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  • 茶話152 / 老いの小文 五の⑤

    ※④のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。旅の三日目も備前晴で、午前中は昨日刈り残した草を刈た。11時頃に早々に切り上げて、少し早い昼食のカップうどんをすする。昨日の夜、酒を飲んでいて、「いつもの湯郷の温泉は飽きたから、違う温泉に行こう」。「それなら、奥津温泉に行こう。奥津渓も紅葉しているかもしれない」。「紅葉しているはずだ」という断定ではなく、「紅葉しているかもしれない」の推量表現に何んだか安心した。岡山三大河川の一つである吉井川に沿って津山へ。津山から、また吉井川にそって北に上る。吉井川の源流が奥津渓なのだ。光沢のある真っ黒な瓦の家が続く。日本三大瓦の一つである島根の石州瓦(赤色)の黒色バージョンで、屋根に積もった雪を早く溶かすために黒い釉薬を塗っているのだという。黒光る石州瓦に柿紅...茶話152/老いの小文五の⑤

  • 茶話151 / 老いの小文 五の④

    ※③のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。見事な雲海を見損ねて海の底に帰り、30分もすると霧が晴れて陽の光が差してきた。旅の一番の目的は、友人の畑の草抜きである。さっそく小鎌を手に畑に出る。そして、見事としか言いようのない草原を見る。それもエノコロ(草)、露草、赤まんまの背の高い草が、クローバー、チドメグサの横に広がる草を覆っている。去年に来たときはこんなんではなかったのに、今年は、普通の畑ではまず見ることのない厄介者の巣窟ではないか。そうか……、去年は夏に来て草抜きをしたのだ。しかし、今年は猛暑に堪えかねて来なかったので、厄介者がはびこったのだ。草刈り機を使ったら歯に巻き付いて難儀するに違いない。ならばというので、友人に「のこぎり鎌はないか」と言うと、すぐに持って来てくれた。これで勇気...茶話151/老いの小文五の④

  • 茶話150 / 老いの小文 五の③

    ※②のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。もみじ寺から怖ろしく狭い山道を通る。谷底に落ちれば、行方不明のまま朽ち果てるだろうという道であった。ようやく見知った道に出てほっと息をつく。見知ったスーパーに入って、家飲み用のアテを買う。明るいうちに友人宅に着く。無事にたどり着けたというので、まずはビールで乾杯。そしてそのままオジン二人の質素な酒盛りとなる。朝は何時もの防災無線の音楽で目が覚める。友人が来て、雲海を見に行こうと言う。そういえば、夕んべの酒宴の中で、見事な雲海の写真を見せてくれたのを思い出した。外に出てみると、山々は霧に覆われている。こんな日は、見事な雲海になるのだ、というので、是里(これさと)とい展望台に向かう。深い霧の中を車は走る。この霧を抜けると青空が広がり、人生観を変えるほ...茶話150/老いの小文五の③

  • 茶話149 / 老いの小文 五の➁

    ※①のつづきです。姫路を過ぎてバイパスを下り、出雲街道を北へ向かい龍野に着く。日本で最も愛唱されている童謡「赤とんぼ」の作詩者三木露風の生誕地である。夕焼小焼のあかとんぼ、負はれて見たのは、いつの日か山の畑の桑の実を、小籠につんだは、まぼろしか十五で、姐やは嫁にゆき、お里のたよりもたえはてた夕やけ小やけの赤とんぼ、とまつてゐるよ、竿の先露風が歳の時に両親が離婚をし、露風は祖父の家に引き取られる。そこで出会ったのが、お手伝いとして雇われていた子守娘の「姐や」である。姐やは母親のいない露風を、このうえなくかわいがってくれたという。龍野の市街を抜けると田園が広がっている。車窓から古ぼけた民家を見つけるたびに、夕焼け小焼けのノスタルジアにひたっていた。龍野をぬけて美作の国に入る。友人宅に向かう途中にもみじ寺と呼ば...茶話149/老いの小文五の➁

  • 茶話148 / 老いの小文 五の①

    備前の国に家を買って、週に四日間ほど大阪から通っている友人の誘いで、霜月の六日、友人の車に便乗して大阪を立った。本来は一日に発する予定だったが、早期大雨注意報が出ていたので取り止めて延期した。「晴れの国」をキャッチフレーズにしている備前の国なのだが、とにかく私が行くと雨が降る。時には晴天続きの日に訪問したいという私の願いで、四日間、晴予報がでているこの日の出立となった。予報通りの雲一つない晴天となり、大阪、神戸、姫路の高速をひた走る。途中、昼食代わりに明石のサービスで助六寿司を買った。歌舞伎十八番『助六由縁江戸桜(すけろくゆえんのえどざくら)』に由来する寿司である。江戸の侠客であった花川戸の助六(実は曽我五郎)が、源氏の宝刀を取り戻さんと吉原に足しげく通い、刀を取り戻す騒動を描いた歌舞伎である。劇中、助六...茶話148/老いの小文五の①

  • 畑185 / おやまあ

    ビニールハウスを建てることに集中している間は、他の野菜はほうったらかしにしていた。ハウスがほぼ完成して、他の野菜をのんびりと見に回る。あらまあ!多品種少量時間差植えの畝が大きくなりすぎて、満員電車状態になっている。少しずつ収穫していく予定だったが、それれれれれれれを忘れるほどにハウス造りに集中していたのだ。こりゃなんとも採りきれない。道端だったら「お好きなものをご自由にお持ち帰りください」の看板を揚げたいほどになっている。まずは壬生菜を一株収穫。これを食べるだけでもニ、三日かかりそうだ。★もう一つ、頭の中から存在が消えているのがあった。農小屋の裏手にあるので、意識して見にいかないかぎり、存在に気づかない。ミカン!ひょっとして……と見に行くと……おやまあ!ひょっとしてと思った通りのひょっとして状態になってい...畑185/おやまあ

  • 俄38 / 子ども俄2024

    九月の末に、こども会から、俄を作って教えてもらえませんかと依頼があった。子ども俄は、うちの息子が演じて以来だから25年ぶりになる。しかも、祭りまで一ヶ月もない。俄なんて、その名の通りすぐに出来るだろうという感覚らしい。「それで、出演者はどんなメンバー?」「とりあえず、男女2名ずつくらいで」「とりあえず……では、台本を書かれへんがな!」毎年続けていないと、俄がどういうものか分かっていない人間が増えて来る。「もっと早く、夏休み頃に言うてきてーな」とぼやきつつも承諾。その日の夜に、6年生の男子2名でお願いしますとメールがあった。2名のやりとりは漫才になりやすい。十年ほど前に大人2名用のを書いたのがあったので、そいつを子供用にリメークして、次の日に渡した。すると、その夜に年長の男の子が出演したいと言って来たとメー...俄38/子ども俄2024

  • 畑184 / お預けの秋

    久々の投稿。といっても、遊んでいたわけではない。秋祭りの三日間をはさんで、ひたすら動いていた。10月10日頃から、新たにビニールハウスを造り出した。一昨年の春に、百姓を引退した先輩から、長さ10mのビニールハウスの骨組みやら資材一式を頂戴した。去年の秋に、落花生やら里芋の出荷が落ち着いた11月頃に建てようと計画していたが、ちょうどその頃に体調がおもわしくなくなった。それで、やむなく中止した。それを横目で見ていた資材をくれた先輩百姓が、「おまえは、よう建てへんやろなあ……」とポツリと言う。その一言が頭にカチーンときて、心にボッと火が着いた。今年は何が何でも建ててやる!幸か不幸か、アライグマやらカラスのせいで、落花生の収穫が早くに終了して、時間的余裕が出来た。よっしゃ!建てるとするか!まずは、きれいな長方形に...畑184/お預けの秋

  • 畑183 / あんさん別れまひょ

    三日連続で「曇→雨」の日が続いて、昨日は曇り、今日は見事な晴天。天高く馬肥ゆる秋。と、言いたいが、晴れると、さすがに夏の陽射し。9時頃になると、もう畑作業が辛くなる。朝の6時から落花生の畝の片付け。やりやーがった!落花生の残りの一畝をシートで囲って、絶対に入れないようにしていたのに……。シートを上から押さえつけやーがって、継ぎ目から潜りこみやーがった!これで6畝全部やられたことになる。5万円くらいは食べられた。見るのも癪に障るので早々に撤去!やり終えて、ほぉーっと息を吐き、天を仰ぐ。天高くアライグマ肥ゆる秋。しかし、これでスッキリした。もう、朝早く起きなくてすむ。もう、これで、あの野郎ともおさらばだ!彼岸過ぎに植えたニンニクが芽を出し始めた。種球を4キロ買って、400個ほど植える計算だったが、600個種球...畑183/あんさん別れまひょ

  • 俄37 / 俄ごっこ

    若いころ、祭で俄をすることになったとき、村のお年寄りに、「しっかり遊んどいで」と言われた。俄は演劇の一種だが、「演じる」のではなく、「遊ぶ」なのだ。子どもたちが、輪にしたヒモの中に入り、電車にみたてて「出発!ガッタンゴットン・・○○駅です」とやる電車ごっこ。お母さんやお父さんになったつもりで「行ってらっしゃい」「ただいま」「ご飯が出来たよ」とやるままごとなどの「ごっこ遊び」と「にわか」は同じなのだ。子どもは、たんに、「何かにみたてる」「何かになったつもり」「何かをしたつもり」を繰り返し楽しんでいるだけで、演じるという気持はない。それでも、子どもが楽しく遊んでいるのを見ると、見ている大人も楽しくなる。俄は自分だけでなく、見ている人も楽しくさせる遊びなのだ。俄の命は〈遊戯性〉にある。宴会のかくし芸用に一人俄を...俄37/俄ごっこ

  • 畑182/ リング

    どうやら午後から雨が降りそうなので、気持ちをさっぱりさせようと、アライグマがほとんど食べた落花生の枯れたのを燃やした。野焼きは原則的に禁止だが、「農業・林業または漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる必要な廃棄物の焼却であって、軽微なものは許可する」という例外措置がある。もちろん、周りに住宅があると迷惑がかかるので野焼きは出来ない。しかし、我が畑は田園地帯のど真ん中にあるので心配ない。昨日、サツマイモを試しに掘ってみた。六月中旬という遅い時期に植えたので、まだ小さいだろうと思っていたら、小ぶりのラグビーボールくらいのが4、5個ついていた。こりゃ大きくなりすぎじゃわい!大きすぎるのは道の駅に出しても、料理しにくいので売れ残る。だから、我が家では、大きいのは四等分して、蒸して干し芋にするのが定番。〈次...畑182/リング

  • 畑181 / 秋色佳也

    ♪薄紅の秋桜が秋の日の何気ない陽だまりに揺れている♪岡山の友人宅でもらってきたコスモスが満開になった。秋の心を知っている花だ。秋の陽のやさしい光を背にうけて、畑にほほえむコスモス。薄化粧した湯上りの女性のような嫋(たお)やかな色気がある。もう一つ満開なのがニラ。赤い花でも咲かせてくれれば美しいのだが、小さな白い花で目立たない。それでも、これだけ群生すると、なんとなく見栄えがする。しかし、種を付けさせると株が弱るので、写真を撮った後に株元から刈り取る。去年は種を採ってやろうとおいておいた。が、今年に種を蒔くまでもなく、こぼれ種が芽を出して雑草状態になっている。こっちの花は、もう終わりかけの青シソ。畑のあちこちに10株ほどあるが、2株ほど残してあとは刈り取る。その時のご褒美がシソの実。指でしごいて実を採り、洗...畑181/秋色佳也

