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  • 京都へ行く 京都国立博物館(京博)の「縄文土器と土偶」展を見に行きたいと家族に提案する。「又、縄文かあ」と半ば呆れられながらの京都行き。暑さを考えて曇天の日にしたのだが、近日中最も蒸し暑い日になった。 京博は2013年のリニューアル以来初めての再訪。特別展ではないので入館料はひとり700円だが、70歳以上と障害者付き添いで全員無料。なんだか申し訳ない気分だ。外国からの訪問者らしき人が多く、Tは早速記念撮影のシャッターを頼まれる。 ロダンの像越しの新館 さて、展示品だが、遮光器土偶(少し破損)・結髪土偶・火焔土器や蛇文様有孔鍔付土器・銅鐸などなかなか見応えがある。連れ合いが感激したのは犬山市の東…

  • 短夜

    映画『生きる』を観る 1952制作 黒澤明監督 カズオ・イシグロ氏の脚本でリメイクされたという記事を読んで、まだ観ていなかった元作品を観た。あらすじについては、周知されているとおりだが、思った以上に社会批判官僚主義批判が前面に出ていて驚いた。だから名作なのだが、単なるヒューマンドラマと思い違いをしていたのを反省したい。 主人公役の志村喬をはじめ、懐かしい俳優さんばかりで、それだけで涙がにじんだ。バックに流れる「ゴンドラの唄」も哀しい。 主人公の秘められた思いがやっと理解され、周りの人々も変わるかなあとおもったのだが、やっぱり何も変らない。こういう日本的な部分は、カズオ・イシグロ作品ではどうなっ…

  • 梔子

    『おやじはニーチェ』 高橋 秀実著 認知症は、長生きすれば、だれにも出てくる症状らしい。(80代後半では41・1%、90代では61%)それでいて有効な特効薬もなく、治療法もない。確立された予防方法もないから、なるかならないかは宝クジのようなものかもしれない。なったらなったときさとTは言うが、なって世話をかけたくはない。 いろいろな認知症例を読んできた。加えて最近映画も観た。(『ファーザー』2020年イギリス・フランス合作)見当識の障害は映画のファーザーも、本のお父さんも一緒だ。映画に比べて、この本のお父さんの症例は、明るいのがいい。いや、明るく描かれているというべきか。 息子は時には兄貴になり…

  • 五月闇

    『土偶を読むを読む』 望月 明秀編 『土偶を読む』は去年3月12日、このブログでも取り上げた。土偶を形態的特徴からいくつかの食用植物や貝類のフィギュアと見立てた仮説で、面白かったと書いている。 この本はその仮説に対するアンチテーゼである。「皆目検討違い。そんなわけあるかいっ!」と帯にもある。反論を許さないというので、これでもかこれでもかと、手厳しい。 と、いうのも『土偶を読む』がベストセラーになり、著名人をも感心させ、なおかつ「サントリー学芸賞」や「みうらじゅん賞」も、獲得したからである。さらに子どもたち向けの図鑑まで出版されたのでは、黙っていられないということらしい。 もっとも専門家たちは、…

  • 梅雨晴れ間

    夏服を縫う イオンの手芸用品売り場で見つけた時、涼し気な模様にひとめぼれした。ローン地に紺色の金平糖模様だ。夏服を縫いましょうと思ってから、ちょっとたったが、昨日今日で出来上がる。Tシャツ代わりの普段着ブラウスで、毎回同じパターン、今回は襟ぐりはリボンにした。 出来上がってみたら、布地の時とは印象が違う。地味な小花模様で、案外トシヨリくさいのである。失敗したなという気分だが、仕方がない。 大胆な模様や、明るい色の方が、顔の暗さを引き立てると、改めて思った次第。そもそも老いを隠そうとしたところで、まったく自己満足に過ぎないのだ。 梅シロップができる 花梅の梅が大量になったので、初めて「梅シロップ…

  • 紫陽花

    映画『ドライブマイカー』を観る 濱口竜介監督 2021年制作 U-NEXTで無料視聴ができるようになったので観る。評判に違わず、なかなか見ごたえのある作品だった。 妻の死後、妻の浮気相手によって語られた夫の知らない話。妻には夫がすべて知っているのがわかっていた。わかっていても知らないふりの夫に苛立ってもいた。間違いを咎め、動揺してほしかった。 夫は妻とまっすぐ向き合うことを恐れていた。妻の行為を知っても、自分だけが本当の妻の姿を知っていると満足していた。 哀しい気持ちのすれ違い、真実に気づいた時、真っ正直に向き合いたくてもこの世に妻は、すでにいない。深い絶望と喪失感を抱えて、それでも生者は生き…

  • 青梅

    『世界は五反田から始まった』 星野 博美著 渾身の力が入ったノンフィクションである。(第49回大佛次郎賞受賞作品)これまでに読んだことがある星野作品は、例えば『島で免許をとる』など、ユーモラスな自伝的作品だった。 が、これはちょっと違う。始まりは祖父の手記のなのだが、話は星野一家の歴史にとどまらない。戦前から戦中を経て戦後へと、この国の歴史そのものへと大きく広がった。 彼女の祖父は房総半島の港町から出てきて、五反田圏で町工場を起こす。五反田の下町エリアである。その辺り一帯は小さな町工場の集積地であり、そこで製造される品々は、軍需産業を下支えしていた。 星野製作所で作られていたのはゴムホースとそ…

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