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2022/08/15

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  • 畑143 / 多様性の尊重

    薄曇りに加えて黄砂の影響で山々はぼんやりしている。見ているだけで、こっちの頭もぼんやりしてくる。こんなときは、畑仕事を早々にきりあげて帰宅。スイカ・ナンキン・メロン・ゴーヤ・キュウリの種まきをする。発芽適温は25~30度だからヒーターで保温する。うまくいけば4日前後で芽が出る予定だ。すべて固定種で、去年に自家採種したものだから費用は0円。芽が出なくても諦めがつく。現在、種を採るために畑においているのは野沢菜。浪花の伝統野菜の天王寺蕪を信州に持っていったものだから固定種。風で倒れてしまったが、大きな蕪が付いているから枯れずに元気だ。実もずいぶんと大きくなってきた。もう一つ背の高さほどなのがカツオ菜。アミノ酸が豊富に含まれていてかつお節と似た風味がする。福岡の伝統野菜で、博多っ子は「勝男」と縁起をかついで雑煮...畑143/多様性の尊重

  • 畑142 / 他力

    昨日の4月16日は春の土用の入り。夏の土用がよく知られているが、春夏秋冬それぞれの季節の替わり目に18日間の土用がある。今年の春の土用は、4月16日(火)~5月4日(土)で、5月5日(日)が立夏になる。それもあって、昨日は夏野菜の苗づくりのために、ビニールトンネルの中の整理をした。さて、今日は、まず、ヒーターで芽を出させたピーマン・ししとう・トウガラシの植え替え。まだ本葉が出たばかりで、しばらくはトンネルの中で育苗する。ほんとを言うと、土用の期間中は「土公神(どこうしん)」という土の神様が支配しているので、土を動かしてはいけないと言われている。土いじりや種まき、草刈りや畝立て、地鎮祭や建築の基礎工事などはしてならないのだ。しかし、それを守っていたら何にも出来なくなる。そこで、農家や建築業では土公神をお祀り...畑142/他力

  • 畑141 / 春の日

    連休がくれば畑活が本格化する。気温が落ちつき、ビニールを掛けて保温する必要がなくなる。邪魔くさいことはしないグウタラ百姓には、うってつけの季節になる。苗は買わないと決めているので、苗を育てるビニールトンネルの中の整理。三月の上旬に、ヒーターを使って植えたトマトとナスとブロッコリはすでに大きくなっている。捨て苗を植えた絹さやはそろそろ食べごろだ。今夜の酒のアテは絹さやの卵とじにするか。雨除けにしまっていた余計な物を外に出して草抜き。暖かかったのか草は茂って、そろそろ種をつけかけている。隅っこに生えた露草を放ったらかしにしといたのが、種を落としてあちこちから芽を出している。コバルトブルーの露草の花は美しい。ヨーロッパの貴族が愛したラビズラズリーの青にちかくて心が落ち着く。ニ、三株を深めに掘り上げてポットに植え...畑141/春の日

  • 茶話136 / 単純素朴

    スマホの迷惑メールにうんざりして、メールの自動受信をOFFにしたことは書いた。当然のことだが、以後、メールは一切入ってこない。スマホを手にすることがうんと減った。バッテリーが倍長持ちする。仕事をリタイアしたとき、真っ先にやったことは通信費を安くすることだ。新聞を止めた。スマホも大手から楽天電話に替えた。これだけで2万円ほどの家計費の節約になる。あとは、安全運転を心がける。交通違反の罰金ほど無駄なものはない。◇今回、メールを止めたついでに、楽天(ドコモ回線)から、楽天のキャリア回線に替えた。月に3ギガ付いて契約料も400円ほど安くなった。おまけに、楽メールというのが付いているから、メール受信もそっちに乗り換えれば済む。英数字に記号を入れて10字以上のアドレスにすればいいというので、とびっきりややこしいのにし...茶話136/単純素朴

  • 畑140 / 迷惑でんがな!

    ここんとこスマホの迷惑メールでうんざりしている。拒否リストに入れて受信拒否したところで、相手はメールアドレスを変えてくるだろう。それに、文字化けメールがほとんどで手の打ちようがない。一日の始まりは迷惑メールを「迷惑フォルダー」に移動することから始まっていた。その一仕事を終えて、いっそのこと、メールアドレスを変えようかと思う。ラインがほとんどで、eメールにはたいしたものは入ってこない。いやいや、待て待て、何かいい手があるはずだ。メールの設定をいじっていたら、「メール自動受信」とやらがONになっている。なるほど、そうか、メールを受信しなければいいのだ。ブチ!OFF!いい天気なのに、午前中はスマホにかかりっきり。スパムとキャベツのオイルパスタを食べた後の昼からのスマホは静かなものだ。そりゃそうだ、メールを止めた...畑140/迷惑でんがな!

  • 畑139 / 蓮華草

    今日は朝からスカッと晴れてるので畑へ。でも、昨日の雨で、ひたすら草抜き。あたたかいので苦にはならない。休憩して椅子に座っていても気持ちがいい。隣の田んぼには、レンゲの花が、たなびくように、懐かしく咲いている。春がきたのだと実感する。気持ちよくなって、ぼおーっとしてると頭の中で歌が流れる。♪春の小川はさらさら流る。岸のすみれやれんげの花ににほひめでたく色うつくしく咲けよ咲けよとさゝやく如く♪お馴染みの小学唱歌『春の小川』だが、何かおかしい。それもそのはず、1912年(明治45年・大正元年)の『尋常小學唱歌第四學年用』に載った歌詞だ。文語体が難しく、小学生には好ましくないというので、1942年(昭和17)に現在の歌詞に変わった。♪春の小川はさらさら行くよ岸のすみれやれんげの花にすがたやさしく色うつくしく咲けよ...畑139/蓮華草

  • 畑138 / 新年度

    四月、新年度、今月は、組織やグループの〇〇総会が五つある。そのうちの一つは自分自身が長をしているので、その準備でブログはとんとご無沙汰。開催案内を配って、資料の準備もようやくできたので、さて、畑に出るとするか。と思いきや、菜種梅雨。昨日は80mmというかなりまとまった雨。それを見込んで一昨日は慌てて一日畑活。まず、里芋を掘り起こすと芽も根も出ているので慌てて一畝たてて定植。人参と大根の種を蒔く。さして、最後はニラの株分け。ニラは中国原産で、もとは山草。伎波都久(=地名)の丘のくくみら我れ摘めど籠(こ)にも満たなふ背(せ)なと摘まさね/万葉集(東歌)【「きはつくの丘のくくみらを摘んでたんだけどさあ、一人じゃなかなかカゴにいっぱいにならないのよ」。「じゃあ、愛するあの人と一緒に摘みなさいよ!」】会話形式の民謡...畑138/新年度

  • 茶話135 / 野の花

    岡山の旅は四日のうち三日が雨。帰ってからも雨続き。畑活したいが閉店がらがら休業状態。うらやましげに空見上げても今にも降りそな空模様。降りそでもこっちは振る袖もなき年金暮らし。まま食うままもままならぬ身。朝起きると今日もやはり雨。さて、どうしよう。月に一度の掛かりつけ医に行って、血圧計って、薬局に行って薬をもらって帰宅。さて、どうしよう。そうだ。去年、近くの河川敷にモヂズリが咲いているのを見つけた。あれを採って来て植えよう。ちょうど雨も止んでいる。おおよその場所の目星はつけてある。スコップとバケツを持って河川敷へ。確かこの辺りだとうろうろする。あったあった!おお、こっちにも!都合六株。持って帰って、植木鉢を探して植えてやる。陸奥(みちのく)のしのぶもぢずり誰(たれ)ゆゑに乱れそめにしわれならなくに/河原左大...茶話135/野の花

  • 茶話134 / 老いの小文⑥

    ※「老いの小文⑤」からのつづきです。かげろうが揺らぐ春の日、野辺に出て、ふりさけ見れば足ひきの山の尾の上の雲霞み。色添え、匂う桜の花盛り。折々通う春風にもなんとも言えぬ花の香がする。なんぞと書き始める予定の備前の旅のはずだったが、花のつぼみはまだ固い。おまけに、三日目から雨模様。しかたなく、素戔嗚尊が八岐大蛇を退治した剣を洗った滝から、男根を祀る金勢大明神をめぐり、道を南へとって日生の海に着いた。瀬戸内に面した日生の海は、波静かに鏡のごとくして陽に輝き、突如として現れる数十の島々の松樹の碧緑を映す。青垣なす山々を背に、春うらうらの浦風うけて海浜にたたずめば、白砂青松まことに書にも及ばない絶景である。なんぞと書きたかったのだが、日生の名のごとき日は生ぜず、島々は降る雨にかすんで下手な水墨画を見ているようだ。...茶話134/老いの小文⑥

  • 茶話133/老いの小文⑥

    備前の旅三日目は朝から霧雨。傘もささずに野辺の道を通って川沿いの県道にでる。この地はどこの河畔にも桜の木を植えていて、一輪なりとも咲いていないかと探すが蕾は固く閉じたままだ。いたしかたなく旧友の家に戻ろうとして、村に入る道の傍らに背の高い石碑を見つける。「素戔嗚尊血洗之滝(すさのおうのみことちあらいのたき)」と標されている。ずいぶんと物騒な場所があるものだと、家に戻って旧友に尋ねると、素戔嗚尊が、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した剣に着いた血を洗って禊(みそぎ)をした滝が近くにあるのだと言う。「天の岩戸伝説の後、素戔嗚尊は高天原を去って根の国(島根)へ行き、そこで八岐大蛇を退治したのではないか。なぜ、備前までわざわざ血を洗いに来るのだ?」と問うと、「そこが備前の備前たるところやがな」と釈然としない答え。...茶話133/老いの小文⑥

  • 茶話132/老いの小文⑤

    戦後すぐに建てられたかと思われる碍子(がいし=電気の絶縁線)むき出しの座敷に、厚手の布団を敷いてもらって備前国の旅寝の一夜目。ネコかイタチかの天井這いまわる音で一人寝の寂しさをまぎらわし、翌朝は各戸に引かれた防災無線のけたたましい音楽で嫌でも目を覚ます。パジャマのまま外に出ると春霞(かすみ)が立ち込めている。夕べの酒宴の残りのコロッケとコーヒーという妙な組み合わせの朝食をとりつつ、旧友が言うには、霞ではなく霧で、こんな日は天気が良いのだと言う。その言葉通り、霧が引き出すと陽も長閑に顔を出す。さて、今日こそは一宿一飯の恩義に報いる日と、ゴムの長靴ゴム手袋に身をかため、のこぎり鎌に草刈り鎌、備前小早川家の違い鎌、作州出身は宮本武蔵の二天一流の鎌使いで、ばったばったと草を抜く。緑満ちたる雑草の中に咲く何やらゆか...茶話132/老いの小文⑤

    地域タグ:岡山県

  • 茶話131 / 老いの小文④

    備前の国に旅するのは、去年の春を初めとして今春で四たびになる。昼前に旧友の愛車に便乗して大阪を出発する。時折り降る雨の中を神戸に入ると小雪にかわる寒さ。明石、姫路、相生を抜けると風景は一変し、山あいの平野を縫うようにして走り、山陽道の要所、播磨国と備前国を隔てる船坂峠にいたる。鎌倉幕府を倒さんとして隠岐に流罪される後醍醐天皇を奪回せんと、備前の児島高徳(たかのり)が一族郎党二百余騎をしたがえて天皇護送団を待ち伏せした地である。しかし、移動ルートを見誤り、天皇救出の義挙は失敗に終わる。春しぐれ義挙空拳をいかんせんその後、高徳は天皇一行を播磨・美作の国境の杉坂まで追うのだが、天皇一行は既に津山へ達しており、完全な作戦失敗となって軍勢は雲散霧消してしまう。しかし、高徳は天皇の奪還を諦めず、夜になって天皇の宿舎に...茶話131/老いの小文④

