chevron_left

メインカテゴリーを選択しなおす

cancel
arrow_drop_down
  • 茶話179 / 老いの小文 六-①

    今年こそ満開の桜を観に来いよと、備前の国に家を持つ友人が誘ってくれた。予報では26日が開花で、満開は四月の上旬。だが、四月は何かと所用があり日程が合わない。ならば、満開の桜は諦めて、せめて天気の良い日にと思い、三月の下旬に備前の旅に出ることになった。弥生も末の七日。昼前に、友人が堺の実家から車で迎えに来てくれた。備前の土産にと用意していたキャベツやレタスの苗を積み、いつも通り西国街道(山陽路)をひた走る。途中、明石の宿で弁当を買おうとするも、昼遅く、お握り二個と沢庵の入った弁当しかない。まあ、播磨の国の美味しい米を食すのも悪くはあるまいと購入する。ベンチに座って弁当に張られたシールを見る。播磨の米のはずだと思って買ったのに、製造は「京都府城陽市」とある。備前の旅は「~のはずなのに」が、なぜかよくある。桜が...茶話179/老いの小文六-①

  • 畑199 / 畑の法則

    孫が遊びに来て「今年もイチゴをいっぱい食べさせてね」と言う。……。去年の春のカラスに落花生の苗200株を全部引き抜かれた事件で、イチゴの苗を採るのを忘れてしまった。夏に思い出して、あちこちに生えているのをかき集めて20株ほど苗床に植えておいた。ところが、秋に定植しなければならないのに、アライグマに落花生を食べられた騒動で忘れてしまったのだ。さて、どうしよう……、自分のせいではなくカラスとアライグマのせいだからと責任転嫁して、特にやらなくてもいいだろうと勝手に理由をつくり、どうにでもなれと居直って、結局、放ったらかしにしてしまった。随分と長く考えたあげくだったのに……。「今年もイチゴをいっぱい食べさせてね」だなんて可愛いこと言われると……。やるしかない!〈人は、他者から期待されると、期待に沿った成果を出す〉...畑199/畑の法則

  • 畑198 / エメットの法則

    暖かくなったので、朝の7時に畑へ。さて、なにしよう?やるべきことが無いのではなくて、やるべきことがたくさん有りすぎる。そりゃそうだ。3月になっても寒かったし、たまに暖かい日があっても、健気に咲く花を眺めているだけだったんだから……。さーてと……畑を見回す。そして、最も後回しにしてしまうであろう作業をすることにしている。仕事を後回しにしてしまうと、忘れてしまうかもしれないし、仕事に追われてしまうかもしれない。結果として労力が倍になってしまう可能性がある。経営コンサルタントのリタ・エメットという人が著書で提唱したので、「エメットの法則」という。法則なんぞと大げさに言わなくったって、そんなの、子どものころからわかってる。夏休みの宿題を後回しにして、どんなに叱られ、必死になったことか。畑の片隅にあるミカン・イチジ...畑198/エメットの法則

  • 畑197 / 根本

    畑の片隅にある趣味のコーナ。盆栽でもやってみるかと、挿し木から育てた、さつき、くちなし、それと木瓜。普段は放ったらかしにしているが、花が咲くころに存在に気づく。木瓜の蕾が膨らみだした。「ぼけ」とはまた不幸な名を与えられたもんだ。そのうえ、半分ボケた老人に育てられていたのでは、たまったもんではなかろう。しかし、その花は肉厚で光沢があり、美しい。蕾は、頬を紅く染めた少女のようiに可愛いい。中国名の「木瓜」を音読みして「ボクカ」、それが訛って「ボケ」となった。「木の瓜」と書くように、瓜のような実をつける。盆栽用の木瓜は実のならない品種だから、とんと実を見たことない。カリンに似た実がつくらしい。焼酎に漬けて木瓜酒、乾燥させて漢方薬に使っていたとか。実のなる品種の種を買って育ててみたいものだ。暖かいので家の中で育て...畑197/根本

