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  • 畑199 / 畑の法則

    孫が遊びに来て「今年もイチゴをいっぱい食べさせてね」と言う。……。去年の春のカラスに落花生の苗200株を全部引き抜かれた事件で、イチゴの苗を採るのを忘れてしまった。夏に思い出して、あちこちに生えているのをかき集めて20株ほど苗床に植えておいた。ところが、秋に定植しなければならないのに、アライグマに落花生を食べられた騒動で忘れてしまったのだ。さて、どうしよう……、自分のせいではなくカラスとアライグマのせいだからと責任転嫁して、特にやらなくてもいいだろうと勝手に理由をつくり、どうにでもなれと居直って、結局、放ったらかしにしてしまった。随分と長く考えたあげくだったのに……。「今年もイチゴをいっぱい食べさせてね」だなんて可愛いこと言われると……。やるしかない!〈人は、他者から期待されると、期待に沿った成果を出す〉...畑199/畑の法則

  • 畑198 / エメットの法則

    暖かくなったので、朝の7時に畑へ。さて、なにしよう?やるべきことが無いのではなくて、やるべきことがたくさん有りすぎる。そりゃそうだ。3月になっても寒かったし、たまに暖かい日があっても、健気に咲く花を眺めているだけだったんだから……。さーてと……畑を見回す。そして、最も後回しにしてしまうであろう作業をすることにしている。仕事を後回しにしてしまうと、忘れてしまうかもしれないし、仕事に追われてしまうかもしれない。結果として労力が倍になってしまう可能性がある。経営コンサルタントのリタ・エメットという人が著書で提唱したので、「エメットの法則」という。法則なんぞと大げさに言わなくったって、そんなの、子どものころからわかってる。夏休みの宿題を後回しにして、どんなに叱られ、必死になったことか。畑の片隅にあるミカン・イチジ...畑198/エメットの法則

  • 畑197 / 根本

    畑の片隅にある趣味のコーナ。盆栽でもやってみるかと、挿し木から育てた、さつき、くちなし、それと木瓜。普段は放ったらかしにしているが、花が咲くころに存在に気づく。木瓜の蕾が膨らみだした。「ぼけ」とはまた不幸な名を与えられたもんだ。そのうえ、半分ボケた老人に育てられていたのでは、たまったもんではなかろう。しかし、その花は肉厚で光沢があり、美しい。蕾は、頬を紅く染めた少女のようiに可愛いい。中国名の「木瓜」を音読みして「ボクカ」、それが訛って「ボケ」となった。「木の瓜」と書くように、瓜のような実をつける。盆栽用の木瓜は実のならない品種だから、とんと実を見たことない。カリンに似た実がつくらしい。焼酎に漬けて木瓜酒、乾燥させて漢方薬に使っていたとか。実のなる品種の種を買って育ててみたいものだ。暖かいので家の中で育て...畑197/根本

  • 畑196 / 健気

    今日(21日)は全国的に暖かく、大阪も17℃の暖かさ。だが、朝一で百姓仲間からlineメール、「やられた!白菜400株!全滅!」犯人はヒヨドリ。数百匹の集団で舞い降りて来て芯を喰ってしまうので商品にはならない。カラスに次ぐ害鳥我が畑でも、キャベツをボコボコにやられたことがある。なんとも切ないが、朝の7時半から子ども見守り隊があるので、いつもの交差点へ。「おはよう!」「おはようございます!」不安げだった1年生も、元気に挨拶できるようになった。家に帰って朝食をとって畑へ。ビニールハウスの中で冬越させていたホテイアオイが、なんとか緑を保って冬を越してくれ。随分小さいが、冬の間、じっと寒さに耐えてくれたのだ。キャベツの横には、こぼれ種のネモフィラが一株。キャベツの大きな葉に押されながらも、負けるものかと花茎をもた...畑196/健気

