春の風が柔らかく吹く朝、あなた――二宮菜月は、 桃ヶ丘学園の校門を潜った。 桃ヶ丘学園は、創立百年以上の歴史を誇るミッション系の女子校で、 かつては修道院と併設されており、品格と知性を兼ね備えた女性を、
春の風が柔らかく吹く朝、あなた――二宮菜月は、 桃ヶ丘学園の校門を潜った。 桃ヶ丘学園は、創立百年以上の歴史を誇るミッション系の女子校で、 かつては修道院と併設されており、品格と知性を兼ね備えた女性を、
第一話 消えないもの その部屋には、何かがいる。 引っ越し初日の夜、タケルは寝室の隅に奇妙な黒い染みを見つけた。 壁紙の裏から滲み出るようなその跡は、人の形に見える。 ちょうど闇から抜け出した
荒涼とした大地の果て、冷たい海風が吹き荒れる孤島に、 一つの刑務所が聳え立っている。 静物画のような、完全な静止に澄む神秘で荘厳な雰囲気。 脱出不可能と名高い刑務所、いや、監獄要塞―――。 第一層は低
ドアを開けた瞬間、鼻を突く腐敗臭が襲いかかった。 埃まみれの家具、壁を覆うカビ、 足元に積み重なるゴミの山―――この家のかつての姿を、 想像することすら難しい。 物を溜め込む習慣(捨てられない心理)に
霧の向こう森の建物群、それは沈黙の領域。 光も届かず、時の流れすら歪んでいる。 建物も道路も、ありとあらゆるものが——、 ガラスのように透き通って、 その心臓部、巨大な塔と尖塔とを、 塩の塔のごとくしら
小宮一家は理想の家族だった——少なくとも、表向きは。 ある日、家族旅行の途中で見つけた遊園地、 ―――Happy Land。 どこか懐かしい雰囲気のある場所だったが、 観光マップを見ていた母親がふと違和感を覚える
イラスト詩「cream soda with ice cream time」
冷たい花なのに、頬っぺたに触れると熱い。 ねえ これは恋? それとも魔法? あなたが指向する“現実”とは何か? 長い冬を溶かしたら、 春は奇跡を織りだすから、 やわらかなそよ風に乗って、 夢の匂いのよ
そっと指を絡ませたまま、 君の隣で、 崩れた波頭のような遁走、 メープルシロップになった蝶や花、 なんて、どうだろう、 あるいは迷走―――瞑想、 ことさら悠っくりと、 髪の中へと沈潜してゆくこと―――で、
裂けた空からこぼれ落ちる雨の滴は、 イエローサファイアにも―――見え、た・・。 重力を忘れたかのように宙を踊る。 ダイヤモンドのこの上ない輝きに、 ダークブルーのアクセントを添え―――て。 ナイフエッジ効
足が震え、 貧乏ゆすりがリズムを刻む。 交感神経系が活性化し、 心拍数の上昇や筋緊張、アドレナリンの分泌増加・・・。 低気圧の中心に流れこもうとする風と雲は、 地球の自転によるコリオリ効果によって右に
運動神経の信号伝達。脳の運動皮質から脊髄を経由し、 末梢神経を介して筋肉へ活動指令が送られる。 簡単なことだ。 校庭の隅のジャングルジムで、 夜の鬼ごっこが始まったように、 末梢神経のα運動ニューロン
骸骨蟻と沈黙の都市 Skeleton Ants and the Silent City カフェの片隅、静寂のなかでひとり座る老人がいる。 ほんのひと時が・・・、 薄雲がかって朧に霞む。 まだ見えてはこない釘の箱からこぼれ出た無数の釘
星の間で、ただ Among the stars, just 夜の静寂が肌に染み込むように広がる。 後ろより蝸牛のような影が追い抜き、 その次に生身の身体が追い抜いてゆく、 ゆるやかなリズムで、 人生の一場面を走り抜け
夏になると怖い夢を思い出す。 粘りつく湿気が肌にまとわりつき、鳥肌が立つ。 夢の中で赤ちゃんがいないとか言って包丁を持った女が追い掛けて来る。 半狂乱だった。 額には汗の珠がはじき出されるように流れて