  • 畑196 / 健気

    今日(21日)は全国的に暖かく、大阪も17℃の暖かさ。だが、朝一で百姓仲間からlineメール、「やられた!白菜400株!全滅!」犯人はヒヨドリ。数百匹の集団で舞い降りて来て芯を喰ってしまうので商品にはならない。カラスに次ぐ害鳥我が畑でも、キャベツをボコボコにやられたことがある。なんとも切ないが、朝の7時半から子ども見守り隊があるので、いつもの交差点へ。「おはよう!」「おはようございます!」不安げだった1年生も、元気に挨拶できるようになった。家に帰って朝食をとって畑へ。ビニールハウスの中で冬越させていたホテイアオイが、なんとか緑を保って冬を越してくれ。随分小さいが、冬の間、じっと寒さに耐えてくれたのだ。キャベツの横には、こぼれ種のネモフィラが一株。キャベツの大きな葉に押されながらも、負けるものかと花茎をもた...畑196/健気

  • 畑195 / 百姓はつらいよ

    露地植えのエンドウが、ようやく伸びだした。とはいえ、まだまだ30㎝くらいしかない。ビニールハウスの中で栽培しているエンドウは、すでに実が付きだした。二月から花が咲いたのだが、寒さのせいか、花が終わって実になりかけの頃にポロポロと落ちてしまう。三月になって、ようやく実が大きくなり出した。1・2・3・4・5……莢の数を数えて……50で辛んどくなってやめた。実エンドウは、実が大きくなって、莢(さや)に少ししわができるまで、開花から30日ほどかかる。今の様子だと、あと二週間もすれば収穫できるだろう。露地植えだと五月の連休頃が収穫期だから、一ヶ月早く春が味わえる。それに、去年はカラスにほとんど食べられてしまったが、ハウスの中は安全だ。二年ぶりの豆ごはんを一足早く食べることができる。自家栽培しているからなのか、スーパ...畑195/百姓はつらいよ

  • 畑194 / 彼岸

    彼岸に入ったというのに昨日は雪。ご先祖様も、さぞかし驚いておられるにちがいない。夜を寒み朝戸を開き出で見れば庭もはだらにみ雪降りたり(万葉集:作者未詳)「彼岸過ぎても七はだれ」という諺(ことわざ)がある。「はだれ」は「はだれ雪(まばだに、薄く積もった雪)」のこと。彼岸が過ぎても七回は、はだれ雪が降る。北海道や東北の春の遅い地方の諺だろう。うってかわって今日は雲一つとてない彼岸の中日。暑さ寒さも彼岸まで。春の早い地方では、こっちの諺がぴったりだ。ビニールハウスの中の椅子を外に出して、のんびりと日向ぼっこ。この世かあの世か、此岸(しがん)か彼岸か分からない、ぼーっと時を過ごせる気持ちよさ。あー、なまんだぶ、なまんだぶ……。真東から昇ったお天道様が、真上を通り過ぎようとしている。さあ、そろそろ帰るか……。すると...畑194/彼岸

  • 茶話178 / まいどおおきに!

    記事の数が500になった。一月の下旬で、ブログ開設からちょうど三年になった。それまでに達成したかったが、冬場にさぼりすぎてできなかった。冬場はたいした働きをしていないから、頭も働かない。書きかけのものが十ほどある。いつかどこかで、ブログの記事は味噌汁のようなものだと書いた。書きかけのネタ(味噌)を蔵で寝かせておいたら、いつか豆腐や油揚げのネタと結びついて味噌汁(記事)ができる。しかし、今回のは、冬の話題ばかりだから、春が来ればお蔵入りになる。いくらなんでも一年も寝かせるとカビが生える。四つのカテゴリーで記事を書いている。「よもやま話(茶話)」は、様々なテーマで書いているので雑記ブログ。「菜園日誌(畑)」は日記ブログだが、その都度にテーマを決めて書いているので雑記ブログに近い。「歴史」と「祭と俄(俄)」は、...茶話178/まいどおおきに!

  • 茶話177 / なのはな

    畑に出たいのだが、ここ数日、通り雨が降る。降るなら降る、降らないなら降らないの、なんともけじめのない天候。菜種梅雨。ところが、ナタネは、菜っ葉の種子という意味で、特定の品種として存在しない。♪菜の花畑に入日薄れ見わたす山の端霞ふかし♪ならば「ナノハナ」かと思いきや、ナノハナという植物はない。ナノハナは、黄色い花をつけるアブラナ科アブラナ属の花の俗称だ。ハクサイ、カブ、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイ、キャベツなどのアブラナ科の花や実が、ナタネ・ナノハナである。みな、この時期になると一斉に花芽をつける。そして、雨が降り続く。スーパーで売っている食用の花の蕾がアブラナ。正式には西洋アブラナ。花を食べるので花菜(はなな)とよび、葉を食べると菜花(なばな)という。昔は種から油を採って行燈の燃料にしていたので油菜・菜...茶話177/なのはな

  • 茶話176 / はーくしょん!