  • 畑195 / 百姓はつらいよ

    露地植えのエンドウが、ようやく伸びだした。とはいえ、まだまだ30㎝くらいしかない。ビニールハウスの中で栽培しているエンドウは、すでに実が付きだした。二月から花が咲いたのだが、寒さのせいか、花が終わって実になりかけの頃にポロポロと落ちてしまう。三月になって、ようやく実が大きくなり出した。1・2・3・4・5……莢の数を数えて……50で辛んどくなってやめた。実エンドウは、実が大きくなって、莢(さや)に少ししわができるまで、開花から30日ほどかかる。今の様子だと、あと二週間もすれば収穫できるだろう。露地植えだと五月の連休頃が収穫期だから、一ヶ月早く春が味わえる。それに、去年はカラスにほとんど食べられてしまったが、ハウスの中は安全だ。二年ぶりの豆ごはんを一足早く食べることができる。自家栽培しているからなのか、スーパ...畑195/百姓はつらいよ

  • 畑194 / 彼岸

    彼岸に入ったというのに昨日は雪。ご先祖様も、さぞかし驚いておられるにちがいない。夜を寒み朝戸を開き出で見れば庭もはだらにみ雪降りたり(万葉集:作者未詳)「彼岸過ぎても七はだれ」という諺(ことわざ)がある。「はだれ」は「はだれ雪(まばだに、薄く積もった雪)」のこと。彼岸が過ぎても七回は、はだれ雪が降る。北海道や東北の春の遅い地方の諺だろう。うってかわって今日は雲一つとてない彼岸の中日。暑さ寒さも彼岸まで。春の早い地方では、こっちの諺がぴったりだ。ビニールハウスの中の椅子を外に出して、のんびりと日向ぼっこ。この世かあの世か、此岸(しがん)か彼岸か分からない、ぼーっと時を過ごせる気持ちよさ。あー、なまんだぶ、なまんだぶ……。真東から昇ったお天道様が、真上を通り過ぎようとしている。さあ、そろそろ帰るか……。すると...畑194/彼岸

  • 茶話178 / まいどおおきに!

    記事の数が500になった。一月の下旬で、ブログ開設からちょうど三年になった。それまでに達成したかったが、冬場にさぼりすぎてできなかった。冬場はたいした働きをしていないから、頭も働かない。書きかけのものが十ほどある。いつかどこかで、ブログの記事は味噌汁のようなものだと書いた。書きかけのネタ(味噌)を蔵で寝かせておいたら、いつか豆腐や油揚げのネタと結びついて味噌汁(記事)ができる。しかし、今回のは、冬の話題ばかりだから、春が来ればお蔵入りになる。いくらなんでも一年も寝かせるとカビが生える。四つのカテゴリーで記事を書いている。「よもやま話(茶話)」は、様々なテーマで書いているので雑記ブログ。「菜園日誌(畑)」は日記ブログだが、その都度にテーマを決めて書いているので雑記ブログに近い。「歴史」と「祭と俄(俄)」は、...茶話178/まいどおおきに!

  • 茶話177 / なのはな

    畑に出たいのだが、ここ数日、通り雨が降る。降るなら降る、降らないなら降らないの、なんともけじめのない天候。菜種梅雨。ところが、ナタネは、菜っ葉の種子という意味で、特定の品種として存在しない。♪菜の花畑に入日薄れ見わたす山の端霞ふかし♪ならば「ナノハナ」かと思いきや、ナノハナという植物はない。ナノハナは、黄色い花をつけるアブラナ科アブラナ属の花の俗称だ。ハクサイ、カブ、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイ、キャベツなどのアブラナ科の花や実が、ナタネ・ナノハナである。みな、この時期になると一斉に花芽をつける。そして、雨が降り続く。スーパーで売っている食用の花の蕾がアブラナ。正式には西洋アブラナ。花を食べるので花菜(はなな)とよび、葉を食べると菜花(なばな)という。昔は種から油を採って行燈の燃料にしていたので油菜・菜...茶話177/なのはな

  • 茶話176 / はーくしょん!

    朝の6時半頃が日の出なので、朝日を浴びようと外に出る。陽は出ているが、なにやら薄いレースのカーテンに覆われてぼんやりとしている。黄砂か花粉か……はーくしょん!やはり花粉か……はーくしょん!家に入って……はーくしょん!ティッシュを探して……はーくしょん!ティッシュをぬいて……はーくしょん!薬を飲んでいるのに……はーくしょん!もひとつついでに……はーくしょん!くしゃみ1回の消費カロリーは4kcalだとか。120歩の歩行と同じエネルギーを消費する。今日の朝は7回くしゃみしたので、10分歩いたのと同じになる。そう思えば気も楽か。花粉の時期が終われば本格的な春。そう発想の転換をすれば希望が湧いてくるか。甚だ厄介……花鼻困った……はーくしょん!休息万命急々如律令!茶話176/はーくしょん!

