忘れえぬ山/カムイエクウチカウシ山からコイカクシュサツナイ岳へ

忘れえぬ山/カムイエクウチカウシ山からコイカクシュサツナイ岳へ

">26歳頃の話である。当時、東京でシステムエンジニアとして働いていた私は「仕事が充実している」と自分に言い聞かせながら、実のところひどく疲弊していた。仕事が自分の世界とは遠くかけ離れた世界のように感じていた。仕事と山。僕の心は完全に二極分化していた。だから少しでもまとまった休暇があるとすぐにひとり山に逃げ出すのだった。 その夏、京浜東北線に揺られながら「山に行きたい」という気持ちがくすぶり、激しく燃え上がりだした。自分にとって何か手ごたえのある山に登りたい。充実感のある山に登りたい。私は日高山脈のカムイエクウチカウシ山を選んだ。 "> どこでこの山を知ったのだろう?。星野道夫さんの本の中に出…

2022/09/05 08:10