池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」を紹介してきたが、今日が最終回。リンクタイトルは「あがり症の人は不安を書き出すこと」。あがり症の人にとって朗報となる研究が、2011年1月の『サイエンス』誌に掲載されました。シカゴ大学のベイロック博士の論文です。(中略)ベイロック博士は、高等学校の生徒106名に対して、期末試験でこの事実を確認しました。テスト直前に10分の時間を与え、次の試験科目のどの部分がどう...
子どもの学力アップにどう運動を取り入れるべきか ~アンデシュ・ハンセン著「運動脳」のご紹介3
一昨日から紹介しているのはアンデシュ・ハンセン著「運動脳」。予告通り今日は「学力と運動」について紹介したい。リンクまずはスウェーデンの小学校での実験。通常、体育の授業は週に2回なのだが、毎日行うクラスをつくって比較してみた。体育の授業の回数以外、条件はすべて一緒。すると結果は、p283~まず、毎日体育の授業を受けた生徒は、週に2回の生徒よりも体育の成績がよかった。これは当たり前の結果だ。予想外だったの...
運動脳マニュアルを要約して公開。そして瞑想について。 ~ アンデシュ・ハンセン著「運動脳」のご紹介2
昨日から紹介しているのはアンデシュ・ハンセン著「運動脳」。今日はこの本のまとめともいえる第10章「運動脳マニュアル~どんな運動をどのくらい」を要約して紹介する。リンクまず何よりも重要な点。それは、たとえわずかな1歩でも脳のためになる、ということだ。もちろん5分よりは30分のほうがいいが、5分でもまったく価値がないわけではない。あなたが楽しいと思える活動からしてみよう。より高い効果を望むなら、最低30分のウ...
脳を健康に保ちたいなら、負荷をかけた有酸素運動を継続すること! ~アンデシュ・ハンセン著「運動脳」のご紹介1
アンデシュ・ハンセン著「運動脳」を何回かにわたって紹介していく。リンクまずはアマゾンの著者紹介から概略を紹介。アンデシュ・ハンセン(Anders Hansen)精神科医。スウェーデンのストックホルム出身。カロリンスカ研究所(カロリンスカ医科大学)にて医学を、ストックホルム商科大学にて企業経営を修めた。現在は上級医師として病院に勤務するかたわら、多数の記事の執筆を行っている。主な著書に『スマホ脳』(新潮社)などがある...
前回、伊集院氏の「バランスの悪さ」はこの後、作家として有名になっていくにつれ、さらに顕著になっていくように思えた、と書いた。それも踏まえながら最終回・10回目のテーマは伊集院氏の「暴れっぷり」について。なぎさホテル時代の話だから30歳前後。その頃の私は人とよく悶着を起こしていた。詞を書いては文句を言い、演出をしては怒鳴り、酒を飲んでは喧嘩している、どうしようもない男だった。そんな私のそばにKはじっと座...
昨年の11月24日、肝内胆管癌で亡くなった伊集院静氏が40歳代のころ、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」から氏の生き様を紹介している。僕自身、もちろん伊集院氏ほど破天荒ではなかったものの、周囲との折り合いがつかず、酒に逃げることも多い時期だったので、共感し、ときには大いに励まされもした。9回目のテーマは伊集院氏のファッションについて。1990年だから、40歳。車窓からお堀端の風景を見ていると、目の前の夫人...
昨年11月24日、肝内胆管癌で亡くなった伊集院静氏が40歳代のころ、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」から氏の生き様を紹介している。僕自身、もちろん伊集院氏ほど破天荒ではなかったものの、周囲との折り合いがつかず、酒に逃げることも多い時期だったので、共感し、ときには大いに励まされもした。8回目の今日のテーマは伊集院氏の「寝床」について。伊集院氏が20代後半から30代半ばまで「逗子なぎさホテル」に住んでいた...