  • 俄36 / 台本にない笑い

    江戸時代に書かれた『古今俄選』にある俄の技法をいくつか紹介する。※は筆者注。【あぶら】俄の最初から終わりまで、出放題で言葉で引っ張ることだ。※理屈の通らないことを次から次へと連発(出放題)すること。やすきよの漫才のようなものだろう。【なえこ】おかしみを出すために、下をなやして言葉を遣うこと。※「なやす」とは「力を抜く」ことで、阿呆のような間の抜けたしゃべり方をすること。藤山寛美の「あほぼん」のしゃべり方だ。【でたらめ】はだかにて出る俄に多し。※「はだか」とは文字通りの「裸」の意もあるだろうが、役柄として演じず、地のまんまのこと、アドリブだろう。以上を踏まえたうえで、次の【俄の稽古の事】を読んでいただきたい。座敷で充分に稽古をして出演すれば「でたらめ」もよく効いて面白い。稽古が不足している時は、「あぶら」が...俄36/台本にない笑い

  • 茶話147 / 眠り

    若いときは睡眠時間四、五時間という時もあったが、今は8時間眠ることにしている。研究によると、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の山が五回あるのが良いらしい。一つの山が1.5時間として「1.5×5回」で7時間30分がベストだという。もちろん、個人差があって、8時間の人もいれば、7時間眠ればよいという人もいる。どっちにしても、人生のほぼ3分の1(1/3)は眠っていることになる。一日の1/3眠って、1/3働いて、1/3は私的な時間をもつというのが理にかなっている。何かの会合で10㎞ほど離れた会場へ車で行く。会合が終わってからの帰り、道に迷う。銀行のビルがある交差点に差し掛かる。どっちへ行こう……と右折する。二車線の広い道路を数キロ走ると、一車線の道路になり、閑静な住宅街に入る。碁盤の目のように区切ら...茶話147/眠り

  • 茶話146 / 曼殊沙華

    畑からの帰り道、堤防の土手に、赤い花が咲いていた。アライグマと格闘しているうちに、気づかずにいた。そういえば、お彼岸に咲くからヒガンバナなのに、今年は、お彼岸に咲いていなかったなあ……。ヒガンバナの開花温度は20~25度とされている。特に、最低気温が20度前後まで下がってくると、地中の球根から花茎が一気に伸びて花を咲かせる。だのに、10月になって咲くとは……。こんなの始めて!まだ暑いのだ。江戸時代初期、南蛮貿易で沸き立ってい長崎の貿易商の娘が、ポルトガル船の航海士であったイタリア男性と恋に落ちた。やがて、二人の間に姉・お万、妹・お春が生まれる。しかし、寛永16年(1639)に第五次鎖国令が発布され、今後、日本人との混血を禁止するため、長崎に在住していた紅毛人とその家族は日本を追放された。家族はバラバラにさ...茶話146/曼殊沙華

  • 畑180 / もうやめて

    しばらく、ブログはご無沙汰していた。なんやかんやと雑用が飛び込んできた。そこへきて、またしてもヤラレた!10月になれば、ぼちぼち出荷しようと思っていた落花生。春はカラスに、200株植えた苗を根こそぎ引っこ抜かれた。そして、秋は……アライグマ!なっ!なんでやねん!ラスカルなんぞという可愛いもんじゃない!ネットを破って侵入……、一畝が全滅。株の根元の美味しいところを見事に食われた。慌ててネットを修復。次の日、祈る気持ちで畑へ。なっ、ナッ、なんでやねん!修復した箇所のヒモを外して侵入……、またもや一畝が全滅。高さ1メートルの防獣ネットを買って来て、炎天下で半日かけて設置。さあ、来るなら来てみろ!次の日の朝、余裕で畑へ。なっ、ナッ、Natt、なんでやねん!暑い中、慌ててネットを張ったものだから、ロープの張りが弱か...畑180/もうやめて

  • 茶話145 / 黄昏

    夏場は、日が暮れても暑くて畑仕事にならなかったが、今は日暮れ前にはなんとか動けるようになった。夕方の4時30分頃に家を出て畑へ。まずは、朝に農小屋の西側に置いていた椅子を、反対の東側の日陰へ移動させる。しばらくは、西陽から日陰になっている辺りの草抜き。5時前になると、東の太子町(南河内郡)から防災無線が流れる。「もうすぐ5時です。子どもはお家へ帰りましょう」ちょうど5時になると、西側の山のお寺の鐘が鳴るのではなく、『夕焼け小焼け』のオルゴールが流れて来る。夕焼け小焼けで日が暮れて山のお寺の鐘がなるおててつないでみな帰ろうからすといっしょに帰りましょ(詞:中村雨紅・曲:草川信)陽が西に傾きだす、ここらあたりから働き時。多少しんどい作業も、汗をかかずにできる。一時間ほどして、のんびりタイム。椅子に座って、東の...茶話145/黄昏

  • 茶話179 / ちゃばなし

    「茶話」は「サワ」と音読みするが、ここでは「ちゃばなし」と訓読みしていただきたい。もともとは、雑談・雑感のコーナーとして書き出した。最初は、『ちょっといっぷく№』としていたので、何が書いてあるのかわからない。なので、36回から『ちょっといっぷく№タイトル』に替えた。しかし、長すぎて、スマホで読むと二行になってしまうことがあった。そこで、現在の『茶話№/タイトル』になった。最近、過去記事を読んでいただけるようになった。時たま、「ちょっといっぷく18』などという、えらく古いのが読まれたりする。それはそれで嬉しいのだが、当の本人は、何を書いたのか覚えていない。「記事一覧」から検索をかけて、2022年3月26日の記事で、ああ、あれかと、やっと分かった。プーチンのウクライナ侵攻が始まった頃で、憲法の話の後に、次の話...茶話179/ちゃばなし

  • 畑179 / 行雲流水

    家の庭で秋冬野菜の苗を作っていたが、本葉が出てこない。ということは、根が伸びていない……ということ。去年は、五日ほどで葉が出たのだが、今年の暑さは去年以上なのだと痛感!茎をそっと引っ張るだけで、すっぽりと抜ける。コンクリートの上なので熱がこもりやすいのだ。こりゃアカンがな……というので、丈夫そうなのを畑のビニールハウスへ引っ越し。畑では、棚の上に置くので、根の部分への風通しがいい。最初からそうしておけばよかったのだが、ひねくれものの台風10号の接近で、ビニールの天井を剥がしてしまったのだ。どうせ、まだ、一つや二つの台風が来るだろうし、邪魔くさいからと、そのまんまにしていた。というわけで、まずは、天井のビニールの張り直し。直射日光を浴びないようにネットも張って日除け。それから、バイクで四往復して、苗の引っ越...畑179/行雲流水

  • 茶話 / 発想の転換?

    【2022年3月22日のリメイクです】駅前の不法駐輪で、近所の人は困りはてていた。「自転車を停めないように!」と、立て看板を出したが効果はない。ところが、たて看板を次のようにすると不法駐輪が無くなった。「自転車捨て場」なーるほど、物事にとらわれずに、その時その場に応じた発想の転換は重要だ。ラーメン屋の店主が、看板に落書きをされて困っていた。「ラーメン」という字を「ラーヌン」と落書きされてしまうのだ。そこで、発想を転換して、「らーめん」と平仮名にした。次の朝、看板に「らーぬん」。発想の転換は重要だが、敵の方が勝っているのを肝に銘じなければならない。※カラス・ヌートリア・アライグマ、それに猛暑との日々の挌闘で、事程左様に落胆ぎみ……。ふと思い出してリメイク。茶話/発想の転換?

  • 畑178 / 秋愁

    ひねくれ者の台風10号に惑わされていたのか…….気づかずにいた。まだ8月だとばかり思っていた……>その日暮らしの年金生活者とはいえ……なさけない!最近、どうもおかしい……そろそろボケがきたか?もう9月ではないか!極早生玉ネギの種を蒔かなければ!ニンニクを植える畝をつくらなければ!わてて、6日の日に玉ネギの種を蒔いた。玉ネギの種まきは、品種によって極早生(5日)・早生(10日)・中生(なかせ=15日)・晩生(20日~)と決めている。日照時間の長さ(日長)がある長さに達っすると、玉が肥大するように改良されている。極早生玉ネギは3月下旬から収穫だから、それまでにある程度成長させておかなければならないので早く種を蒔く。8月の下旬から蒔くことができるが、早蒔きすると大きくなりすぎて、玉を大きくさせずに花を咲かせてし...畑178/秋愁

  • 茶話 / はてな

    【2022年2/12のリメイク版です】問1○の中に漢字を一字入れて下さい。親人中○小数十年前に、難関私立大学付属幼稚園の入試で出された問題です。入試問題だと言われると、何か重大な法則でもあるのだろうと構えてしまいます。しかし、昨今流行りのクイズ番組で出される問題の発想と同じです。答えは、左手を開いてみれば解けます。薬指の「薬」です。これを右手の「小〇中人親」の順にされると、もうお手上げです。さて、問1以下の問題です。チャレンジしてみてください(答えは過去のブログ記事に)。問2○の中にアルファベットを一字入れて下さい。SMTW○FS問3○の中に漢字を一字入れて下さい。北本○九問4○の中に漢字を一字入れて下さい。小中○大問5○の中は大・小のどちらの字。大小大小大小大○小大小大問6A~Dの中から子どものカエルは...茶話/はてな

  • 畑177 / つるがえし

    この暑さにも負けることなく、サツマ芋が生い茂っている。さすが、江戸時代の三大飢饉や、戦中・戦後の食糧難の時代に多くの人々の命を救った作物だけある。天候異変に強く、荒地でも栽培出来るので救荒植物と呼ばれている。実際、放ったらかしでも育つ。しかし、伸びた蔓から根が出て、余計なところに芋を付けて栄養が分散してしまう。そこで、蔓の節から出ている根を切り、畝(うね)の中央へ折り返してやる【つる返し】。その前に、秘密兵器の出番!「畑173/盆からさ~きゃ2」で書いたトウガラシ液!焼酎と酢に、トウガラシを漬けたもので、強いにおいでアライグマやヌートリアなどの害獣が寄り付かなくなる。今回は、これに、ホームセンターで買った竹酢液(ちくさくえき)をブレンドする。竹炭を作る際に出た液体を蒸留したもので、害獣の忌避剤だけでなく、...畑177/つるがえし

  • 畑176 / ひねくれ者

    台風がやってくると、まず、しなければならないのはビニールハウスのビニールを剥がすことだ。さて、側面だけにしようか……、天井も剥がそうか……?迷った末に、備えあれば憂い無し!天井のビニールも剥がした。それから二日。台風は未だに紀伊半島の先っぽ。風は無いが雨が続く……。天井を剝がさなければよかった……悔やんだとて仕様がない。なにしろ相手は、とびっきりひねくれた台風なのだから。周りの人に否定ばかりされると自己肯定感が低くなって、性格がひねくれてくるのださいう。素直に自分を表現できなくなる。台風も高気圧に頭を押さえつけられると、ひねっくれてコースをかえてしまう。近畿直撃が四国直撃となって、結果、九州をぐるっと回って、四国を横断して、近畿を縦断してしまう。なんとも困った台風である。ひねくれ者が去る間は秋野菜の種まき...畑176/ひねくれ者

  • 畑175 / 朗らか

    朝の5時半ごろに畑に着いた。ちょうど日の出。山の端の東雲(しののめ)の空が、ほがらほがらと明けてゆく。猛暑続きだが、この時間帯は、さすがに涼しい。「春はあけぼの」だが、夏のあけぼのも捨てたものではない。どっかりと椅子に座って、しばしは夏の曙を楽しむ。の出は、その日のスタートだが、平安時代の女性にとっては、切ない時間帯でもあった。しののめのほがらほがらと明けゆけばおのが後朝 (きぬぎぬ) なるぞ悲しき/古今集・恋三平安時代の貴族は「通い婚」。夫婦は同居せずに、男が女の実家に通う。一夜を共にする前に、互いの下着(襦袢・じゅばん)を重ねてコトに入る。コトが終わった明け方、男は出勤するために帰るのだが、昨夜に重ねていた下着(衣・きぬ)を交換して帰る。女にとっては、男が次も私の所へ来てくれるだろうかと、悩ましい「衣...畑175/朗らか

  • 畑174 / リフレッシュ

    朝、目覚めると、ガレージのトタン屋根を打つ雨音。もう少し眠ろう……。ほぼ一ヶ月ぶりだろうか。朝方に、まとまった雨が降った。小止みの雨の中、畑へ行くと、久々に土は真っ黒。ゲリラ豪雨は困りものだが、これっくらいの雨なら、毎日でもいいから降って欲しい。オモダカに留まっているシオカラに吹くのは秋の風。今日は、のんびり過ごすとするか。23日は旧の地蔵盆。「そろそろ、大根でも植えようか」地蔵盆が過ぎると秋の農事の始り。今年は、待ちきれなくて、育苗に30日かかるキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーだけ、種を蒔いた。16日の一粒万倍日に蒔種して、ぼちぼち芽が出だした。夏場の育苗は、ここからがたいへん。双葉の間に陽をよく当ててやらないと、ひょろひょろと茎が伸びてしまう。太陽の様子をみながら、半日陰から出したり入れたりしなければ...畑174/リフレッシュ

  • 茶話143 / 涼っしーい!

