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みけの物語カフェ ブログ版さんのプロフィール

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ブログタイトル
みけの物語カフェ ブログ版
ブログURL
https://blog.goo.ne.jp/mikeyomoyama
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いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください
更新頻度(1年)

311回 / 365日(平均6.0回/週)

ブログ村参加:2014/10/11

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みけの物語カフェ ブログ版さん
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みけの物語カフェ ブログ版
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みけの物語カフェ ブログ版

みけの物語カフェ ブログ版さんの新着記事

1件〜30件

  • 0937「妊夫」

    産婦人科(さんふじんか)の病院(びょういん)。待合室(まちあいしつ)にいるのは女性ばかりで、付き添(そ)いの男性は数人程度(ていど)。これはいつもの光景(こうけい)だ。でも、今日は場違(ばちが)いな男性が…。彼は、誰(だれ)かの付き添いというわけでもないようだ。一人でぽつんと座っていた。看護師(かんごし)に呼(よ)ばれた彼は診察室(しんさつしつ)へ入って行った。――診察を終えた医師(いし)は彼に言った。「おめでとうございます。四ヶ月ですね」彼は訊(き)き返した。「えっ、四ヶ月?でも、僕(ぼく)は、お、おとこですよ。妊娠(にんしん)なんて…」「最近(さいきん)、増(ふ)えてるんですよ。そういう方が…。でも、心配(しんぱい)いりませんよ。大丈夫(だいじょうぶ)です」「ちょ、ちょっと待って下さい。このお腹(なか)は、...0937「妊夫」

  • 0936「サイン」

    さっきから彼女が何かサインを送(おく)っているような――。でも、それが何なのか彼にはまったく分からなかった。彼女のサインはますます激(はげ)しくなり、何かを訴(うった)えているようだ。でも、彼には????彼女は口を尖(とが)らせて彼を睨(にら)みつけた。彼は困惑(こんわく)するばかり。とうとう彼女は席(せき)を立って彼のところへ――。彼女は言った。「だから、どうして分かんないのよ。さっきから、こうやってるじゃない」彼はのけぞりながら、「いや、そんなこと言われても…」「流(なが)れを見てれば分かるでしょ。今じゃない。今しないでどうするの?」「今って言われても…。何のことだかさっぱり分かんないよ」「はぁ?信じられない。あの娘(こ)のこと好きなんでしょ?男らしく告白(こくはく)してきなよ」「ちょっと待ってよ。僕は別に...0936「サイン」

  • 0935「しずく102~たしなめる」

    夜の学校。校舎(こうしゃ)の屋上(おくじょう)に柊(ひいらぎ)あずみと水木涼(みずきりょう)の姿(すがた)があった。あずみが呟(つぶや)いた。「そう、川相(かわい)さんが…。やっぱり能力者(のうりょくしゃ)だったのね。でも、よかったわ。あなたが無事(ぶじ)で」「私が負(ま)けるわけないでしょ。私の能力(ちから)の方が強(つよ)いんだから」「水木さん、自信過剰(じしんかじょう)は命取(いのちと)りよ。あなたの能力(ちから)は覚醒(かくせい)したばかりで――」「じゃあ、試(ため)してみる?私、先生(せんせい)よりも強くなってるはずよ」涼は手にした竹刀(しない)を構(かま)える。あずみはたしなめるように言った。「今はそんなことしてる場合(ばあい)じゃないでしょ。神崎(かんざき)さんを助(たす)けないと」「じゃあ、初音...0935「しずく102~たしなめる」

  • 0934「心残り」

    病院(びょういん)のベッドで息(いき)を引き取ろうとしている男。そこへ、女が駆(か)け込んで来て叫(さけ)んだ。「先生(せんせい)!ダメですよ。先生には、まだやりたいことがあるんでしょ!」男はビクッとして目を開けた。そして女を見つめると、「何だ。君(きみ)か…。相変(あいかわ)わらずうるさいやつだ。ああ、君ほど騒(さわ)がしい助手(じょしゅ)は初めてだ。おかげで、三途(さんず)の川を渡(わた)りそこねた」「もう、やめて下さい。先生がいなくなったら、私はどうすればいいんですか?」「他の教授(きょうじゅ)につけばいいじゃないか…。そうだ、また冒険(ぼうけん)の旅(たび)に出たいなぁ」「分かりました。すぐに準備(じゅんび)します。先生の病気(びょうき)がよくなって――」「ああ、あの人たちに会いたい。あの人たちに看取(...0934「心残り」