    地域タグ:岡山県

  • 畑137 / 土と草

    先週は少し暖かだったので一週間休みなしの畑活。畑一面をびっしりと覆った冬草の草抜き。そろそろ花を咲かせようとしているから、今抜いておかないとたいへんなことになる。五月に落花生を植える予定の場(1/4)と畑の周りは除草剤に頼ってしまった。体も本調子ではないから、気持ちがずいぶんと楽になる。畑でストレスは感じたくない。畑は癒やしの場なんだから。人は自分の幸せのために活動、労働するのだが、ストレスがつきまとう。家族、親戚、友人、同僚、ご近所の付き合いは、自分を助けてくれて幸せにしてくれるのだが、ストレスになることもある。我々は、いろんな人と幸福とストレスを相殺しながら生きているのかもしれない。そんな中で、スポーツやペット・グルメ・旅行に「癒やし」を求める。「癒(ユ)」の訓読みは「いや・いえ」で、「心を癒す」「病...畑137/土と草

  • 茶話130 / 卒業

    今日は子供見守り隊の当番日。いつもの時間に、いつもの交差点へ。ところが、10分ほど経っても子供が来ない。15分ほどして、ようやく三人がやって来た。「今日は学校で何かあるのか?」と尋ねると、「今日は卒業式やがな」と男の子の元気な返事。「そうかいな、おめでとう!」と言うと、「僕はまだ5年生やがな!今日は5年と6年生だけが登校や」」と教えてくれた。小学校の卒業式って全校生徒出席と違うたんかいな?……と思い出そうとしたしたものの、50年以上も前のことなど思い出せない。当然、自分の小学校卒業の時にどんな気持ちだったのかなど、頭の中の記憶の引き出しの奥に押し込まれて出てこない。人間なんぞは、古い記憶をどんどん御国押し込めて成長していくものなのだ。そう独り納得して、6年生らしき子どもには「おめでとう!これから、もっとえ...茶話130/卒業

  • 畑 136/ これもまた人生の楽しみ

    朝、目覚めて、布団の中で丸くなりながら雨音を聞いている。もう少し眠ろうか……、どうせ今日は何もできないし、筋肉痛だから……。十日ほど前にジャガイモの種芋を買ったが、寒い日が続いたので植えずにいた。今週あたりから暖かくなりそうだし、どうやら明日(昨日)は雨模様なので、畝を立てるとすれば今日しかない。『ブギウギ』を見てから畑へ。冬草がぼうぼうだし、土もまだ湿っているが、できるところまでやるとしよう。管理耕運機で耕したものの、土が重いので昼まで乾かしてから畝立てをするとするか。それまでは、ひたすら草抜き。◇昼ごはんを食べて、『ブギウギ』の再放送をを見てから畑へ。だいぶん乾いているので、軽く土を寄せて、草を集めてしばらく干す。それまでは、ひたすら草抜き。一箇所に集中して草抜きすると飽きてくるので、場所を変える。此...畑136/これもまた人生の楽しみ

  • 茶話129 / 究極のネタ

    ペット、グルメ、トラベルのブログネタ御三家のどれかでブログを書きたいのだが、とんと縁がない。頭にきて「119/まあええか」で、一度に三つを合わせた夢の話を書いたら、未だによく読まれている。ペットを見てかわいいと思わない人はいないし、グルメして美味しいと感じない人はいないし、トラベルして楽しいと思わない人はいない。そこで、我が家の相方に「犬でも飼おうか?」と言うと、「こっちが先に死んでしまうわ!」。「美味しいものでも食べに行こか?」と言うと、「そんなん食べて出したらしまいやがな!」。「温泉でも行こか」と言うと、「しんどいし、お金がいるがな!」。金どころか、味も素っ気も夢もない。しかたがないので、子どもの頃、魚屋のオッサンに頼まれて猫を捕まえ、河原に捨てに行った話を書いた。ブログに載せようとgooのアピール記...茶話129/究極のネタ

  • 茶話128 / あおる

    「煽る」と書く。「けしかける」の意。「あおり運転」が問題になって久しい2020年6月に道路交通法が改正され、あおり運転に対する罰則が定められたが、あいかわらず後をたたない。あおり運転の原因で多いのが、「追い越されたから」「車線変更で自分の前に出てきたから」という報復行動だという。煽る人には、煽られている人よりも有利な立場でいたいという心理があるのかもしれない。そんな心理からではなく、金儲けで煽る人がいる。能登半島地震の直後、「人工地震が原因」とか、「外国人窃盗団集結」といった偽の情報がX(ツイッター)で拡散した。Xでは、課金しているユーザーが一定の閲覧数(インプレッション)を獲得すると収益が得られる仕組みになっているとか。不安な気持ちの時に不安を煽られるとますます不安になる。そんな人の心理を悪用した金儲け...茶話128/あおる

  • 畑135 / ボーっと生きてんじゃないよ!

    先週の土曜日に蒔いたトマトが芽を出し始めた。ヒーターマットで25℃から28℃くらいを維持して、今日で6日目、ほぼ計算通り。と、言うのは発芽に必要な積算温度というのがある。積算温度=一日の平均気温×日数植物によって発芽日数が変わるのは積算温度のためだ。トマトを例にすると、種の袋の裏に次のように書かれている。発芽適温25℃から30℃(発芽日数4~6日)25℃×6日=150℃30℃×4日=120℃つまり、トマトの発芽積算温度は120℃~150℃ということになる。ナスとピーマンは180℃~200℃(6~8日)なので、あと二日ほどすれば発芽する計算になる。もし、保温なしで今、トマトを植えたとすると、次のようになる。3月の平均気温=最高14℃・最低5度(14℃+5度)÷2×?日=120℃……?=12.7日計算上は13...畑135/ボーっと生きてんじゃないよ!

  • 畑 134/ 地の恵み

    去年の夏、畔にサニーレタスのこぼれ種が一つ芽を出した。いずれ食べてやろうと思っているうちに薹立ち(とう立ち)してしまって花が咲いた。その種が落ちて芽を出した。こぼれ種のこぼれ種。こういうのはありがたい。年末ジャンボで三百円当たったうれしさ。いやいや、ネット販売で知らないうちにポイントが千円貯まっていたうれしさだ。★間引き替わりに10株ほどをビニールポットに植えて苗にする。あとはそのまんまにして自然栽培。こぼれ種は力強い。さぞかし栄養も豊富だろう。天の恵み地の恵みだ。畑134/地の恵み

  • 畑133 / 調子にのって初出勤

    昨日は晴天。朝は寒かったが、昼からは13度になるというので、11時頃に暇つぶしに畑へ。もう三か月も何もしていない畑は草ぼうぼう。そろそろ成長しだす玉葱の畝も草だらけ。こりゃいかんわい!じっとしていると寒いので草抜き開始。30分ほどやっても体の調子はいい。その調子にのって昼過ぎまで。★家に帰って、昼ご飯食べて、しばらくぼぉっとして、そして、もう一つ調子に乗って、水筒に熱い紅茶を入れて、バイクで畑へ。玉葱の畝の残りの草を抜いて、ニンニクの草を抜いて、ワケギの草を抜いて、そして、島らっきょの草を抜くころには、少し寒くなってきた。椅子に座って、冷ましておいた熱い紅茶(?)を飲みながら写真を撮っておこうか……いやいや、こんなのブログに書いたとて面白味があるまいというので、写真は撮らずに家路へ。エクセルの十文字日記に...畑133/調子にのって初出勤

  • 畑132 / 種まき

    先週の火曜日に温熱ヒーターを利用して蒔いた白菜、キャベツ、ブロッコリーが芽を出した。早いものは次の日に土をもたげ、三日目には多くが土をもたげて発芽した。発芽していないのは、一昨年や去年に買った残りを蒔いたからで、諦めはつく。さて、芽は出たものの、陽にあててやらなければ、ヒョロヒョロと茎が長くなって徒長してしまう。部屋の中で育てているのだから、多少の徒長はしかたがない。そう思っていたら、徒長しない。成育に必要な温度が維持されていれば、徒長しないのだ。成長に必要な栄養をつくるための光合成をしたいがために、陽をもとめて徒長するのではない。我々が寒いときに日向に出るのと同じなのだ。彼らは成育温度に達していないとき、葉や茎の温度を上げるために、陽にあたりたくてヒョロヒョロと茎を伸ばすのだ。よう知らんけど。白菜、キャ...畑132/種まき

  • 茶話127 / わてほんまによういわんわ

    知り合いと話していて「パソコンが突然壊れて難儀したわ」という話に。「やっぱりバックアップはとっておかんとあかんなあ」そう言われてみれば、我が家のパソコンはバックアップしていない。中古を買って三年目だから、いつプッツンがきてもおかしくはない。そこで、早速にアマゾンで外付けのハードを注文した。朝ドラ『ブギウギ』の中で歌われている「買い物ブギ」。その歌詞の中で繰り返される「わてほんまによういわんわ」は、かなり究極な関西弁だ。「わて」は、私。ワタシからワタイになり、ワテに変化した。「ほんま」は、本当であること。「本真」は当て字で、「本間=正式・本当」が正しい。「よう言わんわ」は、古文の「え~ず(否定)」と同じで、「え行かず」で〈行くことができない〉の意味になる。「よう~ん(否定)」で不可能の意味を表す……。……と...茶話127/わてほんまによういわんわ

  • 茶話126 / パリは近し

    フランス語である。ぜひ、声を出して読んでいただきたい。Commontallez-vous?(コモンタレヴー=お元気ですか)Attends!(アッタン=ちょっと待って!)ahbon?(アボン?=えー本当に?)Jet'aimedetoutmoncoeur(ジュテームドゥトゥーモンクール=心から君を愛している)Ondryananisitekettkannen?Tyoimatutareya.Andarahayokonkai!Moakanharahetanjya!Jakawasimonkutarenna!河内弁はフランス語に近い。※二年前の3月から「茶話」を開始した。その頃のふざけた記事のリメーイク。茶話126/パリは近し

    地域タグ:大阪府

  • 茶話125 / 歌は世につれ

    戦前から戦後に『支那の夜』『蘇州夜曲』などで活躍した女性歌手に渡辺はま子がいる。昭和11年3月に『忘れちゃいやョ』という曲を発表してヒットするが、三か月後の6月に発売禁止の処分になる。理由は、「あたかも娼婦の嬌態を眼前で見るが如き歌唱。エロを満喫させる」だった。♪月が鏡であったなら恋しあなたの面影を夜毎うつして見ようものこんな気持ちでいるわたしねえ忘れちゃいやヨ忘れないでネゝ(以下繰り返し)♪昼はまぼろし夜は夢あなたばかりにこの胸の熱い血潮がさわぐのよゝ♪風に情(なさけ)があったなら遠いあなたのその胸に燃える想いを送ろものゝ♪淡い夢なら消えましょに焦れ焦れた恋の火がなんで消えましよ消されましょゝ(詞:最上洋・曲:細田義勝)現代だったら、ほとんどの歌が発売禁止になってしまう。歌は世につれ世は歌につれ。黒澤明...茶話125/歌は世につれ

  • 茶話124 / 女々しさ

    平安時代、「かわいい」の意味を表す言葉は一つではなかった。「うつくし、をかし、かはゆし、あいらし、いとほし、らうたし」などの様々な言葉をつかっていた。それが、明治時代までに「かわいい」という一つの言葉で言い表せるようになっていく。ところが、現代は逆に、「かわいい」という言葉が、「小さい、愛らしい、ぴったり、映える、美しい、味がある」などの様々な意味でつかわれている(茶話120)。「かわいい」という言葉で様々な情感を表す日本独自の文化が、外国人に受容されて「kawaii文化」と呼ばれるようになる。そのきっかけをつくったのが、大正時代に美人画で一世を風靡し、大正ロマンを代表する作家の竹久夢二だ。竹久夢二は大正3年、自ら手がけた千代紙・絵封筒などを扱う「港屋絵草紙店」を東京・日本橋に開店する。今でいう「かわいい...茶話124/女々しさ

  • 茶話123 / 雨水

    二十四節季の「雨水」。なのか、一週間、ほぼ毎日、曇りか雨。今日こそはようやくいい天気かと思ったら、晴れたり、曇ったり、またもや通り雨。おまけに、気温は10度なのに、風が強くて寒い。一週間、雨を眺めてうんざり。しかし、そぼ降る早春の雨は、なぜか、人を和ませる。人の心を穏やかにさせる。天の恵みが地を潤し、春をもたらすからだろうか。頭がぼーっとして、空っぽになる。◇逆に、人を悲しませるは、風かもしれない。飄然(ひょうぜん)として、何処(いずこ)からともなくやってくる。そして、飄然として何処ともなく去る。初めも終わりもわからないまま、粛々として吹きすぎる。風は人の心を不安にさせる。◇風は、過ぎ行く人生の声なのだ。どこから来て、どこへ行くのか。人はその風のを聞いて悲しむ。◇つれづれなるままに、暇に任せて書いていくと...茶話123/雨水

  • 茶話122 / どちら様ですかいなあ?