    暑いときに、熱いうどんを食べれば、さぞかし暑いだろうと思っていたら、今日の昼食は熱いうどん。まちがいなく暑かった。外に出れば、四川風の味付けで中華鍋で炒められているような暑さ。噴出さんばかりの汗。そのせいかクーラーの効きも悪い。涼し気な音楽はないかと探すと、「ジャングルの朝」というヒーリング音楽があった。ギャーギャーと鳥が泣き叫び、キーキーと猿が木々を渡る。余計に暑くなった。暑さで、久しく遠出をしていなかったので、どこか涼しい所へ旅に出よう!海辺は年寄りにはハイテンポなので、山あいの静かな村の旅館を予約した。黒鉄も溶けよと照り付ける下を、フェラーリのクーラーをがんがんに効かして車は走る。どこにもありそうな麓の街で昼食をとって、夏木立に囲まれてほの暗い舗道へと入って行く。もはや、クーラーは必要なかろうと、車...茶話143/涼っしーい!

  • 茶話142 / つき草

    えっ!今頃、咲くのか!その花の名前から梅雨の時期に咲くのかと思っていたので意外だった。俳句でも秋の季語になっている。露草も露のちからの花ひらく/飯田龍太「畑141/春の日」で書いた露草。なんとも清らかな青い花を、雑草の中に咲かせるのはもったいない。そう思って、畑の畔に芽を出していたのを、家に持って帰って鉢に植えた。畑でしょっちゅう見ている花だが、育ててみると意外なことだらけの植物だ。横に根を伸ばすのかと思っていたが、直根で地中深くに根を伸ばす。最初は小さな鉢に植えていたのを大きな鉢に植え替えた。茎が土に触れると、あっという間に根を出す。そこからまた茎を伸ばす。綺麗な花を咲かせなければ、ずいぶんと厄介な雑草だ。黄緑色した包葉(ほうよう)という、二枚貝のような変形した葉の中から花を咲かせる。強い日光に当たると...茶話142/つき草

  • 畑173 / 盆からさ~きゃ2

    アライグマの撃退法をネットで調べていたら、トウガラシ液があった。強い刺激臭が苦手らしい。イノシシやヌートリアなどの害獣にも効果があるという。そういえば、五年ほど前に農薬替わりにしようと思って、トウガラシ液を作ったことがある。農小屋の中を探してみると、有った有った!完全に熟成した五年モノのトウガラシ液(左の黄色の蓋)。蓋を開けると強烈な匂い。なるほど、こりゃ効きそうだ。焼酎にトウガラシを入れて漬け込むだけ。お好みで酢やニンニクをトッピングする。二週間ほど熟成させると完成。ろ過して二百倍ほどに薄めて使う。無害だし自然に優しい。それに、農薬は一日で使い切らなければならないけど、こいつは作り置きが可能だ。ただし、風向きを考えて散布しないと、目に入ったらたいへんなことになる。使わずに五年も放ったらかしにしていたのは...畑173/盆からさ~きゃ2

  • 畑171 / 盆からさ~きゃ

    明日からお盆。だからといって、分家なので、殊更になにもない。でも、お盆が過ぎると秋野菜の作付けスタート。さあ、なに植えようか?まずは、余っている種を確認して、自作の「栽培暦」とにらめっこ。植える野菜が決まると、次は場所割り。さあ、どこに植えようか?連作障害を防ぐために、エクセルで「輪作表」を作り、畝ごとに何を植えたのか記録している。黒い部分は休耕中。年々、黒が増えていくのは歳のせいで仕様がない。考えているうちに、去年のことを思い出した。苗を作ったものの、九月になっても猛暑が続き、定植できなかった。おそらく、いや、きっと、今年も暑いにちがいない。寒冷紗で遮光して、保護してやる必要がある。ならばというので、去年に少しだけやった「多種類混合植え」をすることにした。アブラナ科の野菜8種類を一つの畝に植えるのだ。長...畑171/盆からさ~きゃ

  • 畑171 / ピントが合わない!

    カラスの襲撃が一段落ついたと思ったら、今度はアライグマが落花生にちょっかいを出してきた。囲ってある網に4、5センチでも隙間があると、そこから手を突っ込んで土をほじくる。インターネットでで退治法を調べると、アライグマは嗅覚が鋭く、強いニオイを嫌う……とある。そんなら……というので、ペットボトルに庇(ひさし)を二カ所開けて、100均で買って来た野良犬猫の忌避剤とナフタリンを入れて仕掛けた。ニ、三日経過したが、どうやら効果があったのか、やって来なくなった。その代わりに珍しいのが現れた。夕方の5時ころ、まだ暑いが、雲が出てきたので畑へ。すると、里芋の通路に動くもの。足の長い茶色い鳥が歩いている。今までの記憶から判断してケリ!?ケリという変わった名をした凶暴な鳥で、巣に近づくと、親がキーキーと大きな声で鳴きながら突...畑171/ピントが合わない!

  • 茶話141 / 杞憂

    地球は丸いというのは常識だが、古代中国では「天円地方」、天は円(まる)く、地は方形であると考えられていた。これを聞いた「杞」という国の男が、それなら、いつか天が落ちてきて、地が崩れてしまうのではと心配して、夜も眠れず、食事も喉を通らなくなった。それを見かねた人が、「天は大気で覆われているから落ちないし、地は頑丈な土の塊だから崩れることはない」と説得した。それを聞いて、杞の国の男は、無用の心配して憂えていただけかと、ようやく安心した。中国の古典『列子(れっし)』の中にある「杞憂(きゆう=杞の憂え)」というお話。明日何が起きるのかは誰にも分からないのだから、それを心配してもどうしようもないしかし、何が起こるか分からないという危険に、無防備でいるのは無謀だ。天地が崩壊することには対処のしようがないが、地震や台風...茶話141/杞憂

  • 茶話140 / 四季

    こぼれ種で畑のあちこちに生えている松葉牡丹。「畑タコ」で書いた雑草のスベリヒユの仲間だから、この暑さの中でも剛健に育つ。写真には写っていないが何十匹ものミツバチが飛んでいる。近くに寄っても刺してこない。クマのプーサンになった気分。みんな、後ろ足にコロッコロにした花粉を抱えている。野生化して、どこかに巣をつくって蜂蜜をいっぱい蓄えているのだろう。そういえば、今日は8月3日……はちみつの日。明日4日は新月。ということは、旧暦の7月1日(朔日)。旧暦では1月、2月、3月が春で、4月、5月、6月が夏。秋は7月、8月、9月で冬が10月、11月、12月となる。今年は、少し遅れて7日が立秋。とはいえ、季節なんぞはゆっくりと移ろうもので、少しずつ秋が感じられますよ……というのが立秋。四季があることは味わいがある。日本だけ...茶話140/四季

  • 茶話139 / よどむ

    晴天が続いて畑に田んぼの水を入れた。野菜はさることながら、雑草も待ってましたとばかりに息を吹き返す。焼けつくような陽射しにもめげることなく、植物はぐんぐんと大きなる。植物が我が物顔にはびこっているのに、逆に、人はぐったりとしなびている。炎暑の昼は、クーラーを利かした暗い部屋でじっと淀む(澱む)しかない。夏の炎天下に虚しく過ごす時間の何んと長いことか。生ぬるい水の底に沈む泥のように澱んでいる。よどむ……。川の流れの滞る場所を意味する「よど(淀・澱)」に、動作を表す「-む」がついて「よどむ(滞る・沈む)」という動詞ができた。洗ひ衣(きぬ)取替川(とりかいがわ)の川淀(かわよど)の淀まむ心思ひかねつも/万葉集(洗いたての着物に着替えるかのように、他の女に乗り替えでもしたのかしら……。だから、私の所へ通うのをため...茶話139/よどむ

  • 畑170 / 夕立

    梅雨明けしてから雨が降らないので、一昨日は、隣の田んぼの水を落花生の畝に引いて水浸しにした(「おひたし」と言う)。今日も今日とて警戒アラートが出る晴天で、雨が降らないままに13日目。もはや夕立は期待できない。落花生は青々と元気いっぱい。さぞかし、他の野菜も水を欲しているだろう。というので、今日はトマトやナスの畝に水を入れた。こんな小咄がある。■え~夕立屋でござい。夕立のご用はおまへんかいな。▲変わった商売が来たがな……、おい、夕立屋!■へい!▲夕立屋て、どんなことすんねん?■へぇ、お金を頂きましら、夕立を降らしまんねん。▲そんなことができんのんか?■へぇ、さっきも隣の町内で「この町内だけにちょっと降らしてんか」というんで、ザ~ッとひと雨降らしてきましたがな!▲へ~、町内だけ?■へぇ、ですから「ここの三軒だ...畑170/夕立

  • 畑169 / たのむで!

    豪雨が続いた後、梅雨明けしてから、十日余り雨が降らない。おまけに「極めて危険」のアラートが続く。去年のカレンダーを見てみると、七月に「危険」が7日で、八月に「極めて危険」が三日あっただけ。それが今年は、「極めて危険」がすでに九日ある。このままいけば、今年の8月はどうなるのだろう?!落花生が盛んに花をつけている。これから実を太らせるために水が必要になる。仕方なく、今年二回目の「お浸し(畑に水を入れる)」。朝の5時から水を入れて、8時に家に帰って、昼前に水を止めに行く。土が水を吸って畝全体が真っ黒になっている。水を得た気持ちの良さに、落花生の葉はしゃんとして笑っているようだ。日本の南西数百キロに小さな島の、山奥深く入った所に一本の樹がある。その樹の花は人間の顔をしていて、人が話しかけると花が笑う。何度も話しか...畑169/たのむで!

