論を展開してくる。「確かに」と思えるものから、「はなはだ疑問」と言わざるをえないものまで様々だったが、盛りだくさんの内容で楽しく読むことができた。そんな中、目に...
今後、日本では貧富の差が拡大する可能性大 ~ ぬるま湯時代の終焉を予想する
新年度ということで予測記事でも書いてみようと思い立ったのだが、明るい内容になる気がまったくしない。とはいえ僕なりの切り口で日本の近未来を予想してみる。まずは円安(昨日の記事でも触れているので、もし興味があれば)。短期的には米利下げ、日本利上げにより多少の円高局面もあるだろうが、中期的に円安トレンドは続く可能性が高い。これだけ円安になると通常輸出産業が盛り上がり、貿易収支が黒字化するのだが、日本の20...
個人投資家が個別株をショートするのは勧めないってよ! ~「わが投資術―市場は誰に微笑むか」その3
僕個人のREIT買い付け話に端を発した清原達郎著「わが投資術―市場は誰に微笑むか(講談社)」の紹介も今日で最終回。今日は清原氏から個人投資家への実に有意義なアドバイスをいくつか引用したい。リンクまずはショート(空売り)についてp255リーマンショックを経て、我々はようやく「ショートって何の意味があるの?」と気づきました。特に相場が暴落した時、ショートを維持するのはとても有害です。ここで多くの投資家は口をあ...
清原達郎はバフェット、山崎元同様インデックス推しであった! ~「わが投資術―市場は誰に微笑むか」その2
昨日予告したとおりベストセラー、清原達郎著「わが投資術―市場は誰に微笑むか(講談社)」から、REIT以外の箇所もご紹介したい。リンクp50 アクティブ・ファンドについて個人投資家が「今後のパフォーマンスが良くなるアクティブ運用のマネージャーを見つけ出す」のは「TOPIXの成績を上回る大型株を見つけ出す」のと同じぐらい難しいことだと思います。従って私の結論は「個人投資家が日本の大型株に分散投資をしたいなら...
底値付近で買おうと思ったら落ちてくるナイフ(REIT)はつかまなきゃ。~「わが投資術―市場は誰に微笑むか」より
一昨日から2回にわたって僕が強気でREITを買い付けた経緯について記し、さらに「大きく背中を押してくれた本」があると書いた。その本とはベストセラー、清原達郎著「わが投資術―市場は誰に微笑むか(講談社)」。リンクまずはアマゾンの紹介欄から。■話題沸騰 連続重版たちまち15万部突破!個人資産800億円超。長者番付1位となった伝説のサラリーマン投資家・清原達郎。咽頭がんで声帯を失い、引退を決めたいま、全人生で得た株式...
ただでさえ割安なREITが需給で下押し。これはもう買わない手はないね。
REITについての続き。前回は、そもそもREITを投資対象として考えていなかったこと、しかし投資口座内のキャッシュ比率が高すぎ、安全運転のつもりが逆にインフレに対し脆弱な内容になってしまっていたため、半ば消去法でREITに注目することになったという経緯を説明した。僕の目に入ったのは、大和アセットマネジメントによるレターだ。ポイントは、• J-REIT市場は2020年12月以来の水準まで下落• J-REITが保有する不動産の賃貸市況...
自著「幸せの確率―あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」でREIT(不動産投資信託)についてこのように書いている。最後に私が株式以外の資産運用方法を評価しない理由について簡単に触れておきます。不動産投資はインフレに強く、ある程度の利回りが見込めるため、運用手段として大いに魅力的ではありますが、割安な物件を選ぶにはかなりの選択眼が必要ですし、海千山千の業界ですからおいしい物件はなかなか自分のところ...
プレジデントオンラインの記事「ジョブズもザッカーバーグも! イマドキ富裕層たちが毎日同じシャツを着る理由」。少し前のものだがなかなかおもしろい。以下、2か所を引用。昨今の若い富裕層の多くはファッションにはあまり興味がないし、重きを置きません。普段の服装は、どこでも手に入るカジュアルスタイルで、見た目は一般人と区別がつかないほどです。特に男性の場合、ユニクロが大好きです。飲み会などでも「ほぼユニクロで...
早死してでもワンランク上の収入や地位を求めたい? 江戸時代に長寿だった職業とは……
久々に妹尾河童著「少年H」を読み返した。太平洋戦争を当時少年だったHくんの目を通して描いた自伝的少年で、子供たちに読め読めと勧めていたのだが、誰も手を取らず置きっぱなしになっていたので自分が手に取ったら、やはり無茶苦茶おもしろい。皆さんにも読んでほしいし、特に中学生くらいのお子さんがいるようなぜひ勧めて頂きたい名作だ。リンク今日の記事は本編ではなく、井上ひさししによる後書きから引用したい。古代ギリシ...
アーリーリタイアをすると子供に悪い影響があるのでは? というコメントをいただいた。 ……考えたこともなかった。
以前こんなコメントを頂いたことがある。Title 働かないオヤジが一日中家にいるということ思春期の子供から見ると、帰宅後毎日オヤジが家に居るというのは、かなりのストレスではないでしょうか。しかも、オヤジの悠々自適な過ごし方を見ているのだから、時間管理の大切さなど学習出来るはずがありません。アーリーリタイアのメリットは色々あると思いますが、一緒に暮らす子供に与える悪影響もかなりあるのではないでしょうか。そ...
眠れない夜、どうしてますか? 元医師である僕のお勧めは、ずばりヨガです!
不眠症の対処法は、「眠れないことを気にしない」の一言につきる、という文を読んだ記憶がある。言いたいことはわからないでもないが、そんな無茶な、というのが最初の感想だった。次の日も忙しいことを考えればしっかり睡眠をとっておきたいから、寝つけなかったり夜中に目が覚めてしまえばどうしても気持ちがあせってしまう。僕の場合、酒を嗜むのもあって寝つきはいいのだが、夜中に目が覚めてしまうことがある。もう一度眠れそ...
欧米式の相手を全肯定するような返答って、やっぱりどこか違うよな
今日紹介するのは2010年発行の小池龍之介著「考えない練習(小学館)」。言わずと知れたベストセラーなので紹介するのに今更感もあるが、僕自身はこの本を年に1回くらい読み返していて、そのたびに新しい気づきがある。本の内容については、アマゾンの紹介欄より。「イライラ」「不安」は、練習で直せる。考えすぎて、悩みがつきない私たちに必要なものは、もっと「五感」を大切にする生活。それは決して難しいことではなく、ちょ...
50歳でアーリーリタイアする方法は、手取り収入の22%を運用に回すこと。
今日はずばり、50歳でアーリーリタイアするための具体的な方法を紹介したい。人は20歳から働き始め、100歳で死ぬと仮定する。運用は世界株分散投資で行い、インフレ率+年利5パーセントを複利で得られるものと期待(歴史的には大体このくらいとされている)。貯めた端からどんどん運用を開始し、リタイア後の資産の取り崩しも運用を続けながら行う。昇給、インフレ、退職金、運用益に対する税金、さらに教育資金や住宅購入などのラ...