昨年の11月24日、肝内胆管癌で亡くなった伊集院静氏が40歳代のころ、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」から氏の生き様を紹介している。僕自身、もちろん伊集院氏ほど破天荒ではなかったものの、周囲との折り合いがつかず、酒に逃げることも多い時期だったので、共感し、ときには大いに励まされもした。(これだけひどくてもやっていけるなら、僕も大丈夫……かな)7回目の今日のテーマは伊集院氏とギャンブルについて。まずは1...
昨年の11月24日、肝内胆管癌で亡くなった伊集院静氏が40歳代のころ、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」から氏の生き様を紹介している。僕自身、もちろん伊集院氏ほど破天荒ではなかったものの、周囲との折り合いがつかず、酒に逃げることも多い時期だったので、共感し、ときには大いに励まされもした。(なんだ、僕よりもっとひどいのもいるじゃないか)と勝手に引き合いにだして自分を慰める日もあった。6回目のテーマは女...
昨年11月24日、肝内胆管癌で亡くなった伊集院静氏が40歳代のころ、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」から氏の生き様を紹介している。僕自身、もちろん伊集院氏ほど破天荒ではなかったものの、周囲との折り合いがつかず、酒に逃げることも多い時期だったので、共感し、ときには大いに励まされもした。(なんだ、僕よりもっとひどいのもいるじゃないか)と胸を撫でおろすこともあった(ほんと、失礼な話ではある)。5回目の今...
昨年11月24日、肝内胆管癌で亡くなった伊集院静氏が40歳代のころ、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」から氏の生き様を紹介している。僕自身、もちろん伊集院氏ほど破天荒ではなかったものの、周囲との折り合いがつかず、酒に逃げることも多い時期だったので、共感し、ときには大いに励まされもした。(なんだ、僕よりもっとひどいのもいるじゃないか)なんて苦笑することも(失敬)。4回目のテーマは伊集院氏と「健康」まず...
昨年の11月24日、肝内胆管癌で亡くなった伊集院静氏が40歳代のころ、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」から氏の生き様を紹介している。僕自身、もちろん伊集院氏ほど破天荒ではなかったものの、周囲との折り合いがつかず、酒に逃げることも多い時期だったので、共感し、ときには大いに励まされもした。(なんだ、僕よりもっとひどいのもいるじゃないか)という感じ(なんて言い草だ)。3回目の今日のテーマは伊集院氏と「お...
昨年の11月24日に肝内胆管癌で亡くなった伊集院静氏が40歳代のころ、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」から氏の生き様を紹介している。僕自身、もちろん伊集院氏ほど破天荒ではなかったものの、周囲との折り合いがつかず、酒に逃げることも多い時期だったので、共感し、ときには大いに励まされたりもした。(なんだ、僕よりもっとひどいのもいるじゃないか)という感じ(失礼)。2回目の今日のテーマは連載のタイトルにもな...
小説「海峡」「受け月」「機関車先生」やエッセー「大人の流儀」シリーズで知られる作家の伊集院静(いじゅういん・しずか)氏が肝内胆管癌亡くなってから、11月24日で一年になる。そこで、昨年まとめて好評だった記事「伊集院静の研究」を訂正・加筆の上、再度上げていこうと思う。僕は伊集院氏の作品が好きで、特に氏がまだ「ヤンチャ」だった頃、週刊文春で連載していた「二日酔い主義」の大ファンだった。僕自身、もちろん伊集...
リヒテンベルク “永い幸福は、それがただ永くつづいているということだけで失われる。” ~幸せの名言
今日はドイツの科学者であり風刺家として知られるゲオルク・クリストフ・リヒテンベルク(1742年 - 1799年)の名言。“永い幸福は、それがただ永くつづいているということだけで失われる。”人が変化に適応する能力はとても高い。例えばテレビ画面。以前より大型のテレビを買った時、迫力を感じたのは最初だけで、あっという間に慣れてしまったという経験はないだろうか?これは心理学で「快楽順応」と呼ばれていて、同様に収入が増...