    朝の6時半頃が日の出なので、朝日を浴びようと外に出る。陽は出ているが、なにやら薄いレースのカーテンに覆われてぼんやりとしている。黄砂か花粉か……はーくしょん!やはり花粉か……はーくしょん!家に入って……はーくしょん!ティッシュを探して……はーくしょん!ティッシュをぬいて……はーくしょん!薬を飲んでいるのに……はーくしょん!もひとつついでに……はーくしょん!くしゃみ1回の消費カロリーは4kcalだとか。120歩の歩行と同じエネルギーを消費する。今日の朝は7回くしゃみしたので、10分歩いたのと同じになる。そう思えば気も楽か。花粉の時期が終われば本格的な春。そう発想の転換をすれば希望が湧いてくるか。甚だ厄介……花鼻困った……はーくしょん!休息万命急々如律令!茶話176/はーくしょん!

  • 茶話175 / ヘィークション!

    身中の虫吹つ飛ばす大嚔(おおくさめ)/山口正心ヘィークションと一回だけの大くしゃみは、なんとも言えぬ快感だ。『枕草子』の中に、はなひて誦文(ずもん)する。おほかた、人の家の男主(おとこしゅう)ならでは、高くはなひたる、いとにくし。くしゃみをして呪文を唱えるのって下品。大体において、その家の主人ならまだしも、雇い人が大きなくしゃみをするのは、ほんとに気持ち悪いたらありゃしない!上品な平安貴族にとっては、一目はばからぬ大くしゃみは不愉快極まりない。コロナやインフルの感染症流行のこの時期の大くしゃみは、違う意味で人に不快感を与える。一昔前に有った風邪薬コンタックのCМ。狂言師の和泉元秀が出てきて……。大きな毛抜きにはさまれて、ねながらグッとぞ抜きにける。はあーくっさめ!くっさめ!「くしゃみの呪文」というのが「く...茶話175/ヘィークション!

  • 畑193 / 花は咲く

    3月になったのに雨やら寒波やらで再度の冬眠状態。今日あたりから春めいてくるという天気予報。そろそろ本格的に畑活に入ろうと6時半に外に出たが寒い。外で飼ってるメダカの水槽をのぞくと薄氷がはっている。バイクのサドルには霜が降りている。大きな御天道様が昇ってきたのに温度計はまだ3度。まだまだ冬か。ならばもう一度穴暗に入っているとしよう。のんびりするつもりでいたのに9時を過ぎたころから気温がぐんぐん上がってきた。氷の解けた水槽のメダカが日向ぼっこに水面へ上がってきている。慌てて畑へ行ってビニールハウスの中の温度計を見ると35度。野菜だって熱中症になる。ビニールをめくり上げて涼しい空気を入れてやる。冬だか春だか夏だか分からなくなる。しばらくして百姓仲間のLINEグループに「ジャガイモの芽が出た!!」のメール。もう一...畑193/花は咲く

  • 茶話174 / もこもこ

    なぜか無性に食べたくなった。「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」藤田まことの出世作『てなもんや三度笠』の中で使われた宣伝文句だ。駄洒落を使って無理やり言葉を加えていくので「付け足し言葉」という。この昭和を代表する名文句で前田製菓は一躍有名になった。その前田のクラッカーが食べたくなった。ところがどっこいごっつぁんどすこい。どこにも売っていないイナイバー。藤井寺市に前田製菓の直営店があるので行ってみたが、なぜか売っていない。やっぱりさっぱりちんぷんかんぷん。困った困ったこまどり姉妹。やけのやんぱち日焼けのなすび。どうぞかなえて暮の鐘。インターネットで検索したら、なんと有馬の温泉饅頭。売っているのは、水金地火木百均ダイソー。何のこっちゃ、抹茶に紅茶。驚き桃の木山椒の木。願ったり叶ったり晴れたり曇った...茶話174/もこもこ