  • 茶話175 / ヘィークション!

    身中の虫吹つ飛ばす大嚔(おおくさめ)/山口正心ヘィークションと一回だけの大くしゃみは、なんとも言えぬ快感だ。『枕草子』の中に、はなひて誦文(ずもん)する。おほかた、人の家の男主(おとこしゅう)ならでは、高くはなひたる、いとにくし。くしゃみをして呪文を唱えるのって下品。大体において、その家の主人ならまだしも、雇い人が大きなくしゃみをするのは、ほんとに気持ち悪いたらありゃしない!上品な平安貴族にとっては、一目はばからぬ大くしゃみは不愉快極まりない。コロナやインフルの感染症流行のこの時期の大くしゃみは、違う意味で人に不快感を与える。一昔前に有った風邪薬コンタックのCМ。狂言師の和泉元秀が出てきて……。大きな毛抜きにはさまれて、ねながらグッとぞ抜きにける。はあーくっさめ!くっさめ!「くしゃみの呪文」というのが「く...茶話175/ヘィークション!

  • 畑193 / 花は咲く

    3月になったのに雨やら寒波やらで再度の冬眠状態。今日あたりから春めいてくるという天気予報。そろそろ本格的に畑活に入ろうと6時半に外に出たが寒い。外で飼ってるメダカの水槽をのぞくと薄氷がはっている。バイクのサドルには霜が降りている。大きな御天道様が昇ってきたのに温度計はまだ3度。まだまだ冬か。ならばもう一度穴暗に入っているとしよう。のんびりするつもりでいたのに9時を過ぎたころから気温がぐんぐん上がってきた。氷の解けた水槽のメダカが日向ぼっこに水面へ上がってきている。慌てて畑へ行ってビニールハウスの中の温度計を見ると35度。野菜だって熱中症になる。ビニールをめくり上げて涼しい空気を入れてやる。冬だか春だか夏だか分からなくなる。しばらくして百姓仲間のLINEグループに「ジャガイモの芽が出た!!」のメール。もう一...畑193/花は咲く

  • 茶話174 / もこもこ

    なぜか無性に食べたくなった。「俺がこんなに強いのも、あたり前田のクラッカー」藤田まことの出世作『てなもんや三度笠』の中で使われた宣伝文句だ。駄洒落を使って無理やり言葉を加えていくので「付け足し言葉」という。この昭和を代表する名文句で前田製菓は一躍有名になった。その前田のクラッカーが食べたくなった。ところがどっこいごっつぁんどすこい。どこにも売っていないイナイバー。藤井寺市に前田製菓の直営店があるので行ってみたが、なぜか売っていない。やっぱりさっぱりちんぷんかんぷん。困った困ったこまどり姉妹。やけのやんぱち日焼けのなすび。どうぞかなえて暮の鐘。インターネットで検索したら、なんと有馬の温泉饅頭。売っているのは、水金地火木百均ダイソー。何のこっちゃ、抹茶に紅茶。驚き桃の木山椒の木。願ったり叶ったり晴れたり曇った...茶話174/もこもこ

  • 茶話173 / 雨

    昨日に増してどんよりとした空。降っているのか、降っていないのか、わからないような雨。傍で我が相方が洗濯物を部屋の中に吊るしている。てるてる坊主でも作ろうか……。カムイ・パパイヤ・アーホーイヤ。あーした天気になぁーれ!アイヌのまじないでも唱えようか……。それとも、靴でも飛ばそうか……。あーした天気になぁーれ!東北地方では、雨が降り続いたとき、晴れを願って、行事の前日に御天気祀りとやらをする。大酒飲んで大騒ぎする宴会……だという。そんなの、毎日、こっそり、独りで、やっとるわい!雨に交じって、梅の花がしきりに散る。去年は、花が少なく、実があまり成らなかった。梅干し用の実が少ないのにがっかりした我が相方。どこで教えてもらったのか、手にノコギリを持って、梅の木に向かって「成るか成らぬか。成らねば切るぞ」と脅しをかけ...茶話173/雨