    今時、営業電話でもなかろうに、一日に数回かかってくる。非通知は、電話機が勝手に切ってくれる。通知があるものは、出ない。それでもかけてくるのは、受話器をとる。半分は、男性の私がが出ると、向こうからブチッと切る。それでもかけてくるのは、声を聞いて判断する。男性の声で「お忙しいところ失礼いたします」「忙しい!」の一言で、ガチャツと切る。年配の女性の声で「屋根塗装の〇〇と申します」アナウンサーの口調で「以前も電話をおかけになりましたね?」「いえ、初めてですが……」「一度断られた相手への再度の電話勧誘は違法行為となります」ブチッ!「お忙しいところ失礼いたします」と、若い女性の可愛い声。とっさに90歳くらいのお爺さんの声で、「はいはい、どちらさんでございますかいなあ?」「リサイクルの〇〇と申します」「はぁあー?リス、...茶話122/どちら様ですかいなあ?

  • 茶話121 / 式部ちゃん

    家の前の道を、男子高生が大きな声で歌いながら、自転車で通り過ぎて行った。とても上手とはいえない。恥ずかしくはないのだろうか。その後から、自転車に乗った女子高生が三人、短いスカートで、恥ずかしげもなく通り過ぎて行く。寒っぶいのに、おいど冷えるで……と思いつつ、「女学生」という懐かしい言葉が頭をよぎった。♪向こう通るは女学生三人並んだその中でモストビューティーが目に浮かぶ色はホワイト目はパチリむすんだ唇あいらしやもしもあの娘が彼女なら僕も増々勉強して優等で卒業したからはロンドン、パリーをまたにかけ三年五年また五年無事に帰ったその時にゃあの娘は誰かの妻だったざんねんだざんねんだざんねんだったら寝てしまえ♪(ざんねん節唄:守屋浩・曲:浜口倉之助・採譜:仲田三孝2010年)自由奔放に振る舞うのは若者の特権で、今に始...茶話121/式部ちゃん

  • 茶話120 / かわいい~

    畑から採ってきた白菜に、冬眠中のカメムシがついていた。それを見て五歳の女孫が「かわいい~」それを見た娘(親)が「触ったらアカンで!臭っさいで!」テレビで平野レミが作った料理を見たゲストの女性が「かわいい~」それを見て、思わず「どこがかわいいねん!」とツッコミ。◇なんでも「かわいい~」と感じる昨今の風潮を「Kawaii文化」というらしい。もちろん、綺麗な夕焼けを見て「かわいい~」とは言わない。人より小さなもので、自分をプラスの感情にしてくれるものは、すべて「かわいい~」なのだ。「かわいい」は、古くは「かはゆし」という言葉だった。平安時代末期の『今昔物語集』に、「この子に刀を突き刺し、弓矢で撃ち殺したとは、なんともかはゆし」とある。もともとは〈痛ましくて見るに忍びない。気の毒だ〉という意味だった。だとしたら、...茶話120/かわいい~

  • 畑131 / ウズウズワクワク

    農林水産省は、消費量が多く国民生活に重要な野菜を「指定野菜」として、生産量が安定するように生産地を保護している。キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ばれいしょ、ピーマン、ほうれんそう、レタス。2026年度からは、これらにブロッコリーが追加されて15品目になる。新規の追加は1974年のバレイショ以来、半世紀ぶりだという。消費量が多いのだから、ほとんどの家庭菜園では、この15品目を中心にして、今年の作付け計画を考えているのだろう。我が畑でも15品目すべてを植えている。今は「ばれいしょ(じゃが芋)」を植え付ける時期だが、芽が出て霜にやられると嫌なので、3月10日前後に植える。大根と人参は種から植えざるを得ないので、彼岸が過ぎてから。あとの野菜は、苗は買わずに...畑131/ウズウズワクワク

  • 茶話119/ まあええか

    しばらくブログを書かなかったが、我が相方とペット犬のチロルと一緒に温泉へ旅行に行ってきた。木々に囲まれた庭には、小川のせせらぎを挟んで、ノーリードの広い芝生のドッグランがある。我々はテラスの椅子に腰かけ、芝生の上を走るチロルを眺めながら、熱いコーヒーを飲む。幸いにもいい天気で、借景の常緑樹の雑木林から木漏れ日がキラキラと漏れてくる。なんとものんびりとした時間が流れる。いつものんびりしているが、それとは違った癒しを感じる。遊び疲れたのか、チロルが私たちの方へやって来たので、さあ、温泉へ。ペットも一緒に入っても構わないという、なんとも寛大なホテル。ペット用のシャンプーや美容液もある。風呂上りは浴衣ではなく作務衣で、犬用の作務衣まで用意してくれている。お揃いの作務衣を着て部屋にかえり、さて、夕食。ペット用は食堂...茶話119/まあええか

  • 畑119 / ズキズキワクワク

    去年から苦しんできたオシリのズキズキがようやくおさまってきた今日は快晴!気温は15度の四月なみの陽気とかガラス戸ごしに見る外の景色はあいかわらず殺風景花笑い鳥唄う景色ではないけれど陽の光は暖かそう少し着込んで畑に行こうかいやいや、待て待て!ここで無理をするとまたズキズキがぶりかえすぞまだまだ二月の半ばではないか!土が匂ってものみな伸びる春の眺めの待ち遠しさよここはしっかり治すまでワクワクする気持ちをひっこめてがまんがまん赤い鼻緒のじょじょはいておんもへ出たいと待っている畑119/ズキズキワクワク

  • 歴史38/ 一かけ二かけ③

    ※連載です。①からお読みください。夢に春やんが出て来た。つんつるてんの着物一枚着て、犬を連れて、石川にかかる河南橋の欄干に腰掛けている。ワンカップの蓋をシュカーンと開け、ぐいと一口飲んで語り始めた。◇よーう調べたやないかいな。せやけど、もっとこだわらなアカン!大豆と麹と塩を寝かせて味噌を作ったら、次は美味しい料理にせなアカンやろ!「一かけ二かけて三かけて、四かけて五かけて橋をかけ」というのは、どういうこっちゃねん?教えたろか……征韓論に敗れた西郷さんは新政府から離脱して一人欠けた。それで、故郷の鹿児島へ馬で駆けた。ほんでもって、命を懸けて、明治政府に喧嘩を仕掛けた。一か八かの大勝負を賭けたんや!ところが、田原坂の戦いで大打撃を受けた。ほうほうのていで熊本を脱出して、国境にある下槻木(しもつきぎ)という村に...歴史38/一かけ二かけ③

    地域タグ:鹿児島県

  • 歴史38/ 一かけ二かけ②

    ※続きものです。①をお読みください。勝海舟とともに江戸城無血開城を実現した西郷隆盛は、新政府内でも参議として維新の改革を推し進めた。しかし、明治6(1873)年、武力によって朝鮮を開国させようと主張した征韓論を、岩倉具視や大久保利通らに猛反対され、朝鮮への派兵は中止となる。西郷隆盛はこれを不服として辞職、新政府から離脱する。明治政府に不満を持つ士族は西郷の姿勢を支持し、多くの人々が西郷の元に集まる。そして、ついに郷里の私学校生徒に促されて挙兵する。明治10年2月15日、日本国内最後の内戦である西南戦争が勃発した。鹿児島で蜂起した西郷隆盛率いる薩摩軍は、北上して熊本城を囲む。しかし、攻略に失敗。政府軍を迎え撃たんと田原坂(たばるざか)に陣を構えた。3月4日から20日までの17日間にわたって激しい戦いが続いた...歴史38/一かけ二かけ②

  • 歴史38/ 一かけ二かけ①

    テレビで、必殺シリーズ600回記念映画の『必殺!(1984年)』をやっていた。布団に入る時間だったが、最後まで視てしまった。ラストで、藤田まこと演じる中村主水が橋を渡るシーンで、懐かしい文句をつぶやく。それを聞いて思い出した。春やんが残してくれた『河州喜志村覚書帖』にメモされていた文句だった。一かけ二かけ三かけて仕掛けて殺して日が暮れて橋の欄干腰下ろし遥か向こうを眺むればこの世は辛い事ばかり片手に線香花を持ちおっさんおっさんどこ行くの?あたしは必殺仕事人中村主水と申します1979年(昭和54年)5月から1981年1月まで、朝日放送で放映された『必殺仕事人』で、芥川隆行が語るオープニングナレーションだった。「なんでまた、こんなんメモしたんやろ?」「歴史」の項で書いた、今までの記事は、実際に春やんが話したこと...歴史38/一かけ二かけ①

  • 茶話118 / メール

    若者はLINEのメッセージで句読点をつけない、というのをテレビのニュースでやっていた。句読点のある文章に、あまりよい印象を持たないという。とりわけ句点[。]を嫌悪する。冷たい印象を受けてしまうらしい。そのニュースを視ながら、こんな話を思い出した。ある日、近松門左衛門の家に、ひいきにしている数珠屋(じゅずや)が訪ねて来た。門左衛門は自作の浄瑠璃にせっせと句読点を打っている。それを見て、数珠屋が言った。「句読点を打っておられるではないか。そんなものは漢文には要るかもしれんが、浄瑠璃には必要ないでしょう!」門左衛門は癪にさわったが、その場は笑ってすませた。ニ、三日して、数珠屋に手紙を送る。数珠の注文で、その中にこんな文句があった。「ふたへにまげてくびにかけるようなじゅず」◇数珠屋は「二重に曲げて首に懸けるような...茶話118/メール

  • 茶話117 / Facebook

    30年ほど前は、ホームページを持っていた。だが、まだ現役の時で更新がままならない。さぼっているうちに、ホームページ作成ソフトの方がどんどんと先へ進んで、こっちの頭が追いつかなくなった。そこで、始めたのがFacebook。2013年3月30日が初レビュウ!【写真】を選んで、文を【投稿】するという、実に単純な作業でその日の自分を記録できるというのが、新鮮な驚きだった。ところが、ニ、三年して、Facebookの【投稿】の箇所が、【気分・アクティビティ】となった。「なんやねん?アクティビティって?」辞書で調べると〈体内の活動,自然活動〉とある。「はぁあ?体の調子?キャンプ?そんなんしか投稿したらアカンのかいな!」それで、投稿したくてもできなくなった。他の人も同じように感じていたのだろう。やがて、【今なにしてる?】...茶話117/Facebook

  • 畑129 / 友

    畑では、ずうっと独り。そこで、寂しさをまぎらわすためにラジオを友達にしている。50m圏内にいる百姓仲間も、同様にラジオを友達にしている。南側の仲間なんぞは、ラジオ大阪を大きな音で流しているのでうるさい。いきおい、毎日放送を聴いている私は音量を上げる。すると、東側の朝日放送を聴いている仲間も音量を上げる。風向きによって三つの放送局がガッチャンして、訳がわからなくなる。静かな田園が、梅田や難波の雑踏のようになる。あるとき、三人が会した時に、「ラジオの音量を、お互いに下げませんか?」と申し出た。皆、同じことを思っていたのだろう。「そやなあ、そないしよか!」以後、三人とも、自分が聞こえる範囲の音量にするようになった。すると、不思議なことに、ばらばらだった放送局が一致した。今は、三つのラジオが一つに共鳴して、ハーモ...畑129/友