  • 茶話173 / 雨

    昨日に増してどんよりとした空。降っているのか、降っていないのか、わからないような雨。傍で我が相方が洗濯物を部屋の中に吊るしている。てるてる坊主でも作ろうか……。カムイ・パパイヤ・アーホーイヤ。あーした天気になぁーれ!アイヌのまじないでも唱えようか……。それとも、靴でも飛ばそうか……。あーした天気になぁーれ!東北地方では、雨が降り続いたとき、晴れを願って、行事の前日に御天気祀りとやらをする。大酒飲んで大騒ぎする宴会……だという。そんなの、毎日、こっそり、独りで、やっとるわい!雨に交じって、梅の花がしきりに散る。去年は、花が少なく、実があまり成らなかった。梅干し用の実が少ないのにがっかりした我が相方。どこで教えてもらったのか、手にノコギリを持って、梅の木に向かって「成るか成らぬか。成らねば切るぞ」と脅しをかけ...茶話173/雨

  • 畑192 / はーやくこい

    昼過ぎに歩数計を見ると58歩。昨日に続いて、今日も朝から雨。赤い鼻緒のじょじょ履いて、おんも(=表)に出たいのだが、ままならない。3時ころから、ようやく雨があがり、水筒に熱いコーヒー入れて畑へ。殊更にするべきことはないから、ビニールハウスの中で、とりあえずのコーヒーをすする。そして、おもむろにハウスの中の小さな畑の様子を確認する。ナス・トマト・キャベツ・ブロツコリー。まだまだ双葉だが、本葉が見えてくれば春になる。春を迎える畑には、楽しみがたくさんある。こないだまで、たよりげなかったレンゲの葉が、いつのまにやら青々としてきた。こいつが、あの赤い花をさかせるのか。露地だと気づかないが、ハウスの中だと、植物の成長の仕方がよく解る。ほっほぉう……!キャベツはこんなふうにして玉をつくっていくのか。花芽を包み込むよう...畑192/はーやくこい

  • 茶話172 / 飴ちゃん

    大阪のおばちゃんは、いつも飴を持っているというのは有名だが、おっちゃんだって持っている。最近、飴ちゃんにはまっている。お気に入りはK社の珈琲飴。少し甘いが、下手なコーヒーを飲んでいるより美味い。最初はウォーキングの喉潤しにと買ったが、最近は、寝る前にも一粒口に含む。昔だったら以ての外だったが、砂糖・糖類ゼロのノンシュガーだから罪悪感はない。布団の中で湯たんぽ抱いて、甘ほろ苦さを堪能する至福のひと時である。砂糖に水を入れて煮詰める。100度くらいになるとシロップができる。さらに煮詰めて120度くらいにするとキャラメル。150度まで煮詰めるとドロップができる。160度まで煮詰めて、ようやく金色のべっこう飴になる。砂糖の固まりだから、代表的なべっこう飴の黄金糖は一粒19kcalもある。グリコのキャラメル1粒は1...茶話172/飴ちゃん

  • 茶話171 / さんさんと

    昨日3月2日は石川大清掃。流域の人々が約1万人集まって石川のゴミを拾った。我々百姓仲間はダムの水門付近に集合。ゴミ集めは少年野球の子どもたちにお任せして、おっさんたちは雑木の伐採。一時間足らずの間に、ゴミの集積場は山のようになる。過去の集計では50トンのゴミが集まるという。なんとも逞しい人々の力よ!だが、逆にいえば、50トンものゴミを捨てる人間がいるということだ。なんとも情けないことよ!今日は朝から雨。しばらくまとまった雨が降らなかったので、田畑に水を入れるダムも涸れかけの溜池状態だった。有難い雨だ。♪雨潸潸とこの身に落ちてわずかばかりの運の悪さを恨んだりして♪(「愛燦燦」詞曲小椋佳)「潸潸(さんさん)」は〈涙が流れるようにさめざめと降る様子〉。雨、さんさんと……、3・3。三月三日……、今日は雛祭。女の子...茶話171/さんさんと

arrow_drop_down

ブログリーダー」を活用して、八十八さんをフォローしませんか?

ハンドル名
八十八さん
ブログタイトル
河内国喜志村覚え書き
フォロー
河内国喜志村覚え書き

にほんブログ村 カテゴリー一覧

商用