赤ちゃんみたいに「オギャー」とひと泣きして終わり。それでいいのだ。
今日紹介するのは、西村宗斎著「オギャーでいいのだ はなたれ和尚の好日法談(西日本新聞社)」。臨済宗の僧侶による文に感銘を受けた。リンクp59~ 看護学生への講演。生まれたばかりの赤ちゃんがオギャーと泣きますね。あれが悟りそのものなんです。皆さんの中にもこれから産婦人科で働かれるという方もいらっしゃると思いますが、赤ちゃんがオギャーと泣いている時に赤ちゃん本人は生まれてきたということさえ知らずにただオ...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。毎日ひとつずつ課題をこなしていけば、4週間後には今よりずっと幸せになっている……はずだ。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。リンク7日...
今月、6日から10日までの日程で行われた、臨済宗在家禅「人間禅」摂心会(禅合宿)にて、仰月庵老師より「見性を得た」、すなわち「悟りを開いた」と認めていただいた。見性成仏。これで僕も仏である。実に気分がいい(などと書くと、悟りの程度が低いことがバレバレなのだが、見栄をはってもしょうがないので、正直なところを記すことにする)。悟りとは何かについて、初期経典にはっきりした記載はないので、宗派によって定義は...
ブータンで幸福度が急減したからって「やはり大事なのは経済的繁栄」と判断するのは短絡的だと思うぜ
昨日からの続き。今日はブータンで幸福度が急激に低下しているらしいことに触れる。まずは記事の紹介。ブータン「世界一幸せな国」の幸福度ランキング急落 背景に何が?https://www.moneypost.jp/844491南アジアにあるブータンは、発展途上国ながら2013年には北欧諸国に続いて世界8位となり、“世界一幸せな国”として広く知られるようになった。国民が皆一様に「雨風をしのげる家があり、食べるものがあり、家族がいるから幸せだ」...
今日は前回からの続きで、御手洗端子著「ブータン、これでいいのだ(新潮社)」。リンク昨日も紹介したGNH長官の幸せに対する考えが、本の終盤で登場する。p213“「幸せを願うのであったら、自分の幸せではなく、周囲の人の幸せを願わなくてはいけない。家族だとか、友人だとか、自分の身近な大切な人たち。そして周りの人たちが幸せでいられるように、できるかぎりのことをするんだ。知ってるかい? 人のためになにか役に立つこ...
今回紹介するのは御手洗端子著「ブータン、これでいいのだ(新潮社)」。リンク幸せの国として有名な、ブータン。著者はブータン政府初代首相フェローとして勤めたという経歴をもつ。まずは読んでいて笑ってしまったエピソードをふたつ紹介する。労働時間について、著者、GNH(国民総幸福量)コミッション長官、同僚のワンゲイの3人の会話。p70~“ワンゲイ 「でも長官、ちょっと働き過ぎじゃないかって、みんな言ってますよ」長...
スティーブ・ジョブズ“もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか?”
今日はご存知、アップルの創業者のひとり、スティーブ・ジョブズ(1955年-2011年)。まずは、これ。ジョブズ氏が毎朝、鏡に映る自分に問いかけていたという言葉。“もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか?”そして、「違う」という答えが何日も続くようなら、それは生き方を見直すサインだととらえていた。「その日が人間ドッグの予定だったらどうするの?」などというツッコミは勘弁してほしい。...
ここ10年で女性の美は多様性を帯びてきた……などと言って本当にいいのだろうか?
ここ10年でいろいろなことが変わった。その中で僕が注目すべきだと考えているのは、女性の美が多様性を帯びてきたということだ。細い子だって、胸の大きい子だって、自分の得意なところでアピールできる。昔は色白が美人の条件だったが、今は色黒だって問題ない。一時期のガングロは行き過ぎと思うが、日に焼けた女性の美しさは確実に市民権を得てきていると思うし、むしろ色黒の女性のほうが老けにくい気もする。僕からみると不美...
若いうちに資産を築けば長生きできるってデータがあるけど、あなたはどう思う?
JAMA Health Forumより。https://jamanetwork.com/journals/jama-health-forum/fullarticle/2782410In this cohort study of 5414 participants in the Midlife in the United States study, those who had accumulated a higher net worth by midlife had significantly lower mortality risk over the subsequent 24 years. In sibling and twin comparison models that controlled for shared early life experiences and genet...