  • 0933「ボケたんや」

    孫娘(まごむすめ)がおじいちゃんに言った。「また、あたしの貯金箱(ちょきんばこ)からお金抜(ぬ)き取ったでしょ?」おじいちゃんは首(くび)をひねりながら答(こた)える。「さぁ、どうだったかな~ぁ。全然(ぜんぜん)、覚(おぼ)えとらんわ。わしも、とうとうボケたんかなぁ」「もう、冗談(じょうだん)いわないで。ちゃんと分かってるんだからね。あのお金は、買いたいものがあるからバイトして貯(た)めてるやつなの。それなのに、どういうことよ」「買いたいもんって、あれだろ?この間(あいだ)、買い物に行ったとき言ってた…」「そうよ。もう、早くしないと売(う)り切れちゃうんだから」「それなら、そこにあるぞ」おじいちゃんは棚(たな)の上を指(ゆび)さした。そこには紙包(かみづつ)みが――。孫娘は袋(ふくろ)を開けて、「こ、これって…...0933「ボケたんや」

  • 0932「盗賊の頭」

    江戸(えど)牛込(うしごめ)辺りの茶店(ちゃみせ)。初老(しょろう)の男が通りを眺(なが)めながら一服(いっぷく)していた。そこへ同心(どうしん)の男がやって来て、茶店の娘(むすめ)に声をかけ、初老の男の傍(そば)に腰(こし)を下ろした。同心は独(ひと)り言のように、「ああ、今日も暑(あつ)くなりそうだ。ここらでひと雨(あめ)ほしいもんだ」初老の男はそれに答(こた)えるように、「そうでございますねぇ。こう暑くては…」「まったくだ」同心は相(あい)づちを打って、「お前さん、どこから来なすった?」「私は、尾張(おわり)の商人(あきんど)でございます。江戸へは久(ひさ)しぶりにまいりまして」「そうかい。それは…。お前さん、知ってるかい。いま、尾張藩(はん)に出入りしているお店(たな)が相次(あいつ)いで盗賊(とうぞく...0932「盗賊の頭」

  • 0931「会計課」

    廃工場(はいこうじょう)の入口(いりぐち)近くで、二人の男が人目(ひとめ)を避(さ)けるように身(み)を隠(かく)していた。若い方の男が、「あの…、どうして僕(ぼく)なんかを…。僕は、刑事(けいじ)でもないし…」「仕方(しかた)ないだろ。人手(ひとで)が足(た)りないんだよ。お前だって、警察官(けいさつかん)だろ?だったら…」「でも、僕は会計課(かいけいか)で、あの、犯人(はんにん)を捕(つか)まえたこともないし、僕なんかじゃ…」廃工場の前に男がやって来た。辺りをうかがって工場の中へ入って行く。「現(あらわ)れやがったなぁ。おい、行くぞ。ヤツを捕まえるんだ」「えっ?でも、待って下さい。もし、中に大勢(おおぜい)いたらどうするんですか?」「心配(しんぱい)ないって。ヤツは小者(こもの)だ。仲間(なかま)がいたとし...0931「会計課」

  • 0930「しずく101~強制覚醒」

    ここは病室(びょうしつ)。柔(やわ)らかな日差(ひざ)しが窓(まど)から入り、カーテン越(ご)しにベッドに寝ている少女を優(やさ)しく包(つつ)み込んでいる。彼女の瞼(まぶた)がかすかに動き、ゆっくりと目を覚(さ)ました。「やっとお目覚(めざ)めだね」ベッドの脇(わき)で座(すわ)っていた男がささやいた。「気分(きぶん)はどうだい?もう心配(しんぱい)いらないよ。つくね、私のこと分かるかい?」「……パパ。どうしたの?今日は、お仕事(しごと)じゃなかったの?」「お前のことが気になって、仕事なんかしてられないよ。どこか痛(いた)いところとか――」「大丈夫(だいじょうぶ)よ。どこも…。ねぇ、あたし、どうしたの?何で、ここに…。思い出せないわ」「大(たい)したことじゃない。明日になれば退院(たいいん)できるさ。そしたら...0930「しずく101~強制覚醒」