僕は合格発表なるものを見に行ったことが人生で一度もない。遡ること40年前。高校受験の結果は午後1時から高校正面玄関で発表だったと記憶しているが、僕は郊外に住んでいたので自転車で飛ばしても片道30分くらいかかった。発表を見てすぐ帰るとなると往復で1時間自転車をこぐことになり、それはちょっときついなあ、と思っていたところ(自家用車で来ないよう通知でもあったのだろうか、親に車で送ってもらうという発想はなかった...
地位財と非地位財。これがわかるとアーリーリタイアしたくなる!?
今回は経済学者、ロバート・フランクによって提唱された、「人間のもっているものを地位財・非地位財の2つに分けて考える」というやり方を紹介する。地位財とは「周りとの比較により満足を得るもの」と定義され、資産や社会的地位の他に、家、車、高級な服といった所有物を指す。それに対し、非地位財は「他人との比較とは関係なく幸せが得られるもの」のことで、健康、自主性、自由、愛情などを意味し、物質的なものは含まない。...
「結婚はするべきか?」と相談されるとき、僕が話す3つのこと ~ 幸福学と37パーセント理論
平成以降、生涯未婚率はかなりの勢いで上昇してきている。価値観が多様化するのと同時に便利な世の中になり、ひとり身でも不自由を感じなくなったことが大きいのだと思う。結婚しない人が増えれば、そのことによる肩身の狭さもさらに減少する。となるとこの傾向は令和を通じて続くのでは? という気がしている。若い人から結婚するべきかどうか相談をうけることがある。そういうとき、僕が話すポイントは3つ。最初のふたつは、統...
アーリーリタイア達成のためにはある程度の節制も必要だ。今日は家計の中で一番支出が多いとされている食費に切り込みたい。とはいえ「スーパーでいかに安く買うか」というようなノウハウはネット上にいくらでも記事があるので、ここでは書かない。僕からの提言は、「食事って本当に1日3回もいる?」というものだ。僕が大好きな作家、故・中島らもの話。彼がまだ若くて貧乏だったころ、少し離れたところにある役所のランチが安いこ...
やっぱり大切なのはお金より対人関係、と納得させられる数々のデータを紹介
「幸福の測定―ウェルビーイングを理解する」の今日が最終回。今日は「幸福と人とのつながり」について紹介したい。p85~(略しながら引用)人とのつながりについて、幸福研究では家族、友人、隣人、そして同僚とのつながりが幸福度に対してプラスの影響を及ぼすことが指摘されてきています。興味深いことに、所得とのつながりを幸福度の観点で比較する際に、それを金銭価値で表現した研究があります。たとえばイギリスでの研究で...
収入も資産も一定水準で幸福度は頭打ちになるのに、人生の評価は上がり続けるって矛盾だよね
幸福とお金の関係をアップデート。昨日から「幸福の測定―ウェルビーイングを理解する」を紹介している。リンクまずは日本人にとってのお金と幸福度。お金と幸福度の関係については、海外でのデータを見せられてもピンとこないことがあるので、実際に日本で行われたデータというのはありがたい。まずは保有資産。額が増えるほど幸福度が上がる傾向はあるが、1億円から1億5000万円あたりで頭打ちで、1億5000万円以上だと少し下がって...
モノ消費による幸福を持続させるには、愛情を注ぐ対象にし続けること
幸福とお金の関係をアップデート。「幸福の測定―ウェルビーイングを理解する」のご紹介。リンクまずは6pから一部を略した上で引用。幸福を高めるためには結局、何が重要なのでしょうか。ノーベル経済学賞を受賞している心理学者ダニエル・カーネルマンは彼の研究を振り返るインタビューで「幸福を高めるために我々は何ができるのか」という質問に対して回答しています。そこで彼は3つの要素を挙げています。1つ目は「時間の使い方...
お金はいずれどうでもよくなり、時間や交流が大切になってくる~「本当の大人」になるための心理学
今日は「本当の大人」になるための心理学 心理療法家が説く心の成熟 (集英社新書)の紹介。著者は諸富祥疲彦さんという心理療法家。1963年生まれだから、僕より5歳年上ということになる。リンク共感するところが多いなと思いながら読み進めたのだが、それもそのはず、ユングやマズローからの引用が多い。僕の考え方もそれらの偉人たちから大きな影響をうけているので、この本の著者と似た思想になって当然ということになる。以下はA...
リタイアしたと周囲に告げると、わりとよくうけるのが「一日家にいると、奥さんが嫌がらない?」という質問だ。妻の方も同様に「ご主人がずっといると大変でしょう」と同情されることが多いそうなので、男女を問わず、「夫婦は適度に距離を置いた方が、妻にとっては快適なはず」と思っている人が多いことがうかがえる。確かに一日の大半を別々に過ごす生活を続けた後、急に一日中一緒にいることになれば、いくら惚れ合って結婚した...
毎年春休みにグアムに行っていたから、この季節になると体がウズウズしてくる
ああ、リゾートに行きたいよう!ということでまずは6年前の旧ブログ記事をプレイバック。***************************************【海、プールでとことん遊ぼう! もちろん昼からビール! でも食費はとことんケチるよ!】家族でグアムに行ってきた。子供たちの春休みを利用するのは、消去法による。冬休みは子供たちが所属している海洋クラブのスキー合宿があるし、第一、年末年始にか...
自分のために物を買えない僕が、最後にした晴れがましい買い物と言えば……
僕の貧乏性な性格と関連して、先日読み返した山口瞳のエッセイが興味深かったので引用する。山口瞳「男性自身」傑作選(新潮文庫)から。昭和60年頃に書かれたものだ。1600円のグローブは、おそらく中級品だろう。それでも私は非常に贅沢な買い物をしたように思った。ちょっと晴れがましいような気持ちになった。店から外へ出て、戦後になって初めて自分のグローブを買ったことに気づいた。(中略)自分の稼いだ金で自分のグローブ...
肌色という色名は自文化中心主義であり、それがすべての肌の色を表現しているという思い違いにつながる……だろうか?
昨日の記事では「バンドエイド」が色の異なる5種類の絆創膏を公表した事例から、肌色論争について書いた。その後、そういえば随分前に、肌色に関するエッセイを読んだことがあったなと思い出した。本棚を探したら、あった。高島俊男著「お言葉ですが・・・」(文春文庫)の60ページ。1995年と記されているから、今からちょうど四半世紀前に書かれたことになる。当時、肌色の名称は人種差別につながらないかという疑問の声が教育現...
肌色論争について考える。肌色という名称は改めるべきだろうか?
肌色論争について興味がある人はどのくらいいるだろうか? 論争の存在すら知らない人も多いかもしれない。まずは少し古い記事だが、読売新聞オンラインニュースより抜粋。“米ジョンソン・エンド・ジョンソンのブランド「バンドエイド」は10日、色が異なる5種類のばんそうこうをオンライン上で公表した。黒人死亡事件で人種差別への非難が高まる中、様々な人種の肌の色に合う商品を提供し、人種問題に積極的に対応する姿勢を示...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。**...
アーリーリタイアして8年がたった。変わったことは、もちろん山ほどある。本を出し、講演をし、ヨガ・瞑想を試し、図書館に通い……。ただ今日はそういうことではなく、日常のちょっとした変化について書いてみたい。まず飲みに出る回数が減った。どうにもその気にならないのだ。おそらく、はけ口を求めるようなストレスがないからだと思う。聞いてもらいたい愚痴もない。日課にしている夕方のジョギング後に風呂に入ると、もうイケ...