今日は友人からうけるアドバイスについて。よく人の失敗談は、成功談より参考になる、と言われる。それはそうだろう。こうやったらからうまくいった、という話の場合、それをそのままなぞらなければならない。それだけでも容易でないのに加え、その人にはなかったマイナス要素が自分に生じた場合、それでご破算になってしまったりもする。失敗談なら教訓は「~を避ける」というものになるから、多くの場合シンプルで、とりあえず気...
ユダヤのことわざ “殴られた痛みはいつかなくなるが、侮辱された言葉は永遠に残る”
幸福に関する名言は、いい。知ることによって幸せになるだけではなく、ちょっとした雑学も身につくようになるから、もし気に入ったものがあったら、何かの折に友人にも披露して、ぜひ周囲も幸せにしてあげてほしい。今日はユダヤの格言。“殴られた痛みはいつかなくなるが、侮辱された言葉は永遠に残る”テーラワーダ仏教の長老、アルボムッレ・スマナサーラも著書『心は病気(サンガ)』の中でこう書いている。p43~“誰かに少しで...
スポーツ観戦は心躍るけど、自分の人生に直接の影響はないってこと、みんな気づいているよね?
子供の頃はプロ野球が好きだった。父と一緒によくテレビでナイターを見たし、新聞で当時贔屓だった阪神のゲーム内容や各選手の個人成績を新聞でチェックするのは朝一番の楽しみだった。阪神の試合がない日はそれだけで気分が乗らず、退屈に感じたものだ。しかしその後月日が流れ、中学生になったあたりで、突然、ひとつの想いが頭に浮かんできた。「阪神の成績なんて、僕の人生には何の関係もないじゃないか」と。そりゃあ勝てば選...
「4週間で幸せになる方法」という本を数年前に上梓したこともあり、本ブログでは幸福に関する名言を紹介している。今日はチョコラBBドリンクのCMコピーから。“世の中、バカが多くて疲れません?”若い人は知らないかもしれないが、1991年放送のエーザイ「チョコラBBドリンク」のCMで、女優の桃井かおりが画面の中から視聴者に向かって「世の中、バカが多くて疲れません?」と、持ち味である気だるい調子で語りかける。これが視聴者...
エルバート・ハバード “幸福とは習性である。それを身につけるがよい”
本ブログでは幸福に関する名言を時折紹介している。皆さんは読むことによって幸せになるだけではなく、ちょっとした雑学も身につくようになる。もし気に入ったものがあったら、何かの折に友人にも披露して、ぜひ周囲も幸せにしてあげてほしい。今日紹介するのはアメリカの編集者であり著述家、エルバート・ハバ-ド(1856-1915)。彼の名言はこれ。“幸福とは習性である。それを身につけるがよい。”幸福度を決定づける要素は、下の3...
今日は、高田好胤(1924年-1998年)。分かりやすい法話により「究極の語りのエンタテイナー」と呼ばれた、法相宗の僧侶だ。名言はこれ。“かたよらない、こだわらない、とらわれない”このうち「かたよらない」、「とらわれない」に関しては同意を得やすいと思う。偏った考えや行動が好感をもって迎えられることはまずないし、親しい人が何かにとらわれてしまっているのなら、抜け出すよう助言をするのが普通だ。しかし「こだわる」...
今年の「コスプレしても許される日」。皆さんはしっかりうつつを抜きましたか?
先週末、そして10月31日の昨日多くのハロウィンイベントが開催されたようだ。僕自身はハロウィンでの思い出は多くないが、30年近く前、英語学校に努める友人にパーティーに誘われ、生徒でもないのに参加したことがある。「白衣を着ていけばいいの?」と聞いたら「まじめにやれ」と怒られたので、わざわざお化けの仮装道具を購入。「面倒くさいなあ」とグズグズの気分で会場に向かったものの、参加してみればそれなりに楽しいもので...
