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    アクアパーク品川 宝石みたいな海月2025.6.12 flowers 身近な花たち 日舞 日舞

  • 海のない街で

    薄明をゆく 砂の城を壊してきた 公園の帰り道 繋がれた手を あっさりほどくと 空を指差して あの海に いつか行きたいね と言うあなた そのみずみずしい言葉に導かれ 視線をあげてみれば 伸びやかにたなびいている 紺青色の層雲 たしかに海みたいに見えるけど あれは雲だよ と 少し遠慮がちに わたしは告げる そうなんだ 行きたかったのに どこへも行けない と思っていた幼少を あなたに引き渡したくなくて 慌ててつけ加える いつか行こうね あの雲の向こうの たしかに名づけられている海岸へ いつ? いつ? と聞いてくるあなたの耳は わたしの

  • 6/3秋のまたたきに「秋へ」を追加...

    6/3秋のまたたきに「秋へ」を追加。 6/2詩の倉庫に「秋になったら」を追加。 季節外れですが。 5/29雨の詩に「大樹」を追加。 5/27冬空の欠片に「冬未明」を追加。早朝働いていた頃の記憶。 秋さやか

  • 5/25夏の詩に「花火」を追加しま...

    5/25夏の詩に「花火」を追加しました。 秋さやか

  • 葉桜

    気もそぞろに過ぎてゆく四月 容赦なく降り続く花の雨が 肩にかかる 放たれた熱を静め いつかの傷を塞ぐように 桜散る 水面の冷たさへ くちづけて 別れを告げる 出会うために やがてくる雨後の朝 清々と身軽に揺れる青葉は つややかに目覚めている 風はもう 感傷も怯えも何も持たない 純粋な風となって 葉桜を吹き抜ける 人々の行き交う交差点 点滅する信号を 今日は諦めてもいい 瞳を閉じて 風に溶けた葉桜の色彩を たっぷりと吸い込めば わたしは青く透き通ってゆく なびく髪から散らばる五感 眼裏に投影された 葉脈のみちすじを辿り あたたかで懐かしい 畳の滑らかな手触り い草の匂

  • 詩の倉庫

    蝶泉万華鏡空生きるという世界灯台月明かりの下で

  • プラネタリウム

    秋の空気を纏った人々が ぞろぞろと 吸い込まれていく プラネタリウムの場内 投影機を取り囲んだ席の どこが特等席かわからず 心許ない気持ちのまま みな散り散りに腰をおろしてゆく 丸天井の 無機質な白を見上げる 瞳の無垢さ 子供は少し大人びて 大人は少し子供に戻って 待ちわびている 日常の眠るとき ふっとこぼれた 溜息とともに照明が消え 浮かび上がってくる いつかの空 早送りされてしまう 夕暮れの寂しさを 見つめながら 居場所は心地よく見失われてゆく そうしてふわりと放り出される 数多の星のなか 解説員の ゆったりとし

  • たそがれの詩

    柘榴  -夕焼けを吸って柘榴は満ちてゆく- 割れた柘榴を見つめていた 夕焼けを吸うたびに 満ちてゆく内側に耐えきれず 割れてしまったのだろうか ぎっしりと詰まった一粒一粒の 赤々と透きとおる果肉が わたしの脈と共鳴しあうように 輝いていた それは小学校低学年のころ 毎日の習い事が 幼さを味わう余白を 塗りつぶして 頼りなげに寄れた紙を 鞄に詰めてゆく そうして帰り支度をしていると 個人塾の玄関に飾られた 割れ柘榴が 目に飛び込んできたのだ 無性に喉が渇く 初めて見るその瑞々しい輝きに 釘付けになったわたしは おもわずひとつぶを 口に含んでしまった ちいさな果