  • 畑168 / みどり

    春夏冬ごとに四分の一を休耕にするのだが、今年は里芋の出荷を取りやめたので、四分の一増えて、半分が休耕地。草抜きが追い付かない。それに、くそ暑い。しゃーない!薬をかけるか!というわけで、今年二回目の除草剤の出番。これで一週間分の手間が省ける。あとは、のんびりと夏野菜の畝の間の草抜き。五本植えしたオクラと、トマトの間を這いずる。ちょうどいい日陰で気持ちいい。よく熟れたトマトを見はからって朝食替わり。2、3メートルごとに休憩。べしゃりと地面に座り込む。トマトのコンパニオンプランツにするバジルが余ったので、適当に植えておいたら、摘み芯しないのによく茂っている。じっと見ると、なかなか綺麗な葉っぱだ。花や実ばかりに目がいくが、じっくり見れば葉っぱも見ごたえがある。中でもひときわ美しいのが台湾芋。なんともみごとな黄緑の...畑168/みどり

  • 畑167 / オアシス

    落花生の二回目の土寄せを終えた。憎きカラスに200株の苗を引っこ抜かれるという事件があったせいで、例年より十日ほど遅い。いつもは中旬から野良仕事は軽めの夏休みに入るのだが、今年はあと一週間ほどかかりそうだ。それでも一段落がついて少し気が楽になった。のんびりやればいいのだが、お天道様しだいだから、のんびりが滞ってせかせかしなければならない時もある。それに、極めて危険な暑さの中で、のんびりなんぞしていたら干物になってしまう。土寄せを完了して、例年の夏場の指定席にドカリと座る。農小屋の西側で、日陰で風がよく通る。すぐそばを細い用水路が流れている。せせらぎ(浅い川の流れる音)はしないが、きらきらと光りながら流れる水に涼しさを感じる。生い茂る雑草の中に黄色い花をつけているのはヒレタゴボウ。鰭田牛蒡と漢字で書いた方が...畑167/オアシス

  • 畑166 / 雑草

    明日、畑で何しようという目的と明日の天気で、何時に起きるかが決まる。毎度の猛暑で8時頃までしか動けない。やることがいっぱいあれば4時30分に起きて、5時から畑へ。あまりなければ6時に起きて、のんびりと畑へ。目が覚めて、外で雨音がしていれば、ゆっくりと寝る。この一週間、雨が降れば豪雨という日が三回。土の渇く間がなく、畑の中に入れなかった。ようやく今日になって梅雨前線が北上。さっそく5時に起きて畑へ。と言っても、まだ土が湿っているから畑には入らずに、土が固い通路や畔の草抜き。雑草は抜いても刈っても容赦なく生える。雨降り前に抜いて放ったらかしにしていた雑草なんぞは、もう生き返って根を伸ばしている。なんとまあ……と呆れるとともに、なんとも逞しいものよ……と感心する。♪生きる事がつらいとか苦しいだとか言う前に野に育...畑166/雑草

  • 茶話139 / 涼しい

    「命にかかわる暑さ」などと言われると、外出をせずに部屋でじっとしているしかない。戸を閉め切ってクーラーを利かし、外部と遮断された部屋の中で過ごす。炎天を来てクーラーに冷さるる/石塚友二クーラーのなかった昔は、北と南の縁側の戸を開け放って風通しをして、自然と一体になっていた。大の字に寝て涼しさよ淋しさよ/小林一茶今はクーラーによって受動的に冷やされるだが、昔は積極的に涼しさを求めた。自然にあるものを利用した簾(すだれ)と葦簀(よしず)で日差しを防いだ。水の蒸発で熱が奪われるのを利用して道に打ち水をした。軒先の吊りしのぶや風鈴に、目と耳で涼しさを感じた。そして、それらを風情として愛でた。それどころか、花火や舟遊びのように、涼しさを求めることを夏の行事にして、暑さをみんなで楽しんだ。日本人は、涼しさを皮膚だけで...茶話139/涼しい

  • 畑165 / なんとも物騒な

    あんなけ雨が続いたのに、もう一週間も雨が降らない。梅雨の大型連休。トマトなんぞは、わざと水をやらずに虐めてやった方が甘いのが出来る。しかし、花が咲き始めた落花生は水を欲しているのに、畝の土がカラカラに乾いて、可哀そうに元気がない。そこで久しぶりに「お浸し」。とはいえ、料理して食べるのではない。隣の田んぼから畑に水を入れて、畑を水浸しにするのだ。基本的に蒔種や定植、よほど葉がしなびている時にしか水はやらない。自然農法……などという洒落たものではない。邪魔くさいのだ。畝の間にたっぷりと水を入れて半日ほど放ったらかしに水攻めしてやると、畝に水がしみこんで真っ黒になる。野菜の葉っぱはしゃんとして元気になる。欠点は雑草も元気になることだ。が溜まる間、スイカをつるしあげる。とはいえ、こてんぱんに批難するのではない。網...畑165/なんとも物騒な

  • 茶話138 / 天まで届け

    毎日、「危険」のアラートが出されて、もはや畑仕事は早朝しかできない。5時に起きて、畑へ行く。4月に植えたサツマイモから、ようやく植えることができるほどの苗が出来た。植え時期としては少し遅いができないことはない。昔は梅雨に入る6月に植えたものだ。それが今では、温室で苗を作るので、4月や5月と早くなっただけだ。季節感の無い世の中になったものだ植え終わって、やれやれと8時頃に帰る。朝食を済ませて、涼しければ、もう一度畑へ行くが、すでに30度に達している。毒炎焼くがごとく地は焦げ、命あっての物だねである。家の中でじっとしているしかないが、我が狭い寓居には居場所がない。庭に出て影の下で暇をつぶす。去年に作った「吊りしのぶ(62/しのぶ)」を吊るそうと針金で台を作る。さて、吊る段になって、コンクリートで固められた軒に...茶話138/天まで届け

  • 畑164 / 喜びの共有

    南と西の田んぼの田植が終わった。これで東西南北を稲田に囲まれた「ぽつんと一軒畑」になる。なんとなく寂しいが、これでカラスがいなくなってくれればと期待している。逆に、我が畑に集中攻撃をかけてくるかもしれない。だが、畑全体に防鳥糸やネットを既に張り巡らせている。来るなら来てみろだ!田植がされている間は、農道を車が頻繁に移動するので、邪魔をしてはと畑に行くのを控える。その間は、我が0円花壇の手入れで暇をつぶす。写真の前列左から、去年作ったコケ玉(62/しのぶ)。コケだけでは殺風景なので、庭の片隅に生えていたウンランをトッピングしている。前列真ん中は道端にあったのを引っこ抜いてきたスミレ(畑158/アレする)。根っこだけでも芽を出す植物なので、すぐに定着した。前列右は庭の片隅に生えていたミツバ。マクドのコーラーの...畑164/喜びの共有

  • 畑163 / めぐる季節の中で

    先週あたりから30度超えの日が続いて、畑活は朝夕の夏勤務。6時頃に畑へ。カラスのために余計なことをしなければならない。畑の四方と上に、防鳥糸を張り巡らせた。身長よりも低い所に糸が張ってあるので、頭が糸に引っかかる。畑に入る時は、麦わら帽子を脱いで、頭を下げなければならない。なんとも礼儀正しい畑である。実りだしたキュウリは、慇懃無礼なカラスの被害にはあっていないので、糸の効果はあるのだろう。8時に、近くの工場の始業のサイレンが鳴ると、我が畑活は終了。今年からの帰宅の儀式の始まり……。パーン!カラスを追い払うために、ロケット花火を一発撃ちあげる。パン、パン!百均で買った玩具のピストルを二発ぶっぱなす。高圧電線に留まって、「あのオッサン、早く帰らんのかな」と眺めている奴らが一斉に飛び立つ。ざまあみろ!青田を背景...畑163/めぐる季節の中で

  • 畑162 / カッテにしやがれ!

    カラスに全滅にされた落花生の種の蒔き直し。小さなトンネルを作って防鳥ネットで囲ったうえに、雨除けと保温のためのビニール。これだけ頑丈にすればカラスも手が出せまい。朝早くにビニールをめくって風通しを良くしてやる。家に帰って朝食して、再び畑へ行く。トンネルの辺りから二羽のカラスが飛び立つ。まさかと思って見ると、やられた!ええ?ここから口ばしを突っ込んだの?と疑うほどの隙間しかない。一羽がネットを持ち上げ、もう一羽が首を突っ込んで取り出したとしか考えられない。なんともエゲツナイカラスの学習能力!人間虐待!こうなりゃ最後の手段!家に帰って食パンを一枚取って来る。小さく切って、竹櫛に刺して、ハイどうぞ!君たちには、もうかなわないから仲よくしよう!中生(なかて)の玉ネギを抜いて乾かしておいて家に帰った。昼食終えて、畑...畑162/カッテにしやがれ!

  • 畑161 / 楽しみの種を蒔く

    例年なら、この時期はのんびりとしているのだが、落花生の苗200株全滅(前の記事)から、何かと仕事が増えて二週間休みなし。今日は、午前中に草抜きして、昼から小雨模様なので、やっとのんびり。白菜一玉800円から、ようやく価格が安くなってきた。そんな時期になって、ようやく我が家の白菜が食べごろに。これから、せっせと食べていかないと、この時期の白菜はすぐに花芽が出てくる(とう立ち)。だいたいにおいて、この時期、白菜はあまり食べないから、半分は友人にあげている。一方、こっちは、わざととう立ちさせた玉ネギ。普通なら、失敗作を人に見せたくないので引き抜いてしまう。だから、一度玉ネギの花を見たことがないので放ったらかしにしておいた。ネギ坊主のような花を咲かすのは想像できたが、1メートルほどの高さになるのは意外だ。ついてだ...畑161/楽しみの種を蒔く

  • 畑160 / 遂に8K88作戦!

    落花生の発芽が悪く、根を傷めまいと、発芽前に200株を定植するという、苦肉の策の九二九作戦(畑159)。いつものように畝の左右にカラスの嫌がる防鳥糸を張る。自然相手の農作業は、人間の意思ではどうにもならないことが起こる。しかし、その都度、創意工夫して苦難を乗り越えて来た。それが、農耕民族であった日本人の勤勉、緻密さ、信頼感」、専門性などの世界に誇れる日本人の魅力になってきた。農民根性が大和魂になってきたのだ。次の日、いくつかは青々とした本葉を出しているはずだと、朝、意気揚々と畑へ。玉砕!やられた。全滅!カラスに……!引っこ抜いて豆の部分だけが食われている。防鳥糸が効かない!大和魂がくじけてくる。写真を撮ろうにも落花生の姿は無いし、撮る気力も無い。ナミダすら出無い!五種類を植えているので、残った種を数えて、...畑160/遂に8K88作戦!

  • 畑159 / 九二九作戦発令!

    5月8日に落花生を100個ほどビニールポットに種蒔きして今日で14日目。7~10日で発芽して出そろう予定が、本葉が出たのは一割ほど。一気に定植するのは辛どいので、日にち差をつけて一週間後に植えた100個は沈黙したまま。落花生は発芽に加湿を嫌うので水やりしなくとも発芽したが、二週間で発芽しないと、さすがにカラッカラ。そこで一発勝負の水やりをしたが、どうも芳しくない。胚軸(双葉の下の茎)と一本の本根は出ているはずだが、地温が上がらないために細い根が張ってくれななんで?こんなん初めて!一日の気温を1時間ごと測定気した気温を平均したものが平均気温。単純にいえば、最低気温と最高気温を+して2で÷ればいい。温暖化だ、夏日だと囃されているが、この時期は大陸からの冷気も入ってきて最低気温が低い。そこへきて、雨や曇りが多い...畑159/九二九作戦発令!

  • 畑158 / アレする!

    朝6時に目が覚めて畑へ。落花生はというと10個ほど本葉を出している。まあええかと少しだけ納得して、あとはひたすら草抜き。一昨日に雨が降って、今日あたりが抜きやすい。8時過ぎに家に帰って朝食。もう一度畑へ行こうと玄関に出て、ふと思い出した。そうだアレをしなければ。春先に、家の近くの道路の脇でアレを見つけた。なかなか綺麗な花をつけている。調べてみるとアリアケスミレらしい。5月になったら種を採取して、庭に蒔いてやろうと決めていた。見に行くと、すでに種を飛ばしているのもある。だが、大半の実はまだ下を向いている。実が上を向いているのが成熟している証拠。ばかーっと三つに割れて種を遠くへ飛ばす準備をしているやつだ。そいつを見つけて封筒に入れておく。今日中に割れて、一粒で30個ぐらいの種が採れる。割れるのを待っている間、...畑158/アレする!

  • 畑157 / 勝負や!

    落花生の種を蒔いて、三日ほどで胚軸(双葉から下の茎)が出て、その拍子に種が土をぷっくりと盛り上げた。いい調子、いい調子。胚軸から根が伸びてから、種が二つに割れて本葉が一斉に出る。種を蒔いて発芽がそろうと実に嬉しくなる……。……はずだったが、一週間経っても種が割れない。ここしばらく肌寒くて、平年気温より1℃ほど低い。そのために地温が上がらず、根が成長していないのだ。厄介なことになった。出来るだけ水やりはしたくなかったが、土がカラカラに乾いているので、少し湿らせないといけない。やむを得ず、指で土をちょいちょいと取って豆を露出させ、蒸れないようにして水をかけるしかない。それで一気に発芽してくれればよいが、落花生は、水分が多すぎると発芽を止めてしまうことがある。さあ、どうしよう?雨の日が多く、気温の変化が大きいた...畑157/勝負や!