ブルーノートの囁き、 悲し、みと混ジ、っ、テ、 パパパ...ズッダダダ! 電光石火、深部で、濁った水溜まり、 誰かが作っ
昆虫の危険度は単なる身体の大きさで測れるものではない。 むしろ、矮小で取るに足らないものに見える身体をした、 その昆虫の中にこそ強力な毒を持つものや、 病原菌を媒介するものが多く存在する。 実際に、毎
ミラージュ・サーガ・ フラクタル・アリアの酩酊 静かな午後の空気が、 万華鏡の覗き穴した、音の粒子に、 幌馬車した。 煉獄のカルマなんていうものを、 うっすら想像したくなるぐらいの奈落の底へ。
詩 言葉が揺らめいて、溜息になったろう、 そして澄んだ空気の中で光は鍵の束のようになり、 てんでばらばらの不細工な花束のようになるだろう。 時間の経過を恐れない、 古びてしまうことも新しくなるこ
胡蝶の夢、星の海の歩み それは、天体の燃ゆる眼を逃れ、 脳天に撃ち落された光のシンバル―――。 静かな湖のほとりに立ち、 周囲を睥睨すると、 木材建築の東屋、その頂辺で雀がおり、 間隔を置いて共
すぺえす・まくどなるど マクドナルドの午後だ 僕はさっき何食わぬ顔をして食事を取って来た、 興信所の人がいるかも知れない、 (そんな話を何処かで呼んだ、見張るんだ、 二階の窓から、) だのに、今も
僕と君のいない世界 A world without you and me かすかに目を開けて…。 これからかける甘い魔法は、 見慣れた景色を雨戸の奥に閉じ込めるだろ―――う・・、 夜は更け、星は消えゆく火花となるとして、も。
優しさという勉強 「優しくするとつけあがる人がいる」という現象は、 心理学的にも社会的にもよく見られる。 依存や境界線の曖昧さに関連する問題だ。 他者との関わりにおいては、 「支援」と「甘やか
蟻の社会 歩道に落ちる赤の点描。 眼は、血走った。 映写機の示すような姿態の次々の連続。 兇悪な野性。 この舞台に劇場の幕はおりない。 ひとつの出し物が終われば、次の出し物へ移行する。 (画面が
二人の時間 ほろり、として。 咽喉が甘痒い。 眼の端が―――。 それを堪えるための手続き、 向き合いたくなくて、 心を抉られたくなくて、 後ろを向いて、 それこそ眼も合わせられなくて、 流れ作業の
Are you done? (わからない――) (わからないはずがあるか・・・) 、、、 そう言った 、、、 でも本当なんだ ((息...を...吸...う...)) 「もういちどおねがい」 と言ってくれたら。時の経過に
自分の立ち位置 BeReal嫌い、うますぎやろがい好き、 (...思考が始まる、) (...適当に選んだはずの言葉が、 不思議と意味を持ち始めることもある、) +「スマホの通知が鳴る」 +「それは映えか、そ
人生は誰のもの? すごろくのような明確な人生が魅力的なのか、 それとも、 予測不可能な道のりのほうが面白いのか。 考えてみなよ、と言われた。 革命や保守は、行動を伴う選択肢で、 何もしないこと
君は笑えた? 特別な遊びがしたい、 時々思い出しては笑って、 静かに息づいてる神聖な魔法、 共有する感覚、つながること、 結ばれること、それでも揺れること、 それだから揺れること、 そんなことを繰
少女と遊ぼう 「お嬢しゅわーん」 「やり直し、おとといきやがれ」 「お嬢さん、何してるの?」 「ロリコン、死ね」 「でもお金いっぱい持ってる」 「売るほど?」 「売るほどは、ないな」 「じゃあロリ
あなたの舞踏服はコスモ色 そうだろう、 『はい』と言った。 ―――まったく嫌になる・・。 紙の息、ぶざまなティッシュ・ペーパーの残像、 犬、嵐、電車、 酔っぱらったピアノ、バリトン、黄色の電球。 (シ