  • 0929「スマホデビュー」

    「なぁ、これってどうやったらできるんだよ?」父親(ちちおや)は、風呂(ふろ)上がりの娘(むすめ)に言った。娘は髪(かみ)をタオルで拭(ふ)きながら答(こた)える。「まだやってるの?さっき教(おし)えてあげたじゃない。これは、こうして…」「おお、そうか…。そうだよな。何だ、やっぱりそれでいいんだ」「そんなんで大丈夫(だいじょうぶ)なの?ちゃんと使(つか)えるの?」「大丈夫(だいじょうぶ)だよ。こんなのは電話(でんわ)とメールが使えれば、あとは別に…」「あ~ぁ、もったいない。もっといろんなことできるのに」「でもな、なんでこれって説明書(せつめいしょ)とかついてないんだよ。普通(ふつう)あるだろ?」「そんなのなくても分かるようになってるのよ。で、あとはなに?」「ああ、わるいなぁ。あとは、これなんだけどなぁ、これは何の...0929「スマホデビュー」

  • 0928「競技会場」

    「やっぱりムリです。あたしなんかが出ても、勝(か)てる気がしません」「今になってなに言ってるんだ。これは、チャンスなんだぞ。それを無駄(むだ)にするのか?」「だって監督(かんとく)…。あたしは補欠(ほけつ)ですよ。急病(きゅうびょう)で出られなくなった人の代(か)わりです。他の選手(せんしゅ)を見て下さいよ。みんな自信満々(じしんまんまん)で…、あんな人たちと闘(たたか)えるわけないです」「やる前から怖(お)じ気づいてどうするんだ。補欠とはいっても、お前だって実力(じつりょく)はあるんだ」「気休(きやす)めはやめて下さい。あたしなんか、全然(ぜんぜん)ダメです。監督だって分かってるはずです」「そ、それは違(ちが)うぞ。お前は、ダメなんかじゃない。その証拠(しょうこ)に、ちゃんとここにいるじゃないか。それは、お前...0928「競技会場」

  • 0927「紛争」

    彼らは新婚(しんこん)間もない夫婦(ふうふ)。二人には夢(ゆめ)があった。小さくてもいいから家を持つこと。そのために、二人はできるだけ節約(せつやく)しようと話し合った。それなのに、ああ、それなのに…。夫(おっと)は公然(こうぜん)と、自分の趣味(しゅみ)のためにお金を使い始めたのだ。これには妻(つま)も黙(だま)っていられない。そこで、家族会議(かぞくかいぎ)を開くことにした。開口一番(かいこういちばん)、妻は夫に詰(つ)め寄った。「ねぇ、あたしたち話し合ったわよね。夢のために節約しようって」「そんなこと、分かってるよ。だから、ちゃんと節約してるじゃないか」夫は自分のしていることを棚(たな)に上げ平然(へいぜん)と答(こた)えた。まるで、火に油(あぶら)を注(そそ)ぐように――。「あなた、自分のしてることが分...0927「紛争」

  • 0926「雨小僧」

    彼は、久(ひさ)しぶりに会うことになっている友だちのことを考(かんが)えていた。その友だちとは数十年来(らい)の友人(ゆうじん)で、とっても気の合う仲(なか)だった。でも不思議(ふしぎ)なことがある。彼と待ち合わせをすると、その日はいつも雨(あめ)になってしまうのだ。朝から天気(てんき)が良くても、待ち合わせの時間には雨が降(ふ)り出していた。ある時、彼はその友人に訊(き)いてみた。「君(きみ)は、雨男(あめおとこ)なんじゃないのかい?」すると友人は、「何を言ってるんだよ。君こそ、そうなんだろ?」二人とも、相手(あいて)のせいだと思っていたなんて。ちょっと面白(おもしろ)い話である。しかし、こんなことってあるんだろうか?その後も、彼がその友人に会うときは雨の日になっていた。――彼は明日の準備(じゅんび)を済(す...0926「雨小僧」

  • 0925「しずく100~罰」

    とある場所(ばしょ)――。あの初老(しょろう)の紳士(しんし)を前にして、川相初音(かわいはつね)がひざまずいていた。その周(まわ)りには数人の男たち。紳士はすごい形相(ぎょうそう)で手をあげると、初音の頬(ほお)を打(う)った。初音はその場に倒(たお)れるが、すぐに起き上がり頭を下げた。紳士は息(いき)を整(ととの)えると、静かな口調(くちょう)で言った。「お前には、あいつらを監視(かんし)しろと言ったはずだ。なぜ、余計(よけい)なことをする」初音は必死(ひっし)になって答えた。「すいませんでした。でも、あたしにも…何か…」「ふん、お前ごときの能力(ちから)で何ができるというんだ。この大事(だいじ)なときに――」「あたしにだってできます。あと少しで、始末(しまつ)することができたのに…」紳士は、また初音を殴(...0925「しずく100~罰」

