0018「携帯つながり」
駅前(えきまえ)にある女神(めがみ)の銅像(どうぞう)。いつからか、ここは恋人(こいびと)たちの待(ま)ち合(あ)わせの場所(ばしょ)になっていた。今宵(こよい)も女神(めがみ)が見守(みまも)るなか、何組(なんくみ)もの恋人(こいびと)たちが夜(よる)の街(まち)に消(き)えていった。亜紀(あき)は駅(えき)の大時計(おおどけい)を何度(なんど)も見上(みあ)げていた。今夜(こんや)は、一週間(いっしゅうかん)ぶりに彼(かれ)に会(あ)える。この一週間(いっしゅうかん)、お互(たが)いの仕事(しごと)が忙(いそが)しくて、電話(でんわ)でちょっと話(はな)しをしただけだったのだ。亜紀(あき)は人混(ひとご)みの中(なか)に彼(かれ)を見(み)つけて、思(おも)わず笑(え)みがこぼれた。彼(かれ)も彼女(...0018「携帯つながり」
2025/07/08 18:48