透ける足の風の中 なにひとつ、 そう―――。 白磁の皿を抱えて、 青磁が、 瑠璃と玻璃が・・・・・・。 いや、ずっと昔からここは、 氷河期だ。 (塵箱...骰子......) (sad...) なにひとつ、も・・。
モッコーリ幕府の野鳥観察記 鳥の声、静かに響イテイマース。 吾輩、アメーリカの人が・・・、 人です、――聞いたトコーロによれば、 望遠鏡でヤチョウカンサツ・・、 デ、ゴザール。 ちょっと、これは日本人
アホの歌 同情を商売にするのが、 人間というものですか。 てめえで堪えろ。 強くなれ。 チンチンついてんのか。 ついてなかったらごめん。 ギブソンでシバいたろか。 孤独や絶望を商売にするのが、
ブラックアウト エラーデス、ニンジン、ピーマン、 エラーデス、シュクダイ、ママノイライラ、 エラーデス、ヒューマン、 エラーデス・・・・・・。 イロガ、キエテユキマス。 マックロナガヨウシ、ガ、オチ
猫のヒトコマ とべ! とぶ! にゃにゃにゃ! うおううおう! ろっくんろーる!
ちょっと眼が怖いだけのカノジョ こんばんは、不法侵入しますね。 大丈夫、お金を盗んだりしないから。 「来ちゃった」の類似系。 カノジョじゃないけど、 だって、好きって言った。 好きって言った。
埋葬される感受性 そろそろピサの斜塔の記憶へ戻る頃。 傾いた時間が、足元をゆっくりと引きずっていく。 ポプラの樹には夕暮れの街灯が似合う。 公孫樹の樹には路地裏とおはじきの残像。 針に糸も通せぬ
アイスクリームは 溶けてしまった 夏の匂いが思い出せなくなったのは、 いつからだろう。 少年の感覚が蒸発していった気がする、 僕は今、何者なのかと問いながら、 夏がおかしくなったような気がして
恋愛小説 忘れられない人がいる。 深夜二時にコンビニのレジ越しに 君とばったり出会えたらなって、 想像してる僕は多分愚か者だ。 好きな人に好きって言おう、 そのための鎮静剤が欲しい。 ブラウン
夢の向こう側 遥か遠い昔に、 放たれたあの光が、 僕等の距離を、 ゼロに変える。 遠い誰かの心へ、 そっと、そっと、 響く。 夏の終わりを、 告げる虫の音。 今日も夜空を、 ふと見上げる。
わからないことがいっぱいの世界だ、 美しいこと、楽しいこと、 自分が本当にしたいことを大切にしよう。 無表情じゃない、 無感動じゃない、 無意味じゃない、 無責任じゃない、 夕陽が街を朱く染める瞬
俺はアメリカ大統領 「俺がトランプだ!」 めっちゃ沸いた。 俺はロシアとトランポリンを、 してやった! 「ポピュリズム、保護主義、 ナショナリズム、 アメリカ第一主義!」 めっちゃ沸いた。
猫の世界 窓辺へ跳び上がる。 遠くで鳥が鳴いた。 猫に生まれ変わってはや数年、 世界の一部になった。 世界は様変わりし続けていますニャ、 あ、ニャってつけちゃった。 細長い瞳、ピンと立つ耳
何処にでもありそうな、 光射す山道とガードレールのある車道には、 人工的に整備された道というだけでなく、 人間の思考や社会秩序の縮図の一端を見ることが出来る。 寒波の時に見るペンギンの歩き方にインス
R,R,R,R,R,R,R,R,R,R,R......Ready, get set, go! Ready go(R,R,R,R,R,R,R,R,R,R,R......) Ready, set, go! Rea
、、、、 いらいらが、澱のように溜まってゆく、 頭がしびれて行くのか、世界がしびれて行くのか、
ビルの隙間をすり抜ける風、 青い血が透いて見える程に薄い空、 流れる時間はシームレス。 ネオンがまだ眠る朝の街、 ねえ、この街はまだ夢の中? お前は次のフレームへ移動する、 (ah ah ah...) ah(ah)
「すき家」を運営するゼンショーは、ネズミやゴキブリの混入の騒動を受けて、 二十四時間を取り止めるというインパクトある手法を打ち出した。 SNSの薄っぺらい文化の中ではこういう考えが支持されるのだろうと思