  • 畑192 / はーやくこい

    昼過ぎに歩数計を見ると58歩。昨日に続いて、今日も朝から雨。赤い鼻緒のじょじょ履いて、おんも(=表)に出たいのだが、ままならない。3時ころから、ようやく雨があがり、水筒に熱いコーヒー入れて畑へ。殊更にするべきことはないから、ビニールハウスの中で、とりあえずのコーヒーをすする。そして、おもむろにハウスの中の小さな畑の様子を確認する。ナス・トマト・キャベツ・ブロツコリー。まだまだ双葉だが、本葉が見えてくれば春になる。春を迎える畑には、楽しみがたくさんある。こないだまで、たよりげなかったレンゲの葉が、いつのまにやら青々としてきた。こいつが、あの赤い花をさかせるのか。露地だと気づかないが、ハウスの中だと、植物の成長の仕方がよく解る。ほっほぉう……!キャベツはこんなふうにして玉をつくっていくのか。花芽を包み込むよう...畑192/はーやくこい

  • 茶話172 / 飴ちゃん

    大阪のおばちゃんは、いつも飴を持っているというのは有名だが、おっちゃんだって持っている。最近、飴ちゃんにはまっている。お気に入りはK社の珈琲飴。少し甘いが、下手なコーヒーを飲んでいるより美味い。最初はウォーキングの喉潤しにと買ったが、最近は、寝る前にも一粒口に含む。昔だったら以ての外だったが、砂糖・糖類ゼロのノンシュガーだから罪悪感はない。布団の中で湯たんぽ抱いて、甘ほろ苦さを堪能する至福のひと時である。砂糖に水を入れて煮詰める。100度くらいになるとシロップができる。さらに煮詰めて120度くらいにするとキャラメル。150度まで煮詰めるとドロップができる。160度まで煮詰めて、ようやく金色のべっこう飴になる。砂糖の固まりだから、代表的なべっこう飴の黄金糖は一粒19kcalもある。グリコのキャラメル1粒は1...茶話172/飴ちゃん

  • 茶話171 / さんさんと

    昨日3月2日は石川大清掃。流域の人々が約1万人集まって石川のゴミを拾った。我々百姓仲間はダムの水門付近に集合。ゴミ集めは少年野球の子どもたちにお任せして、おっさんたちは雑木の伐採。一時間足らずの間に、ゴミの集積場は山のようになる。過去の集計では50トンのゴミが集まるという。なんとも逞しい人々の力よ!だが、逆にいえば、50トンものゴミを捨てる人間がいるということだ。なんとも情けないことよ!今日は朝から雨。しばらくまとまった雨が降らなかったので、田畑に水を入れるダムも涸れかけの溜池状態だった。有難い雨だ。♪雨潸潸とこの身に落ちてわずかばかりの運の悪さを恨んだりして♪(「愛燦燦」詞曲小椋佳)「潸潸(さんさん)」は〈涙が流れるようにさめざめと降る様子〉。雨、さんさんと……、3・3。三月三日……、今日は雛祭。女の子...茶話171/さんさんと

  • 畑191 / くじけないで

    今日からしばらくは暖かいというので、気温が上がった9時頃に畑へ。気温は8度だが風が強いので寒い。どうしよう?明日にしようか?今年の農作業の開始に、ジャガイモを植えるつもりで来たのだが、気持ちがくじける。すでに25℃になっているビニールトンネルの中で、しばらく考える。「くじける」という漢字は、どない書いたかなあ?漢字が出てこない。くじけている場合ではないのだ!畝だけでもたてるとすそるか。☆まずは、管理耕運機を出して耕す。カラスが一羽、後ろからついてくる。去年にさんざん苦しめられた憎きカラスだ。思わず「コラ!」と怒鳴る。カラスは驚いてバタバタと飛び立つ。耕運機に鋤(すき)を付けて畝をたてる。たて終えて、畝の出来栄えを眺める。さっきのカラスが、また、やって来て、なにやらほじくっている。思わず「コラ!」と怒鳴る。...畑191/くじけないで

