『よもやま邪馬台国』 豊田 滋通著 図書館の新刊棚に待っていたように残っていた本。Tは「いまさら邪馬台国なぞ、だれも関心ないんや」と言うのだが、私には実に面白かった。筆者はジャーナリストでこの本も、新聞連載記事の書籍化本らしくとてもわかりやすい。「よもやま」とあるだけに、邪馬台国周辺の古代史についての網羅的な解説書で、知識の整理にもなり勉強にもなった。 その1は、弥生時代後期(2C後半)から卑弥呼の時代(3C前半)ごろまでのこの国の様子である。倭人伝にも「倭国乱れて相攻伐」とあるが独自な墳墓もった有力な首長集団が、各地に勢力を誇っていたという事実である。九州はもとより、出雲、丹波、吉備、越、ヤ…