アーリーリタイア達成に必要なのは「自らの欲望」に目を向けること。
この記事を読んでいる人の中には、「もう少しのんびり生きたいとは思うけど、アーリーリタイアというのも極端な選択だなあ」と感じている人も多いだろう。僕がこのような「普通ではない」道を選んだのは、数々の知見に背を押されてのことで、そのひとつが仏教。僕が好きな伝統仏教は宗教とはされているものの、むしろ哲学的な側面が強いから、宗教嫌いの人も身構えずに読んでほしい。仏教ではずばり「人生は苦である」と説いている...
FIREに関しては相変わらず的外れな論評が目につくなあ―メタ思考のご紹介3
今日は澤円著「メタ思考―『頭のいい人』の思考法を身につける(大和書房)」のご紹介、最終回。リンクFIREについての言及があったので紹介する。p90~少し前に、若い人を中心にアーリーリタイアメント、いわゆる「FIRE(Financial Independent, Retire Early)」が話題になり、そのときブロガーのちきりんさんが、音声プラットフォームの「Viocy」で配信されていました。彼女が聞いたところによると、アーリーリタイアメントをした...
仕事をしている自分を自分の人生とイコールにする必要はない!―メタ思考のご紹介2
昨日に引き続き、澤円著「メタ思考―『頭のいい人』の思考法を身につける(大和書房)」のご紹介。リンク今日はこの本の「序章」から気に入った文章を、それぞれ短く紹介したい。p16ひとつの会社の中でポジションや評価にこだわることは、人生にとって極めて小さい話だと思います。p17あるひとつのルールの中で勝ったからといって、それがそのまま人生の勝利につながるわけではない。この自明のことが、こと会社や仕事となると、...
澤円著「メタ思考―『頭のいい人』の思考法を身につける(大和書房)」のご紹介。リンク僕自身は今後何かビジネスを始める予定もなく、FIREし半ば世捨て人のような日々を送っているので、何もいまさらこの手の本を読む必要もなさそうなものだが、なんとなく気になって手に取ってみた。まずは「まえがき」から。p2会社では「若手」の立場でも、広い社会から見たら自分で判断して行動する一人前の経験を有していることもあります。会...
キリストは親切な変わり者!?~「この世に宗教は存在しない」より
白鳥春彦著、「この世に「宗教」は存在しない (ベスト新書)」を紹介する。リンクちなみに僕は伝統仏教のファンだ。仏教はそもそも釈尊が瞑想の上たどりついた哲学で、それが中国経由で伝わるとともに宗教としての色合いを強めていったという経緯がある。だから日本で一般的な大乗仏教は「宗教」と呼んで差し支えないものとは思うが、伝統仏教(昔は小乗仏教と呼ばれた)については宗教と呼ぶべきか議論のあるところで、ここまでは...
能動的趣味こそ幸せに繋がるであれば、アーリーリタイアは圧倒的に有利ということになる
以前、より多くの幸福を感じるためには、増やすのではなく今現在「ゼロ」のことを始めたり、新たに獲得したりすることが大切だと書いた。今回はどのような活動や趣味が喜びに繋がりやすいのかについて、データを元に書いてみたい。幸福学における研究により、能動的な趣味の方が受動的なものよりも幸福度を上げることがわかっている。例えばテレビを見る、映画を見る、買い物をするといった娯楽は受動的趣味にあたり、あまり幸福度...
古代ローマの哲人、セネカもアーリーリタイアを勧めていたとは!
今日紹介するのは前田速夫著「老年の読書(新潮選書)」。リンク1995年から2003年まで文芸誌「新潮」編集長を務めた前田速夫氏が、老いについての良書を厳選して紹介するという一冊。個人的には、ローマの哲人セネカの言葉に感銘を受けたので、抜粋して引用したい。われわれの享ける生が短いのではなく、われわれ自身が生を短くするのであり、われわれは生に欠乏しているのではなく、生を蕩尽する、それが真相なのだ。多くの人間が...
投資においてリスク・リターン率を上げる一番簡単な方法は徹底した分散だ
アーリーリタイアを果たすためには、ある程度のお金が必要なのは間違いがない。まずは自著 “幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” で勧めている投資法について触れる。一言でいえば、現代ポートフォリオ理論にもとづいた世界株分散投資だ。「そんなの常識だろう?」という人は、ごめんなさい。でもこの本を書いた7年前には今ほど知られてはいなかったのだ(もちろんオルカンなんて略語もなかった)。とりあ...
昨日の記事で「ラウド・バジェティング(loud budgeting)」について書いた。まだ正式といえる日本語での呼称はなく、「うるさい節約」、「節約アピール」あるいはちょっとお堅く「声高な予算管理」などと訳されているようだ。ついでというのもなんだが、今日は自著「幸せの確率―あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ」から、僕が実践し、かつお勧めしている節約術の一例を紹介したい。ブランドの服を着ることによって、他...
今年の流行! ラウド・バジェティング(loud budgeting)って知ってますか?
まずは記事を紹介。2024年、新たなトレンドが動き始めている。「loud budgeting」だ。すでにTikTokにおいて、「#loudbudgeting」は1000万回以上の再生回数を記録しており、今後も急速に広まっていくことが予想される。なんでも、「自分の貯蓄目標を周りに共有し、お金の節約について声を上げる」ことを促していく考え方なのだそう。どうやら今年は浪費の衝動を真っ向から否定し、冷静なお金の使い方がはじまる年になるかもしれない...
【我が家お薦めのお手軽料理本】 ベスト3 ~ おいしくて簡単な本を厳選しました!
当ブログで紹介している料理がおいしそうだとお褒めの言葉をいただくことが多い。レシピを紹介してほしいとの声もある。しかしほとんどの人は見当がついていると思うが、作っているのは僕ではなく妻だ。僕も学生時代にはレストランやバーの厨房でバイトをしたので、多少は料理の心得もあるのだが、結婚してからは完全に遠ざかっている。そこでできる範囲でリクエストにお答えしようと、妻にお薦めの料理本を訊いてみた。以下、ラン...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。**...
山崎元氏による名著を批判⁉ ~ 世界株分散投資における日本株比率について考えてみる
自著、”幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” はamazonでも販売されていて、今までに多くのカスタマーレビューをいただいている。中で一番「役に立った」の票数が多いのは、DOG_EYEさんという方によるものだ。リンクその一部を抜粋させていただく。“人生の残り時間を意識し、その残り時間でなにをやりたいのか?それを自覚することの大切さを、この著書は教えてくれます。そして、著者の辿ったアーリーリタ...
「もっと日本株をもっておけばよかった!」と後悔している人はいませんか?
年初から日本株、特に日経平均株価の上昇が著しい。新NISAの影響かと思いきや、実は日本人の投資先はオールカントリーやS&Pが中心で、日本株は売り越し。買っているのは主に外国人らしい。オールカントリーだとアメリカ株が63%で日本株は6%に過ぎない。アメリカ株も上がってはいるのだが、円安分の上乗せを含めても日本株ほどの勢いはないので、「こんなことなら日経平均連動型投資信託も買っておけばよかった!」と後悔してい...
