2025年6月
蜘蛛 -小茂田青樹「夜露」によせて あざみの棘に 夜がひび割れた ように見えたけれど あれは あざみとあざみを繋ぐ 蜘蛛の糸 かすかに震えて 月夜の晩に奏でられる 風の伴奏 細くしなやかな弦に 夜露とあざみと月光が 絡まった ひとつの世界へ 私の視線は捕えられ 糸に囲われた闇は 思想で埋め尽くされているから もう何も語らなくていい 鼻を掠めるどくだみの匂いだけで じゅうぶん わたしたちは始まりから 捕えられていた 蜘蛛の歩みに だからこそ もがいている もがいてももがいても あざみの癒えない痛みを どくだみで麻痺させるだけで わたしたちはいつまでも ひび割れた
アクアパーク品川 宝石みたいな海月2025.6.12 flowers 身近な花たち 日舞 日舞
薄明をゆく 砂の城を壊してきた 公園の帰り道 繋がれた手を あっさりほどくと 空を指差して あの海に いつか行きたいね と言うあなた そのみずみずしい言葉に導かれ 視線をあげてみれば 伸びやかにたなびいている 紺青色の層雲 たしかに海みたいに見えるけど あれは雲だよ と 少し遠慮がちに わたしは告げる そうなんだ 行きたかったのに どこへも行けない と思っていた幼少を あなたに引き渡したくなくて 慌ててつけ加える いつか行こうね あの雲の向こうの たしかに名づけられている海岸へ いつ? いつ? と聞いてくるあなたの耳は わたしの
6/3秋のまたたきに「秋へ」を追加。 6/2詩の倉庫に「秋になったら」を追加。 季節外れですが。 5/29雨の詩に「大樹」を追加。 5/27冬空の欠片に「冬未明」を追加。早朝働いていた頃の記憶。 秋さやか
2025年6月
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