湖面は夕陽に焼かれ、 金と朱の炎が静かに揺らめいていた。 夜の境界をゆっくりと飲み込みながら、 中空を滑り降りてゆく水面に沈む陽の名残は、 鳥の行方、木々の枝や幹の揺れさえも克明に、 詳細な焼き込みで
丘へと風が柔らかく頬を撫でる午後、 坂になった桜並木の道。 バス停から、 なだらかな山の稜線の影が見え、 過ぎ去った時間がそっと語りかけている。 野山の空気は格別で、清新だ。 肌寒さが、鋭い。 陽を遮
春は夢の中 単なる地図上の点ではなく、感情や記憶、 開いた手からこぼれていったのは、青い春―――だ・・。 足音も人声も、春の寝ぼけたようなムードに誘われて、 大きな固まり、小さな固まり、合体したり離れたりを
桜の頃 桜が咲き乱れ、雲の林のように見える中に、 常緑樹や、針葉樹林が混じっているのが、 ことさら春めいて美しい。 超高層の鏡面に桜が歪曲し、 アンドロイドの瞳がそれを記録するとしても。 女の戸
「読む文化」から「体験する文化」へ。 From a "culture of reading" to a "culture of experiencing." 脳に感電する、 プラグ・インする、 パフォーマンスへ。 It's an electric shock to the brain, plugg
Towards Catastrophe バスキアの線は途切れ、 シャネルの黒を纏った季節だ、 パリの裏通りでひび割れた鏡が、 ウディ・アレンのフィルムに映る憂鬱、 タルコフスキーの雨に滲む記憶、 アナ・ウィンター
ultra マティスの青が滲む、 流れる色、消えゆく線、 何かが揺れる、 何かが沈む、 何かが、―――消える。 薬指。 小指。 ピカソの線が震える。 キャンバスの奥で、 ワイエスの沈黙が息をする。 隣
英雄譚 夜の闇が迫る無機質な都市、その片隅に、 石鹸の亡骸が横たわっていた。 かつて彼は王だった。動物性脂肪と木の灰から生まれ、 人類の汚れを優しく洗い流す守護者だった。 約一万年前、人類が火を
パチンコ依存症 パチンコ屋の駐車場が満車なのを見て、 不思議に思ったことがある人もいるだろう。 パチンコ屋といえば、「換金のシステム」や、 「駐車場で子供を置き去りにする毒親」 などでよく知られ
口臭の話 歯ぐきの健康を通じたカラダ全体の健康を推進する団体、 「オーラルプロテクトコンソーシアム」が、 在日外国人一〇〇人(米国六〇人/欧州四〇人)と、 二〇〜四〇代の日本人の男女計六〇〇人に、
雪と犬と肉まん 静寂が支配する冬の夜、世界は白一色。 その物事の間に脈絡をつける過程で、 ぎゅっと押しつぶされた雪が鳴る。 キュッキュッと澱粉を踏んだような音もする、面白い。 だけれど、全身雪まみ
グリフォン 猛々しい咆哮が山脈全体を震わせた。 鬨の声。 その音は単なる獣声ではない。 空亙り。 それは、あの―――。 何か間違ってはいないものの響き、 ずっと昔に起こった何かの経験、正しく光り輝く
魔王城 眼前に伸びる階段はただの建築物ではなかった。 いや、この城そのものが不条理そのものだ。 空中からの襲撃に備えているような刺々しい尖塔、 居住スペースとしては理解できない罠だらけの迷宮。 今
SHE ある晴れた休日の昼下がり、空は雲一つない青さを湛え、 窓から差し込む陽光が畳の上に幾何学的な模様を描いていた。 僕はその光のささやかなる如雨露の前で大の字になって寝転がり、 シャブリエの楽し
縁側 休日の夕方の中庭の縁側というものには時間の儚さと静寂がよく似合う。 そもそも建物の縁に沿い、畳の部屋の周りに作られている板敷きの通路で、 現在は壁や雨戸で外界と仕切られることも多いが、 もと