  • 0924「猫のつぶやき」

    吾輩(わがはい)は猫(ねこ)である。名前(なまえ)はまだない。こんなことを言うと、あの有名(ゆうめい)な作品(さくひん)と同じになってしまうのだが、実際(じっさい)にないのだから仕方(しかた)がない。吾輩の飼(か)い主(ぬし)は、まったく吾輩に興味(きょうみ)はないようだ。どうしてこんな家に来てしまったのか…。話せば長くなるのだが、手短(てみじか)に言うと、好きになった女を振(ふ)り向かせるためだった。どうやらその女は同じ職場(しょくば)の人間(にんげん)で、猫好きだという情報(じょうほう)を聞きつけたようだ。まったく迷惑(めいわく)な話である。で、結局(けっきょく)のところ、猫の話題(わだい)で盛(も)り上がりはしたものの、その女を家まで連(つ)れて来ることはできなかったようだ。まったく不甲斐(ふがい)ない結...0924「猫のつぶやき」

  • 0923「風鈴」

    男は風鈴(ふうりん)売りのおじいさんから可愛(かわい)い金魚(きんぎょ)の絵柄(えがら)の風鈴を買った。どうしてそんな気になったのか…。一人暮(ぐ)らしの淋(さび)しさからか、ただの気まぐれなのかもしれない。男は窓(まど)の外へ風鈴を吊(つる)してみた。そして満足(まんぞく)したように部屋にごろりと横になった。男は風鈴に目をやった。風がまったく吹(ふ)かないので、風鈴はチリンとも言わない。いつしか、男は転(うた)た寝(ね)を始めた。どのくらいたったろう。窓から陽(ひ)が射(さ)し込んで、男は目を覚(さ)ました。男は目を細めて風鈴を見た。だが、やはりうんともすんとも動く気配(けはい)はなかった。男は寝ながら大きく伸(の)びをする。そして、窓に背(せ)を向けて起き上がった。その時だ。風鈴がチリリンと涼(すず)しげに...0923「風鈴」

  • 0922「神様の憂鬱」

    「俺(おれ)さぁ、ほんとにこの世界(せかい)で必要(ひつよう)とされてるのかなぁ?」「なに言ってんだよ。そんなこと、あたりまえじゃないか。神様(かみさま)なんだから」「ふっと思うんだよね。俺なんかいなくてもいいんじゃないかって」「どうしたんだよ。なんかあった?」「なんかさぁ…。やりがいって言うか、そういうのないんだよね。ほら、死神(しにがみ)さんとか疫病神(やくびょうがみ)さんは成果(せいか)がすぐ見えるじゃない。でも、俺ってなんもできないし。願(ねが)いごと聞くだけなんだよね。ほんとにそれでいいのかなぁ。もっと他に、こう…」「みんな喜(よろこ)んでるさ。ほら受験(じゅけん)で合格(ごうかく)したり、無事(ぶじ)に出産(しゅっさん)できたり。他にも…」「それはさぁ、子供たちと母親の頑張(がんば)りでしょ。俺なん...0922「神様の憂鬱」

  • 0921「接近中」

    彼は宇宙飛行士(うちゅうひこうし)。それもベテランの…。彼は定年(ていねん)を前にしていた。そんな彼が、地球防衛軍(ちきゅうぼうえいぐん)に呼(よ)び出された。司令長官(しれいちょうかん)は彼に衝撃的(しょうげきてき)な事実(じじつ)を告(つ)げた。「地球(ちきゅう)に接近中(せっきんちゅう)の小惑星(しょうわくせい)がある。直径(ちょっけい)は二十キロ。計算(けいさん)では半年後に地球に落下(らっか)する」彼は自分の耳(みみ)を疑(うたが)った。まさか、そんなことになっているなんて…。司令長官は続けた。「五年前から宇宙空間(くうかん)で巨大宇宙船(きょだいうちゅうせん)を建造中(けんぞうちゅう)だ。まもなく完成(かんせい)する。君(きみ)にはその船長(せんちょう)を任(まか)せたい。君しかいないんだ。地球の運...0921「接近中」