“幸せの確率 ~ あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” について解説する
今日は自著 ”幸せの確率” について解説する。一言でいえば、「アーリーリタイアについて」の本であり、僕の知る限りでは、日本で最初に出版されたアーリーリタイア本だ。「アーリーリタイアなんて、一部の金持ちか成功者に限った話だろう?」と思う人もいるかもしれないが、断じて違う。「あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ」というサブタイトルを入れたのは、その点を強調するため。この本ではアーリーリタイアするた...
株で損するなんてありえない! ~株式で「確実」に利益を出す方法について持説を述べる
僕はリタイアした医師だ。専業トレーダーでもなければ、経済学者でもない。だから、その程度の話として聞いてほしい。多くの人が株で損失を出すという。残念に感じるのと同時に、実は不思議にも思っている。ほんの少しの知識さえあれば、株で損などするわけがないと僕は考えているからだ。特にアーリーリタイアした人やその希望者には、堅実な投資が求められるはずだから、素人考えなのは百も承知の上で自分の考えを書いてみる。ま...
いやはや痛烈! 無明とは生存本能のことであったか! ~「ごまかさない仏教(新潮社)」
昨日のテーマ、「悟り」に関連してもうひと記事佐々木閑、宮崎哲弥両氏による著書 「ごまかさない仏教(新潮社)」を紹介する。リンクまずは宮崎氏による「はじめに」から、少し長めに引用する。ユヴァル・ノア・ハラリによる世界的ベストセラー『サピエンス全史』には、仏教に関する興味深い記述がみえる。「心はたとえ何を経験しようとも、渇愛をもってそれに応じ、渇愛はつねに不満を伴うというのがゴータマの悟りだった。心は...
いわゆる「悟りの境地」に興味のある人は多いと思う(多くないよ、というご批判には耳を傾けず淡々と続ける)。従来からそれには瞑想が重要と考えられてきた。瞑想が脳のどの部位に、どのような影響を及ぼすかは、様々な研究によって解明されつつあり、一番顕著なのは、前頭葉(論理的思考、計画、感情および自意識の機能をうけもち、人間を人間たらしめている部分)の機能が一時的に低下すること。さらに神経解剖学者ジョン・ボル...
格差が広がると中間所得層がレジャーにお金を回せなくなる理由~幸せとお金の経済学3
ロバート・H・フランク著、「幸せとお金の経済学」(フォレスト出版)から。今回が最終回。リンク前回書いたように経済格差が広がると、人が非地位財にお金を回しにくくなるという。なぜか?まず富裕層がより豊かになり、より豪華な家を建てるようになる。そうするとそれより少し下の層は、それに近い家を建てるようになる。より大きな邸宅が近くにあれば、「さほど仰々しいと感じない家の大きさ」の基準が変わる人がでてくるとい...
人は他人より広い家に住みたがるが他人より長い休暇を欲するわけではない~幸せとお金の経済学2
ロバート・H・フランク著、「幸せとお金の経済学」(フォレスト出版)の続き。リンク前回のおさらいで、「地位財」と「非地位財」について説明する。地位財は「主に周囲との比較により満足を得るもの」で、資産、家、車、社会的地位などが該当する。非地位財は、「他人との比較とは関係なく幸せが得られるもの」で、具体的には健康、自主性、社会への帰属意識、良質な環境、自由、愛情など、個人の安心・安全な生活のために重要と...
ピアジェの時計で悦に入っていたら、ドゥ・グリソゴノでマウンティングされる!(笑) ~ 幸せとお金の経済学1
ロバート・H・フランク著、「幸せとお金の経済学」(フォレスト出版)の紹介。リンク内容を解説する前に、まずは「地位財」と「非地位財」について知ってもらう必要がある。地位財は「主に周囲との比較により満足を得るもの」で、資産、家、車、社会的地位などが該当する。非地位財は、「他人との比較とは関係なく幸せが得られるもの」で、具体的には健康、自主性、社会への帰属意識、良質な環境、自由、愛情など、個人の安心・安...
金森氏の(昔の)エッセイから、幸せな生き方を再チェックしてみよう
金森重樹という人がいる。行政書士・不動産投資顧問で東大法学部卒。25歳の時に1億2000万円の借金を負うが、マーケティングの技術を活用して35歳で借金を完済。その後、行政書士として脱サラし、不動産、建設、ホテルチェーン、医療法人、福祉事業などグループ年商100億円の企業グループのオーナーとなる、という派手な経歴の持ち主だ。PRESIDENT Online に連載をもっており、最近はダイエットに関する記事が多いのだが、以前はお...
【画像あり】 松本人志さんの「遺書」には「『無理やりやられた』では笑いの邪魔になる。記者会見する気になった」と記されていた!
年末に「週刊文春」がお笑いコンビ「ダウンタウン」松本人志(敬称略)についての「性的行為強要疑惑」を報じ、マスコミは大変な騒ぎになっている。記事で女性は、下のように語っている(原文ママ)。「私は『ホント、すみません、すみません』と必死に拒否しながらも『一度射精させれば襲われなくなるかもしれない』と防御策を考えました。何度も抵抗した後、右手だけで応えるようにしていたんですけど、しゃがみ込んだ途端に口に...
ヘミングウェイ “善とは何か。後味の良いことだ。悪とは何か。後味の悪いことだ。“
今日はアメリカの小説家、ヘミングウェイ(1899年 - 1961年)の名言を紹介する。“善とは何か。後味(あとあじ)の良いことだ。悪とは何か。後味の悪いことだ。“善悪と言われると、そもそもその言葉をどう定義するかによって大きく判断が異なるため、是非を分析するのは難しいが、これを幸福の観点から考えれば、後味は非常に重要であることがわかっている。行動経済学者、ダニエル・カーネルマンは学生を被検者にして次のような実験...
アーリーリタイアして今月でちょうど8年。最近は日々、のんびりと過ごしている。のんびりはずっとだろ、と思われるかもしれないが、意外にそうでもなかった。アーリーリタイア直後は出版の夢を果たすべく、執筆のかたわら原稿の売り込みにも奔走した。それに後輩医師に継いでもらった医院での診察。どうしても僕に診てほしいという奇特な患者さんもいたため、毎週、水曜日の午前中だけ診察を続けた。それを辞めたのが一昨年の11月...
宝くじなんてまず当たらないし、当たっても悲惨な末路が待っているだけ! ~ 「1億円当たった人の末路」を読んで 後編
前回に続いて、鈴木信行著「宝くじで1億円当たった人の末路」(日経BP社)の紹介。表題になったテーマについては、マネーフォーワード取締役の瀧俊雄氏にインタビューしている。結論から言うと、「しっかりとした準備をしないかぎり、宝くじなんかに当たると、一家離散、貧困化、人生の目的喪失など、ろくなことにはならない」のだそうだ。リンク普通に考えればバラ色に思える宝くじ当選が、なぜそのような悲劇をもたらすかという...
人と群れることで得られる幸福感は幻想なのか⁉ ~「宝くじで1億円当たった人の末路」を読んで 前編
幸福学の研究では、地域コミュニティとの密接な関わりは大きく幸福度に貢献するとされている一方で、仏教では下手な関わりをもつくらいなら、ひとりで気高く生きろと説いており、相反する。では、僕らは人との繋がりがもつ重要性をどのようにとらえたらいいだろうか? と前回書いた。そこで参照したい本が、鈴木信行著「宝くじで1億円当たった人の末路」(日経BP社)だ。リンクこの本では表題の宝くじをはじめ、「子供を作らなか...