離陸 窓の外の景色が勢いを増して流れていく。 人間の夢と過信の両側面を映し出すのを宛然と見ている、 イカロスの末裔達。 マルティン・ハイデガーの技術論では、 技術は単なる道具ではなく、存在を開示す
映画館 映画館というのは文化的施設であり、娯楽の一つであるが、 そんな堅苦しいのそもそもいらねえというサイコパスの手合いには、 たかだか映写機で映画をスクリーンに投影する場所ということになる。 ア
秋は淋しく 空気に溺れた魚のように葉が落ち、 眼の前に迫る暗がり。 決死的漂流をへても低く重く歩む堅実なるもの、 誰がその過酷なる運命に祝福の花束をあたへたまふか? 揺れる―――。 揺れて―――いる・・
油と鉄と木と歯車 港の物流倉庫の外壁には、何十年も潮風にさらされた痕跡があり、 錆びた背骨のような弓なりにも見える金属部分が赤茶色に変色している。 その鉄骨構造は、幾何学的なパターンを描き、 光が
BROTHER&SISTER 夕陽が海に沈む音を聞けば、 ざらついた雨が住宅街に、降る。 その中を遮二無二に走る少年は、 とっくに全身がずぶ濡れ。 額を伝う水滴が汗なのか雨水なのか、 もう区別がつかない。 なっ
「 消えゆく足音の向こう側で心の扉を開く音・・。
漁り火や、篝火のように、 あかあかと燃えることもないまま、
なのに、ああ、なんでこんなに胸が痛いのか・・・・・・。 咽喉がじりじりと焦げ付くほどの非常な苦悩。 言葉が咽喉の奥に引っ掛かったまま、出てこない。 ベランダの壁に寄りかかって、欠けていない月を見上げる。 雲
心の中の掟 頭の中で三八〇〇万円の、 家が出て来る。 友達が、タワマンに住む、 月四五万円の税理士のことを話した、 せいだ。 冷蔵庫ない。 お腹減ったら買いに行く主義。 蛍光灯ない。 朝、光と
先生の言っていることは、 普通の人には、 ちょっと難しすぎる気がします 大切なのは釣りをしている気分であって、 かかる魚ではな―――い・・。 走馬燈のように、 駆け抜けるものが、センチメンタルに分か―
凍てついてゆく音楽 誰かを想定することから、 降りられない僕等は 病んでいるんだ 「さよなら」って君が言う。 省略しきって、圧縮しきって、 シフトしたんだ、 でも僕は納得しない、 心があるから
I don't say anything, I just think about reality 分断された・・・ 起源。 多様な・・・ 仮面性。 アイデンティティも、 まやかしの一部・・・ 矛盾と葛藤の、 虚実皮膜。 見るという 行為を穿
あした 森の奥で見つけた 道の終わりは今もわからないけど、 長かった冬はもう終わるんでしょ、 夜を追い越した明日の色の中で、 線や面や球体ではなく、 点が無数にあって、 これからセールスマン問題を
喫茶店 ああ、ミラーボールみたいな日々だな、ランプは消えたな、 ビリヤードなのか、ドミノ倒しなのか、 月が穴から出て来るもぐら叩きに見えて来―――る。 スタバ系の横文字だらけのメニューみたいだな、
black or white どんな絵を描いていこう? 真っ白な僕等のキャンバスに、超高層ビルの影が落ちる、 生命の維持に欠かすことのできない水と憂鬱な業、 地上一〇〇階オーヴァーのモウロウタル境界線。 誰かを
神様を信じていた 雨を待ち、 夏を待ち、 風を待ち、 ―――夢へ。 錆びた無人駅、枯れた向日葵、 ああ、ルービック・キューブみたいだ、 入道雲、いつも通りの情景へ、 悪魔の泣きぼくろみたい弁慶の泣
波音を聴かせて 胸いっぱいの波音よ、風の行き先よ、 運命という言葉がふと懐かしく思い出せるほどに、 どうして色んなことは変わってゆくのかと考えていた、 それは世界との折り合いなんだ、帳尻の付け方な