  • 0920「しずく99~散乱」

    バスケットボールは川相初音(かわいはつね)に向かっていくつも飛んで来た。だが、初音は難無(なんな)くかわして、水木涼(みずきりょう)の手を操(あやつ)った。身体(からだ)の自由(じゆう)を奪(うば)われている涼にはどうすることもできない。涼の両手は自身(じしん)の首(くび)をつかんだ。そして、じわじわと締(し)めつけていく。苦(くる)しい息(いき)の中でも、涼は落ち着いていた。床(ゆか)に転(ころ)がっていたボールを宙(ちゅう)に浮(う)かせると、初音の周(まわ)りに集(あつ)めた。初音は呆(あき)れて言った。「いい加減(かげん)にしてよ。そんなことをしても、あなたには勝(か)ち目なんてないわ」「それはどうかな…。あなたって…、ボールを止めることはできないのね」ボールがいっせいに初音めがけて打ち出された。初音は...0920「しずく99~散乱」

  • 0919「約束」

    居酒屋(いざかや)で酒(さけ)を飲みながら近藤(こんどう)が言った。「お前、ほんとにいいのか?佐知(さち)に、幼(おさな)なじみだって言わなくても」「僕(ぼく)のことなんか、覚(おぼ)えてないですよ。小学生の頃(ころ)ですからね。仕方(しかた)ないっていうか…」「でも、約束(やくそく)したんだろ?再会(さいかい)したら――」「もういいです。二十年もたってますから、覚えてないのは当然(とうぜん)で…」近藤は急に話題(わだい)を変えて、「そうだ。佐知、結婚(けっこん)するって言ってたなぁ」「け、結婚!そんな…。ほ、ほんとですか?」「ああ。明日、彼と式場(しきじょう)を見に行くとか…。お前、それでも…。これが最後(さいご)かも…」――とある公園(こうえん)。佐知が誰(だれ)かと待ち合わせをしているようだ。そこへ電話が...0919「約束」

  • 0918「はめる」

    「ねぇ、父(とお)さんは?」息子(むすこ)は家にいた母親(ははおや)に訊(き)いた。母親は狼狽(うろた)えた感じで答(こた)えた。「そ、それがね…。お父さん、しばらく…お仕事(しごと)で帰れなくなって…」「えっ、何でだよ。この間、頼(たの)んだヤツ、買ってくれるって言ったのに」「そう…、そうなの?だったら母(かあ)さんが買ってあげるわ。何を頼んだの?」「新しいパソコンだよ。今のよりずっと性能(せいのう)の良いヤツなんだ。やっぱり母さんだよなぁ。父さんなんかよりずっと良いよ。ほんと、ありがとう」息子は嬉(うれ)しそうに母親に抱(だ)きついた。しかし、その目は笑(わら)ってはいなかった。――ここは警察(けいさつ)の取調室(とりしらべしつ)。父親が刑事(けいじ)に問(と)い詰(つ)められていた。「お前がやったんだな。...0918「はめる」

  • 0917「家風的結婚」

    「ねぇ、あんたはそれでいいの?」友梨香(ゆりか)は心配(しんぱい)そうに言った。「えっ?ああ…、でも、お父様(とうさま)はとっても良(い)い方だって。だから、あたしは…」菊江(きくえ)はそう言うと、恥(は)ずかしそうにうつ向(む)いた。友梨香は呆(あき)れて、「あたしにはムリだわ。だって、一度も会ったことのない人なんでしょ?」「ええ。でも、お父様は、卒業(そつぎょう)したら、その人と結婚(けっこん)しなさいって…」「それ、絶対(ぜったい)おかしいよ。好(す)きでもない人と結婚なんて。あり得(え)ないわ」「あら、そうかしら?でも、お父様は、それが我(わ)が家(や)のためになるんだって…」「どう考えても変だよ。あんたは家のために結婚するの?ほんとにそれでいいの?」「どうして…。結婚相手(あいて)はお父様が決(き)め...0917「家風的結婚」