アーリーリタイア後の人とのつながりは重要? それとも不要?~「頭の決まりの壊し方」を読んで 後編
前回に引き続き、小池龍之介著「頭の決まりの壊し方」について。リンクこの本ではさまざまな「常識」が本当かどうかを、仏道の観点から検証している。たとえば、「説明すれば誤解は解けるのか?」という命題について。“p21~この心は「好きになりたい」「嫌いになりたい」というフィルターによって、世界をありのままには見ずに誤解し続けることを原動力にしていると申しても過言ではないのですから。誤解を正すことは、その意味...
心が平穏になると、いわゆる「娯楽」があまり必要でなくなるらしい~「頭の決まりの壊し方」を読んで 前編
アーリーリタイアしてから8年たつが、もともと希薄だった欲望がさらに弱まっているようで、戸惑うことがある。そんな中、久々に手に取った本に、興味深い内容が記されていた。「頭の決まりの壊し方」小池龍之介著。リンク僧侶である小池氏によると、瞑想修行が続くとそのようになるものだとのこと。該当する部分を引用する。“p197~心が平穏になり、我が身1つで幸福感を感じられるようになってくるに従って、「何かが足りない」と...
考えてもわからないが実は体は知っているという話~「認知バイアスー心に潜むふしぎな働き」を読んで
今日紹介するのは「認知バイアスー心に潜むふしぎな働き」(講談社)。タイトル通り「認知バイアス」についての本。様々な実験についての引用が大半でさほどオリジナリティはないのだが、有名な知見がぎゅっとつまっているので、普段これらのデータに接する機会がない人にはお勧めだ。個人的に好きな個所を紹介する。p147~目の前に円柱の形のグラスが2つある。2つは高さは同じだが、幅(直径)が異なり、AのグラスがBのグラ...
一昨日、金融所得の税率(株取引などで得られる利益)が20%から30%に引き上げられた場合、僕のような「インデックス投資でFIRE」派がどの程度の痛手をこうむるかについて計算した。結論は、「同レベルの生活を続けるなら、毎年14%多く売却、換金しなければならない。そのレベルの資産減少額が許容できない場合には生活費を12.5%下げるしかない」という、はなはだシビアなものになった。これに対する防衛策のひとつとして、昨日...
アーリーリタイアにはのり代が必要。年金を勘定に入れるのはやめよう!
昨日、金融所得の税率(株取引などで得られる利益)が20%から30%に引き上げられた場合、僕のような「インデックス投資でFIRE」派がどの程度の痛手をこうむるかについて計算した。結論は「同レベルの生活を続けるなら、毎年14%多く売却、換金しなければならない。そのレベルの資産減少額が許容できない場合には生活費を12.5%下げるしかない」という、はなはだシビアなものになった。これに対処するにはどうしたらいいのか?自著...
金融所得の税率を30%に引き上げた場合、投資家はどの程度の痛手をこうむるのか?
近年、国家財政への危機感からか、金融所得課税の引き上げが時折話題に上る。SNSのいわゆる「株クラ」からの意見は当然批判的なものが多く、「投資するインセンティブを失う人が多いのでは」「庶民が逆転するチャンスを奪わないで」といったコメントが中心だ。金融所得課税が引き上げられた場合、投資家はどのていどの負担を強いられるのか、試しに電卓を叩いてみた。株で1000万円の税引後利益を達成したいとする。その場合、どの...
以前友人たちと酒席で、日本のロック/ポップ史に大きな影響を与えたミュージシャンを3人上げるとしたら、誰になるだろうという話で盛り上がった。桑田圭介は間違いなく入るだろう。松任谷由美も固い。しかしもうひとりというところで、大きく意見が分かれた。僕としては、フォークからもひとりということで井上陽水を挙げたのだが、山下達郎、矢沢永吉、坂本龍一など、さまざまな名前がでた。皆が同意できる3人目というのは、なか...
自著はあくまでも「実践書」なので、知識を得ようという向き合い方だと効果は減ります……
自著”4週間で幸せになる方法 Twenty-eight tips to create joyful life”について、読者の方からの感想が今でも時折届く。概ね好意的なものが多く、安心している。しかしそんな中にも、2種類の読者がいることに気づいた。1つめは本書のインストラクション通りに、まるで修行僧のように進めている人。本書は1日に1つ、5分程度で読める分量の文章を読んで、そこに気をつけながら1日を過ごすというやり方を前提にして書いた。そうす...
幸福感には収入より自己決定度が重要であり学歴は幸福感につながりにくい……らしい。
少し古いものだが、現代ビジネスで西村和雄・神戸大学特命教授と八木匡・同志社大学教授が自らの研究結果を記事にしている。https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58124重要なポイントは、以下の3つ。・自己決定度、年収ともに幸福感と相関するが、自己決定度の方が影響は大きい・年収は確かに幸福度と相関するが、年収の増加率ほどは幸福感は増加せず、1100万円以上になると幸福度の上昇をもたらさなくなる・学歴は幸福度に有意...
寛大さは人のためならず!? アート・マークマンら著 「この脳の謎、説明してください!」 を読んで
今回紹介するのはアート・マークマン、ボブ・デュークという2人の心理学者によって書かれた、「この脳の謎、説明してください!(青土社)」。リンク自著「4週間で幸せになる方法」では、「寛大であることは心身の健康によく、落ち込みのリスクやストレスを減らし、人間関係を強める作用があるとされている」と紹介している。一方、「この脳の謎、説明してください!」のほうでは、違う角度から寛大である意義を説明していて、興...
お金があれば幸せになれるのか? というテーマを古今東西の哲学を通じて読み解いていく
今回紹介するのはフレデリック・ルノワール著「お金があれば幸せになれるのか ―幸せな人生を送りたい人への21章(柏書房)」。古今東西の哲学者たちの思想から、幸せとは何かと読み解いていく。リンク最後のほうから引用。p261“私なりに幸福を定義するとしたら、「人生を愛せること」という一言で表せるだろう。その意味は、自分が今ここで送っている人生、喜びが得られる安定した人生に限らず、不確かさも含めた、人生そのものを...
サラリーマンの小遣いは40年前に比べてほぼ3分の2になっているようだ
池波正太郎著『男の作法(新潮文庫)』に、編集者たちとのこんな会話があった。リンクp135“ここだけの話だけど、きみたちの小遣い、月にいくら?(だいたい4、5万・・・というところです・・・)それじゃ大変でしょう。(もう、大変なんです・・・)“たったこれだけの会話だが、読んでいて思わずのけぞった。この本の出版が1984年だから、会話が交わされたのはその1~2年前のはずだ。今から40年も前の話であり、まだバブル景気に...
手紙とは文字のならんだ紙でも、文章の羅列でもない。誰かのために発するこころの「声」だ。
新聞などに掲載される人生相談。昨日はひどい例を紹介したが、すばらしい回答もたくさんある。今日は今まで読んだ中で、ピカイチのものを紹介する。この回答には本当にシビレた。「人生相談」を読んでシビレルなど、なかなかできる体験ではないので、ぜひ皆さんと共有したい。30代の女性会社員。実家の掃除をしていたら、1通の手紙を発見。10年以上前に他界した、当時84歳の祖父からの手紙でした。小学校の頃に母親が死に、幼い弟...
人生相談の回答者さん。安易な回答をしていると、相談者の人生を破壊するよ!