  • 畑156 / 音

    見ているだけで腹が立ってくるので、エンドウを早々に撤去した。いつもならネットごと刈り取って、新しいネットに張り替える。しかし、カラスが枝をボキボキにして、まったく成長していないので、エンドウをネットから取り外して、ネットは再利用することにした。すっきりとした畑を見て、気持ちもすっきり。それに、今日は、カラスもどこかへ行ったのか、やけに少ない。なんとも気ままなカラスだと思っていると、隣の畑の方から、周波数の合っていないラジオのような音がする。なるほど、うちと同じように枝をボキボキにやられたので、カラス除けの超音波機かなにかを買ったのに違いない。どんなものかと、帰り際に見に行くと、ラジオのようなではなく、ラジオだった。わざと周波数をはずして鳴らしていたのだ。砂嵐の音の間にピーとかヒューとかの音が交じる。住宅地...畑156/音

  • 畑155 / カラスの勝手

    負けた。カラスにエンドウを襲われて、防鳥糸を張ったが全く効果がない。カラスではなくハトだと思って、黒マルチの幟を立てて百姓一揆を起こした。しかし、効果があったのは最初だけで、ニ、三日するとエンドウの上に下りて、枝をボキボキにされた。近くの畑も同様の被害にあっていると言う。仲間と話をしているうちに、やはりカラスの仕業だという結論になった。カラスの脳の重さは鳥類の中でもずば抜けて重く、人間の7歳程度の知能があるという。人間の顔や服装も識別できる。近くの農小屋の屋根にカラスが留まっているのを見て、「あいつら何を考えとんやろか」と人間は思う。しかし、奴らは、じーっとこっちを見て、逆に人間を観察しているのだ。「このオジン、いつ帰るねん!帰ったらエンドウを喰いにいったるのに!」なんとも小癪な奴だ。そうこうしているうち...畑155/カラスの勝手

  • 畑154 / 落花生

    連休中に農水路の共同清掃(井路掘り)があった。昔は、田植えや害虫防除、稲刈りや脱穀など、仲間と共同ですることがたくさんあった。村のほとんどが専業百姓だから、仲間意識、ムラ意識があって運命共同体が形成されていた。今はもう、職業がてんでばらばらになって、井路掘りだけが残っているだけだ。利害が一致していれば運命共同体が形成されるが、利害がばらばらになっているのが現状だから、少しずつ井路掘りの参加者も減っていくだろう。井路掘りが終わると水の準備は完了、田植えが始まる。畑の周りもあっという間に水田に変わった。これでしばらくは水の心配をせずに済む。さあ、落花生の種を蒔くとするか。今年は、里芋の出荷をやめて、落花生が唯一の現金収入。いわば、命の落花生だ。ビニールポットに一粒ずつ蒔く。まずは100株蒔いて、あとの50株は...畑154/落花生

  • 畑153 / 立夏

    山々に立ち込めた薄絹の朝霞が少しずつ晴れ渡る。星の雫かと思うような露が草葉の上で朝陽に光る。ここちよい風が胸を撫でると、露の玉が地に落ちて、鈴々と楽の音を奏でて土に入っていく。なんともすがすがしい皐月の朝。名も知らぬ野の草が風に揺れる。現役時代は、五月の連休中も働いていた。こんな爽やかな季節こそ、畑でのんびりと野良仕事がしたい。それが理由で、定年前に仕事を辞めた。どうせ70歳くらいまでしか生きないのだから、年金なんて早くもらう方がいい。なんとも我がままだが、正解だったと思う。蜜柑の花が満開。ほんのりとジャスミンのような甘美な香りがただよってくる。16aある土地の3aほどで畑をしていたが、リタイアする前の年から畑を倍の6aにした。残りは業者に委託して稲作をしてもらっている。仕事を辞める時に、業者の社長に「米...畑153/立夏

  • 畑152 / ひ弱に

    今年、チャレンジする野菜は、岡山の友人からもらってきた山わさび。清流で栽培される「わさび(本わさび)」は、日本独特の食材だから英語でも「Wasabi」。畑で栽培される「山わさび(西洋わさび)」は、フィンランド原産で英語名は「Horseradish」。粉わさびやチューブのわさびは、ほとんど山わさびからつくられている。山わさびは本わさびより1.5倍も辛い。本わさびのような辛さの中に甘味はないが、舌がしびれるような刺激的な辛さが好みの人にはむいている。寒さには強いので鉢植えにして外に置いていたら、春になって虫食いだらけ。見るとアオムシがいっぱいついている。調べると、キャベツや白菜と同じアブラナ科だった。手で捕殺して、根を大きくするために露地植えにする。もう一つのチャレンジは「おくら」。なんとも日本語らしい名前だ...畑152/ひ弱に

  • 畑151/ 88

    今日は「夏も近づく八十八夜♪」。よくご存じの唱歌『茶つみ』だが、よくご存じでない二番の歌詞。♪日和つづきの今日此の頃を心のどかに摘みつつ歌ふ摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ摘まにゃ日本の茶にならぬ♪末広がりの八が二つ重なる八十八夜に摘んだお茶は、不老長寿の縁起物として好まれる。縁起のいいのはお茶だけではない。「八」「十」「八」の3つの字を組み合わせると「米」という字になるため、百姓にとっても大切な日だった。この頃から田植えが、ぼちぼち始まる。そのために、農水路をきれいにして、川の水を流す準備をする。全国的に農水路を井手というようだが、我が村では井路(いじ)とよび、村中から人が集まり井路を掃除するのを「井路掘り」とよんでいる。今はコンクリートで固められているが、昔は、文字通りに井路を掘っていたのだ。今日は、その...畑151/88

  • 畑150 / 種のネタ

    ブドウがつぼみを着けだした。花が咲くのは中旬頃。それまでに、枝の先っぽのつぼみは摘んで、枝元のつぼみ一つ残す。咲きだした頃に、ジベレリンという植物ホルモン液に漬けると種無しブドウになる。孫に食べさせてやろうと、去年、初めてジベレリンに漬けた。みごと種無しになった。しかし、実も無くなった。花がすべて枯れてしまったのだ。だいたい、野菜や果物には種ができるものだ。それを無理やり薬で種を無くすのは、自然の摂理から外れるし、神への冒涜だ。ブドウたけでなく、種無しピーマンやスイカとかも出だしたが、野菜や果物は種があるから美味しい。種の有るブドウなんて、スーパーでは売っていない貴重品なのだ。だから、今年はジベレリン処理をしない。種のある大人の味を楽しむ。河川敷で掘り上げて来たネヂモジが大きくなった(茶話135/野の花)...畑150/種のネタ

  • 畑149 / 雲外蒼天

    朝方に雨が降った。五月は半分の日が雨だった。日月曜の連休の間に、頑張って夏野菜の畝立てを終えて正解だった。雨上がりのうちに畑へ。昨日植えた赤シソは、水を吸って元気だ。それはそうと、ハトに襲われたエンドウを守るための「百姓一揆」の結末を確かめなければ……。うーん?手薄だった東西の端がやられた。スナップはもはや全滅状態。うーん?思案の末に黒ビニールの幟(のぼり)を増やした。30年ほどエンドウを作っているが、こんなの初めて……。黒いビニールが立ち並ぶ、情けない情景を呆然と眺める……。遠くの山々が白いベールに覆われだしている。こんな時は雨になる。泣きたいのは、こつちやがな……。……思っているうちにポツリポツリと降り出した。ビニールトンネルの中に慌てて入って、椅子に座ってぼんやり……。羅生門の下で、一人で雨やみを待...畑149/雲外蒼天

  • 畑148 / 一揆だ!

    昨日、夏野菜の畝を立て終えて、今日はゆっくり8時に畑へ。相方の梅干し作りのために、畔際に生えた赤シソの植え付け。「こぼれ種」で生えたのだが、わざとこぼれ種にしたので「意図的こぼれ種」。種を買って植えると案外失敗する。こぼれ種は確実に芽が出る。スコップで掘りあげて、植える予定の畝へ。さて、植えようと目の前のエンドウを見ると様子がおかしい。昨日、株の下の方になっていた実を何者かに食べられた。おそらくカラスだろうと思って防鳥糸を張った。カラスは羽が何かに触れるのを極端に嫌がるので、糸が最も効果的だ。なのに?そばに行ってみると、やられた!ぼこぼこに!それも株の上に乗って枝を折って食べている。「おいおい、ちょっとだけなら共存共生してやってもええけど、枝を折ったらアカンやろ!殺生やがな!」なんでやねん?糸は、ちゃんと...畑148/一揆だ!

  • 畑147 / 連休

    連休に入ったが何とも忙しい。朝の6時から老人会の墓掃除。「四月の6時からというのは早すぎるのとちゃうか!」と文句言いながら一時間ほど草抜き。終わると、そのまんま畑へ行って、三畝ほどの畝を立ててマルチを張る。10時前に家に帰る。二月の半ばから、知り合いの頼みで、ある薬草の苗を預かっていた。三月の中旬くらいまで頼むが、四月の上旬になり、それがやっと今日になった。桜が咲きだした頃から急激に成長した。大きくなりすぎて引き取りに来た車に乗せきれない。手土産にワッフルをもらったから、「ええよ、俺の車でも運んだるわ!」家に帰ると昼前。なにげなく家のガレージに置いていたが、実は一株千円近い貴重な薬草。それが大小200株ほど……。すっきりとしたガレージを見て、何となく寂しくなる……。カップラーメンを食べてから、競馬の天皇賞...畑147/連休

  • 畑146 / 癒やしの野菜

    三日続けて夜に雨が降って畑に入れない。仕方ないのでビニールトンネルの中で苗の手入れやら種まき。電熱ヒーターで芽を出させたキュウリやスイカはまだ双葉で、外に出すのはかわいそうだから、今のうちに少し大きめのポットに植え替える。トマトとナスはかなり大きくなったので定植できなくはないが、畝の準備が出来ていない。彼らも大きめのポットに植え替えてやろうかと思ったが置き場所がない。鬱蒼と茂った絹さやの花が終わったので、あと一回収穫して撤去する時に植え替えるとするか。次はアスパラの種まき。一昨年まで畑の隅っこに植えていたが、古くなったので片づけてしまった。チンアナゴのようににょきっと頭をもたげる奴がいないと、なんとなく寂しいので種まき。発芽まで20~30日もかかるうえに、収穫できる株になるまで二年かかるというのんびり屋さ...畑146/癒やしの野菜

  • 畑 145/ 日々是好日

    月、火に雨が降るパターンが続く。そこへ、金土あたりに雨が降ると、一週間たいしたことができない。4月はそれが続いて、半分は畑仕事ができない。家やビニールトンネルの中で、連休用の苗作り。かなり溜まってきて置き場がなくなってきた。苗の中にひとき可愛く咲くのはイワカラ草。30年ほど前に山野草に凝ったときがあって、その時に買った花。アルプス原産だが、30年も作っていると、もはや南河内産。地面に広がった葉から花茎が出て草の姿勢が、ハイジ―のようにけなげな花だ。だが、去年の暑さで枯れてしまって、一つ残った貴重な株。なんとか種を採取して、地植えにして、来年は一面に咲かすのが楽しみ。今日は、夜に雨が降ったので昼から畑へ。庭のツツジを挿し木して植えたのが咲きだした。畑も我が家のようなものだから彩ってやらなければ……。春になり...畑145/日々是好日

