メインカテゴリーを選択しなおす
ジョージ・オーウェルが没してから既に70年を超える月日を経た今日、同氏の代表作である『1984年』は、再び脚光を浴びています。ITが発展し、‘政府の嘘’が露呈してきた現代という時代が、同作品に描かれているディストピアに酷似してきたからです。オーウェル自身は同書の出版も1984年をも待たずに47歳の若さでこの世を去ったものの、国民監視装置としてのテレスクリーンの発想などは何処に由来するのか、極めて興味深いところです。政治思想の観点から見ても、オーウェルの『1984年』は、貴重な作品であるように思えます。現代の政治理論家や政治思想家が面と向かっては書かなかった、あるいは、‘書けなかった’支配者の側の統治術が記述されているからです。今日にあっては、理論や思想を評価する場合、民主主義、自由主義、基本権の尊重といっ...‘二重思考’とは‘馬鹿の故事’の現代版であった