紙の新聞をとる人が減っていると聞く。1か月で4,000円くらいかかるし、紙ごみの処理も面倒。おまけに今はネットで大体の情報は仕入れられるし、その方が早い。僕も以前は数紙とっていたのが現在は一紙のみ。しかしこれまで止めることは考えていない。朝、子供たちが朝食をとる傍らで、カプチーノを飲みながら紙面をめくるのは大好きな時間で、これがネット記事を見ながらとなると僕としてはしっくりこない。そしてアーリーリタイア...
なぜワークライフバランスを整えるだけではなく、アーリーリタイアが必要だったのか? う~ん、いい質問です!(笑)
今日も雑誌取材の話の続き。取材の中で記者から、「アーリーリタイアという、考えようによっては極端な選択肢を取るのではなく、働く時間を減らしてワークライフバランスを整えようとは思わなかったのか?」との質問をうけた。いい質問だと思う。実はそのことについては、かなり考えた。僕は開業医だったら、開院時間を自分で決めることができる。だから、たとえば労働時間を半分にし、週5回、午前中だけ診察し、午後は休みという...
欧米ではアーリーリタイアが急増中! いわゆる「FIREムーブメント」を再度紹介してみる。
昨日、以前うけた取材について書いた。勉強熱心な記者さんで、FIREムーブメントについてもコメントを求められたのだが、僕はこれについては詳しくないし影響も受けていない。というのも僕がアーリーリタイアし「幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ」を上梓したのはこのムーブメントの随分前なのだ。今ではアーリーリタイアという言葉より、むしろFIREのほうがよく目にするようになっている。今日はFIREにつ...
「子供たちに歩ませたいベストな人生とは何か」というテーマで取材を受けた時の話
ある雑誌から、「これからの子供たちに歩ませたい、ベストな人生とは何か」というテーマで取材を受けたことがある。ワークライフバランスが取れていればいいのか、やりがいのある仕事に就ければいいのか、とにかく年収が高ければいいのか、様々な視点から「幸せな働き方」を探るという内容とのこと。その中で、「アーリーリタイアすることが幸福を掴む一つの選択肢ではないか」という内容を盛り込むことになり、僕に白羽の矢が立っ...
このところ紹介しているのはダニエル・ピンク著「When 完璧なタイミングを科学する」。リンク今回は「昼寝」についての5つのステップを紹介したい。1.午後の谷の時間を見つける。多くの人にとって、起床からおよそ7時間前後に当たるのだそうだ。僕の場合は起きるのが午前6~7時だから、午後1~2時がベストタイミングということになる。2.静かな環境をつくる。耳栓も有効だ。3.コーヒーを1杯飲む。摂取してから約25分は、カ...
昨日から紹介しているのはダニエル・ピンク著「When 完璧なタイミングを科学する」。リンク興味深く感じた知見を取り上げたい。p31“「論理的判断」はランチタイムまでに成人が午前中にこの種の思考力を最高に発揮することは、山ほどの証拠によって裏づけられているとのこと。午後以降に重要な決定をせまられたときは、可能であれば翌日まで時間をとったほうがよさそうだ。p62“起きぬけにコーヒーを飲んではいけない”目覚めると...
中年期にもっとも不幸になるのは、世界共通の傾向? いえいえ、それどころか霊長類共通なのです!
今日紹介するのはダニエル・ピンク著「When 完璧なタイミングを科学する」。著者はクリントン政権下でゴア副大統領の首席スピーチライターを務めたこともある人物だ。リンクタイトルの通り、この本ではさまざまな行動の「タイミング」について、科学的な検証を行っている。その中でまず目を引いたのが、「幸福度は50歳で最低になる」という部分。ちなみに僕もその辺りの年齢だ。アメリカで34万人を対象に調査を行ったところ、20代...
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今日はアーリーリタイアのための節約術を新たに紹介する。5000円でスニーカーを買おうとした時、200メートル先の店で同じものが1000円安く、4000千円で売られているという情報を耳にしたら多くの人がそれなら安い方の店で買おうと考える。ではこれが200万円の車で、違う店ではそれが1000円安い、1999000千円で売られていたとしたら?おそらくほとんどの人は気にもとめないだろう。ものごとをシンプルにして理解しやすくするために...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。【人...
ジャン=フランソワ・マルミオン編「バカの研究」(亜紀書房)をとても楽しく読んだ。例えばこんなところ。“多くの研究によると、バカはかなり高い頻度で自己評価を一定レベルに維持するテクニックを駆使するという。<偽の合意効果>〔他人は自分と同じように考えるとみなす認知バイアス〕に関する研究結果によると、わたしたちは、自分と同じ悪習を持つ人間の数を誇張する傾向があるらしい。だから、バカに一時停止違反を指摘す...
なんともコスパのいい本をみつけたのでご紹介。高橋源一郎著「お釈迦さま以外はみんなバカ」(インターナショナル新書)。稀代の目利き高橋源一郎が、自分が面白いと思った本の面白いところを紹介していくという、どう考えても面白くしかなりようのない本だ。例えば「ドクター・オジーに訊け!」(シンコーミュージック・エンタテイメント)の紹介。リンクブラック・サバスのフロントマンで酒、クスリ、女遊びと三拍子そろったオジ...
「自己実現」という言葉は、皆さんも聞き覚えがあると思う。自分探しをして、自分のやりたいことをみつけ、それを実現させるような意味に使われる。では「自我実現」はどうだろう? こちらの方は、あまり馴染みがないかもしれない。実はこれらの言葉は、スイスの心理学者ユングが最初につくったものだ。自己実現は、自分が通常考える自分(自我)を超えて、無意識の自分をも含めて自己と捉え、それを開花させること、つまり自分で...
今日はSMBCが定期的に行っている意識調査「20代の金銭感覚についての意識調査」について書く。file:///C:/Users/uchiyama/Downloads/d39964-17-fa2b37eb324805f5ed4391be5fbd6731%20(1).pdf「半数以上がが●●しようと思えるシリーズ」では、・ 20代の半数以上が結婚しようと思えるのは「年収600万円」・ 20代の半数以上が自家用車を購入しようと思えるのは「年収600万円」とのこと。結婚と自家用車が600万円と同額であった。ちなみ...
数年前、H会長という地元経済界の重鎮に講演を頼まれた時の話。会場はとあるホテルの宴会場。集まったのは地元の人間なら誰もが知る有名な企業の経営者ばかりだ。講演に先駆け、事情通の友人からは、「ロータリーやJCの活動では飽き足らない、選りすぐりの人材が集まるすごい会だよ」とか、「なんせ大物ばかりだから、値踏みされているような気分になるかも」と脅されていた。しかし自分がそのような理由で緊張することはないだろ...
最近、やや金遣いが荒い。自分でも理由はわかっている。インフレだ。去年の物価上昇率は3%。ただし、一般的な買い物の範疇にある商品群での上昇率はもっと高く、実感としてのインフレは数字以上らしい。僕自身はほとんど買い物をしないので、それを体感することはほとんどないのだが、貯蓄に目を向けて計算すれば目減りのほどがはっきりと見えてくる。銀行預金の金利は若干上がったとはいえ限りなくゼロに近いから、実質金利は大...