  • 茶話116/ また忘れた

    あることを検索しようとパソコンのスイッチを入れた。グス、ブッと鈍い音がして画面が明るくなる。それから、またグス、ブッと鈍い音がして起動画面になる。さあ検索しようとするが、何を検索しようとしていたのか、忘れている。まあ、よくあることよと、しばし思い出そうとするが思い出せない。しかし、こんな時に限って、何の関係もない、ひょんなことを思い出す。30年ほど前からインターネットを始めた。最初のブラウザーは、比較的に契約料が安かったビッグローブ。そのうちに、当時の我がパソコンの師匠が、「電電公社が民営化されたNTTが、新たな回線を開発するそうやぞ」というので、NTTに替えた。ほどなくして、NTTが光回線の募集を始めたので、いち早く申し込んだ。一と月、ニた月……半年たっても何の連絡もない。頭にきて電話をした。「開発が遅...茶話116/また忘れた

  • 茶話115/ かきたてのたてがき

    「茶話114」で、文章は縦書きで書いた方が間違いが減るし、構成のまとまった文章になると書いた。そこで、縦書きのできる編集ソフトはないかと探したら「Tateedtor」というのかあった。ものは試しに、一文改行書きした記事をコピーしてはりつけた。予想通り、一行が長ったらしい詩のようで違和感がある。読んでみると、目をしょっちゅう上下に移動させなければならない。幾重にも重なった山を上り下りしているようで疲れる。横書きだったら、人間の目が得意な左右の移動で左から右に読んで行けばいい。それに、パソコンやスマホで読むときは下にスクロール、スワイプできるので楽だ。ならば書くときはどうなのだろう。というので、この記事は縦書きで改行せずに書いている。横書きで書いていた時は、一文が長くならないように気をつかっていたが、縦書きで...茶話115/かきたてのたてがき

  • 茶話114 / 縦か横か

    横書きのブログの記事を、写真抜きの縦書きに直しているうちに気づいたことがある。縦書きの方が、文の間違いや、文章の構成の誤りを見つけやすいということだ。言い換えれば、縦書きの方が、文の間違いが少なく、文章の構成がしっかりとしたものになる。漢字、平仮名、片仮名まじりの日本語は縦書きに適している。しかし、それだけではなさそうだ。横書きの方が縦書きよりも読みやすく、読書スピードも速くなることが証明されている。眼球を左右に動かす運動と、上下に動かす運動のどちらがやりやすいかやってみればわかる。左右は動かしやすいが、上下には動かしにくい。野球で、スライダーやシュートなどの横の変化球は、目で追っていけるのでバットに当てやすい。逆に、フォークなどの縦の変化球は空振りしやすい。人間の目は左右横の動きには強いから、横書きの方...茶話114/縦か横か

  • 茶話113/ 逆接の季節

    『早春賦』春は名のみの風の寒さや谷の鶯歌は思えど時にあらずと声も立てず時にあらずと声も立てず氷解け去り葦は角(つの)ぐむさては時ぞと思うあやにく今日も昨日も雪の空今日も昨日も雪の空春と聞かねば知らでありしを聞けば急(せ)かるる胸の思いをいかにせよとのこの頃かいかにせよとのこの頃か(作詞:吉丸一昌・作曲:中田章・大正2年)※思うあやにく=思うがあいにく小学唱歌だが、逆接と否定の言葉が多い。ちょうど今頃の季節を詞にしたからだろう。春なのだが寒いので、まだ春ではない。人生は思うがままにならないことが多い。パー券を売りさばくのに苦労した。しかし、裏金が入ってきた。ところが、裏金問題が発覚した。だが、派閥を解消すればいずれ忘れ去られるだろう。にもかかわらず、世間の批判は厳しい。とはいえ、法律のザルの目をなんとかかい...茶話113/逆接の季節

  • 茶話112/ 写真の威力

    ブログの記事を書いていて、「あれ、これって前に書いたやつとちゃうか?」と気づくことがある。特に、毎年同じようなことを繰り返している「菜園日誌(畑)」の記事に多い。そこで、畑活の冬休みの間に、2022年3月5日の「ジャガイモふせる」から、現在の「面白」まで128記事をコピペして一つにまとめることにした。できれば本にして、自分が死んだときの粗供養(香典返し)にしてやろうと、写真抜きの縦書きに直した。すると、いろんなことに気づく。他の人のブログを拝見していると写真の綺麗なことに感心する。撮影の腕もさることながら、さぞかし、いいカメラやスマホで撮っているのだろう。写真だけでも充分見るに値する。それに比べて、我が五年前の格安スマホの映りの悪いこと。だから、写真にあまり頼れない。一文改行で書いていると段落の切れ目がわ...茶話112/写真の威力

  • 茶話111 / ハナの季節

    「百姓が花粉症になるはずが無いやろ!」花粉症で鼻をズルズルさせている友人に豪語していた。だのに、三年前に花粉症になった。年末ころから、朝起きると鼻水がとまらない。目ヤニがたまる。ああ、また酒の飲みすぎか。耳掃除していて、プチッと傷つけた。すぐに治るだろうと安易に構えていたがじゅくじゅくしてくる。鼻水が止まらない、目ヤニがたまる、耳が痛い。一ヶ月ほど辛抱して、我慢できずに掛かりつけ医に行く。「それ、花粉症やろ!」「百姓が花粉症になるはずは無いやろ!」と思いつつ、寝る前にもらった薬を飲む。次の日、すべてが治っていた。以来、この季節になると花粉情報が気になる。今年は2月の中旬頃から。ところが、年末から鼻水が出る。目ヤニがたまる、耳がかゆい。おまけに「じ病」が痛い。へんな時に下痢になる。「花粉はまだ飛んでないやろ...茶話111/ハナの季節

  • 歴史37 / あとがき……

    春やんがよく言っていた。「歴史というのは年表を覚えるのと違う。年表の裏にあることを語る、喋らんとあかん!歴史みたいなもん語ってなんぼや!喋ったもの勝ちや!」学問としての歴史学は、古文書・記録・史書などの文献史料を読んで、一つの歴史像を構成することにある。春やんは、文献資料など関係なしに、一つの歴史像を構成してしまう。それが出来たのは、喜志村という舞台があったからだ。「ええか、歴史というのは、その当時の地理を頭に入れて考えんとあかん」喜志村という地理を舞台にして、楠正成を、吉田松陰を、関係する人々を動かす演出家、監督だったのだ。学校で習う日本史は政治史の色合いが濃い。そのため、庶民が出てくることは少ないし、文化や信仰は貴族や武士、僧侶のものだ。庶民の文化や信仰に光があてられたのは、1914年(大正3)に柳田...歴史37/あとがき……

  • 畑128 / 面白

    孫に会うために田舎から東京に出て来たお婆さん。土産を持って行ってやろうと、駅前のミスタードーナッツへ入った。ショーケースを指さしながら「これと、これと……」店員が「名前をお願いします」「はい、山田ヨネです!」「お婆さんの名前ではなく、ドーナッツの名前をお願いします」「ええっとー、オールドファッション……」「おいくつですか?」「はい、100歳です!」「おもしろい」を漢字で「面白い」と書くのは当て字だと思っていた。しかし、ちゃんとした意味のある漢字だった。日本神話の「天岩戸隠れ」で、天照大神を天岩戸から引っ張り出して、世界に再び明かりが戻った時、八百万の神々が喜びの声をあげて舞い踊る。あはれあなおもしろあなたのしあなさやけおけおけ漢字にして意味を補う。天晴れあな面白あな手伸しあな清け飫け飫け(天が晴れたああ皆...畑128/面白

  • 茶話110 / ああ……

    ワープロを使いだしたのは四十数年前の1980年頃。当時は5.25インチフロッピー(1.6MB)という直径13センチほどの丸い板に記憶させていた。それが、3.5インチフロッピーへ置き換わったころからワープロ専用機を使いだした。1995年にWindows95のパソコンが出てからはOfficeのワードになった。この四十数年間、自慢ではないが、ずうっと「かな入力」を使っている。ある調査では日本人の約90%がローマ字入力、かな入力はわずか約10%だという。なんとも嘆かわしいことだ。英語ならローマ字入力の方が速いのが当然だ。「goodmorning」はそのまんまローマ字で打てばいい。だから、日本人は、日本語の「おはよう」を、そのまんま平仮名4文字で打てばいいのだ。だのになぜ「ohayou」と6文字のローマ字にしてしま...茶話110/ああ……

  • 茶話109 / 漢字

    考物(こうぶつ=なぞなぞ)にこんなのがある。問:大酒飲みの息子を親父が呼んだ。【魚の種類を五つ答えよ】答えは「さけ、さめ、たら、こち、こい」となる。ああ、なるほどと感心しているうちに、五匹の魚を漢字で書けるかと、新たな疑問がおこる。日頃、ワープロで文章を打っていると漢字をどんどん忘れる。インターネットでイチゴについてを調べていると、こんなのに出くわした。「サクラと同様に、リンゴとレモンもバラ科だ」さて、カタカナを漢字で書けるか?サクラの旧字体を「二貝の女が木にかかる=櫻」と分解して覚えたのと同様にして、学生時代は覚えていた。しかし、今はそれすら忘れてしまった。学生時代に「俺は、ユウウツのウツを漢字で書けるんやぞ!」と自慢する奴がいた。誰彼構わずに、やたら自慢する本当に嫌な奴だった。そして、こうして覚えるの...茶話109/漢字

  • 茶話108 / 爪

    もう三週間ほど、畑作業は冬休み状態。土をいじっていると、手袋をしていても爪の中に土が入る。タワシや歯ブラシでゴシゴシするが、今はその必要がない。一年で最も爪が綺麗な時期だ。そのせいか、あるいは歳のせいか、爪がよく伸びる。一般的には、一日で約0.1mm、一ヵ月で約3.0~4.0mmほど成長するらしいが、その倍以上の速さで伸びているように感じる>「苦髪楽爪(くがみらくづめ)」という言葉がある。苦労しているときには頭髪がよく伸び、楽をしているときには爪がよく伸びるという意味。やはり、楽をしているから爪が速く伸びるのか・・・、いや、それにしても髪が伸びない。逆の「苦爪楽髪(くづめらくがみ)」という言葉もある。苦労が多い時は爪がよく伸び、楽な時は髪の毛がよく伸びるという意味。しかし、これもあてはまらない。つまりは、...茶話108/爪

  • 俄35 / 聖なる俄

    「俄」は、地域共同体のメンバーが他のメンバーを相手に、地域共同体の皆に演じる祝福芸である。俄の面白さは〈素人性〉と〈方言性〉という〈土着性〉にある。A:おい、八兵衛!B:なんじゃい?A:われとこの嫁はんのお六さん、このごろ太ったんとちゃうか!B:ええ?さよか?A:ええもんばっかし食わしてたらあかんで!B:ええもんみたい食わしとるかい!A:せやけど、腹がえらい膨れてきよったと、ここらのもんが言うとるで!B:ちゃうがな、子ぉーでけたんや。A:ええ、どこでこーろげたんや?B:転ろげたんやなしに、子が出来よったんやがな。A:ええ、八とお六がエエことしてお三(産)かいな!B:ややこしものの言いよさらすな!A:ややこしいけど、ややこ欲しいやろ!B:またニワカ(駄洒落)かい!A:ええもん食わしたり。B:われ、先っきええ...俄35/聖なる俄

  • 俄34 / 大楠公

    楠木正成が、多くの人々に親しまれるようになったのは、江戸時代初期、南北朝の争乱を描いた『太平記』の注釈書『太平記評判秘伝理尽紗』が成立してからだ。大名・武士・儒学者にとって正成は、理想の政治家・指導者、兵学者だった。やがて、この『太平記評判秘伝理尽砂』を台本にした「太平記読み」が民衆にも広まり、17世紀後半には講談に発展する。民衆にとっての正成は、天皇に尽くす忠臣ではなく、権力に対して反逆し、強きをくじき弱気を助ける正義の味方だった。反体制のシンボルとして、由比正雪や大石内蔵助は楠木正成の生まれ変わりとして歌舞伎や浄瑠璃の題材にもなった。この楠公像が一転したのは、『大日本史』を編集した徳川光圀が、1692年、湊川に「嗚呼忠臣楠子之墓」を建立してからだ。その後、水戸藩士の会沢正志斎が『新論』を著し、万世一系...俄34/大楠公