  • 茶話137 / 藤の花

    夜に雨が降ったので畑活は中止。トウモロコシをポットに、百日草とシシトウをセルに蒔いて保温。今日はこれだけにして、久々に遠足(相方とドライブ)。よく行く和歌山県橋本市のやっちょん広場(産直市場)へ。おめあては鮮度が命のタケノコ。以前は、京都の山城まで買いに行ってたが、最近は直売所があちこちに出来たので楽になった。わざわざ和歌山まで行くのは生産者が多いから安い。写真の量を買って、家に帰ってすぐに湯がいて冷凍しておく。もうひとつのお目当ては、悦っちゃんの手作り弁当。普通のフードパックに、年寄り向きのおかずが10種類ほど詰まっている。二年ほど前は420円、それが去年に440円になった。それが今回は470円に……悦っちゃんも苦労してるんやなあ……。車で15分ほどの道の駅九度山へ行き、テラスでしみじみと頂く。高野豆腐...茶話137/藤の花

  • 畑144 / 総会

    18日農業関係の役員をしている市の総会に出席。それを受けて、20日に自分が町内の中の組織で召集する総会を開催するので朝からその準備。一度に二つの役員長を引き受けたから、頭が混んがらがる。だが、役を頼まれたら「はいはい、ええよ!」で出来るだけ断らない。「役」をしている間は、余計な「厄」は来ないのだと思い込んでいる。厄介な性分だと自分で解っているから「辛どい」は絶対に言わない。言うと厄介な厄が舞い込んでくるから。★総会と名のつく集まりは、どうも、堅っ苦しい。式次第通りに、とにかく無事に安全にが第一目的なのだろう。すぐに帰るような来賓が出てきて挨拶が続く。「一言ずつご挨拶をお願いしす」でいい。「議長選任、どうしましょう」で「一任!」の声、「では〇〇さんに」。最初から「〇〇さんにお願いしました」でいい。事業報告や...畑144/総会

  • 畑143 / 多様性の尊重

    薄曇りに加えて黄砂の影響で山々はぼんやりしている。見ているだけで、こっちの頭もぼんやりしてくる。こんなときは、畑仕事を早々にきりあげて帰宅。スイカ・ナンキン・メロン・ゴーヤ・キュウリの種まきをする。発芽適温は25~30度だからヒーターで保温する。うまくいけば4日前後で芽が出る予定だ。すべて固定種で、去年に自家採種したものだから費用は0円。芽が出なくても諦めがつく。現在、種を採るために畑においているのは野沢菜。浪花の伝統野菜の天王寺蕪を信州に持っていったものだから固定種。風で倒れてしまったが、大きな蕪が付いているから枯れずに元気だ。実もずいぶんと大きくなってきた。もう一つ背の高さほどなのがカツオ菜。アミノ酸が豊富に含まれていてかつお節と似た風味がする。福岡の伝統野菜で、博多っ子は「勝男」と縁起をかついで雑煮...畑143/多様性の尊重

  • 畑142 / 他力

    昨日の4月16日は春の土用の入り。夏の土用がよく知られているが、春夏秋冬それぞれの季節の替わり目に18日間の土用がある。今年の春の土用は、4月16日(火)~5月4日(土)で、5月5日(日)が立夏になる。それもあって、昨日は夏野菜の苗づくりのために、ビニールトンネルの中の整理をした。さて、今日は、まず、ヒーターで芽を出させたピーマン・ししとう・トウガラシの植え替え。まだ本葉が出たばかりで、しばらくはトンネルの中で育苗する。ほんとを言うと、土用の期間中は「土公神(どこうしん)」という土の神様が支配しているので、土を動かしてはいけないと言われている。土いじりや種まき、草刈りや畝立て、地鎮祭や建築の基礎工事などはしてならないのだ。しかし、それを守っていたら何にも出来なくなる。そこで、農家や建築業では土公神をお祀り...畑142/他力

  • 畑141 / 春の日

    連休がくれば畑活が本格化する。気温が落ちつき、ビニールを掛けて保温する必要がなくなる。邪魔くさいことはしないグウタラ百姓には、うってつけの季節になる。苗は買わないと決めているので、苗を育てるビニールトンネルの中の整理。三月の上旬に、ヒーターを使って植えたトマトとナスとブロッコリはすでに大きくなっている。捨て苗を植えた絹さやはそろそろ食べごろだ。今夜の酒のアテは絹さやの卵とじにするか。雨除けにしまっていた余計な物を外に出して草抜き。暖かかったのか草は茂って、そろそろ種をつけかけている。隅っこに生えた露草を放ったらかしにしといたのが、種を落としてあちこちから芽を出している。コバルトブルーの露草の花は美しい。ヨーロッパの貴族が愛したラビズラズリーの青にちかくて心が落ち着く。ニ、三株を深めに掘り上げてポットに植え...畑141/春の日

  • 茶話136 / 単純素朴

    スマホの迷惑メールにうんざりして、メールの自動受信をOFFにしたことは書いた。当然のことだが、以後、メールは一切入ってこない。スマホを手にすることがうんと減った。バッテリーが倍長持ちする。仕事をリタイアしたとき、真っ先にやったことは通信費を安くすることだ。新聞を止めた。スマホも大手から楽天電話に替えた。これだけで2万円ほどの家計費の節約になる。あとは、安全運転を心がける。交通違反の罰金ほど無駄なものはない。◇今回、メールを止めたついでに、楽天(ドコモ回線)から、楽天のキャリア回線に替えた。月に3ギガ付いて契約料も400円ほど安くなった。おまけに、楽メールというのが付いているから、メール受信もそっちに乗り換えれば済む。英数字に記号を入れて10字以上のアドレスにすればいいというので、とびっきりややこしいのにし...茶話136/単純素朴

  • 畑140 / 迷惑でんがな!

    ここんとこスマホの迷惑メールでうんざりしている。拒否リストに入れて受信拒否したところで、相手はメールアドレスを変えてくるだろう。それに、文字化けメールがほとんどで手の打ちようがない。一日の始まりは迷惑メールを「迷惑フォルダー」に移動することから始まっていた。その一仕事を終えて、いっそのこと、メールアドレスを変えようかと思う。ラインがほとんどで、eメールにはたいしたものは入ってこない。いやいや、待て待て、何かいい手があるはずだ。メールの設定をいじっていたら、「メール自動受信」とやらがONになっている。なるほど、そうか、メールを受信しなければいいのだ。ブチ!OFF!いい天気なのに、午前中はスマホにかかりっきり。スパムとキャベツのオイルパスタを食べた後の昼からのスマホは静かなものだ。そりゃそうだ、メールを止めた...畑140/迷惑でんがな!

  • 畑139 / 蓮華草

    今日は朝からスカッと晴れてるので畑へ。でも、昨日の雨で、ひたすら草抜き。あたたかいので苦にはならない。休憩して椅子に座っていても気持ちがいい。隣の田んぼには、レンゲの花が、たなびくように、懐かしく咲いている。春がきたのだと実感する。気持ちよくなって、ぼおーっとしてると頭の中で歌が流れる。♪春の小川はさらさら流る。岸のすみれやれんげの花ににほひめでたく色うつくしく咲けよ咲けよとさゝやく如く♪お馴染みの小学唱歌『春の小川』だが、何かおかしい。それもそのはず、1912年(明治45年・大正元年)の『尋常小學唱歌第四學年用』に載った歌詞だ。文語体が難しく、小学生には好ましくないというので、1942年(昭和17)に現在の歌詞に変わった。♪春の小川はさらさら行くよ岸のすみれやれんげの花にすがたやさしく色うつくしく咲けよ...畑139/蓮華草

  • 畑138 / 新年度

    四月、新年度、今月は、組織やグループの〇〇総会が五つある。そのうちの一つは自分自身が長をしているので、その準備でブログはとんとご無沙汰。開催案内を配って、資料の準備もようやくできたので、さて、畑に出るとするか。と思いきや、菜種梅雨。昨日は80mmというかなりまとまった雨。それを見込んで一昨日は慌てて一日畑活。まず、里芋を掘り起こすと芽も根も出ているので慌てて一畝たてて定植。人参と大根の種を蒔く。さして、最後はニラの株分け。ニラは中国原産で、もとは山草。伎波都久(=地名)の丘のくくみら我れ摘めど籠(こ)にも満たなふ背(せ)なと摘まさね/万葉集(東歌)【「きはつくの丘のくくみらを摘んでたんだけどさあ、一人じゃなかなかカゴにいっぱいにならないのよ」。「じゃあ、愛するあの人と一緒に摘みなさいよ!」】会話形式の民謡...畑138/新年度

  • 茶話135 / 野の花

    岡山の旅は四日のうち三日が雨。帰ってからも雨続き。畑活したいが閉店がらがら休業状態。うらやましげに空見上げても今にも降りそな空模様。降りそでもこっちは振る袖もなき年金暮らし。まま食うままもままならぬ身。朝起きると今日もやはり雨。さて、どうしよう。月に一度の掛かりつけ医に行って、血圧計って、薬局に行って薬をもらって帰宅。さて、どうしよう。そうだ。去年、近くの河川敷にモヂズリが咲いているのを見つけた。あれを採って来て植えよう。ちょうど雨も止んでいる。おおよその場所の目星はつけてある。スコップとバケツを持って河川敷へ。確かこの辺りだとうろうろする。あったあった!おお、こっちにも!都合六株。持って帰って、植木鉢を探して植えてやる。陸奥(みちのく)のしのぶもぢずり誰(たれ)ゆゑに乱れそめにしわれならなくに/河原左大...茶話135/野の花

  • 茶話134 / 老いの小文⑥

    ※「老いの小文⑤」からのつづきです。かげろうが揺らぐ春の日、野辺に出て、ふりさけ見れば足ひきの山の尾の上の雲霞み。色添え、匂う桜の花盛り。折々通う春風にもなんとも言えぬ花の香がする。なんぞと書き始める予定の備前の旅のはずだったが、花のつぼみはまだ固い。おまけに、三日目から雨模様。しかたなく、素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した剣を洗った滝から、男根を祀る金勢大明神をめぐり、道を南へとって日生の海に着いた。瀬戸内に面した日生の海は、波静かに鏡のごとくして陽に輝き、突如として現れる数十の島々の松樹の碧緑を映す。青垣なす山々を背に、春うらうらの浦風うけて海浜にたたずめば、白砂青松まことに書にも及ばない絶景である。なんぞと書きたかったのだが、日生の名のごとき日は生ぜず、島々は降る雨にかすんで下手な水墨画を見ているようだ。...茶話134/老いの小文⑥

  • 茶話133/老いの小文⑥

    備前の旅三日目は朝から霧雨。傘もささずに野辺の道を通って川沿いの県道にでる。この地はどこの河畔にも桜の木を植えていて、一輪なりとも咲いていないかと探すが蕾は固く閉じたままだ。いたしかたなく旧友の家に戻ろうとして、村に入る道の傍らに背の高い石碑を見つける。「素戔嗚尊血洗之滝(すさのおうのみことちあらいのたき)」と標されている。ずいぶんと物騒な場所があるものだと、家に戻って旧友に尋ねると、素戔嗚尊が、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した剣に着いた血を洗って禊(みそぎ)をした滝が近くにあるのだと言う。「天の岩戸伝説の後、素戔嗚尊は高天原を去って根の国(島根)へ行き、そこで八岐大蛇を退治したのではないか。なぜ、備前までわざわざ血を洗いに来るのだ?」と問うと、「そこが備前の備前たるところやがな」と釈然としない答え。...茶話133/老いの小文⑥

  • 茶話132/老いの小文⑤

    戦後すぐに建てられたかと思われる碍子(がいし=電気の絶縁線)むき出しの座敷に、厚手の布団を敷いてもらって備前国の旅寝の一夜目。ネコかイタチかの天井這いまわる音で一人寝の寂しさをまぎらわし、翌朝は各戸に引かれた防災無線のけたたましい音楽で嫌でも目を覚ます。パジャマのまま外に出ると春霞(かすみ)が立ち込めている。夕べの酒宴の残りのコロッケとコーヒーという妙な組み合わせの朝食をとりつつ、旧友が言うには、霞ではなく霧で、こんな日は天気が良いのだと言う。その言葉通り、霧が引き出すと陽も長閑に顔を出す。さて、今日こそは一宿一飯の恩義に報いる日と、ゴムの長靴ゴム手袋に身をかため、のこぎり鎌に草刈り鎌、備前小早川家の違い鎌、作州出身は宮本武蔵の二天一流の鎌使いで、ばったばったと草を抜く。緑満ちたる雑草の中に咲く何やらゆか...茶話132/老いの小文⑤

