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風の記憶 https://blog.goo.ne.jp/yo88yo

風のように吹きすぎてゆく日常を、言葉に残せるものなら残したい…… ささやかな試みの詩集です。

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2014/10/31

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  • ひとさし指がしめす先には

    誰かに何かを指し示すほらあれだよとかあそこにあるものとかあっちへ行けばとかあのようにしたらとかあるいは観念として自分自身の指針を確かめるとかいつからかそのようなことは少なくなったがひとさし指で何かをさし示すその自分の指の形にふと父の指先を見ることがある自分の手に父の手を見たり咳払いをするときも父の咳払いを感じることがある父の咳払いは勢いがあったし父の手は大きかった父は背も高く僕よりも1センチ高かった体形は痩身であったが華奢ではなく骨太でしっかりしていて背筋もしゃんと伸びていた足も大きくて父の靴はいつも僕の靴を威圧していた子供の頃は父の大きな声が怖かった僕を呼ぶ父の声が今でもときおり聞こえてきて僕は思わず緊張してしまうとっくにこの世には居ない父の声をもう聞くことはないのだが記憶の中で父の叫び声は続いている泣いては...ひとさし指がしめす先には

  • 冬の風は歌を知らなかった

    風が吹いている雲が重そうに流れている鳥も吹かれて飛んでいく枯葉がはしる音がするマスクを外すと冬の匂いがするなにかを運んでくるのは何か重そうだが軽いもの土俵の櫓だけが残っていた小学校の校庭の端っこの土手の枯草にすわって日向ぼっこをしていた頃晴れたり曇ったりの雲のいたずら太陽を隠してやろうかすこしだけ出してやろうかとか冬の日差しはそんなものでわずかな温もりをかじかんだ手で取り合っていた喧嘩でもなく遊びでもなくドウクリなんて言ったかな漢字で書けば胴繰りかな子犬のようにじゃれ合ったり木造校舎の吹きっさらしの廊下の教室の古いオルガンは板の重いペダルを踏んでも音が出たり出なかったり風は歌を知らないのかそれとも風そのものが歌なのかやたら廊下を走り回っていたのは風だったか風の子だったか銀杏の葉っぱを輝かし銀杏の葉っぱをさんざん...冬の風は歌を知らなかった

  • ひたすら空を飛んでみたい

    ブログにカラスのことを書いてからカラスのことが好きになったというかカラスのことが気になってしようがないそれまではあまり好きな鳥ではなかったというよりも嫌いな鳥の部類だった真っ黒で面白くない羽の色や大きな嘴や可愛くない鳴き声ゴミやケモノなどの死骸をあさる姿などどれをとっても好きにはなれなかっただが空をゆったりと飛ぶのを見ているうちにあああのように飛べたら気分がいいだろうなあ行きたいところに好きなように飛んでいける今ごろは金木犀の風がおいしいし雲も様々に変化して綺麗だしその中を飛翔するにはカラスはちょうど良い大きさだし夕映えの雲の背景を活かすには黒い羽も悪くはないそんなことを考えながらぼんやり空を眺めることが多くなったさらに高じてもっと大きな鳥のような飛行機を見るのも好きになった西の空から現れて東の空へまっすぐに雲...ひたすら空を飛んでみたい

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