  • 俄33 / 神社合祀

    明治時代の下水分社(美具久留御魂神社)氏子町関連の年表である。明治元年(1868)神仏分離令廃仏毀釈明治5年(1872)富田林尋常小学校(興正寺別院)明治6年(1873)新堂尋常小学校・富田林に芝居小屋明治8年(1875)喜志尋常小学校開校(明尊寺」明治22年(1889)河南橋架設美原太子線開通明治22年町村制の施行=富田林村・新堂村・喜志村(単独村制)明治27年(1894)日清戦争明治31年(1898)河陽鉄道開通道明寺-富田林、国道170号線・楠公道路開通・高野鉄道堺東-長野間開通明治35年(1902)河南鉄道長野線開業明治37年(1904)日露戦争明治39年(1906)神社合祀下水分は40年合祀鉄道と道路の開通は富田林を大きく変えていく。駅前が繁華街になり、新しい道路にそって家が建っていった。上の地...俄33/神社合祀

  • 俄32 / 瞼の母

    「歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ」で使われた俄です。[番場の忠太郎・小浜(母)・お登世(妹)](下手から忠太郎が登場)忠太郎母の面影瞼の裏に、描きつづけて旅から旅へ。昨日は東と訊いたけど、今日は西だと風便り。縞の合羽が涙に濡れて、母は俺らをどうして捨てた。恨む心と恋しい想い。宿無し鴉の見る夢は、覚めて悲しい幕切れさ。生れ故郷も遥かに遠い、母恋い番場のこの俺さ。もしやもしやと逢う度毎に、尋ね尋ねてやって来た。此処はお江戸の柳橋、人に知られた水熊よ。ご免めんなすって、おかみさん。(上手から小浜が登場)小浜中へ入って、用があるんならさっさと言っておくれ。わたしゃ忙しいんだから。忠太郎ご免こうむります。(敷居を越えて下手に坐り、しばらく何も言えずにいる)小浜何とか云わないのかい。用があって来たんだろう。忠太郎おかみ...俄32/瞼の母

  • 歴史36/祭りじゃ俄じゃ 補筆

    以下の文章とスケッチは、川面出身の鶴島輝雄さん(故人)がかかれたものである。戦争が終わって軍国色が一掃されると、それまで自粛を強制されていた盆踊りや祭りが爆発的な勢いで復活した。この絵は昭和二十二年頃(一九四七)の、秋祭りにおけるだんじりの宮入りを示している。この当時、二〇台に近いだんじりが繰り出した。青年団が祭りを取り仕切り、九月中旬から〈にわか〉の練習に励んで、十月十八日の本祭りの日、神社の境内で〈にわか〉を奉納した。だんじりの周りには〈にわか〉を見る人で溢れていた。昭和十年刊の喜志尋常高等小学校〔現代の中学1・2年〕『学びの栞』の中に次の記事がある(国立国会図書館デジタルより)。(十月)十七日神嘗祭(かんなめさい)この日初穂を皇太神宮にお供へになり、勅使が立たれます。宮中でも、賢所でおごそかな祭典を...歴史36/祭りじゃ俄じゃ補筆

  • 歴史36 戦後/ 祭りじゃ俄じゃ⑨

    ※連載ものです。①から順にお読みください。大歓声、大爆笑の中で、ハプニングがおこった。娘のお登勢(ミッツォはん)が母親の小浜(彦やん)に、なぜ兄を引き止めなかったのかと言い諭す場面だ。台本では「それでもあなたは母ですか」という一言なのだが、ここが見せ場だとミッツォはんもセリフを増やしていた。「それでもあなたは母ですか。子を持つ親というものは、そんな邪険なものでない。母に捨てられ父には死なれ、広い世間にただ一人、そんな兄さんを一人で返す親はない。たった一人の兄さんとともに涙を流したい」冬の場面設定に加えて、生娘なので付け下げを隙間なく着こんでいる。きりりとした顔で母を見つめて「それでもあなたは母ですか」まではよかった。ところが、西日がまともにあたって暑い。たらりと汗が流れる。「子を持つ親というものは・・・」...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ⑨

  • 歴史36 戦後/ 祭りじゃ俄じゃ⑧

    ※連載ものです。①から順にお読みください。南河内に心地よい秋風が吹きだした。稲穂がそよいで金色に揺れる中を、十年ぶりに太鼓の音が響く。今の地車囃子には小太鼓と摺鉦(すりがね)が入るが、昔は大太鼓だけだった。揃いの法被も無く、各自が自由の服装でよかった。当時の秋祭りは曜日に関係なく10月16日(宵宮・試験曳)、17日(本宮・渡御)、18日(後宴祭・地車宮入り)の三日間と決まっていた。天候にも恵まれ、宮さん(美具久留御魂神社)の境内は、富田林中の人々が集まったのではないかと思うほど、秋祭りを心待ちにしていた人々でうまった。楠公崇拝の神社で戦中の風が残っているのか紋付袴の人もいる。女性はモンペ姿ではなく、着物を着た中にスカート姿が目立つ。終戦まで宮さんは高等小学校だったので、下拝殿の前は運動場として整地されてい...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ⑧

  • 歴史36 戦後/ 祭りじゃ俄じゃ➆

    ※連載ものです。①から順にお読みください。徳ちゃんが一週間かけて読んだ台本を皆が書き写し、それを照らし合わせて一つの台本が完成した。コピーなんぞは無かった時代。完成した台本を順ぐりに一人ずつ書き写す。一回りした頃には、誰もがすべてのセリフを覚えていた。田んぼの真ん中で「母の面影瞼の裏に、描きつづけて旅から旅へ。昨日は東、今日は西、尋ね尋ねてやって来た・・・」と一人芝居をやっている。見回すとあっちでもこっちでもやっているものだから、負けてはならぬと余計に練習に熱が入る。いよいよ配役を決めることになった。希望など採るまでもなく、全員が主人公の番場の忠太郎だった。我々子どものヒーローがウルトラマンなら、春やんたちのヒーローは、番場の忠太郎であり中乗り新三だった。祭事で内輪もめはよくないというので、徳ちゃんに決め...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ➆

  • 歴史36 戦後/ 祭りじゃ俄じゃ⑥

    ※連載ものです。①から順にお読みください。徳ちゃんのオッチャンから台本を見せてもらったが、達筆すぎて読めない。それで、徳ちゃんに読んでもらったのを皆で紙に書き写すことになった。晩飯を食べて会所に集まる。本来ならば縄を編んだりして夜なべの作業をしなければならないのだが、「俄の稽古に行ってくるわ」と言うと、親たちも快く許してくれた。この時点では、まだ配役は決まっていない。祭の花形である奉納俄がしたくて、我こそが主人公の番場の忠太郎だと意気込んでいる者が十人ほど集まった。一杯機嫌の徳ちゃんがやって来て講義を始めた。「ええか、忠太郎が別れた母親に会いに来る、料亭水熊の場や!」昔は、誰もが映画や浪曲で見たり聞いたりしていたから、あらすじどころか結末までわかっていた。「口に出して覚えながら書きや。母の面影瞼の裏にや」...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ⑥

  • 歴史36戦後 / 祭りじゃ俄じゃ⑤

    ※連載ものです。①から順にお読みください。川面に新しい地車がやって来た昭和22年という年は、5月3日に日本国憲法が施行された年だ。5月20日の第1特別国会で、吉田茂内閣が総辞職して、23日に社会党の片山哲が内閣総理大臣になった。農村の川面は、前の年から実施された農地改革で、大地主の農地の大半が政府に買収され、それが安い価格で小作に売却され、悲喜こもごもながらも、民主主義、平等、自由が感じられるた。物資はまだまだ不足していたが、出生267万8792人,出生率3.43,昭和最高のベビー・ブームとなった。新しい日本の歯車が回り出した年だった。春やんたちの円陣は俄の話になっていた。相も変わらず、学芸会のセリフ回しで、まどろっこしいのでまとめて記す。昔は「祭=地車=俄」で、喜志の宮さん(美具久留御魂神社)で地車の上...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ⑤

  • 歴史36 戦後/ 祭りじゃ俄じゃ④

    ※連載ものです。①から順にお読みください。三十代半ばくらいのミッツォはん(満男さん)が、「新しい地車(だんじり)を買うたんは何時でしたかいな?」と皆に尋ねた。会所の南側の地車小屋にある地車のことで、我々が物心着いた頃にはもう曳いていなかった。それからは放ったらかしで、入口に閂(かんぬき=鍵)があるのだが、周りの壁のあちこちに穴が空いていて出入り自由で、我々の秘密基地になっていた。四十歳くらいのトタさん(藤太郎さん)が「覚えてないんかいな!おまえが初めて俄したときやないかい!終戦の20年やがな!」と言った。同じ四十歳くらいのノブさん(伸雄さん)が「ちゃうちゃう、終戦の年に祭する余裕みたいあるかい!次の年の昭和21年やがな!」と言う。四十代半ばくらいの彦やん(彦一さん)が「あんだら、次の年も引き上げ(本土帰還...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ④

  • 歴史36 戦後/ 祭りじゃ俄じゃ③

    ※連載ものです。①から順にお読みください。春やんが立ち上がり、大きな紙袋を持って我々の円陣に来て、紙袋の中身をドカっとぶっちゃけた。畳の上に色とりどりのお菓子が広がった。「さあ、好きな物を食べ。そや、辛いお菓子は残しといてや。後でオッチャンらの酒のアテにするさかい!」消防団の屯所の清掃整備当番の帰りで、そのお下がりのお菓子だという。春やんたちは、竹寿司の握りをアテに酒を飲んでいる。我々も説教されずにすんだという安堵感で、お菓子をほおばった。「ところで、最前におまえらが科学特捜隊やら宇宙警備隊やら言うてたけど、何のこっちゃ?」と春やんが訊いてきた。「悪い怪獣から世界を守る地球防衛隊や!」「わしがいた特設警備工兵隊みたいなもんやなあ」「オッチャン、そら何やねん?」「悪い奴から日本を守る本土防衛隊や!」春やんは...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ③

  • 歴史36 戦後/ 祭りじゃ俄じゃ➁

    ※連載ものです。①から順にお読みください。小学校の高学年ともなると、少し大人になるのか、体温調節機能が少しずつなくなって寒い。そこで、金剛山が白くなるような日は、町内の集会所で遊ぼうということになる。集会所といっても、木造平屋・瓦ぶきの建物で、暖房も無いから気温は外とさほど変わらない。ただ、雨風はしのげるので寒い日の格好の遊び場になっていた。当時は、どこの家も戸の鍵を締めなかったから、会所も鍵がかかってなくて出入りは自由にできた。20畳ほどの広間があるだけで、これといった遊び道具は無かったが、何十枚とある座布団をビー玉に見立てて陣取りしたり、瓦に見立てて瓦当てしたり、座布団で三角ベースをつくってピンポン玉を打って野球をしたり、無いなら無いなりに遊びを考えた。一通りで遊んで、最後は必ず座布団投げになった。一...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ➁

  • 歴史36 戦後/ 祭りじゃ俄じゃ①

    夜中に寒さで目が覚めた。トイレへ行って、コーヒーでも飲むかと、台所の椅子に座ってポットのスイッチをいれる。ぶるっと寒気がして「おおさぶ~」と思わずつぶやく。それが懐かしい節になっていたので、ふと思い出した。♪おおさむこさむ~山から小僧が飛んでてきた♪同じフレーズを何度か繰り返すが、次が出てこない。「次の文句(歌詞)は、なんあったかいな?」と独りツッコミ。その「なんあった」で思い出した。♪なんといって飛んできた~なんといって飛んできた~寒いといって飛んできた~おおさむこさむ~山から小僧が飛んできた♪寒い冬の戸外で遊んで、みんなで家に帰るときのテーマソングだった。永遠に続くのだが、各自の家に来るごとに、一人減り、二人減りして、ようやく終わる。ポットのお湯がシュンシュンと湧きだす。昔、火鉢の五徳にかけられた鍋の...歴史36戦後/祭りじゃ俄じゃ①