  • 0916「検索したら」

    僕(ぼく)は、夜中(よなか)に部屋(へや)の扉(とびら)を叩(たた)く音で起こされた。扉の向こうから友だちのか細(ぼそ)い声がした。僕が扉を開けると、外には蒼白(あおじろ)い顔をした友だちが立っていた。友だちは倒(たお)れ込むように部屋に入ると、僕の腕(うで)をつかんで言った。「俺(おれ)…、やっちまったんだ。あの言葉(ことば)…、検索(けんさく)したんだよ」「えっ?何のことだよ。あの言葉って…」「この間、お前が言ってたやつだよ。絶対(ぜったい)に…、検索するなって言ったろ」「ああ、あれか…。あれは、冗談(じょうだん)だよ。まさかお前、本気(ほんき)にしたのか?」友だちは、震(ふる)えながら首(くび)を振(ふ)ると、「いいや…、あれは、冗談じゃなかったよ。あれは、真実(しんじつ)だ。俺…、悪魔(あくま)と契約(...0916「検索したら」

  • 0915「しずく98~試合」

    水木涼(みずきりょう)は、川相初音(かわいはつね)が言ったことに顔色(かおいろ)ひとつ変えなかった。むしろ嬉(うれ)しそうに答(こた)えた。「そう…、そうなんだ。じゃあ、もしかしたら初音も…、同じってことかなぁ」「さぁ、どうでしょう…。あたしの提案(ていあん)、受(う)けていただけるかしら?」涼はしばらく考えてから、「どうしようかなぁ。試(ため)してみてからでもいいかな」涼が手をかざすと床(ゆか)に置かれていた竹刀(しない)が飛(と)んできて、涼の手の中におさまった。そして、初音に竹刀を向けて言った。「あなたにどんな能力(ちから)があるのか知らないけど、私に勝(か)つことができたら考えてあげてもいいわ。私…、自分の能力(ちから)を試してみたくて仕方(しかた)なかったの」涼は、初音に打ち込んだ。だが、竹刀は空(く...0915「しずく98~試合」

  • 0914「第三勢力」

    「なあ、お前はどっちにつくんだ?もちろん俺(おれ)の方だよな?」彼は友だちから迫(せま)られた。彼は、決断(けつだん)に迷(まよ)っていた。すると、別の側(がわ)から、「ダメよ。あたしはこっち側よ。ねえ、だからこっち側にきてよ。お願い」彼女は、彼が好意(こうい)を抱(いだ)いていた女性だ。また反対側(はんたいがわ)から声が上がった。「なに言ってるんだ。君(きみ)は、こいつが告白(こくはく)したのに断(ことわ)ったじゃないか。そんなヤツの言うことなんか聞く必要(ひつよう)はない。俺たちは、ずっと友だちだ。だから――」彼の心は、一瞬(いっしゅん)そっち側へ向(む)かいそうになった。しかし――。「それとこれとは話しが違(ちが)うわ。あたしは、あなたとは付き合うことはできないけど、友だちよ。あたしたち、友だちだよね。あ...0914「第三勢力」

  • 0913「住民登録」

    「あの…、こんなに書くんですか?」村役場(むらやくば)で引っ越(こ)しの手続(てつづ)きに来た男が言った。対応(たいおう)していた役場の女性は、「はい。当(あ)てはまるところへマルをつけていくだけですから。ご家族(かぞく)全員(ぜんいん)分ですので、ちょっと量(りょう)が多いかもしれませんね」男はパラパラと書類(しょるい)に目を通(とお)した。そこには名前(なまえ)、性別(せいべつ)、年齢(ねんれい)はもちろんのこと、職歴(しょくれき)、資格(しかく)、趣味(しゅみ)、嗜好(しこう)にいたるまで。それに、病歴(びょうれき)や健康状態(けんこうじょうたい)に関(かん)すること。さらに、好(この)みのタイプの異性(いせい)についての質問(しつもん)まで――。男は唖然(あぜん)として、「こんな細(こま)かいことまで書...0913「住民登録」

  • 0912「神頼み」

    若(わか)い女性の前に神様(かみさま)が現れた。その神様の言うことには、「いつもおがんでくれてありがとさん。そやけどなぁ、今回のあんたの頼(たの)みは聞けへんで」「なんで?あなたが、彼と結婚(けっこん)させてくれたんでしょ。責任(せきにん)とってよ」「そりゃ、わしは縁結(えんむす)びの神さんやけど…。わしの仕事(しごと)は縁を結ぶことで、その先(さき)のことは自己責任(じこせきにん)やで」「だって…」彼女は悲(かな)しそうに、「彼ったら、あたしのことなんか…」「夫婦喧嘩(ふうふげんか)なんて誰(だれ)でもするもんや。気にしたらあかん。夫婦なんてしょせん赤の他人(たにん)や。考えてることも違(ちが)うやろうし、少しずつ分かり合えばええんとちゃうか」「そりゃ、そうかもしれないけど…。あたし、どうしたらいいかわかんな...0912「神頼み」