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池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」を紹介してきたが、今日が最終回。リンクタイトルは「あがり症の人は不安を書き出すこと」。あがり症の人にとって朗報となる研究が、2011年1月の『サイエンス』誌に掲載されました。シカゴ大学のベイロック博士の論文です。(中略)ベイロック博士は、高等学校の生徒106名に対して、期末試験でこの事実を確認しました。テスト直前に10分の時間を与え、次の試験科目のどの部分がどう...
昨日に引き続き、池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」からの紹介。リンク今日は「イメージトレーニングはダイエットにも効果的!?」から。イメージトレーニングは、スポーツのみならず、ダイエットにも効果があるらしいというから驚きです。2010年12月の『サイエンス』誌に掲載されたカーネギーメロン大学のモアウェッジ博士の研究です。あたかも食べたかのようにイメージするだけで、食べたいという欲求が減るといいま...
今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
今回で最終回、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容なのだが、これに対するAmazonでのカスタマーレビューが興味深かった。半分近くが星5つなのだが、低評価のレビューもちらほら。その中でも星1つをつ...
前回に引き続き、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容だ。僕は以前から幸福学やポジティブ心理学に興味があって、多くの知見に納得してきたのだが、どうにも腑に落ちないデータもいくつかある。その代...
今日から数回にわたり「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」のご紹介(集英社インターナショナル)。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくというもの。発想と行動力に興味を抱いて手にとったところ、なかなかおもしろい内容だった。ちなみに幸福度調査トップのコスタリカでは、平均で8.5...
自著「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」から、余暇の過ごし方、お金、そして幸せについて書いている部分を抜粋する。遊びへの出費が減らせずに困っているひとには、ぜひ読んでほしい一文だ。“「お仕着せのレジャーはほどほどに ~自由な余暇を創造しよう」いつの間にか、ちょっとした休みを利用して、他県にまで足を伸ばすのが当たり前のような風潮ができてきましたが、そこまで余暇をア...
少し前のベストセラーではあるが、今日引用して紹介するのは「ライフシフト(東洋経済新報社)」。この本からきた「人生100年時代」という言葉は、その年の流行語大賞候補に挙げられている。現在まで人類の平均寿命は伸び続けてきており、データ上はそれが頭打ちになる兆しはない(つまり、伸び率の鈍化がみられない)。このまま寿命が伸び続けるとすると、現在50歳未満で先進国に住む人は100歳くらいまで生きる公算が高くなるのだ...
今日は文豪、トルストイ(1828年 - 1910年)のあの名言。“幸福な家庭の顔はお互い似かよっているが、 不幸な家庭の顔はどれもこれも違っている。”有名なものなので知っている人が多いことと思う。幸せの本質を見事に表した名言で、なるほどと唸らされる。でも冷静に考えると、ちょっと不思議な点も出てくる。「不幸な家庭の顔が違っている」これに関しては異論はないだろう。貧乏だから不幸。金持ちだけど病気がちだから不幸。健康...
池谷裕二監修「勉強脳の作り方」(日本図書センター)。大体知っている内容ではあったが、知見が濃厚に詰まっていて役に立った。備忘録として個人的に重要と考えた個所をまとめておく(自分用というより、主に子供たちの学習用)。・ストレスによって脳の機能は低下し、記憶力や学習能力が落ちる。・平均的なペースは40分勉強したら5~10分休憩(自分にあったタイミングで)。・休憩時間にはなにもしないこと(ゲームはもちろん、...
前回、より多くの幸福を感じるためには増やすのではなく、今現在「ゼロ」のことを始めたり、新たに獲得したりすることが大切だと書いた。今回はどのような活動や趣味が喜びに繋がりやすいのかについて、データを元に書いてみたい。幸福学における研究により、能動的な趣味の方が受動的なものよりも幸福度を上げることがわかっている。例えばテレビを見る、映画を見る、買い物をするといった娯楽は受動的趣味にあたり、あまり幸福度...
前回の記事では自由時間を有意義に過ごすための実践的なテクニックを書いた。今日はそれを補足する。幸福度を高めるためには今あるものを増やすより、ないものを得ることの方が重要であることが研究によりわかっている。例えば僕ら夫婦でいえば、長男が生まれてから三男が幼稚園に入るまでの10年近くの間、夫婦で外食をする機会はほとんどなかった。常に最低1人はまだ幼稚園にも行かない、幼い子供が家にいるわけだから、夫婦で出...