  • 茶話107/ 時

    前の記事で明治5年12月3日(=明治6年1月1日)の御改暦について書いた。旧暦から新暦に暦が改められるのだが、同時にもう一つ、時間についても不定時法を廃止して定時法が採用されている。採用以前は、日の出から日没までを昼、日没から日の出までを夜とし、それぞれを6等分して十二の刻(とき)に区切っていた。真夜中の0時を九つとし、ほぼ二時間おきに八つ、七つ・・・四つ、次の12時から再び九つ、八つ・・・。そして、夜明けと日暮れの「六つ」を「明け六つ」「暮れ六つ」と呼んでいた。この数字の数だけ寺の鐘が鳴って時刻が知らされる。近松門左衛門の浄瑠璃『曾根崎心中』のお初・徳兵衛の道行の場。この世のなごり夜もなごり、死にに行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜、ひと脚あしずつに消えてゆく、夢の夢こそ哀れなれ。あれ数ぞうれば暁の...茶話107/時

  • 畑127 / 暦

    正月なのだが、太陽暦(新暦)の正月は違和感がある。初春のお慶びを申し上げますと言っても真冬。元旦にお出でになる歳神様もさぞ寒かろう。梅の花が咲いて松竹梅がそろう太陰暦(旧暦)の正月がやはりぴったりする。少し春めいて歳神様もうきうきとして福徳を運んで来やすいに違いない。今年の旧暦の元日(一月一日)は、二月十日(月の満ち欠けの新月)。中国をはじめアジアの多くの国は春節を祝って祝日にしている。日本はアジア圏で、旧正月を祝わない数少ない国の一つだ。祝うとすれば中華街か、我が家くらい。かといって大々的にするのは小恥ずかしいので、餅をついて雑煮を食べるだけ。幸か不幸か気温がよくなかったのか、畑の雑煮大根と金時人参の出来が良くなかった。旧正月にはちょうどいい大きさになっているだろう。明治5年は12月2日の翌日が明治6年...畑127/暦

  • 茶話106 / 愚弛ら

    冬の畑は平らかで一面を見渡すことができる。夏の畑のナスやトマト、キュウリのような背の高いものがない。みんな地に這いつくばるようにして、じっと寒さに耐えて春を待っている。荒涼として殺風景だが、なぜかん平穏で心が安らぐ。虚心坦懐(きょしんたんかい)。「心を虚(むな)しうして坦懐なり」とでも訓読するのだろうか。「虚」は〈空っぽ〉、平坦の「坦」は〈平らか〉、「懐」は〈思い・心〉の意。心にわだかまりがなく落ち着いた平穏な心。心にわだかまりがないのだから、理にかなわない無理なことはしない。他から見れば愚弛ら(ぐうたら)かもしれないが、無理をしないのだから楽だ。「江戸いろはかるた」の「ら」の札は「楽あれば苦あり」。「上方」では「楽して楽知しらず」。どちらも「楽ばかり求めるといずれ苦労をする」「苦労しないと、将来、楽な生...茶話106/愚弛ら

  • 畑126 / 良いお年を

    一月一日の元日の朝、つまり、毎年の元旦になると尊い御方がお出でになる。ピンポーンとチャイムも押さずに、玄関の鍵がかかっていようがお構いなく、スーと家の中に入ってこられる。そして、テーブルの上に置いた重箱の中のお節料理と鏡餅を食べて、ニコニコと笑っておられる。紅白歌合戦を最後まで視た眠い目をこすりながら「明けましておめでとうございます」と挨拶をすると、「今年も、おまえたちのために、この一年の福徳と幸福を土産に持って来たで、正月(一月)の間はゆっくりさせてもらうとするか」「ははーっ!一ヶ月と仰らずに一年でも!」「いやいや、そうはいかんわい。おまえたちか幸せかどうかを高い所から眺めるために、山に帰らねばならんでな!」雑煮を一緒に食べながら「あなた様はどのような御方ですか」と訊ねた。「毎年、来ているのに知らんかっ...畑126/良いお年を

  • 畑125 / ささやかながら

    今日は少し暖かくて畑作業には適しているが、一つ前の記事に書いた「八つ頭ショック」が大きくてやる気なし。そこで昼前、相方に「弁当食べに(ドライブ)行こ!」と誘って、和歌山県橋本の産直市場の「やっちょん広場」へ。到着すると12時半を過ぎていたので、いつも買う年寄り用の弁当は売り切れ。しょうがなく「道の駅九度山」へ行って399円の中華弁当に。いつもは店の前のテラスのテーブルで食べるのだが、寒いので駐車場の車の中で食事。ところが、この中華弁当、冷めているのに意外と案外美味くて満足。もう一つお目当てがあって、里芋の「セレベス」という品種を買うこと。インドネシアのセレベス島(現スラウェシ島)から伝来したのでセレベス。里芋独特のヌメリが少なく、肉質がしっかりしてホクホクして甘い。他の里芋の芽が白いか、このセレベスは芽が...畑125/ささやかながら

  • 畑124 / 縁起試し

    久々に道の駅に出荷。正月用に里芋の一種の八つ頭を初めて出す。関東の雑煮は焼いた角餅にすまし汁をかけ、里芋と小松菜かほうれん草に蒲鉾、そして三つ葉を散らす。その時の里芋は必ずといっていいほど八つ頭。末広がりの「八」に、人の「頭」に立つ(出世する)の縁起かつぎ。だから、正月前は八つ頭の値段が倍に跳ね上がる。対して、関西の雑煮は丸餅を焼かずに白みそで炊く。そこへ普通の里芋と細い祝い大根と色鮮やかな金時人参をすべて輪切りで入れる。みんな丸く円満にすごせますようにという縁起かつぎ。だから、案の定、道の駅の商品棚には八つ頭なぞ誰も置いていない。そんな大阪で八つ頭がはたして売れるだろうか?いやいや、広い日本、外国人だってたくさんいるのだから、大阪に関東出身の人が一人や二人、いや、10個出荷したから10人くらいはいるはず...畑124/縁起試し

  • 畑123 / 花盗人

    畑123/花盗人百姓仲間のライングループに「ニンジンを100本ほど盗まれた」とメールがあった。年の瀬とはいえ、なんとも世知辛い話だ。盗まれた側は損害以上に、数か月大切に育てた努力が一瞬ににして無にされることが最も腹立たしい。人事の及ばない自然災害ならば、いたし方なく諦めるしかない。アライグマやヌートリアは、生きるために食べるのだから罪の意識はないから、ぼんやりとなんとなく許せる。しかし、罪の意識があるはずの人間の仕業は許せない。『花盗人』という狂言がある。庭の桜の枝が折られているのを見つけた主人が、盗人の再来を待ち構える。そこへ花盗人がまた盗みにやってきたので、捕えて桜の幹に縛り付ける。その花盗人が和歌を詠む。この春は花の下にて縄つきぬ烏帽子桜と人やいふらん(この春に桜の樹の下でお縄になり我が名誉も尽きて...畑123/花盗人

  • 茶話105 / 諸行無常

    今日は朝イチから子ども見守り隊で交差点へ。しかも、今年の最後の当番。そのうえ、強烈寒波の襲来で頭のてっぺんから足の指の先まで猛烈に冷たい。それでも、「おはよう」と言えば、「おはようございます」と挨拶する子どもたちの声はいつもより元気がいい。それもそのはず、今日は終業式。冬休みのうえに、クリスマスはあるは正月はあるは、年に一度のウハウハの稼ぎ時。黄色い旗を振りながら自分の子どものころを思い出す。見守り隊をしている交差点は、美原(現堺市)から平尾峠を越え、近鉄喜志駅前を通り、喜志小学校の近くから太子町(南河内郡)へ抜ける府道美原太子線にある。小学校の前から石川の河南橋までの道は明治22年に造られたもので、我々は「新道」と呼んでいた。今は交通量が増えて、子どもたちは村中の道を通って、この交差点で新道を横切るだけ...茶話105/諸行無常

  • 茶話104 / 外来語

    先週末から雨が続き、前線が東へ通過したあとの今週は西高東低の冬型で寒い。これが普通なのだが、猛暑があったせいなのか殊更に寒い。畑に行くのも億劫になって、ほぼ冬休み状態。例年なら11月中旬から冬休みに入っているので、これが我が畑のガバナンス(governance=管理体制)と思えばあきらめもつく。それに、この時期はたいしたタスク(task=達成課題)もないし、ああしろこうすべきだというインフランス(nfluence=影響を及ぼす人)もない。ここは素直にオンスケジュール(onschedule=予定通り)にコンプライアンス(compliance=遵守)するとしよう。明治時代になって様々な外国語、思想が日本に入ってきた。最初は、ご丁寧に一つ一つを日本語に訳していく(翻訳語)。society=社会、science=...茶話104/外来語

  • 畑122 / 歳はとっても

    ビニールトンネルを立て直して、我が愛しのコチョウラン[愛称ランちゃん]と、メダカの水槽のホテイアオイ[葵の上]をトンネルの中に移した。葵の上は三年続けて冬越しさせていて、多少枯れようが、緑が少しでも残っていれば春には大きくなってくれる。今年は試みとして、ビニールボットに土を入れて三株植えている。問題はランちゃんで、5℃以下になると枯れしまうそうな。三株が二本ずつ花芽も付けているので、温かくして春までなんとか育てたい。ところが、移動させた途端、皮肉なもので暖かい日が続き、昼には外気が15℃以上になる。二坪の狭いトンネルは、日が当たると中が40℃にもなる。ランちゃんも葵の上の二人とも、30℃を超えると成長をとめてしまう。そこで、天気予報が晴のときは、朝の9時に畑へ行って、トンネルの換気を開け放つ。それでも昼間...畑122/歳はとっても

  • 畑121 / ゆっくり

    昨日は実エンドウを植えた。大阪の南河内では、羽曳野市の臼井で品種改良された「うすい豌豆」を植えるのが定番。しかし、晩生のうえに、河岸段丘の低位にある我が畑では二週間は収穫が遅れて五月の中旬になる。でも、その頃には、エンドウの棚を利用してスイカやキュウリを定植したいので、「早生まるみ豌豆」という品種。二本植えにして16ポット。場所が余ったので、近くの百姓仲間からウスイ豌豆の苗を6株ほど分けてもらって植える(写真の手前)。豌豆は自家受粉なので交配することはない。早生豌豆と収穫時期にどれほど差がつくのか、実験するのにちょうどいい。今日は、スナップ豌豆と絹さや豌豆の定植。どちらも少量でいいので、ダイソーの二袋100円の種。百均の種というと違和感を持つ人もいるだろうが、それほど遜色はないし、なにしろ無駄がない。昔は...畑121/ゆっくり

  • 畑120 / a man of culture

    今日は、あたたかい。こんな日こそは、出来るだけのところまでやってしまおうと、エンドウとソラマメの畝の準備。久々に耕運機の出番。昔は鋤(すき)、近年は備中鍬で、エッチラオッチラと土を起こしてひっくり返していた。「田を返す」が「たがやす」の語源。漢字の「耕」も、井(四角い土地)+耒(すきへん=鋤)でほぼ同じ意味。今は耕運機で、30分ほどで終了する。ちょっと疲れたので、ドッカリと椅子に座って、耕運機を眺めながら、文明の利器、人間の叡智のたまものよと感心。「耕す」の英語は「culture」(ギリシャ語のcolereから派生した語)。「農業」の意味の英語「agriculture」にcultureがついているのはそのためだ。人間は田畑を耕す以外にも頭脳を耕し、肉体を耕し、心を耕してculture(文化・文明・教養)を...畑120/amanofculture

  • 茶話103 / ほんまかいな?