  • 茶話170 / ふくらはぎ

    松尾芭蕉『奥の細道』の中に次のような俳句がある。汐越(しほごし)や鶴はぎぬれて海涼し意味をとりにくいので句読点を打つとこうなる。汐越(しほごし)や。鶴、はぎぬれて、海涼し「汐越」は、越前と加賀との国境にある地名(呼称)。浜に松林があり、汐が満ちてくると幹が海水に浸かったところから名づけられたという。問題は「はぎ」。漢字では「脛」と書く。「すね」、「はぎ」とも読む。脛の裏のふっくらした部分は「ふくらはぎ」。その脹脛が痛い。最強寒波が終わったらと思ったら、今度は最長寒波。かなり寒いが、天気は良いので歩きに出る。意を決して富田林市寺内町までの2㎞に挑戦。30分かかって到着。さすがに疲れた。それに脹脛が痛い。近くのスーパーに入って、イートインで無料のお茶を飲んで休憩。★15分ほど休んで、さて、どうしよう?帰ろうか...茶話170/ふくらはぎ

  • 畑190 / 春遠からじ

    最強寒波が緩んで、3月並みの暖かさ。こんな日にじっとしているのはもったいない。ジャガイモでも植えるとするか。陽気に誘われて、ウォーキング替わりに畑へ。12月から冬眠していたから⒉ヶ月半ぶりの農作業。久々に管理耕運機出して畑を耕す。冬草がびっしりと生えた畑は硬い。管理機で三往復ほど搔きまわさないと草は抜けず、柔らかくならない。「畑の草は根っこごと抜くな」という。雑草が根を張ることで空間をつくり、土をやわらかくしているのだという。なるほど、そうに違いない。しかし、これは、関東ローム層のような粒子の細かい柔らかな火山灰土壌に限ったことだ。畝をたてずに平畝で栽培できるような、さつま芋を引っ張ったら芋づる式に収穫できる畑のことだ。我が畑のような堆積物の多い、粘土質の畑で同じことをしたら、我が物顔に雑草が蔓延る。★書...畑190/春遠からじ

  • 茶話190 / 眠り

    月に一度、町会館で町内の同年代グループの飲み会がある。歳が歳だけに、まずは体調不良の話題、次に薬の話で盛り上がる。「どんな薬を飲んでいるねん?」「〇〇や!」「俺と一緒やがな!」「あの薬もパッケージが白い間は良えけど、ピンクとか赤になるとアカンらしいな」それを聞いた右隣の少し年配のYさんがじろりと睨む。気心知れた同士の集まりだから、もめごとになることはない。町内で飲んでいるという安心感から、ついつい酒が進む。年甲斐もなく寄ったので途中で退散。ふらふらになって家に帰ってバタンキュウ。朝起きて、何も覚えていない。誰かに何か嫌なことを言ったりはしていなかっただろうか?毎度毎度の自己嫌悪。用事があって歩いていると、昨日、睨まれたYさんとばったり。「昨日は、すんません!」「なんのこっちゃ?」「昨日はえらい飲んでしもた...茶話190/眠り

  • 畑189 / 上でも下でも

    立春だというので、夕方近くに、水筒を持って畑へ。強い風に背を押されて、すたこらすたこらの速歩き。身体活動の強さを表す「メッツ」という単位がある。厚生労働省のHPからの受け売りでいうと、座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行は3メッツになる。日常生活で体を動かす量の基準は、3メッツ以上の身体活動を1日1時間、1週間の合計で23メッツ(約8時間)する必要がある。これに加えて、少し強めの運動(例:速や歩き=約5メッツ)を一日20分以上、1週間の合計で150分以上すると寿命が伸びるのだという。早い話、こんなの、普通に働いていれば1日で達成できる。なのにメタボが増えるのは、デスクワーク中心、過度のカロリー摂取、高齢による活動不足、強めの運土不足ということになる。強い風に背を押されてすたこらすたこら速歩き。こり...畑189/上でも下でも