  • 俳句倉庫

    青嵐俳談2021〜2023自由律俳句子育て俳句2019〜2022自作いろはうた

  • 漆黒の旋律 -篠田教夫「海辺の断崖」に寄せて

    しんしんと降る 月光に背を向けて 画家はひたすら 塗りつぶしていく 細く尖った鉛筆の先が 闇に溶けながら 闇を深くする 紙と鉛筆の擦れ合う音は 延々と繋がり 外側と 内側の境を曖昧にして ひたすら ひたすら 漆黒の闇だけを求め 夜の海を どこまでも潜っていくように ひたすら 塗りつぶしていく そうして辿り着く 深海の底へ 画家は静かに鉛筆を置いた ゆっくりと閉じられる瞼 ふっと漏れる ため息の泡が 水面へとむかっていく 今夜は満月だろうか まなうらの明るさのなかで 脈打っている 闇に埋もれた遥かな景色 水面で泡が弾ける音 あるいは 蛇口から 一滴の水がこぼれ

  • 着物|日舞|写真

    着物が好きです。 子供の頃習っていた日舞、いまは娘が習っています。 2025年発表会七五三2024年発表会2023年発表会2022発表会

  • 雨の詩

    雨の日には いつからか 雨が降り続いている 雨音は 私のからだの中へ積もって 冷えた爪先を見つめれば 青色のペディキュアの奥は 静かなさざ波 揺らめく光が消えかけている あゝ 水族館へ行こう とふと思い立ち 気づけば トンネルのような 入り口の前に立っていた 雨音が少し遠のいた ここをくぐれば もう雨音はしないだろう ゆっくりと 別れを告げるように 暗闇へと進んでゆく 静寂の向こう 優しい光をたたえながら ただよう海月 たましいを 水の中へ入れたら こんなふうだろうか こちら側へ残した 未練の糸のような 触手に わたしは引き寄せられていく

  • 冬空の欠片

    流星群 一七歳の無力さを覚えている うかつにひらいた手のひらの その軽さに打ちのめされて 孤独を孤独で埋めるように もう片方の手を重ねた 祈りとは呼べない不器用な形 出会わない折り鶴たちが 横たわる窓辺 分け合えない哀しみの隔たりに 獅子座流星群は降り注いでいた 救うことも 救われることもできずに 大人になることも 子供でいることもできずに スマホをいじる指の軌道を まだ知らない指で 流星群の軌道を寂しくなぞっていた なにも紡げない白い息 の向こうで 星は流れ続けた 途切れてしまうオルゴールの 切ない音色を繋ぐように もしあなたも あの夜空を最期に見ていたのなら

  • 夏の詩

    花火 ようやく祖母の通夜が終わり 帰りのマイクロバスに乗る 熟れきった疲れを 背もたれに預けて目を閉じると 日本は何県あるんだっけ などと 年老いた親戚たちの とりとめのない会話が聞こえてくる 無垢な白髪を 夜へ浸しながら そんなことも朧げになってゆく 死を畏れないための やさしい忘却の果てで 祖母は眠っていた 死にたい死にたいと言う人だった けれど 忘れてゆくことは畏れていた それとも 忘れられることを畏れていたのだろうか ゆらめく記憶の尾鰭を 追いかけていると とつぜん大きな破裂音がして 窓に映るわたしと目が合う 親戚たちの会話はあっけなく途切れ みな一斉に見つめ

  • 鳥たち

    川辺にて きらめく川の流れのなか 一羽の白鷺が立っている 真昼 淋しさからも 別れからも 遠いから 油断した影を連れて 歩んでいたのに ふいにわたしの視界に現れて 淋しさや 別れを よみがえらせる 祈りを失った青すぎる空に 水音は吸い上げられて しじま 何かを待ち続ける か細い脚が 凛と突き刺さっている 底のわずかな温かさをおもう 川はほんとうに流れているだろうか 時はほんとうに流れているだろうか そんな懸念にわたしは 水面に映る輪郭を ひたむきに辿る まなざしのゆくえ 眩しさのなかで揺れているのは いつでもまっしろだ とおもっていた 祖母の割烹着 柔らか