“世界の学者が語る幸福”(西村書店)について、続き。リンク今日は僕にとって個人的にいいなと思った知見を、箇条書きにして紹介する。()内は内山のコメント。・一方、悪い形の「中毒性の」幸福もある――アルコールと薬物、成功と地位への固執、くだらない娯楽、そして孤独な社会生活に浸るような幸福である。(気をつけよっ 笑)・結局のところ、私の幸福は私自身と私自身の考え方次第なのである。その他のことは全て、二の次な...
“世界の学者が語る幸福”(西村書店)の紹介。編者であるレオ・ボルマンスはポジティブ心理学において、彼が考える「最も著名な専門家100人」にコンタクトをとり、それぞれの研究を世界中の人々に向けてのメッセージとして1000語以内にまとめてほしいと依頼した。その結果、レオ・ボルマンスは50の異なる国々から原稿をうけとることに成功し、この本を取りまとめることになったというわけだ。僕は自著“幸せの確率~あなたにもできる...
今日紹介するのは、デール・カーネギー(1888年 – 1955年)による名言。アメリカの作家で教師にして、自己啓発、セールス、スピーチおよび対人スキルに関する各種コースの開発者、と肩書満載のお方だ。現代風に訳すと、企業研修の講師・コンサルタントといったところか。自己啓発系作家のハシリと言ってもいいかもしれない。彼が残した名言は、これ。“世の中の人は誰でも幸せになりたいと思っている。それを手に入れる方法が1つあ...
今日は、岡本太郎(1911年- 1996年)。「芸術は爆発だ!」の、あのお方である。幸せに関する言葉も、これと感じが似ている。“ニブイ人間だけが「しあわせ」なんだ。ぼくは幸福という言葉は大嫌いだ。ぼくはその代りに「歓喜」という言葉を使う。“「しあわせ」という言葉は、確かに「歓喜」に比べたらニブく聞こえる。でも、もし「幸せがニブイ人間のもの」と考えるのなら、「歓喜を求める生き方は、スルドくはあるが不幸な人間をつ...
よく取り上げられる名言なので、知っている人も多いとは思うが・・・。アップルの創始者、故・スティーブ・ジョブズは毎朝、鏡に映る自分にこう問いかけたそうだ。「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか?」と。そして「違う」という答えが何日も続くようなら、それは生き方を見直すサインだと捉えていた。僕自身、現役時代、医師としての仕事に誇りもやりがいも感じていたが、それでも年を追...
今日紹介するのは今枝由郎著「ブッダが説いた幸せな生き方」。リンクとあるエピソードに感銘を受けたので記したい。p221~ブッダのメッセージを自らの行動で示したフランス人がいます。彼は仏教徒ではありませんが、いかなる宗教的観点から見ても、これが人としての崇高な行動であることは誰もが認めるものです。2015年11月13日にパリで起こったイスラム教過激派組織による同時多発テロで、妻を失ったアントワーヌ・レリスさんは...
今日は昨日の記事の続きで、サピエンス全史(河出書房新社)、下巻からの抜粋。農業革命で人類が農耕・牧畜の手法を習得したとき、周囲の環境を整える、集団としての能力は増大したが、多くの人間にとって、個人としての運命はより苛酷になった。農民は、種類の面でも栄養の面でも劣る食料でなんとか生き延びていくために、狩猟採集民以上に働かなければならなかったし、病気になったり、搾取されたりする危険も格別に増した。同じ...
昨日の記事の中で、サピエンス全史(河出書房新社)に触れた。ずいぶん前のベストセラーであり今さらという感じもするが、いまだ古びた感はまったくないので、一部を引用の上、自分の考えを述べたい。今回は、主に上巻からの抜粋。狩猟採集民は、地域ごと、季節ごとに大きく異なる暮らしをしていたが、後の農民や牧夫、肉体労働者、事務員よりも、全体として快適で実りの多い生活様式を享受していたようだ。狩猟採集民が未来を考慮...
豪・メルボルン大学の研究機関で、年齢が40歳以上である6000人以上の男女を対象にして、週に何時間働くと認識能力に影響が出るのかを測定したところ、男性にとって最適な労働時間は週25〜30 時間、女性の場合は週22〜27時間ということがわかったそうだ。これ以上になると認識能力の働きに悪影響を与える可能性があるとのこと。https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2737742そして、これは自著 “幸せの確率~あなた...
少し前にREITは買いの好機では? との記事を書いた。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1421.html以下は2月26日の大和アセットマネジメントによるレターから。(REITはこの後3月中旬に上昇するも下旬~4月上旬に下落したため、紹介されている数値はあまり変わっていない)。ポイントは、• J-REIT市場は2020年12月以来の水準まで下落• J-REITが保有する不動産の賃貸市況は良好。配当は成長続く• 高い利回りと資産価値からみ...
子供たちの春休みが終わった。一番上は大学2年生で上京しており、下に高校1年生、中学2年生の3人の息子がいる。リタイアした身なので一般の方々ほど月日の流れが早いわけではないが、それでも子供たちとべったり過ごせる時間はあと何年も残されていないわけで、1日1日は実に貴重。もちろんこの春休みもたっぷり遊ばせてもらった。家族全体として一番の思い出になったのは、長男の帰省に合わせて訪れたリゾートホテル。株式市場が順...
今日は幸福について、加齢の観点から述べてみる。年を重ねると共に、若い頃とは幸せの感覚が変わってきたと感じることはないだろうか? ペンシルバニア大学のビジネススクールであるウォートンスクールの研究で、若い頃は特別な経験からより大きな幸せを感じる傾向があるが、年をとるとともに、何ということもない普通の経験が幸せにつながるようになることがわかっている。そのような変化が起きる原因は、人生において、あとどの...
友人や今までに僕の本を買ってくれた人から、「3冊目は出さないんですか?」と時折聞かれる。期待して頂けるのはうれしいが、残念ながら今の所その予定はない。理由は簡単で、本としてまとめたいような分量を伴う主張がないから。言いたいことなら山ほどあるが、それはこの無料ブログで十分だ。ありがたいことに毎日多くの方に読んで頂いている。本にするメリットはひとつのテーマについてしっかりと掘り下げられることで、それは...
ロバート・ライト「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。なぜ仏教は真実なのか、というものだ。今日が最終回で、前回触れた自我についてのまとめとなる。まずは下記引用をご覧頂きたい。p128“重要なポイントが2つある。1.これは「自我」が「選択する」ことで生じる心理状態ではない。心理状態は感覚が引き金になって導かれる。「自我」はたてまえとして感覚にアクセスできることになっ...
一昨日から紹介しているのは、ロバート・ライト「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。なぜ仏教は真実なのか、というものだ。昨日から「無我」についての部分を引用していて、今日は予告通り「モジュール」に触れる。個人的には「ウヒョーッ!」となるほど興味深い。p110“心理学、とくに進化心理学の分野で一般的になりつつある答えは、心が「モジュール」的な構造をしているというものだ...
昨日から引用しているのは、ロバート・ライト著「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。なぜ仏教は真実なのか、というものだ。今日取り上げるのは「無我」。ブッダは、自己という概念は想像上の誤った思いこみで、実態を持たないと説いている。昨日紹介した「苦しみの原因は欲である」は比較的理解しやすいが「無我」はかなり難しい。しかしロバート・ライトはこの難題に科学的、論理的に答...