  • 0911「どういう状況?」

    「えっ?いま、なんて…」彼女は目(め)を丸(まる)くして、「あたしのこと、スキって…」「ああ…、まあ…、そんな感(かん)じ…かな」彼は目をそらして答(こた)えた。「いやいや…、このタイミング?いま、こういう状況(じょうきょう)なのにそんなこと言うの?」彼女は、なんだか不機嫌(ふきげん)みたいで、「えっ、おかしくない?こんなときに…」彼も、言っちゃった手前(てまえ)、「悪(わる)いかよ。別(べつ)に、いいだろ…」「いや、良い悪いの問題(もんだい)じゃないでしょ。ねぇ、言うんだったら――。ああっ、分かった。じゃあ、もう一度、言って。ちゃんと、あたしを見て」「バカか?そ、そんなこと…。二度も言えるかよ。俺(おれ)は、言わないぞ。ちゃんと言ったんだから。お前だって、聞こえてたはずだ」「聞こえてたけど…。ちゃんと言ってほ...0911「どういう状況?」

  • 0910「しずく97~誘い」

    学校(がっこう)の体育館(たいいくかん)。その真ん中で、剣道着(けんどうぎ)姿(すがた)の水木涼(みずきりょう)が座禅(ざぜん)でもしているように静(しず)かに目を閉じて座(すわ)っていた。彼女一人だけの静まり返った体育館に、川相初音(かわいはつね)が顔を出した。初音は足音(あしおと)を忍(しの)ばせて涼に近づいて行く。そして涼の後ろへ回ると、彼女をつかまえようと手を伸(の)ばした。それは一瞬(いっしゅん)だった。涼の竹刀(しない)が目の前に突(つ)き出てきたのだ。初音は思わず後ろへのけぞり尻餅(しりもち)をついた。「なんだ、初音じゃない。何してるのよ?」涼はふーっと息(いき)を吐(は)く。「も、もう…。危(あぶ)ないじゃない。怪我(けが)でもしたらどうするのよ」「あんたが近づいて来るからでしょ。そんな心配(し...0910「しずく97~誘い」

  • 0909「廃屋」

    「なぁ、本当(ほんと)にここなのかよ?どう見たって廃屋(はいおく)じゃねぇか」雑誌(ざっし)の編集者(へんしゅうしゃ)の男が言った。同僚(どうりょう)の女性がそれに答(こた)えて、「住所(じゅうしょ)はここで間違(まちが)いないはずよ。引っ越(こ)してなきゃだけど…」「だからやめとけって言ったんだよ。三十年前は有名(ゆうめい)な作家(さっか)だったのかもしれないけど、今じゃまったく連絡(れんらく)も取れないんだろ?」「もう、分かってるわよ。仕方(しかた)ないじゃない。編集長(へんしゅうちょう)が次の企画(きかく)出せってうるさいし」「それにしたって、何でこんな作家を選(えら)んだんだよ。他にもいたんじゃないの?」こんなところで議論(ぎろん)しても仕方がない。二人は、その廃屋を訪(たず)ねることにした。雑草(ざっ...0909「廃屋」

  • 0908「美的センス」

    この病院(びょういん)には異星人(いせいじん)が住(す)み着いていた。僕(ぼく)がそのことを知ったのは、ここで働(はたら)き始めてすぐのことだった。その異星人は、なぜか僕のことを気に入ってしまって――。「あの、先生(せんせい)…。こちらの方は?」診察室(しんさつしつ)で患者(かんじゃ)の女性から訊(き)かれてしまった。「ああ、気にしないで下さい。外国(がいこく)から研修(けんしゅう)に来られていて…」この説明(せつめい)を何度(なんど)したことか。ずっと僕の後(うし)ろでニコニコしてるから怪(あや)しまれるんだ。僕は異星人に訴(うった)えた。僕から離(はな)れてくれって…。でも、どうやら無駄(むだ)のようだ。ますます話しかけて来るようになってしまった。僕がカルテを見ているときも、「ああ、この個体(こたい)は治(...0908「美的センス」

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