1435「しずく202~光の糸」
水木涼(みずきりょう)が叫(さけ)んだ。「気をつけて!見えないヤツが――」涼が言い終(おわ)わらないうちに、カラスと呼(よ)ばれた敵(てき)は神崎(かんざき)つくねに襲(おそ)いかかっていた。つくねは服(ふく)を切(き)られたが何とかかわし、涼に叫んだ。「そっちへ行ったわよ!」涼は身構(みがま)えるが敵の姿(すがた)がまったくつかめない。突然(とつぜん)、右腕(みぎうで)が何かにつかまれてぐいっと背中(せなか)の方へひねられた。後(うしろ)に何かいる。そう思った時には、膝(ひざ)を落(お)として身動(みうご)きができなくなっていた。首筋(くびすじ)に何か冷(つめ)たいものが当(あ)たった。涼は息(いき)を呑(の)んだ。涼は思った。まさか、こんなにあっけなく死(し)んじゃうなんて…。まだ恋(こい)もしてない...1435「しずく202~光の糸」
2023/11/30 18:02