  • 茶話168 / 味なもの

    京都に住んでいる人は京都観光をしないそうだ。清水、八坂、知恩院へ行っても、自分が住んでいる所と同じ土地の匂いがする。だから、京都に限らず、身近にある観光地へは行かない。「♪知らない街を歩いてみたいどこか遠くへ行きたい」という気持ちになれない。日常からの離脱、漂泊観!はたまた、甘美な仮想逃避にはならないからだ。愛する人とめぐり逢いたいどこか遠くへ行きたい愛し合い信じ合いいつの日か幸せを(『遠くへ行きたい』詞:永六輔・曲:中村八大)ウォーキングを兼ねて、家から2㎞ほどの太子町(南河内郡)へ梅を見に行ってきた。梅といっても花ではない。墓である。太子町には、日本の礎を築いた古代の偉人達が眠っている。敏達、用明、推古、孝徳(孝極)天皇、そして、聖徳太子の墓がある。地図で見ると「梅鉢」の家紋に似ていることから「梅鉢御...茶話168/味なもの

  • 茶話167 / ちょっと旅気分

    梅の花がちらほらと咲きだした。チーチーとメジロが集まってきて枝をゆする。さあ、今日はどこを歩こうか?一ヶ月、ウォーキングを続けていると、行く所がマンネリになる。そこでスマホに「九星方位ナビ」とやらを入れた。九星気学の占いで運気の良い方角へ歩く。節分に恵方を向いて寿司を丸かじりするのと同じだ。今日は六白水星で東が吉。うーん、おもしろくない!それって通い慣れてる畑の方角ではないか。ならば、ずうっと東の太子町(南河内郡)へ行こうか。でも家から2㎞もある。この歳になると、一気に歩けるのは2キロが限度。帰りをいれると往復4㎞も歩かなくてはならない。4分たったチキンラーメンみたいにのびてしまう。ウルトラマンならエネルギーがもたない。こういう時は発想の転換。転換というほどの転換ではないが、家をスタート地点にするからいけ...茶話167/ちょっと旅気分

  • 茶話166 / 歩いてなんぼ

    ウォーキングを始めてから一ヶ月が経った。多趣味で移り気な自分にしては、よく続いたものだ。冬場の運動不足解消と健康維持が目的だ。一日歩けば、一日寿命が延びる。そう考えると、続けなければならないような使命感が出てくる。だが、最初は自信がなかった。そこで、「歩けば歩くほどポイントが貯まる」そんな文句につられて、Rポイントが貯まるというウォーキングアプリアプリをスマホに入れた。ところが、一日の歩数を見るのに広告が出てくる。目標達成のスタンプをもらうのにも広告が出てくる。スタンプをもらった後にも「おめでとう」のコメントに添えられた別の広告が出てくる。頭にきて、無視してホーム画面に戻ろうと「×印」をタップすると、再び「おめでとう」の画面!結果、見たくもない動画を見なければ元に戻れない。おいおい、昔のHサイトの手口と同...茶話166/歩いてなんぼ

  • 茶話165 / 人も歩けば

    ウォーキングを始めて今日で3週間になった。一日の目標は8000歩。一週間に一日は雨や所用で達成できない日があるが気にしない。一週間ないしは一ヶ月をトータルして達成できれば問題はないのだという。年初のアマゾンのセールでウォーキングシューズを買った。ついでに、KindleUnlimited(本の読み放題)も契約した。通常一ヶ月980円が、三ヶ月99円という破格の値段。三月の末になったら解約すればいい。さっそくウォーキングに関する本を何冊か借りる。ほとんどが1日10000~8000歩のウォーキング(速歩きを含む)をすれば、健康になり寿命が伸びるのだという。その中に「目標の達成はトータルで考えよう」というのがあった。今日に達成でくなくてもガッカリしない。明日があるさでいい。人生と同様に、目先の事でくよくよしてはな...茶話165/人も歩けば

  • 茶話164 / 初詣

    いつもと同じように7時前に起きる。30分頃に、近くの河原の堤防へ行く。いつになく人々が集まっている。やがて山の端がきらりと光って、朝日が昇り始める。女子高生たちがキャッキャと騒いで写真を撮っている。自分にもこんな時があったのかなと……年月の流れにひたりながら、2025年の初日の出を浴びる。昼からバイクで畑へ。パンパンと柏手を打って、「今年もよろしく」とぺこりと頭を下げる。さあ行くとするか。はるか西北の山の麓まで歩くのだ。「歴史十一/八幡太郎は恐ろしや」で書いた、河内源氏の里、通法寺を目指す。冬の今なら、田んぼの中を通って真っすぐに向かうことが出来る。田んぼを横切り、梅川に架かる橋を渡ると通法寺の村に入る。道が狭いためか昭和の懐かしい家並が続く。途中に源頼義、義家の墓や、館があった通法寺跡の遺跡がある。今日...茶話164/初詣