    地域タグ:岡山県

  • 茶話131 / 老いの小文④

    備前の国に旅するのは、去年の春を初めとして今春で四たびになる。昼前に旧友の愛車に便乗して大阪を出発する。時折り降る雨の中を神戸に入ると小雪にかわる寒さ。明石、姫路、相生を抜けると風景は一変し、山あいの平野を縫うようにして走り、山陽道の要所、播磨国と備前国を隔てる船坂峠にいたる。鎌倉幕府を倒さんとして隠岐に流罪される後醍醐天皇を奪回せんと、備前の児島高徳(たかのり)が一族郎党二百余騎をしたがえて天皇護送団を待ち伏せした地である。しかし、移動ルートを見誤り、天皇救出の義挙は失敗に終わる。春しぐれ義挙空拳をいかんせんその後、高徳は天皇一行を播磨・美作の国境の杉坂まで追うのだが、天皇一行は既に津山へ達しており、完全な作戦失敗となって軍勢は雲散霧消してしまう。しかし、高徳は天皇の奪還を諦めず、夜になって天皇の宿舎に...茶話131/老いの小文④

    地域タグ:岡山県

  • 畑137 / 土と草

    先週は少し暖かだったので一週間休みなしの畑活。畑一面をびっしりと覆った冬草の草抜き。そろそろ花を咲かせようとしているから、今抜いておかないとたいへんなことになる。五月に落花生を植える予定の場(1/4)と畑の周りは除草剤に頼ってしまった。体も本調子ではないから、気持ちがずいぶんと楽になる。畑でストレスは感じたくない。畑は癒やしの場なんだから。人は自分の幸せのために活動、労働するのだが、ストレスがつきまとう。家族、親戚、友人、同僚、ご近所の付き合いは、自分を助けてくれて幸せにしてくれるのだが、ストレスになることもある。我々は、いろんな人と幸福とストレスを相殺しながら生きているのかもしれない。そんな中で、スポーツやペット・グルメ・旅行に「癒やし」を求める。「癒(ユ)」の訓読みは「いや・いえ」で、「心を癒す」「病...畑137/土と草

  • 茶話130 / 卒業

    今日は子供見守り隊の当番日。いつもの時間に、いつもの交差点へ。ところが、10分ほど経っても子供が来ない。15分ほどして、ようやく三人がやって来た。「今日は学校で何かあるのか?」と尋ねると、「今日は卒業式やがな」と男の子の元気な返事。「そうかいな、おめでとう!」と言うと、「僕はまだ5年生やがな!今日は5年と6年生だけが登校や」」と教えてくれた。小学校の卒業式って全校生徒出席と違うたんかいな?……と思い出そうとしたしたものの、50年以上も前のことなど思い出せない。当然、自分の小学校卒業の時にどんな気持ちだったのかなど、頭の中の記憶の引き出しの奥に押し込まれて出てこない。人間なんぞは、古い記憶をどんどん御国押し込めて成長していくものなのだ。そう独り納得して、6年生らしき子どもには「おめでとう!これから、もっとえ...茶話130/卒業

  • 畑 136/ これもまた人生の楽しみ

    朝、目覚めて、布団の中で丸くなりながら雨音を聞いている。もう少し眠ろうか……、どうせ今日は何もできないし、筋肉痛だから……。十日ほど前にジャガイモの種芋を買ったが、寒い日が続いたので植えずにいた。今週あたりから暖かくなりそうだし、どうやら明日(昨日)は雨模様なので、畝を立てるとすれば今日しかない。『ブギウギ』を見てから畑へ。冬草がぼうぼうだし、土もまだ湿っているが、できるところまでやるとしよう。管理耕運機で耕したものの、土が重いので昼まで乾かしてから畝立てをするとするか。それまでは、ひたすら草抜き。◇昼ごはんを食べて、『ブギウギ』の再放送をを見てから畑へ。だいぶん乾いているので、軽く土を寄せて、草を集めてしばらく干す。それまでは、ひたすら草抜き。一箇所に集中して草抜きすると飽きてくるので、場所を変える。此...畑136/これもまた人生の楽しみ

  • 茶話129 / 究極のネタ

    ペット、グルメ、トラベルのブログネタ御三家のどれかでブログを書きたいのだが、とんと縁がない。頭にきて「119/まあええか」で、一度に三つを合わせた夢の話を書いたら、未だによく読まれている。ペットを見てかわいいと思わない人はいないし、グルメして美味しいと感じない人はいないし、トラベルして楽しいと思わない人はいない。そこで、我が家の相方に「犬でも飼おうか?」と言うと、「こっちが先に死んでしまうわ!」。「美味しいものでも食べに行こか?」と言うと、「そんなん食べて出したらしまいやがな!」。「温泉でも行こか」と言うと、「しんどいし、お金がいるがな!」。金どころか、味も素っ気も夢もない。しかたがないので、子どもの頃、魚屋のオッサンに頼まれて猫を捕まえ、河原に捨てに行った話を書いた。ブログに載せようとgooのアピール記...茶話129/究極のネタ

  • 茶話128 / あおる

    「煽る」と書く。「けしかける」の意。「あおり運転」が問題になって久しい2020年6月に道路交通法が改正され、あおり運転に対する罰則が定められたが、あいかわらず後をたたない。あおり運転の原因で多いのが、「追い越されたから」「車線変更で自分の前に出てきたから」という報復行動だという。煽る人には、煽られている人よりも有利な立場でいたいという心理があるのかもしれない。そんな心理からではなく、金儲けで煽る人がいる。能登半島地震の直後、「人工地震が原因」とか、「外国人窃盗団集結」といった偽の情報がX(ツイッター)で拡散した。Xでは、課金しているユーザーが一定の閲覧数(インプレッション)を獲得すると収益が得られる仕組みになっているとか。不安な気持ちの時に不安を煽られるとますます不安になる。そんな人の心理を悪用した金儲け...茶話128/あおる

  • 畑135 / ボーっと生きてんじゃないよ!

    先週の土曜日に蒔いたトマトが芽を出し始めた。ヒーターマットで25℃から28℃くらいを維持して、今日で6日目、ほぼ計算通り。と、言うのは発芽に必要な積算温度というのがある。積算温度=一日の平均気温×日数植物によって発芽日数が変わるのは積算温度のためだ。トマトを例にすると、種の袋の裏に次のように書かれている。発芽適温25℃から30℃(発芽日数4~6日)25℃×6日=150℃30℃×4日=120℃つまり、トマトの発芽積算温度は120℃~150℃ということになる。ナスとピーマンは180℃~200℃(6~8日)なので、あと二日ほどすれば発芽する計算になる。もし、保温なしで今、トマトを植えたとすると、次のようになる。3月の平均気温=最高14℃・最低5度(14℃+5度)÷2×?日=120℃……?=12.7日計算上は13...畑135/ボーっと生きてんじゃないよ!

  • 畑 134/ 地の恵み

    去年の夏、畔にサニーレタスのこぼれ種が一つ芽を出した。いずれ食べてやろうと思っているうちに薹立ち(とう立ち)してしまって花が咲いた。その種が落ちて芽を出した。こぼれ種のこぼれ種。こういうのはありがたい。年末ジャンボで三百円当たったうれしさ。いやいや、ネット販売で知らないうちにポイントが千円貯まっていたうれしさだ。★間引き替わりに10株ほどをビニールポットに植えて苗にする。あとはそのまんまにして自然栽培。こぼれ種は力強い。さぞかし栄養も豊富だろう。天の恵み地の恵みだ。畑134/地の恵み

  • 畑133 / 調子にのって初出勤

    昨日は晴天。朝は寒かったが、昼からは13度になるというので、11時頃に暇つぶしに畑へ。もう三か月も何もしていない畑は草ぼうぼう。そろそろ成長しだす玉葱の畝も草だらけ。こりゃいかんわい!じっとしていると寒いので草抜き開始。30分ほどやっても体の調子はいい。その調子にのって昼過ぎまで。★家に帰って、昼ご飯食べて、しばらくぼぉっとして、そして、もう一つ調子に乗って、水筒に熱い紅茶を入れて、バイクで畑へ。玉葱の畝の残りの草を抜いて、ニンニクの草を抜いて、ワケギの草を抜いて、そして、島らっきょの草を抜くころには、少し寒くなってきた。椅子に座って、冷ましておいた熱い紅茶(?)を飲みながら写真を撮っておこうか……いやいや、こんなのブログに書いたとて面白味があるまいというので、写真は撮らずに家路へ。エクセルの十文字日記に...畑133/調子にのって初出勤

  • 畑132 / 種まき

    先週の火曜日に温熱ヒーターを利用して蒔いた白菜、キャベツ、ブロッコリーが芽を出した。早いものは次の日に土をもたげ、三日目には多くが土をもたげて発芽した。発芽していないのは、一昨年や去年に買った残りを蒔いたからで、諦めはつく。さて、芽は出たものの、陽にあててやらなければ、ヒョロヒョロと茎が長くなって徒長してしまう。部屋の中で育てているのだから、多少の徒長はしかたがない。そう思っていたら、徒長しない。成育に必要な温度が維持されていれば、徒長しないのだ。成長に必要な栄養をつくるための光合成をしたいがために、陽をもとめて徒長するのではない。我々が寒いときに日向に出るのと同じなのだ。彼らは成育温度に達していないとき、葉や茎の温度を上げるために、陽にあたりたくてヒョロヒョロと茎を伸ばすのだ。よう知らんけど。白菜、キャ...畑132/種まき

  • 茶話127 / わてほんまによういわんわ

    知り合いと話していて「パソコンが突然壊れて難儀したわ」という話に。「やっぱりバックアップはとっておかんとあかんなあ」そう言われてみれば、我が家のパソコンはバックアップしていない。中古を買って三年目だから、いつプッツンがきてもおかしくはない。そこで、早速にアマゾンで外付けのハードを注文した。朝ドラ『ブギウギ』の中で歌われている「買い物ブギ」。その歌詞の中で繰り返される「わてほんまによういわんわ」は、かなり究極な関西弁だ。「わて」は、私。ワタシからワタイになり、ワテに変化した。「ほんま」は、本当であること。「本真」は当て字で、「本間=正式・本当」が正しい。「よう言わんわ」は、古文の「え~ず(否定)」と同じで、「え行かず」で〈行くことができない〉の意味になる。「よう~ん(否定)」で不可能の意味を表す……。……と...茶話127/わてほんまによういわんわ

  • 茶話126 / パリは近し

    フランス語である。ぜひ、声を出して読んでいただきたい。Commontallez-vous?(コモンタレヴー=お元気ですか)Attends!(アッタン=ちょっと待って!)ahbon?(アボン?=えー本当に?)Jet'aimedetoutmoncoeur(ジュテームドゥトゥーモンクール=心から君を愛している)Ondryananisitekettkannen?Tyoimatutareya.Andarahayokonkai!Moakanharahetanjya!Jakawasimonkutarenna!河内弁はフランス語に近い。※二年前の3月から「茶話」を開始した。その頃のふざけた記事のリメーイク。茶話126/パリは近し

    地域タグ:大阪府

  • 茶話125 / 歌は世につれ

    戦前から戦後に『支那の夜』『蘇州夜曲』などで活躍した女性歌手に渡辺はま子がいる。昭和11年3月に『忘れちゃいやョ』という曲を発表してヒットするが、三か月後の6月に発売禁止の処分になる。理由は、「あたかも娼婦の嬌態を眼前で見るが如き歌唱。エロを満喫させる」だった。♪月が鏡であったなら恋しあなたの面影を夜毎うつして見ようものこんな気持ちでいるわたしねえ忘れちゃいやヨ忘れないでネゝ(以下繰り返し)♪昼はまぼろし夜は夢あなたばかりにこの胸の熱い血潮がさわぐのよゝ♪風に情(なさけ)があったなら遠いあなたのその胸に燃える想いを送ろものゝ♪淡い夢なら消えましょに焦れ焦れた恋の火がなんで消えましよ消されましょゝ(詞:最上洋・曲:細田義勝)現代だったら、ほとんどの歌が発売禁止になってしまう。歌は世につれ世は歌につれ。黒澤明...茶話125/歌は世につれ