アーリー/セミリタイアブログをみていると、リタイアしたら時間を持て余して困る、あるいは、そうなるんじゃないだろうかと不安だ、という文章が散見される。それについて何回かに分けて私見を述べたい。僕は「人生」とは「時間」だと思っている。時間がなくなるときが、死、すなわち、人生の終わりだからだ。なので時間を持て余すなどと聞くと、その人の生きて行く意義ってなんだろうと首を傾げたくなってしまう(失礼)。子供の...
今日は3大幸福論のひとつを著したフランスの哲学者、アラン(1868年 - 1951年)は、による言葉。“幸福だから笑うわけではない。 むしろ、笑うから幸福なのだと言いたい。”まったくその通りだと思う。このところ、セロトニンという言葉をよく耳にするようになった。これは神経伝達物質と呼ばれるものの1種で、腸や血液中の他、一部は脳内に存在し、頭をすっきりさせたり、心のバランスを整えポジティブで安定した状態に保ったりす...
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった言葉で、経済的自立と早期退職を意味します。FIREを目指す人は、投資や節約で資産を増やし、4%ルールを守って運用することで、毎年生活費の4%に相当する不労所得を得られる状態を目指します。この状態になれば、フルタイムの仕事に就かなくても生活費を賄うことができ、早期退職が可能になります。FIREは近年注目を集めているライフスタイルの一つですが、メリッ...
今日は作詞家、音楽プロデューサー、秋元康(1958-)の言葉。“自分の幸せが定義付けできない人は、何も手に入らない。大事なのは、自分にとって何が幸せなのか、どうすればドキドキできるのかを、しっかり理解しておくことです。”本当に、そうだろうか?僕はちょっと懐疑的だ。たとえば、ある人がギャンブルこそが自分の幸せと信じているとする。それが一番ドキドキする、と。であればどんどんギャンブルをしなさい、とは普通はな...
今日のテーマは、労働の歴史。そもそも人間は、いつから「生涯の大半を労働に捧げる」ことが普通だとされるようになったのか?実はそれほど昔の話ではなく、産業革命以来であると考えられてる。古代ギリシャ人にとって働くことは卑俗なことであり、自由時間を得るために仕方なくやっているだけで、そこに何ら意味を見出したりはしなかったそうだ。現に哲学者・アリストテレスは、「賃金が支払われる仕事はすべて、精神を奪い、弱め...
昨日に続きメジャーリーガー大谷翔平の愛読書でもある、中村天風の著書「運命を拓く(講談社文庫)」の紹介。リンク今日は僕が好きな個所を少し長めに引用する。p235~三年四年経った人が私にお礼をいうとき、この人は、本当に私のいうことを聞いていたな、と私が思うようなお礼をいう人は、まあ十人に一人いるか、どうかである。たいていの人は、「(前略)尊いことを教えていただいたお陰で、この頃は、弱かった体も、すっかり...
中村天風(敬称略)という人物がいる。以下は中村天風財団HPより。https://www.tempukai.or.jp/know/footprint中村天風(なかむらてんぷう)明治9(1876)年生まれ。日露戦争の軍事探偵として満蒙で活躍。帰国後、当時不治の病であった肺結核を発病し、心身ともに弱くなったことから人生を深く考え、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路、奇遇にも...
引き続きニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。最終日の今日は下巻から。よく思考実験でも使われる「最後通牒ゲーム」なるものがある。2人1組でのゲームなのだが、まずはルールを引用で説明したい。このゲームは、思いがけない授かりもの(たとえば10ドル)がプレーヤー1(提案者)にあたえられるところから始ま...