  • 茶話163 / 年末詣

    ウォーキングを始めて一週間が経った。気が向いた時に、景色を見ながら、あてもなく、のんびり歩くので、散歩といった方がいいのかもしれない。それでも、三日後あたりから筋肉痛が出始めたので効果はあるように感じる。二階に上がる階段も苦にならなくなった。大晦日の今日は氏神様の美具久留御魂神社(みぐくるみたま)へ。いつもなら元旦に初詣するが、結構な人出で混雑する。インフルエンザが流行っているので、空いている年末にゆっくりとお参りすることにした。昔は、夕方に神社へ行き、お堂にこもって新年を迎えた[年籠もり]した。今は、そうはいかないので、12月の中旬から大晦日までの間にお参りするのを[年末詣]という。一の鳥居をぬけても500mはある長い参道を歩く。宮の町中に入ると町会長をしている同級生に会う。夜中に年籠もりがあるから忙し...茶話163/年末詣

  • 茶話162 / 歩く

    一日に朝夕の二回、バイクで畑へ行く。そのうちのどちらかを歩くことにした。約700mで1000歩、往復すると2000歩になる。65歳~74歳だと一日に7,000歩以上は歩く必要があるという。毎日続けると死亡リスクが50%減るのだそうだ。先月からお世話になった掛かりつけ医へ月一の診断に行った。まずは、血圧。前回は180あったのが138。血糖血はさほど変わらないがA1cが-0.5減少。やはり薬はたいしたものだと実感。気分良くしてインフルエンザのワクチンも打ってもらった。その後にあったのが特定保健指導とやら。お決まりの塩分控えめ、野菜を多めの食事の話。酒は控えめに……というのは無くて、医師には我が気持ちが伝わっているのだと安心。「何か運動されていますか?」というので、「畑仕事くらいです」と答える。「それは運動には...茶話162/歩く

  • 茶話161 / 年の瀬

    昼でも一桁の温度、明け方には0度近くなる季節になってきた。耐えかねて湯たんぽを出した。寝る30分前に布団の中に入れる。寝る段になって布団にもぐり込み、まず、湯たんぽを抱いて、膝を立てて空間をつくり、布団全体に温かさがいきわたるようにする。5分もすると暖かくなるので、湯たんぽを足の方に移動して冷えた足を温める。その後は、湯たんぽを抱きかかえて寝る。湯婆(タンポォ)」という。「婆」は〈妻〉を指し、お湯の妻の意味になる。なんとも懐かしい暖かさだが、当の湯婆は午前3時ころには冷たくなり、現実に引き戻される。最期はやはり、自分の体温だけが頼りなのだと勘念して耐えて寝る。――○○様におかれましてはお健やかに新年を迎えられていると存じます。さて、私も高齢になり文字を書くのが億劫になってきました。つきましては、毎年の年賀...茶話161/年の瀬

  • 茶話160 / 古い奴だとお思いでしょうが

    四、五年ほど前までは、ほとんどなかったのに、最近、方向指示器(ウインカー)を出さない車が増えてきた。出しても右左折するのと同時に出す。こちらが直進しようとしている時に、対向車が突然右折してくると大きな事故につながる。ウインカーを出さない奴もそれがわかっているのだろう、左折する時に出さない。こちらが右折する(対向車と同じ方向に回る)時なら、少し待つだけで、事故にはなる可能性は低いからだ。めんどうくさい、かっこ悪いからウインカーを出さないらしい。右左折する30m手前から、ウインカーを出すことが義務付けられている。ウインカーを出さずに右左折をした場合、合図不履行違反となり、違反点数1点と反則金6000円(普通車)が科せられる。立派な交通違反、ルール違反なのだ。にもかかわらず、規則なんか守っているのはダサイと思っ...茶話160/古い奴だとお思いでしょうが

