chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 枇杷

    枇杷のコンポート いよいよ梅雨入。五月中の梅雨入りは十年ぶりらしい。つまり早いということ。 雨の無聊で昨日採ってもらった枇杷をコンポートにする。鳥の落とし物の枇杷の木だから、実は小さい。それから大きな種を取り出し、皮を剥くのだから面倒と言えば面倒。畑の隅や川べりに勝手に成らせっぱなしのところが、普通だ。 「ダーウィンがきた」で梅雨時に種を落とす枇杷は、発芽率が高いと言っていた。都会でも思わぬところに生えているらしい。いろんな野生動物に恵みをもたらしているようで、さしずめ我らもその一員。 今年は梅の実が鈴なりなのだが、花梅の実なので「梅干し」にはできない。梅酒づくりは、この頃強いお酒はやめたので…

  • 蛇(くちなは)

    映画『舟を編む』を観る 三浦しおんの同名小説を映画化したものだ。以前小説を読んでいたので、話の展開はわかっていた。ずいぶん前の読書だから、本と比べてどうのこうのは言えないが、様々の賞を受けた作品らしく、辞書編集者の苦労や苦悩がよく出ていて、なかなかおもしろかった。 主演の松田龍平がよかった。寡黙で一途な辞書編集者をよく演じていた。実際この役で主演男優賞を受賞したらしい。恋人が宮崎あおい、あと故人となられた加藤剛や渡辺美佐子、八千草薫、それに割と好きなオダギリジョーが出ていた。最近清純さが売りの黒木華がちょっとハスッパな現代娘だったのも意外だ。 最近紙の辞書はどうなっているのか。『大辞林も』も『…

  • 麦の秋

    『夢見る帝国図書館』 中島 京子著 世間離れした雰囲気で、謎めいた過去をもつ「喜和子」さん。どうやら彼女の過去は、帝国図書館と関連があるらしい。図書館を主人公にした話を書いてほしいと、喜和子さんに頼まれていた私。彼女の死をきっかけに、謎に包まれた彼女の過去を探り始める。 わかってきたのは戦後の上野の図書館界隈、葵部落といわれた生活困窮者の人々の群れと孤児と思われた幼い女の子とその面倒を見る復員兵たち。 ところどころに帝国図書館の物語が、挟まる。乏しい予算の中で、近代国家の体裁のために開館した帝国図書館。軍備増強のために、厳しい運営に終始しながら、それでもさまざまな文化人たちを包容してきた歴史。…

  • 田植

    講演会「坊の塚古墳の前後」を聴く 西村 勝広講師 トシヨリの興味は、未来より過去。旅の疲れもあるが、市の歴史研究会主催の講演会にでかける。 「坊の塚古墳」は4C後半築造の前方後円墳である。前にも書いたが、市内では最大、県下でも二番目の大きさを誇る。(全長120m)。三段築成で、円筒埴輪列を有する。また墳丘祭祀に壺型土器を用い、滑石模造品の副葬が認められる。前者は中央政権のスタイルを真似、後者は在地のスタイルだとレジメにある。 「坊の塚古墳」の話もさることながら、今回興味を引いたのはあたしンちの足元に係る話である。昔、うちの畑を見回っていた研究者の人から、「この辺りは弥生集落でしてね」と言われた…

  • 白日傘

    縄文土器を見にゆく 神社仏閣か美術鑑賞、はたまた歴史探索、うちが出かけるのは、たいていそのいずれかだ。「縄文土器」を見に行く、今回の目当ては、それに尽きる。 そして、期待は裏切られずに、むしろ期待以上だった。縄文人という、遥かな祖先に深い愛しみと尊敬の念すら覚えた。 井戸尻考古博物館 信州の八ヶ岳南麓、縄文時代中期に一千年にわたって花ひらいた縄文文化圏があった。富士見町の井戸尻考古博物館には、当地の発掘された耕作用の石器や土器が豊富に保存されている。現代ものと、形状や用途がよく似ている石器類も驚かされるが、何と言っても見応えのあるのは土器類である。 深鉢も浅鉢も有孔鍔付土器(酒造器だとみられる…

  • 南風

    『長い物語のためのいくつかの短いお話』 ロジェ・グルニエ著 宮下 志朗訳 以前、山田稔さんの訳で『黒いピエロ』を読んだことがある。まんざらでもなかった印象があったので、Tに回してもらう。 「陽気なペシミスト」を自称するグルニエらしく、明るい話はひとつもない。宮下さんではないが、「失意の人々、必ずしも人生がうまくいかない人々に寄り添った」話ばかりだ。 中でも、表題を冠した短編はなかなか読ませた。グルニエ自身の生涯を反映しているような、『黒いピエロ』との関連も思わせる小編だ。 あとがきで、グルニエ翻訳者としての山田稔さんについて触れられている。山田さんに遠慮をしていたが、もう翻訳はしないと言われて…

  • 夏パンツ

    『じゃむパンの日』 赤染 晶子著 面白かった。よくもまあ、こんなにあることないこと書けましたねぇ。いやあ、あることばかりをないことのように書けましたねぇと、感心すべきかしらん。 「新・蝶倶楽部」でYonda?パンダのシールに強迫されながら、審判を待つ話なんて、そうそうあれの発表日のパロディなんでしょ。早世されたが、すごい才能の方だったのだ。確か家にも『乙女の密告』があったから、読んでみましょう。 今日の新聞「新聞記者の文章術」で、あのアロハで猟師さんが書いていた。 「書き言葉でクスッいちばん難しい」って。納得して、久しぶりに切り抜きをしようと、思ったわけ。 それで、ちょっと真似もできれば、いう…

  • 花芍薬

    ゴールデン週間終わる 慌ただしかったゴールデン週間、最終日になり平穏な日常に戻る。 最初は塾時代の最後の教え子の訪問。社会人になって三年目の二人で、一人は大手企業の社員、一人は大学病院の看護師。仕事にも慣れてきて若さいっぱい、しゃべることしゃべること。昼食を挟んで五時間。さすがにトシヨリは疲労困憊した。それにしても子供の頃の成績などというのは、当てにならない。もちろん彼らが高校時代にかなり勉強をしたのは知っているが、勉強よりはコミュ力というか、人間力というか、ともかくトータルでみないとわからない。もっともこれも彼らの今の時点での話で、将来まではわからないのだが。 次の二日間は、下の孫の訪問。模…

  • 風薫る

    『挑発する少女小説』 斎藤 美奈子著 正直、私は少女小説が大好きだった。ここに取り上げられたものの中でも、『若草物語』『赤毛のアン』『あしながおじさん』には特に夢中になった。映画もなんど見ただろう。最近でも「ストーリー・オブ、マイライフ」(若草物語アメリカ2019年制作)、「アンという名の少女」(カナダテレビドラマ)、「赤毛のアン 卒業」(カナダ2017年制作)と、飽きもせずに見ている。何がかくも惹きつけるのか。もちろん郷愁もあるのだが、、それは、総じて元気な女の子たちの成長譚だからといっていいと思う。 ジョーは貧しく(平均以下という程度だが)アンとジュディは孤児院育ちだ。みんな逆境をものとも…

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、octpusさんをフォローしませんか?

ハンドル名
octpusさん
ブログタイトル
かかみの歳時記
フォロー
かかみの歳時記

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用