「たった2年でFIRE卒業をした男性が語る、早期退職で見失った3つのもの」という興味深い記事をみつけたので、紹介の上、僕の考えを述べたい。https://www.businessinsider.jp/post-269525まずは序文から。FIRE(経済的自立、早期退職)もいいことばかりではない。少なくとも、37歳で引退したトニー(本人の希望で名字は伏せる)にとっては、いいことばかりではなかった。トニーはソフトウェア開発者として高収入を得ながら支出を切...
子供同士が幼稚園で仲が良かったことから、家族ぐるみでお付き合いをするようになったご家族がいる。ご主人のSさんは弁護士。子煩悩で、教育熱心だ。以前一緒に飲んだ時、Sさんが子供の将来について言った。「自分が好きなことを仕事にしてくれればいい。私からの意見はそれだけです」僕も完全に同意する。学歴ももちろん大切だが、それはやりたい仕事に有利にするための手段であって目的ではない。なのに日本では一番大事な根っこ...
「4週間で幸せになる方法」という本を出しているのもあり、本ブログでは幸福に関する名言を紹介している。皆さんは読むことによって幸せになるだけではなく、ちょっとした雑学も身につくことになる。もし気に入ったものがあったら、何かの折に友人にも披露して、ぜひ周囲も幸せにしてあげてほしい。リンク今日は、ユダヤのことわざ。他人を幸福にするのは香水をふりかけるようなものだ。 ふりかけるとき自分にも数滴はかかる。この...
今日は、G・W・カーチスによる言葉。ちなみに僕はこの人について、この言葉の他には何も知らないし、ネットで探しても情報はない。以前紹介したダンデミス同様、名言界隈(?)のみで有名という人が実はポツポツいるらしい。なんとも不思議な話だ。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-223.htmlしかもカーチス氏の場合はその名言もしょぼい。“幸福はまず何より健康のなかにある。”いかにもありがちな健康第一説だが、せっかく...
ちょっと古い本だが、橘玲著「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法(幻冬舎文化)」を紹介したい。リンク橘氏の著書は以前も紹介しているが、この本もなかなか興味深い。一部を引用してみる。p249-250“ある調査によれば、人生の満足度を7点満点とすると、アメリカのビジネス誌「フォーブス」に載った大富豪たちの満足度の平均は5.8だった。彼らは資本主義社会の頂点に立つ成功者で、豪邸やプライベートジェットなど、望むも...
池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」を紹介してきたが、今日が最終回。リンクタイトルは「あがり症の人は不安を書き出すこと」。あがり症の人にとって朗報となる研究が、2011年1月の『サイエンス』誌に掲載されました。シカゴ大学のベイロック博士の論文です。(中略)ベイロック博士は、「高等学校の生徒106名に対して、期末試験でこの事実を確認しました。テスト直前に10分の時間を与え、次の試験科目のどの部分がど...
昨日に引き続き、池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」からの紹介。リンク今日は「イメージトレーニングはダイエットにも効果的!?」から。イメージトレーニングは、スポーツのみならず、ダイエットにも効果があるらしいというから驚きです。2010年12月の『サイエンス』誌に掲載されたカーネギーメロン大学のモアウェッジ博士の研究です。あたかも食べたかのようにイメージするだけで、食べたいという欲求が減るといいま...
今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
昨日に続きメジャーリーガー大谷翔平の愛読書でもある、中村天風の著書「運命を拓く(講談社文庫)」の紹介。リンク今日は僕が好きな個所を少し長めに引用する。p235~三年四年経った人が私にお礼をいうとき、この人は、本当に私のいうことを聞いていたな、と私が思うようなお礼をいう人は、まあ十人に一人いるか、どうかである。たいていの人は、「(前略)尊いことを教えていただいたお陰で、この頃は、弱かった体も、すっかり...
中村天風(敬称略)という人物がいる。以下は中村天風財団HPより。https://www.tempukai.or.jp/know/footprint中村天風(なかむらてんぷう)明治9(1876)年生まれ。日露戦争の軍事探偵として満蒙で活躍。帰国後、当時不治の病であった肺結核を発病し、心身ともに弱くなったことから人生を深く考え、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路、奇遇にも...