  • 茶話124 / 女々しさ

    平安時代、「かわいい」の意味を表す言葉は一つではなかった。「うつくし、をかし、かはゆし、あいらし、いとほし、らうたし」などの様々な言葉をつかっていた。それが、明治時代までに「かわいい」という一つの言葉で言い表せるようになっていく。ところが、現代は逆に、「かわいい」という言葉が、「小さい、愛らしい、ぴったり、映える、美しい、味がある」などの様々な意味でつかわれている(茶話120)。「かわいい」という言葉で様々な情感を表す日本独自の文化が、外国人に受容されて「kawaii文化」と呼ばれるようになる。そのきっかけをつくったのが、大正時代に美人画で一世を風靡し、大正ロマンを代表する作家の竹久夢二だ。竹久夢二は大正3年、自ら手がけた千代紙・絵封筒などを扱う「港屋絵草紙店」を東京・日本橋に開店する。今でいう「かわいい...茶話124/女々しさ

  • 茶話123 / 雨水

    二十四節季の「雨水」。なのか、一週間、ほぼ毎日、曇りか雨。今日こそはようやくいい天気かと思ったら、晴れたり、曇ったり、またもや通り雨。おまけに、気温は10度なのに、風が強くて寒い。一週間、雨を眺めてうんざり。しかし、そぼ降る早春の雨は、なぜか、人を和ませる。人の心を穏やかにさせる。天の恵みが地を潤し、春をもたらすからだろうか。頭がぼーっとして、空っぽになる。◇逆に、人を悲しませるは、風かもしれない。飄然(ひょうぜん)として、何処(いずこ)からともなくやってくる。そして、飄然として何処ともなく去る。初めも終わりもわからないまま、粛々として吹きすぎる。風は人の心を不安にさせる。◇風は、過ぎ行く人生の声なのだ。どこから来て、どこへ行くのか。人はその風のを聞いて悲しむ。◇つれづれなるままに、暇に任せて書いていくと...茶話123/雨水

  • 茶話122 / どちら様ですかいなあ?

    今時、営業電話でもなかろうに、一日に数回かかってくる。非通知は、電話機が勝手に切ってくれる。通知があるものは、出ない。それでもかけてくるのは、受話器をとる。半分は、男性の私がが出ると、向こうからブチッと切る。それでもかけてくるのは、声を聞いて判断する。男性の声で「お忙しいところ失礼いたします」「忙しい!」の一言で、ガチャツと切る。年配の女性の声で「屋根塗装の〇〇と申します」アナウンサーの口調で「以前も電話をおかけになりましたね?」「いえ、初めてですが……」「一度断られた相手への再度の電話勧誘は違法行為となります」ブチッ!「お忙しいところ失礼いたします」と、若い女性の可愛い声。とっさに90歳くらいのお爺さんの声で、「はいはい、どちらさんでございますかいなあ?」「リサイクルの〇〇と申します」「はぁあー?リス、...茶話122/どちら様ですかいなあ?

  • 茶話121 / 式部ちゃん

    家の前の道を、男子高生が大きな声で歌いながら、自転車で通り過ぎて行った。とても上手とはいえない。恥ずかしくはないのだろうか。その後から、自転車に乗った女子高生が三人、短いスカートで、恥ずかしげもなく通り過ぎて行く。寒っぶいのに、おいど冷えるで……と思いつつ、「女学生」という懐かしい言葉が頭をよぎった。♪向こう通るは女学生三人並んだその中でモストビューティーが目に浮かぶ色はホワイト目はパチリむすんだ唇あいらしやもしもあの娘が彼女なら僕も増々勉強して優等で卒業したからはロンドン、パリーをまたにかけ三年五年また五年無事に帰ったその時にゃあの娘は誰かの妻だったざんねんだざんねんだざんねんだったら寝てしまえ♪(ざんねん節唄:守屋浩・曲:浜口倉之助・採譜:仲田三孝2010年)自由奔放に振る舞うのは若者の特権で、今に始...茶話121/式部ちゃん

  • 茶話120 / かわいい~

    畑から採ってきた白菜に、冬眠中のカメムシがついていた。それを見て五歳の女孫が「かわいい~」それを見た娘(親)が「触ったらアカンで!臭っさいで!」テレビで平野レミが作った料理を見たゲストの女性が「かわいい~」それを見て、思わず「どこがかわいいねん!」とツッコミ。◇なんでも「かわいい~」と感じる昨今の風潮を「Kawaii文化」というらしい。もちろん、綺麗な夕焼けを見て「かわいい~」とは言わない。人より小さなもので、自分をプラスの感情にしてくれるものは、すべて「かわいい~」なのだ。「かわいい」は、古くは「かはゆし」という言葉だった。平安時代末期の『今昔物語集』に、「この子に刀を突き刺し、弓矢で撃ち殺したとは、なんともかはゆし」とある。もともとは〈痛ましくて見るに忍びない。気の毒だ〉という意味だった。だとしたら、...茶話120/かわいい~

  • 畑131 / ウズウズワクワク

    農林水産省は、消費量が多く国民生活に重要な野菜を「指定野菜」として、生産量が安定するように生産地を保護している。キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ばれいしょ、ピーマン、ほうれんそう、レタス。2026年度からは、これらにブロッコリーが追加されて15品目になる。新規の追加は1974年のバレイショ以来、半世紀ぶりだという。消費量が多いのだから、ほとんどの家庭菜園では、この15品目を中心にして、今年の作付け計画を考えているのだろう。我が畑でも15品目すべてを植えている。今は「ばれいしょ(じゃが芋)」を植え付ける時期だが、芽が出て霜にやられると嫌なので、3月10日前後に植える。大根と人参は種から植えざるを得ないので、彼岸が過ぎてから。あとの野菜は、苗は買わずに...畑131/ウズウズワクワク

  • 茶話119/ まあええか

    しばらくブログを書かなかったが、我が相方とペット犬のチロルと一緒に温泉へ旅行に行ってきた。木々に囲まれた庭には、小川のせせらぎを挟んで、ノーリードの広い芝生のドッグランがある。我々はテラスの椅子に腰かけ、芝生の上を走るチロルを眺めながら、熱いコーヒーを飲む。幸いにもいい天気で、借景の常緑樹の雑木林から木漏れ日がキラキラと漏れてくる。なんとものんびりとした時間が流れる。いつものんびりしているが、それとは違った癒しを感じる。遊び疲れたのか、チロルが私たちの方へやって来たので、さあ、温泉へ。ペットも一緒に入っても構わないという、なんとも寛大なホテル。ペット用のシャンプーや美容液もある。風呂上りは浴衣ではなく作務衣で、犬用の作務衣まで用意してくれている。お揃いの作務衣を着て部屋にかえり、さて、夕食。ペット用は食堂...茶話119/まあええか

  • 畑119 / ズキズキワクワク

    去年から苦しんできたオシリのズキズキがようやくおさまってきた今日は快晴!気温は15度の四月なみの陽気とかガラス戸ごしに見る外の景色はあいかわらず殺風景花笑い鳥唄う景色ではないけれど陽の光は暖かそう少し着込んで畑に行こうかいやいや、待て待て!ここで無理をするとまたズキズキがぶりかえすぞまだまだ二月の半ばではないか!土が匂ってものみな伸びる春の眺めの待ち遠しさよここはしっかり治すまでワクワクする気持ちをひっこめてがまんがまん赤い鼻緒のじょじょはいておんもへ出たいと待っている畑119/ズキズキワクワク

  • 歴史38/ 一かけ二かけ③

    ※連載です。①からお読みください。夢に春やんが出て来た。つんつるてんの着物一枚着て、犬を連れて、石川にかかる河南橋の欄干に腰掛けている。ワンカップの蓋をシュカーンと開け、ぐいと一口飲んで語り始めた。◇よーう調べたやないかいな。せやけど、もっとこだわらなアカン!大豆と麹と塩を寝かせて味噌を作ったら、次は美味しい料理にせなアカンやろ!「一かけ二かけて三かけて、四かけて五かけて橋をかけ」というのは、どういうこっちゃねん?教えたろか……征韓論に敗れた西郷さんは新政府から離脱して一人欠けた。それで、故郷の鹿児島へ馬で駆けた。ほんでもって、命を懸けて、明治政府に喧嘩を仕掛けた。一か八かの大勝負を賭けたんや!ところが、田原坂の戦いで大打撃を受けた。ほうほうのていで熊本を脱出して、国境にある下槻木(しもつきぎ)という村に...歴史38/一かけ二かけ③

    地域タグ:鹿児島県

  • 歴史38/ 一かけ二かけ②

    ※続きものです。①をお読みください。勝海舟とともに江戸城無血開城を実現した西郷隆盛は、新政府内でも参議として維新の改革を推し進めた。しかし、明治6(1873)年、武力によって朝鮮を開国させようと主張した征韓論を、岩倉具視や大久保利通らに猛反対され、朝鮮への派兵は中止となる。西郷隆盛はこれを不服として辞職、新政府から離脱する。明治政府に不満を持つ士族は西郷の姿勢を支持し、多くの人々が西郷の元に集まる。そして、ついに郷里の私学校生徒に促されて挙兵する。明治10年2月15日、日本国内最後の内戦である西南戦争が勃発した。鹿児島で蜂起した西郷隆盛率いる薩摩軍は、北上して熊本城を囲む。しかし、攻略に失敗。政府軍を迎え撃たんと田原坂(たばるざか)に陣を構えた。3月4日から20日までの17日間にわたって激しい戦いが続いた...歴史38/一かけ二かけ②

  • 歴史38/ 一かけ二かけ①

    テレビで、必殺シリーズ600回記念映画の『必殺!(1984年)』をやっていた。布団に入る時間だったが、最後まで視てしまった。ラストで、藤田まこと演じる中村主水が橋を渡るシーンで、懐かしい文句をつぶやく。それを聞いて思い出した。春やんが残してくれた『河州喜志村覚書帖』にメモされていた文句だった。一かけ二かけ三かけて仕掛けて殺して日が暮れて橋の欄干腰下ろし遥か向こうを眺むればこの世は辛い事ばかり片手に線香花を持ちおっさんおっさんどこ行くの?あたしは必殺仕事人中村主水と申します1979年(昭和54年)5月から1981年1月まで、朝日放送で放映された『必殺仕事人』で、芥川隆行が語るオープニングナレーションだった。「なんでまた、こんなんメモしたんやろ?」「歴史」の項で書いた、今までの記事は、実際に春やんが話したこと...歴史38/一かけ二かけ①

  • 茶話118 / メール

    若者はLINEのメッセージで句読点をつけない、というのをテレビのニュースでやっていた。句読点のある文章に、あまりよい印象を持たないという。とりわけ句点[。]を嫌悪する。冷たい印象を受けてしまうらしい。そのニュースを視ながら、こんな話を思い出した。ある日、近松門左衛門の家に、ひいきにしている数珠屋(じゅずや)が訪ねて来た。門左衛門は自作の浄瑠璃にせっせと句読点を打っている。それを見て、数珠屋が言った。「句読点を打っておられるではないか。そんなものは漢文には要るかもしれんが、浄瑠璃には必要ないでしょう!」門左衛門は癪にさわったが、その場は笑ってすませた。ニ、三日して、数珠屋に手紙を送る。数珠の注文で、その中にこんな文句があった。「ふたへにまげてくびにかけるようなじゅず」◇数珠屋は「二重に曲げて首に懸けるような...茶話118/メール

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