    「その犬、けったいな顔しとるなあ!チンか?」「ちゃうちゃう!ちゃうちゃうや!」「ええー?ちゃうちゃうとちゃう!ちゃうちゃうやて?ちゃうやろ!」「ちゃうちゃうとちゃうやろって、ちゃうちゃう!ちゃうちゃうや!」なんとも不思議な大阪弁の「ちゃうちゃう」。「違う」という動詞からできた言葉だが、「ちゃう」は「ー・ちゃい(ます)・ちゃう(。)・ちゃう(人)・ー・ー」の活用しかない。逆の意味の大阪弁は「ほんま」。「本間」ではなく、〈本当の真実〉の意で「本真」と書く。「このたこ焼き、美味いで!」「本真かいな?」「ほんまに本真や!」「なるほど、ほんまに美味いなあ!」平仮名で書いた「ほんま」は〈とても〉の意味になる。「ちゃう」か「本真」か判断できない時、大阪人は「よう知らんけど」と曖昧に返事する。「おい、戦争が始まるらしいで...茶話103/ほんまかいな?

  • 畑119 / 時雨之化

    毎日のように時雨る。晩秋から初冬にかけて、降ったりやんだりする雨を時雨(しぐれ)という。昔の人は、木々の葉が色づくのは、時雨が降って葉を染めるからだと考えていた。こもりくの泊瀬(はつせ)の山は色づきぬしぐれの雨は降りにけらしも万葉集大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)〈隠り国の初瀬の山は美しく黄葉した。時雨の雨が降ったらしいよ〉泊瀬は現在の奈良県桜井市の初瀬(はせ)あたり。真言宗の長谷寺がある。上記の和歌に「しぐれの雨」と、「しぐれ」を雨の修飾語につかっているように、本来の「しぐれ」は〈しばしの間に急に暗くなって降る・集中して降る〉の意味だった。だから、秋冬に限らず、桜しぐれ・青しぐれ・片しぐれ・北山しぐれなどの言葉がある。それが秋に限定されるのは、「しぐれ」という言葉の響きの柔らかさが、今の時...畑119/時雨之化

  • 畑118 / 畑のトラ

    なんだかんだと雑用があって、二日ぶりの畑。着いてすぐに、先日に作った我が隠れ家のビニールハウスで休憩。農小屋に置いていたラジオを持って来て、スイッチ入れて「ありがとう浜村淳です!」さて、みなさん、今日は大阪で初霜が降りた所がありました。寒いですねえ。しかし、関西では「寒い」とは言わずに「さぶい」と言います。えげつのうさぶいのは「さっぶい!」。今日は「さっぶい!」一日です。なるほど、外の温度は5度でさっぶい!しかし、ビニールハウスの中は、陽があたっているので20度。おお、よしよしと15分ほど我が世の春に浸る。ご機嫌になって外に出て、まずは買ってきたパッカーで、やり残したビニールを留め、ドアを付けてビニールハウスの最終仕上げ。入口にビニールを垂らして隙間風が入らない造りにしたので、ちょっと見っともないが、来年...畑118/畑のトラ

  • 畑117 / 優雅

    6月の台風の時に、早々にビニールを外したハウスのビニールを六か月ぶりに貼り直した。リタイアした年に購入した二坪(四畳)の小さなビニールハウス。苗の栽培や雨宿り・寒さしのぎの目的もあったが、それ以上に、自分だけの空間、大人の隠れ家が欲しかった。水筒にコーヒーを入れて持ってきて、ハウスの中で、独りでゆったりと飲む至福のひと時。だが、購入した年に大きな台風があって半壊。壊れた部品を追加購入して、鉄杭やら鉄の筋交い(すじかい)を入れて補強。以来、台風シーズンの前にはビニールを外すことにした。まずは、ハウスの下の部分に、幅120㎝のビニールをぐるりと巻く。これを昔の女性の下着になぞらえて「おこし」という。その上に幅500㎝のビニールをすっぽりとかぶせるのだが、特別仕様なので1~2万円はする。年金暮らしにそんなの買っ...畑117/優雅

  • 畑116 / 故に我在り

    高気圧におおわれているのだが、寒波の南下で朝からどんよりと曇っている。それに寒いし、一昨日の雨でたいしたことは出来ないだろうけど、とりあえず8時ごろに畑へ。一回りして椅子に座っていると、冬草がいくつか目にはいった。鎌を手にしてしゃがみこむ。手の届く範囲の草を抜いたら今日は帰るとするか。抜き終わってさっぱりとした先を見ると、冬草が目立つ。しゃーない、もうひとしゃがみ抜くとするか。そんなのを繰り返しているうちに、広い通路の草を全部抜いてしまった。椅子に座って、さっぱりと綺麗になったと眺めていると、伸ばし放題のイチジクの枝が目に入る。農小屋からノコギリを出して、イチジクの枝の伐採。し終わると下草がやけに目につくので、再び草抜き。いつしかに、太子町(南河内郡)の防災無線のチャイムが11時30分を告げている。ふと気...畑116/故に我在り

  • 茶話102 / どうする凡人

    昨日の午前中は唐辛子のクリスマスツリー作りで遊んだ(畑115/MerryXmas)。他人が見れば、「ええ歳こいたオジンが何んとつまらないことしてる!」と思うだろう。しかし、当のオジンは、つまらぬ遊びのお陰で身体も楽になったし、やる気も出てきた。意味も目的もないつまらないことに無意識に集中し、無意識に充実感を感じる子どもの遊びのようなものが、本来の「遊び」で、意味のないことに意味があるのだ。子どもが一日中遊んでも疲れを感じないのはそのためだ。大人の遊びや趣味は意味・目的があるし金がかかるから、報酬や見返りや自己満足を求める。だから、その時は集中をして楽しくとも、欲望や欲求が満たされないとストレスや疲れを感じる。仕事を子どもの「遊び」のような感覚で楽しくしよう、などというのは土台無理な話だ。だが、時として仕事...茶話102/どうする凡人

  • 畑115 / Merry Xmas

    去年は十一月の中旬から畑仕事は冬休み状態になった。それで今年は岡山の旅を入れたのだが、空豆と豌豆の植え付けがまだ終わっていない。ということは、耕うんと畝立てとていう重労働が残っている。そこへきて、町内外の役職があるし、寒いし、身体の調子も今一つ冴えない。「一生青春。一生勉強」と言ったのは相田みつお氏だが、そんなのは精神的な話で、その精神に身体がついていかなければ、何もしないのと同じだ。作家の五木寛之氏がこんなことを言っている(『新・地図のない旅I』平凡社)。完全な孤独というのは本当はないのである。人は、「自分とカラダの二人連れ」なのではあるまいか。だから「自分=精神力・魂」とともに、相棒の「カラダ=身体の健康」のことも考えてやらなければならない。「そんなことわかってるわい!」というので、最近の老人は運動し...畑115/MerryXmas

  • 畑114 / グルメ

    この歳になると町内外の年相応の役がまわってくる。岡山から帰って一週間は、会費や組合費の徴収準備でてんてこまい。一年目にしっかりと準備しておけば二年目からは楽になると腹に決めて、畑は休職状態。たまに菜っ葉を収穫に行くと、冬至用に作っておいたカボチャが寒さで枯れかかっている。完全に枯れてから収穫してニ、三週間寝かせれば(追熟)美味しい冬至南瓜になる。さて、今日は野沢菜を収穫。意外なことに野沢菜は蕪(かぶ)で、本場の野沢温泉では「蕪菜」とよんでいる。江戸時代に野沢温泉村のお寺の住職が大阪から持ち帰った種子を畑にまいたことで野沢菜が誕生した。その種子というのが大阪の伝統野菜「天王寺かぶ」。野沢菜は大阪と縁が深い野菜だ。本場の長野県では温泉水で洗って水をきって三週間ほど漬け込むが、大阪でそんな悠長なことはしてられな...畑114/グルメ

  • 101/ 老いの小文3

    備前の旅の初日に溝にスッポリと落ちたにも関わらず九死に一生を得たのは(前回100の記事)、閑谷学校で買った「論語みくじ」を胸ポケットに入れていたお陰ではないか。孔子の徳(立派な行い・考え)が、我が身を守ってくれたに違いない。君子(くんし)は諸(こ)れを己れに求む。小人(しょうじん)は諸れを人に求む。(立派な人物は事の責任・原因を自分自身に求めるが、つまらない人間は他人に求める)すべては自分自身の行いが悪かったのだと反省し、孔子の徳にあやからんと、二日目、三日目は友人の畑の草抜き。子(し)し曰(いわ)く、君子德を懷(おも)へば、小人土を懷ふ。(孔子先生がおっしゃった、君子たる者が常に立派な行いを心掛けると、人民は安心して土に親み、耕作にいそしむ)草を抜いてすっきりとした畑を眺めながら、少しは君子に近づいたか...101/老いの小文3

  • 100 / 老いの小文2

    そろそろ紅葉が綺麗だろう、というので、高校時代の友人が毎週田舎暮らしに通っている備前の国へ。道が混むので昼過ぎに、友人の車で大阪を出発。まだ体が本調子ではないので、一時間おきに休憩をとって、備前の国に入ったのは4時。少し道をはずれた所に閑谷学校が在り、二本の「楷の木」の大木の紅葉が、さぞかし見事であろうというので寄り道。受付で拝観料を払って敷地内に入れば、儒学の祖、孔子の徳を称える孔子廟が在って、その前に見事な紅葉があるはずなのだが、無い。訊けば11月の上旬に紅葉を迎えたということで、今はわずかばかりの名残の黄葉が残るだけ。「十日ほど前あったら見事あったんやけどなあ」と友人。春の備前の花見の旅もそうだった。「一週間前は桜が満開あったんやけどなあ」と友人。備前の旅はどうも過去形が多い。いたしかたなく国宝の講...100/老いの小文2

  • 畑113 / いっぷく

    老人会の日帰り旅行から4時に家に帰って来ると、体が急にだるい。これはヤバイぞと横になる。二時間ほど寝て、体温を計ると平熱より1度高い。ますますヤバイぞと、昼間にたらふく食べているし、温泉にも充分に入っているので、夕食も風呂もパスして布団の中へ。夜中に何度も目が覚める。体温は1.5度高いが、頭も喉も痛くないし咳も出ない。しかし、痛い・・・!朝になると体温は平熱に戻っていたが、やはり痛い。ちょうど、持病の薬をもらいに行く時期だったので、同級生の掛かり付け医へ。症状を話すと、「ここしばらく無理したのとちゃうか?」「落花生と里芋を売らなあかんし、玉ネギも植えなあかんし、体ガクガクや!」「それは別の"持病"が出てきたんやがな。熱出るほどやからかなり痛いやろ?」「かなり痛い!夜も寝られへん!」「ほな、前にも出した塗り...畑113/いっぷく

  • 99 / 人生の同窓会

    町内の老人会の日帰り旅行で泉佐野市の犬鳴山温泉へ。コロナで途絶えていたので四年ぶり。以前は一泊旅行だったが、観光バス代が馬鹿にならないし、高齢者ゆえに泊りだと何かと問題が絶えないので、近場の日帰り旅行になった。もっと以前は、町内会や農業組合の旅行とかがあって、親たちは年に四、五回旅行に行っていた。しかし、その子は一度として、親たちに旅行に連れて行ってもらったことがない。だから、我が子にはそんな思いをさせたくないので、年にニ、三回は旅行に連れて行った。大きくなった今、子どもたちに「信州の乗鞍に行ったん覚えてるか?」と訊くと、「ええ、行ったかなあ?」。なるほど、そういうことだったのか!犬鳴山に行くのだから、普通なら真言宗の名刹犬鳴山七宝瀧寺にお参りするはずだが、我が町内の老人会は、そんなことはしない。朝の9:...99/人生の同窓会