  • 物語詩

    巡る -2021- コスモスが揺れていた さみしくて揺れていた 触れ合いたくて揺れていた 泣きたくて揺れていた 風から伝え聞いた 山々の向こうの 波をおもって揺れていた 薄明るい満月の夜 暗闇を纏って近づいてきた雄鹿に かぷと食べられた あれはいつかのわたし 熱い胃液に溶かされていくなかで さいごに聞いたのは 暗闇を突き破る銃声だった けれど闇は より一層闇を深め 命から命へと流れていった 巡り来るふたたびの秋 沈殿する夜のなか 透きとおったものと 透きとおったものが混じり合い ひとつの輪郭となり 月を満たしていく 脈打つ光のまぶしさに

  • 娘へ

    紫陽花 湯舟にたっぷりと浸かり すこやかに濡れる ちいさな背中の蒙古斑 思春期になったとき あなたは気にするだろうか 雨の朝を 閉じこめたように優しい その色を プールの授業中 背中に注がれる視線を 恐れるだろうか 空を模す 紫陽花のように淡い そのあざを 降りくる灯りと 立ちのぼる湯気に包まれて 曇った鏡に わたしを描いてくれている あなたの描くわたしは いつも完璧だけれど 幼いころ たった数個のほくろを気にしていたことを あなたは知らない 微かな動きから生まれる あなたの波紋が わたしの胸へ流れつく そろそろのぼせてしまうから 肩甲骨

  • わたしの旅行記|旅行で俳句|オーパークおごせ

    陶土練る春のこころを入れるため 陶芸体験 花火移し合うように言葉交わせたら 花火 寂しさの埋まるマシュマロ溶けゆけば 焼きマシュマロ みずうみへ映る春雲へと潜る スパ 春風をお腹にためて抱卵季 イースターのイベントで宝探し中 #わたしの旅行記

  • 季節工場 -春夏秋冬-

    春 ぽとんぽとんぽとぽとん 季節工場の屋根の下 ずらりと並べられたバケツのなかへ 雪解雫の落ちる音が響きだします ぽとんぽとんぽとぽとん 朝日を孕んだ雫の 楽しげな音色は 何かを呼んでいるようです 今日は待ちに待った日 明け方の浅い眠りのなかで聞いた 数発の花火は開催の合図 子供たちは工場へ 息を切らして走ってゆきます 両手に抱えた砂糖と洗剤を 落としそうで落とさずに 開け放たれた門の前には 虹色模様のストローがたくさん置かれ 切り込みが入った先っぽは花のよう 「ひとりいっぽん」という注意書き 子供たちは 一目散にバケツのもとへと駆け寄って 真っ白な砂糖をさらさらといれてゆきます 溶

  • 望遠鏡 -囀りに闇やはらかくなり夜明け-

    美しいものは無いのです ほんとうに美しいものなど無いのです 光を泳がせる 紺碧の海が 美しいわけではないのです 余熱を沈めていく 紺青の空が 美しいわけではないのです 闇を柔らかくしていく かはたれの囀りが 美しいわけではないのです わたしの心が あなたの心が あるとき、それらを うつくしい と決めたのです 深く震える溜息の代わりに すこし湿った瞬きの代わりに それでももし ほんとうに美しいものの在り処を 知りたいのなら 遡っていかなくてはならないのです 心というものの軌跡を 月も星もない夜 望遠鏡を覗きこむように どこ

  • 月夜 -あなたという山脈なぞる月夜かな-

    月明かりの照らす 青く湿った部屋 あなたの寝息に呼応して 膨張していく まっしろな壁 まるで窓の向こうは 海だったような 気がして 喉が渇く (カーテンを開ければ第二病棟のはずだ) あなたは 息を吸いながら 水を飲んでいるのと言った わたしも試してみるけれど 口内も 鼻腔も あなたの匂いに満ちるだけで もしかしたら あなたそのものが水なのではないか 閉じられた瞳は 海へ還っていこうとする 河口の色をしているのではないか などと 不安に駆られ 横たわるあなたの なだらかな腰を そっと撫でてみる 指先はたしかに触れているのに とても遠い

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