かもめ神話日和 かもちゃんは、かもめ公園で、 小学生の子供達ばかり集めて言った。 男の子が十数人ほどいて、女の子が六人ほどいた。 鳥はおびただしいほど、無数いた。 「古来、ティンティンというのは取
世間話 老いらくの恋というのがあり、ロミオとジュリエット、 絶賛反対されながら再婚する男女もいる。 年甲斐もないという意見もあるが、依存関係ではなく、 純粋に誰かを好きでいられるというのはいいこと
世界はある日、 僕等の知らないところで、 終わっている One day, the world will end without us even knowing コーヒーにミルクを入れるような、 エントロピー。 それが起こった世界。 局所的ではなく
じくう もた とりかご で 時空に凭れながら鳥
以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。
以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。
以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。
十九時の魔法、踊らされる日々。 このままここは百人の村、 イカロスの翼が沈むのを待った泥の船。 砂の城は弱者の手紙に流される。 いつかやってくるのはSun goes down それ幾ら払えば買えるの? (デスペラ
イラスト詩「Who am I? Tell me I don't know」
水になった、の、さ。 天国のような、光を、呑んで。 羽根をもがれ、のた打ち回る、ジャイロコンパスが指し示す天国への白い栞
「いつまで僕は君のつまらない話を聞けばいいのか?」 「いつまで君のつまらない世界を見ていればいいのか?」
「重い翳りを伴った水の一滴が、 長方形に仕切られた棺のような空間に思えてくる・・」 「血に餓え、血が湧き、煮立った、夜の
計 測 、 制 御 、 回 路 管 理 、 そ し て セ キ ュ リ テ ィ シ ス テ ム 。バッハの曲が低音量で鳴っている、 ●蛇口に針金で巻かれたような自動販売機 ●弦がすべて切れて路
ちちんぷいぷい、すっとこどっこい。 映像
雲か霞のように捕捉しがたい状態で、 魂に刻まれた遠い憧れのように愛しい
何もないこの白い部屋で、 怠惰に、不活性的に、 ひっそりと、存在することが、
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春の風が柔らかく吹く朝、あなた――二宮菜月は、 桃ヶ丘学園の校門を潜った。 桃ヶ丘学園は、創立百年以上の歴史を誇るミッション系の女子校で、 かつては修道院と併設されており、品格と知性を兼ね備えた女性を、
第一話 消えないもの その部屋には、何かがいる。 引っ越し初日の夜、タケルは寝室の隅に奇妙な黒い染みを見つけた。 壁紙の裏から滲み出るようなその跡は、人の形に見える。 ちょうど闇から抜け出した
荒涼とした大地の果て、冷たい海風が吹き荒れる孤島に、 一つの刑務所が聳え立っている。 静物画のような、完全な静止に澄む神秘で荘厳な雰囲気。 脱出不可能と名高い刑務所、いや、監獄要塞―――。 第一層は低
ドアを開けた瞬間、鼻を突く腐敗臭が襲いかかった。 埃まみれの家具、壁を覆うカビ、 足元に積み重なるゴミの山―――この家のかつての姿を、 想像することすら難しい。 物を溜め込む習慣(捨てられない心理)に
霧の向こう森の建物群、それは沈黙の領域。 光も届かず、時の流れすら歪んでいる。 建物も道路も、ありとあらゆるものが——、 ガラスのように透き通って、 その心臓部、巨大な塔と尖塔とを、 塩の塔のごとくしら