引き続きニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。最終日の今日は下巻から。よく思考実験でも使われる「最後通牒ゲーム」なるものがある。2人1組でのゲームなのだが、まずはルールを引用で説明したい。このゲームは、思いがけない授かりもの(たとえば10ドル)がプレーヤー1(提案者)にあたえられるところから始ま...
昨日の予告通り、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。今日は上巻から。アマゾン川流域などでは、子供には複数の父親がいると信じられている地域が多く点在するそうだ。分割できる父性を信じている文化では、子づくりにおける女性の役割はたいてい否定され、女性は「容れ物」にすぎないとみなされている。一部の...
今日はビル・ゲイツ氏ら絶賛の話題作、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)を紹介する。まずはAmazonから。経済格差、人種、国家間対立…。今ほど「分断」が強調される時代はない。だがちょっと待ってほしい。こうした分断はなぜ起こるのだろう?それは進化の過程で、私たちが「仲間」を愛し、尊重する能力を身につけたからだ。この能力こそが、世界の命運...
今日は、ダライ・ラマ14世の言葉。“他の人々に幸せになってもらいたければ、思いやりを実行に移すこと。自分が幸せになりたければ、思いやりを実行に移すこと。“無粋と知った上でわかりやすくすれば、「思いやりの行動は相手だけでなく自分をも幸せにする」ということ。実はインド独立の父、マハトマ・ガンディーも、「報いを求めない奉仕はひとを幸福にするだけでなく、わたしたち自身をも幸福にする」と同じような言葉を残してい...
一昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。昨日は「心地よさ」や「快適さ」の度合いでしかなく、究極的には「好きか嫌いか」の問題に帰着するとの一節を紹介した。たとえば、「君の態度は間違っている」と自信満々に怒る人がいるが、「君の態度は嫌いだ」と言い換えても意味は変わらないことになる。今日紹介するテーマも僕らが自分自身に...
昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。今日はシマウマについての問題。p273キャンパスに描くシマウマのシマ模様について聞きました。どちらの答えが多いでしょう。① 白地に黒シマ模様② 黒地に白シマ模様今日も本書へのリンクの下に正答を掲載する。リンク答え ① 白地に黒シマ模様自分の世界こそ自分のすべてです。いや、厳密に言えば、...
池谷裕二氏による名著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」を今日から数回にわたり紹介する。とはいえ僕の本音は、「僕のブログで抜粋を読んでいる暇があったら、さっさと本を買って読んでほしい」というところ。そのくらいお薦めだ。p156地上より永遠に友達の顔を思い浮かべてみてください。何人思い浮かびましたか。そこで二つの質問をします。質問A―その友達のうち10年...
FIRE生活での資金繰りにおいて、今月、我が家に明るいニュースがあった。「プルデンシャル米国ドル建リタイアメント・インカム」という、ドル建ての年金の受給が開始されたのだ。そもそも加入したのはいまから20年も前の2005年。当時、アメリカの長期金利が今同様に5%近くあったため、この保険も利率4.5%と非常に高いレベルで設定されていた。加入時の為替は1ドル105円。今とは逆に、為替は上がり下がりを繰り返しながらも、じり...
昨日書いた通り、このGWはベトナムのリゾート、ニャチャンにあるヴィンパールに滞在した。ベトナムについて一番痛烈に感じたのは、やはりまだまだ遅れているということ。宿泊は一応は五つ星ホテル(ヴィンパール リゾート & スパ ニャチャン ベイ)だったのだが、到着してすぐ、僕と妻の部屋の冷房の機器が悪いことに気づいた。そこで部屋の電話からトラブル時に指定された番号に連絡を試みるも、何度ダイヤルしても返答がない。し...
昨日書いた通り、ゴールデンウィークの後半に家族でベトナムに行ってきた。そもそも次男がこの春から高校に進学したため、学校での日程がどのように組み込まれるのか見当がつかず、ゴールデンウィークには何も予定を入れられないでいたのだが、入学後に配られた工程表を見る限り、連休は丸々空いている様子。ならば旅行にでも行きたいね、という話になり、ネットでチェックしたのだが、4月中旬では時すでに遅く、めぼしい宿はすで...