  • 98 / 秋の風物詩

    道の駅で柿を買ってきた。次の日、村の仲間から柿をもらった。その次の日、我が相方の友達が甘柿と渋柿を持ってきてくれた。そのまた次の日、家の裏のおばちゃんが「柿がぎょうさんなったさかい取りにおいで!」と言ってくれた。断るのも失礼なので取りに行った。昔っから在る古い村なので、どの家の庭にも柿の木がある。だから、柿の木の無い家に柿が集中する。江戸時代から続く古い家の柿は渋柿が多い。渋柿を絞って漉(こ)した液体をニ、三年発酵させて「柿渋」を作るためだ。醤油のような色で、殺菌・防腐・防虫・防水・消臭効果が高いので、木柱・板壁・漁綱、衣類、和紙などの補強に使われた。さらには傷に塗ったり、下痢止に飲んだりする常備薬でもあった。葉っぱにも抗菌作用があって、大和五條の柿の葉寿司に使われている。柿渋を採るほどの量はないので、渋...98/秋の風物詩

  • 97/ 秋の実

    明治時代になり、男性は斬髪令(断髪令=明治4年)が出されたので散切り頭になったが、女性には特に決まりはなく日本髪のままでもよかった。十五歳くらいになると、それまでのお下げから前髪を上げて日本髪を結う。以後、大人の女性として扱われる。①ねえ、あの日のこと覚えてる?まだ髪上げをして間もない君が、リンゴ畑の樹の下を歩いて来たよね。その時、僕は初めて君を見て、胸がドキドキして、じっくりと顔も見ることができずに前髪に挿した櫛ばっかし見てたけど、櫛から垂れさがっている造花の花のように可愛く美しいと思ったよ。②それから何度か遭ったけど、会釈して通り過ぎるだけだった。でも、君と話をしたくって、ある日、「こんにちわ」って言ったら、君も「こんにちわ」って言ってすれ違おうとしたとき、君が着物の袂(たもと)から、まだ青みがかった...97/秋の実

  • 畑112 / いちご

    夏野菜の撤去、秋冬野菜や春野菜の植え付け、秋野菜の収穫・販売と、秋の畑は忙しい。だのに、猛暑で苗の定植が遅れ、落花生の苗をイタチに半分喰われて二度植えしたので、収穫ができずに二週間のブランクができてしまった。そこへきて、この時期は地域の防災訓練や農業役員会議や、町内の秋祭りの打ち上げやら老人会の日帰り旅行が入っている。いつもなら、のんびりとエンドウの種でも蒔こうかという時期だが、気温は27度!こんな高温で種を蒔いても大きく成りすぎて冬越しできない。どうしようと、孫の手で背中を搔きながら考える。なるほどそうか!気温が高いのを逆手にとって、エンドウの種まきと空豆の定植を遅らして、遅れていたイチゴを定植することに決定!どうやら明日は雨模様だし。朝、畑へ行って、真っ先に、今年イチゴを栽培して放ったらかしにしていた...畑112/いちご

  • 96 / 青春とは

    「94/白秋」に書いたように「青春」という言葉は古代中国からあった。ただし、まだ広く知られた言葉ではなかったし、「未熟な時期」の意味でしかつかわれていない。どちらかといえば「青春」の「青」に重点がおかれている。明治になるまで、男性は一人前になると前髪を剃り上げた。これを月代(さかやき)という。月代の剃り跡が青く見えるのは未熟である証拠だった。熟す前の果実を「まだ青い」「青瓢箪」というように、「青」は「青二才」「未熟」の意味でつかわれていた。今のような「青春」のイメージが出来上がるのは明治中期以降からだ。英語の「youth」あるいは「springtimeoflife」の和訳として、五行説の「青春」をあてはめたのだ。その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春のうつくしきかな/与謝野晶子(明治34)夢や希望に満ち、...96/青春とは

  • 畑111 / 野菜の気持ち

    先週は秋祭りがあって、しばらく体調が戻らなかった。三、四日してようやく元気になって、落花生と里芋の収穫と出荷。朝に里芋を収穫して洗って毛を掃除して乾かす。昼過ぎから落花生を収穫し、洗って選別して乾燥。その間に里芋の袋詰め。夜に落花生を袋詰めして冷蔵庫に入れる。そして、朝早くに道の駅に持って行く。三日続けるとさすがに体に堪える。案の定、油の切れた機械のように腰がギーギーと悲鳴をあげる。これはいかんと、里芋と落花生を一日おきに交互に収穫することにした。今年は何やら売れ方が変だ。出荷者が自由に値段を付けることができるのだが、凡そスーパーより安い値段にしている。しかも新鮮。だから、今までは、少し高くても品物の状態が良いのから売れて、見た目の悪いのは必ずといっていいほど売れ残った。ところが、今年は少し傷があるので安...畑111/野菜の気持ち

  • 95 / 神の子

    子どもが生まれてから一歳になるまでのお祝い行事は多い。①生後7日=お七夜(命名)②生後31日~33日=お宮参り(氏神のご加護頂く)③生後100日=百日祝い(お食い初め)④生後1年=初誕生日。現代は、生後6カ月=ハーフバースデーとかやらもある。今は家族だけですますことがほとんどだが、昔は親戚のみならず村中で祝った。それだけ生まれること、生きていくことが困難な時代だった。だから、子どもを大切にして行事ごとに成長を喜び、次の行事までの成長を願った。一歳を過ぎてからは三年、五年、七年目に子どもの成長を祝う七五三の行事がある。特に重要なのが七歳の祝いで、氏神の名簿に初めて名前が記され、独りの人間として認められるという重要な儀礼だった。つまり、七歳までは人間ではない。「七つ前は神の子」「七つ前は神のうち」という諺(こ...95/神の子

  • 94 / 白秋

    昨日は夕方の6時頃に、奈良の方から雨雲(奈良太郎)がやってきて、15分ほどの俄雨があった。雷も鳴っていたので激しく降った所もあっただろう。前日の「畑110/男心」で書いた「二上山に雲がかかったら雨やで」というオバンの観天望気がみごとに的中した。天気を予想することを、昔は「日和見(ひよりみ)」といった。日本各地には「日和山」と称される場所が100カ所ほどある。港町に多いのは、天気を予想することが自分の命を守ることにつながったからだ。昔、丹後の国に日和見を100%的中させるお婆さんがいた。今日、明日の天気どころか数か月後の気候まで的中させていた。これを聞いた大阪の米相場師が、天候・気候がよめたら米の収穫や良し悪しがわかって大儲けできる。というので、丹後の婆さんに大金を払って、大阪に連れてきた。そして、毎日毎日...94/白秋

  • 畑110 / 男心

    野菜の価格が高騰している。猛暑による成長不足に加えて、ガソリンや肥糧の値上がり。道の駅に野菜を出すときも、去年より20円ほど高くしようかと思うが、お客さんは安いのを目当てに来られているので易々とは上げられない。それに、売れ残れば野菜が可愛そうと、止む無く値段は据え置き。どの商売も同じだろうが、天候に左右される農家はつらいよ。とはいえ、畑で作っている自産自消のための野菜はたくさんある。そこで、秋祭りの心休めに、昨日はスキヤキ!水菜に春菊、白菜代りのしろ菜と葱。そこに味出しの牛肉を少しだけ入れ、豆腐と蒟蒻を加えて一人前50円!これが昔からの我が家の豪華な野菜のスキヤキ。農林省によると、一ヶ月に購入する野菜は三人家族で9000円とか。ということは、一年間に10万円ほどは自給自足の足しになっている。今日の朝は、家...畑110/男心

  • 畑109 / どっちやねん

    「畑92/一本一円」で書いた極早生玉ネギが、種を蒔いてから今日でちょうど50日目。写真の左隣は十日遅れで蒔いた早生、そして、二十日遅れの中生(なかて)。育苗50日たった極早生はそろそろ植え時。そこで、まずは畝立て。穴あきマルチを張って完成。しかし、すぐには植えない。水やりがじゃまくさい。雨が降る直前に植える。できればすぐに植えたいが、天気予報は、今日は晴時々曇りで、夜から寒気が流入して不安定、明日は曇り一時雨。どうも微妙な雲行きだ。植えるべきか、植えないべきか?Tobe,ornottobe,thatisthequestion.天気予報など、下駄を投げるのと同様にどうせ当たるまい。ドカリと椅子に座って、ここが思案の思案橋ブルース。♪哭いているよな長崎の街/雨にうたれて流れた二つの心は♪すると、長靴に履き替え...畑109/どっちやねん

  • 93 / 重ね重ね

    下の文は何んと読むという嵯峨天皇の質問に、子子子子子子子子子子子子小野篁(おののたかむら)が即座に答えた。「ねこのここねこししのここじし」という話は様々な書物に書かれていて有名だ。同じようなものとして、江戸時代に流行った地口狂歌の一つに、山王の桜に猿の三下がり合の手と手と手手と手と手とというのがある。「三下がり」は猿が三匹、手をつないでぶらさがっている様子と三味線の弾き方の名称とが懸けられている。加えて、下の句の「手と手と手手と手と手と」は三味線のリズムになっている。NHK教育テレビで放送中の「いないいないばあっ!」の中で歌われる『おててとてとて』。おててとてとててとてとてみてみておてててとてとてぷくぷくおててふわふわおててごつごつおててみんなのでみんなので(作詞:小峰公子作曲:吉良知彦)同音の反復は子ど...93/重ね重ね

  • 畑108 / 秋祭り

    秋祭りだ。祭りには空豆を植えるのが、わが村の掟のようになっている。紋日(もんび=儀式がある日)に畑で働いていると、村の皆から白い目で見られた昔は、家でこっそりと出来る空豆の種蒔きが、ちょうどよい仕事だったのだ。昔はトロ箱(木製の魚を入れる箱)に川でとってきた砂を入れて植えた。お歯黒と呼ばれる黒い部分を下にして、頭が砂から少し出るように種を差す。水をかけて四、五日すると、種のお尻がむずむずして、お歯黒から根が伸び、種が二つに割れて本葉が顔を出す。マメ科によくある発芽の仕方で種自体が双葉になる。だから、種をすっぽりと地中に埋めると双葉は無く、いきなり本葉が出たように見える[地下子葉性]。今はプラスチックの育苗箱やビニールポットに種を植える。春に自家採種したのを植えるので種代はいらない。安上りなので以前は大量に...畑108/秋祭り

  • 畑107 / なんやねん

    「おい!その菜っ葉は何んという菜っ葉や?」「きくな」「訊くないうても、訊かんとわからんやないかい!」「そやから、きくなと言うてるやろ!」「忙しいんかも知らんけど、教えてくれてもエエやないかい!」「そやから、きくなという名前の菜っ葉や言うてるやないかい!」関東では春菊(シュンギク)だが、関西では菊菜と呼ばれている。だから、春菊=菊菜なのだが、関東の春菊は背の高い株立ち型で、関西の菊菜は株張り型で横に広がらす。炊くと少し苦味が出る大人の味だが、鍋のアクセントには欠かせない。生産量日本一が大阪府なのもうなづける。種の袋に「株張り」と明記されていなければ、関東の株立ち型の春菊だ。放っておくとどんどん上に伸びるので、高さが20㎝ほどになったら、下の葉を五、六枚残して先を摘んでやる。則枝が伸びたらそれを摘む。一株で四...畑107/なんやねん

  • 畑106 / 仕置き

    去年もやった「気まぐれ栽培」。10mほどの畝に穴あきのマルチを張り、一ヶ月で成長する十種類ほどの菜っ葉を植える。これといって規則があるわけではない。無造作に大雑把に気まぐれに植える。我が家で食べる分だけだから、一品種はそんなにたくさん必要ない。小松菜なら一度に五株もあればよい。毎日、小松菜を食べるのも飽きてしまうから、次の日は水菜を二株サラダとかにする。本当は、野菜が雑草のように生い茂っている情景が見たいがために始めたが、成長の早いもの順に食べていくから、そんな景色はとんと見たことはない。一畝で様々な野菜を食べることが出来るという利点がある。しかも、一畝だから、100均のスプレーで農薬を一回散布するだけで済む。しかし、その農薬が効かない奴がいる。バッタ、特にオンブバッタ。オンブバッタにとって、様々な野菜が...畑106/仕置き

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