小宮一家は理想の家族だった——少なくとも、表向きは。 ある日、家族旅行の途中で見つけた遊園地、 ―――Happy Land。 どこか懐かしい雰囲気のある場所だったが、 観光マップを見ていた母親がふと違和感を覚える
冷たい花なのに、頬っぺたに触れると熱い。 ねえ これは恋? それとも魔法? あなたが指向する“現実”とは何か? 長い冬を溶かしたら、 春は奇跡を織りだすから、 やわらかなそよ風に乗って、 夢の匂いのよ
そっと指を絡ませたまま、 君の隣で、 崩れた波頭のような遁走、 メープルシロップになった蝶や花、 なんて、どうだろう、 あるいは迷走―――瞑想、 ことさら悠っくりと、 髪の中へと沈潜してゆくこと―――で、
裂けた空からこぼれ落ちる雨の滴は、 イエローサファイアにも―――見え、た・・。 重力を忘れたかのように宙を踊る。 ダイヤモンドのこの上ない輝きに、 ダークブルーのアクセントを添え―――て。 ナイフエッジ効
足が震え、 貧乏ゆすりがリズムを刻む。 交感神経系が活性化し、 心拍数の上昇や筋緊張、アドレナリンの分泌増加・・・。 低気圧の中心に流れこもうとする風と雲は、 地球の自転によるコリオリ効果によって右に
運動神経の信号伝達。脳の運動皮質から脊髄を経由し、 末梢神経を介して筋肉へ活動指令が送られる。 簡単なことだ。 校庭の隅のジャングルジムで、 夜の鬼ごっこが始まったように、 末梢神経のα運動ニューロン
骸骨蟻と沈黙の都市 Skeleton Ants and the Silent City カフェの片隅、静寂のなかでひとり座る老人がいる。 ほんのひと時が・・・、 薄雲がかって朧に霞む。 まだ見えてはこない釘の箱からこぼれ出た無数の釘
星の間で、ただ Among the stars, just 夜の静寂が肌に染み込むように広がる。 後ろより蝸牛のような影が追い抜き、 その次に生身の身体が追い抜いてゆく、 ゆるやかなリズムで、 人生の一場面を走り抜け
夏になると怖い夢を思い出す。 粘りつく湿気が肌にまとわりつき、鳥肌が立つ。 夢の中で赤ちゃんがいないとか言って包丁を持った女が追い掛けて来る。 半狂乱だった。 額には汗の珠がはじき出されるように流れて
ブルーノートの囁き、 悲し、みと混ジ、っ、テ、 パパパ...ズッダダダ! 電光石火、深部で、濁った水溜まり、 誰かが作っ
昆虫の危険度は単なる身体の大きさで測れるものではない。 むしろ、矮小で取るに足らないものに見える身体をした、 その昆虫の中にこそ強力な毒を持つものや、 病原菌を媒介するものが多く存在する。 実際に、毎
鏡にキスをする女 懐疑的通り越して、人間不信気味だった頃の僕は、 美味しい食事も、綺麗な服も、化粧も不要だと思っていた。 舞台設定や、装飾的な理解としてでしか、 僕はそういううすっぺらい女を理解で
カーテンの僅かな隙間で、 オフィーリアが死んでいた。 化粧台の上に、 襟巻蜥蜴がいて、 漆を塗ったような、 明るい殻が割れている。 青絵具で空を塗りつぶすと、 縞瑪瑙になり、 ややもすると緑色の縞
Secret time on a rainy day 夕方過ぎの通り雨がもたらした空間を、 頭上の薄い光の層が消えてゆくことで、 謎の、ナンダカクロイ、 グレーダヨ、シンジケートにする。 エロイムエッサイム、エロイムエッ
自分に勝ちたい 勝敗とか、才能って、絶望的なレンズで、 新奇な形態を組織したぐらいじゃ抜け出せない。 でも・・・。 負けたくないことに理由はないよね。 素直な“勝ちたい” 諦めたら、そこで試合終了
(「Give me your first time」) 君が眼鏡外したって、 靴下を脱がなきゃはじまらない。 素ー顔(は、) 服の一部じゃない。