今回、紹介するのは、ロバート・ライト著「なぜ今、仏教なのか(早川書房)」。原題は過激で、「Why Buddhism Is True」。すなわち、なぜ仏教は真実なのか? となる。著者は僧侶ではなく、さらには仏教徒ですらないアメリカ人科学ジャーナリスト。科学的データを中心に議論を展開していく。この本が滅法おもしろい。最初は図書館で借りたのだが、朱線を引きまくらずにはいられない誘惑にかられ、すぐさまアマゾンで購入した。アマ...
今日取り上げるのは思考実験。岡本裕一朗著「世界を知るための哲学的思考実験」をテキストに、僕がアレンジしたバージョンを紹介する。事例1「あなたは線路のそばを散歩していた。そのときトロッコが猛スピードで走って来るのに気づいた。線路の先には5人の人がいるが、逃げられそうもない。どうしたらいいだろうか。ちょうどそこにスイッチがあって、あなたがそれを引けば、電車の方向を変えることができる。ところが、あなたが...
数年前、H会長という地元経済界の重鎮に講演を頼まれた時の話。会場はとあるホテルの宴会場。集まったのは地元の人間なら誰もが知る有名な企業の経営者ばかりだ。講演に先駆け、事情通の友人からは、「ロータリーやJCの活動では飽き足らない、選りすぐりの人材が集まるすごい会だよ」とか、「なんせ大物ばかりだから、値踏みされているような気分になるかも」と脅されていた。しかし自分がそのような理由で緊張することはないだろ...
少し前に家族で沖縄旅行に行ったと書いた。これが僕にとって人生初のパッケージツアーだった。その時の記事から引用する。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1108.htmlパッケージツアーなるものを自分で利用したことは、今までに一度もない。若い頃はいわゆる「バックパッカー」で、いろいろな国をゆっくり、低予算で回るのが好きだったから、パッケージツアーのようなお仕着せのやり方を馬鹿にしているところがあった。し...
半ば私的メモ。主にネットフリックスで観た映画の寸評を定期的に上げてきたのだが、実は今回、U‐NEXTに加入した。というのもU-NEXTでは観られる映画の本数が圧倒的に多いのだ。しかしその分料金も高く、NETFLIXやAmazonの倍以上する。ともあれ、1カ月は無料とのことなので試してみることにした。僕の映画評に興味がある人はいないと思うが、今回も、「子供とテレビで映画を観たいが、適当なものがわからず困っている」という人には...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。リンク毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。【我...
今日紹介する名言はダンデミス。ダンデミスが好きだという人はどのくらいいるだろうか?実は僕は、この人のことをよく知らない。それもそのはず、ダンデミスはこの名言においてのみ有名で、他のことはよくわかっていないという珍しい人物らしい。で、その名言はというと。“他人の幸福をうらやんではいけない。 なぜならあなたは、彼の密かな悲しみを知らないのだから。”本当に、その通りだと思う。僕たちが他人を見る時、良いとこ...
いとうせいこう氏と精神科医・星野概念氏との対談、“ラブという薬” を楽しく読んだ。リンク特に興味深かったのが星野氏によるふたつの発言。人の話を聞くことについて。“p43今、聞いていて思ったんですけど、やっぱり傾聴するってこと自体が、「YESの姿勢」っていうか、相手を論破しようとしていないんですよね。でも、今ってなんとなく論破しないとカッコつかない感じになってきてるんじゃないですか。ツイッターとかですごい...
10数年前、ラジオCMのコピーコンテストに投稿するのにはまったことがある。開業医として一番忙しい時期だったので、小説を読んだり、まとまった文章を書いたりする時間がとれず、短いのならいけるかな、と安直な気持ちで挑戦したのが発端。ビギナーズラックで地方の賞をとり、「お、副業でコピーライターでもするか」とほくそ笑んだのも束の間、その後挑戦した有名な公募では入選さえはたせず、そう簡単なものではないと肩を落とす...
お金が多ければ多いほど幸せではないらしい、というのは自著「幸せの確率」でも当ブログでも繰り返し書いて来たとおり。数々の知見が積み上がってきている。ではお金は幸せの役に立たないのかといえば、もちろんそんなことはない。今日は内山流「お金で有効に幸福度を上げる方法」を紹介する。まず強調しておきたいのは物に対してお金を使っても、幸福度が上がるのは短期間で、すぐに元に戻ってしまうこと。気に入った服や車を買っ...
幸福に関する名言。今日は、ゲーテ(1749年 - 1832年)。詩劇『ファウスト』などで有名な、言わずと知れたドイツの文豪だ。“世の中のことは何でも我慢できるが、幸福な日の連続だけは我慢できない。”言いたいことはわからないでもない。たとえば、食卓にはご馳走と美酒が溢れ、窓からの景色は素晴らしく、好きなようにして過ごせる環境にいたとしたら。もちろん、たまにはそんな日もいいが、そんな日ばかりが続いたら、我慢ならない...
今日は紹介するのはフョードル・ドストエフスキー(1821年 - 1881年)による名言。言わずと知れたロシアの文豪だ。“コロンブスが幸福であったのは、彼がアメリカを発見した時ではなく、 それを発見しつつあった時である。 幸福とは生活の絶え間なき永遠の探求にあるのであって、断じて発見にあるのではない。”これには異論がある人も多いのではないだろうか? 発見した感動の瞬間よりも、それまでの苦労が幸せだなんて、信じられ...
以前にも書いたが、伝統仏教が好きだ。特定の宗教団体に属すことはない。信心深くもない。個人的には伝統仏教は「宗教」ではなく幸福への道を説く「哲学」だと思っていて、その内容に共感しているのだ。仏教の本はかなり読んだ。一番多く読んだのはアルボムッレ・スマナサーラ氏のもので、山ほど本が出ている。次は小池龍之介氏。「考えない練習(小学館)」がベストセラーになったし、一時期はマスコミにも露出していたので、ご存...
少し古い本だが、世界的ベストセラー「ライフシフト(東洋経済新報社)」を取り上げる。ちなみにこの本からきた「人生100年時代」という言葉は、その年の流行語大賞にノミネートされた。現在まで人類の平均寿命は伸び続けてきており、データ上はそれが頭打ちになる兆しはない(つまり、伸び率の鈍化がみられない)。このまま寿命が伸び続けるとすると、現在50歳未満で先進国に住む人は、100歳くらいまで生きる公算が高くなるのだそ...
今日はオーストラリアで緩和ケアに長く携わってきた看護師、ブロニー・ウェアによって書かれた「死ぬ瞬間の5つの後悔」(新潮社)が題材。リンク緩和ケアの仕事をしていれば、当然、多くの死にゆく人と接点、交流をもつことになる。著者が仕事から得た経験によると、後悔トップ5の内容は、「自分に正直な人生を生きればよかった」「働きすぎなければよかった」「思い切って自分の気持ちを伝えればよかった」「友人と連絡を取り続...
半ば私的メモ。主にネットフリックスで観た映画の寸評を定期的に上げている。子供とテレビで映画を観たいが、適当なものがわからないという人には、多少参考にしてもらえるかもしれない。今回も最近観たものを紹介したい。小説家をみつけたら ★★★★★https://eiga.com/movie/51322/秀才高校生と伝説の小説家の交流を描いた感動作。監督は「サイコ」のガス・ヴァン・サント。出演は「エントラップメント」のショーン・コネリー(製作...