ミーミカ 眼に見えない速度で、 芝居のあさぎ幕のように、ゆっくりと世界は暮れていった。 熟れたトマトや、朝顔にも、少しの皺もなかった。 まだ賞味期限は来ていないし、景品表示法は成立してる。 それでも
(...暗闇で、星が見える、頭じゃなくて、 眼でもない、心で、選んだ―――感じた・・・ 誰も が 何か を (・・・静謐なる花骸に アルペジオ的生体反応。 願っ て る I want to burn it completely
月が見えるか? (「Can you see the moon?」) 警察官の僕は、 殺人事件限定で、神出鬼没に現れる、 探偵の噂についてよく知っている。 問題は三つある、 現場を猫さながら素足で歩く悪癖があり、 僕
Strange Days of Despair 浅い眠りの何の意味もない、ざわめき―――が、 どうしてか―――あたしの胸をさらう・・・。 水に落とした墨汁の雫、胸の中でまだら模様が拡がる。 「「「So here's to love, the highs a
バス停 言葉の壊れた世界の入り口のようなバス停。 紫陽花の花壇が、 重ね着の襟元にほの見える白い肌のように見える。 ゴルゴーンの顔を見たものは石になってしまう、 瀝青のいろをしている排水溝。 農産
夏になる ―――世界(は、) タタタ、と水滴のリズム、で、 氷砂糖が落ちてった、 センシティヴ・デッドなら、 砂漠で一粒のダイヤモンドを、 見つけるような確率なんて、 気障なことは言わないで。
短縮/縮小/ 省略/全体像 ジオラマやヴィネット、 ゲームなんかではクォータービューというけれど、 巨人になってゴキブリホイホイみたいな屋根をパカッと外せたら、 (それは“発想の勝利”だけど) ――
You are always the one who gives me the words I really want ただいまって言えたら、 おかえりって言って欲しい。 脳髄の底を透明な振動が潜って、 甘やかな美しい旋律を見ている気がする。 恋を
magnetic world 化け物の中へ入っていったことは、 覚えている。 “深淵のラビア” (電磁波測定、各種放射線測定、 言語化プログラムを含んだエラーコード、) ...PS.shock trigger spiralの罠。 本体を
注がれることのなかった、 コーヒーカップへ、 知的な陰翳を嫌った、 難解な迷路の、 路地裏の気配が忍び寄る。 It was never poured, to the coffee cup He hated intellectual shadows. A difficult maz
機能と障害 周囲がぐるぐると回転して、 妄想という晦渋の餌食になる。 一歩間違えば、被害妄想の穴の底。 天国へと至る梯子は何処だ? apocalypse... “吊るすもの“ “吊るされるもの“ 光の複雑な
Reggae 象のような君は、 君も靴の裏に沢山の蟻を潰してる。 黒が何層にも渡って塗りたくられた、 深夜のグラデーションカラー、 テクノや、ファンクを聴いているのか、君は。 段ボールで作られたスチーム
夕陽 世界が終わるって 言った その瞬間に やっぱり 世界は終わったんだよ 二つの答えがあって その一つを選んだ そんな禅問答みたいな よくわからない 慰めにもならないことを 考えながら 強くなろ
君が想うよりずっと 何処までも行けるような気がしていたんだ、 馬鹿な僕等は、輝きに溢れた真夏の昼間に、 笑って泣いて、そして怒って、取り乱して、 写真機のシャッターが降りて、 気化した色素の透明で
欲求不満の先輩は 後輩とシモネタを 熱く語りたい 「ここだけの話さ、女の子だったら誰でもいいって思う? なんていうんだろう、リアルソードアートオンラインっていうか。 ヤバいと感じたものがなにも