  • 茶話159 / 朝湯

    朝、目覚めて、まず、コーヒーをドリップして外に出る。玄関に据えた置き配用の椅子に座ってコーヒーをすする。山茶花の蕾が赤くなつているのにふと気づく。短い秋もそろそろ終わりか……。薄い墨で描いたようなちぎれ雲がいくつも西から東へ流れていく。やがて、雲の上端がうっすらと明かみをおびてくる。山の端から太陽が昇り、日の出を告げてくれる。そして、この朝日をいっぱい浴びる。それを日課にしている。太陽の上辺が地平線に一致する時刻を日の出という。しかし、我が地は東に1000m級の金剛山地に囲まれているので、山の端から太陽が現れる時刻は20分ほど遅く、それを日の出とよんでいる。早い話が、朝日を浴びる時間だ。春夏秋は、ほとんど畑で迎えるが、冬場は玄関の椅子に座って、コーヒーをすすりながら迎える。雨や曇りの日でも、それを日課にし...茶話159/朝湯

  • 茶話158 / 明日こそは

    二十代の半ば頃だったろうか。祖母が、「そろそろ結婚したら」というので、ある日の夕方、遠い親戚の女性を家に連れて来た。非のうち所の無い、実に整った顔立ちの、まことに綺麗な女性だった。「これからよろしくお願いします」か細い声だが、はっきりとした口調で女性が言った。しかし、当の私はまったく結婚なんぞする気がない。「結婚はまだ早いので」と、女性との話もそこそこに自分の部屋に閉じこもった。8時頃に、風呂に入ろうと風呂場に行った。裸になって、ドアを開ける。すると、あの女性が湯船につかっていた。「アッ!」という微かな声が漏れた。私は慌ててバスタオルを腰に巻いた。そして、声も出ずに、ドアも閉めずに、一目散に自分の部屋へ逃げ戻った。二、三分もしないうちに、ドタドタと足音がした。バァーンと私の部屋のドアが開いた。あの女性が立...茶話158/明日こそは

  • 茶話157 / 大胆不敵

    法事があって、終わった後に食事会があった。一般的には「お斎(おとき)」というが、関西では「仕上げ」という。少し酒が入ったので、帰りは知人(年下)に車で送ってもらった。家の前で車を降りる時、一瞬、迷った。お礼の言葉を何て言おうか?100%の人間関係ある友人や年下の親戚なら「ありがとう」で済む。50%ほどの人間関係で、年下の知人には何て言おうか?「ありがとうございます」は丁寧すぎる。「ありがとう」では失礼になる。一瞬迷って出た言葉が、「おおきに」「おおきに」は、関西弁で〈ありがとう〉の意味になる。古語の「おおきなり」の連用形で、〈大いに・たいへん〉の意味。だから、関西弁の「おおきに」の正式な言い方は、「大きに、ありがとうございます」になる。つまり、肝心な「ありがとう(タメ)」「ありがとうございます(敬語)」を...茶話157/大胆不敵

  • 茶話156 / わわわわわ

    わわわわわわわわわ……。日曜日に孫たちが来て、パソコンで記事を書いている私の周りをキャツキャと走り回る。自分の子どもだつたらなら「こら!うるさい!」と怒鳴る。しかし、我が子のようで我が子ではない、ペットのような孫だからそうはいかない。回転椅子から振り返って「危ないがな」と優しく言う。その瞬間、回転椅子の背もたれが、パソコンディスクに当たって、置いていたコーヒーカップが倒れた。それもキーボードの上にたっぷりと。わっ!驚いて、慌てて、キーボードを逆さにして、水、いや、コーヒーを流し落とす。パソコンを終了して、ドライアーで乾かす。わわわわわわわわわ……。次の日、ワードを開いて入力してみると異常がない。よかったよかった吉永小百合と、機嫌よく記事を書いてく。ところが、突然、どのキーを押しても入力出来なくなった。わっ...茶話156/わわわわわ

  • 畑/ちょっとだけよ

    庭のメダカ池のオモダカが色づいて枯れて、冬の到来を告げている。去年に「茶話76/目高」で書いた時は、本数が少なくてメダカも気持ちよさそうだった。ところが、今年は茂りすぎてメダカは窮屈そう。完全に枯れたら掃除しなければ……と楽しみにしている。というのは、オモダカはクワイの仲間で、地面の下にクワイのような芋ができて、食べられるのだとか。こんなに茂っていたら、さぞかしたくさんあることだろう。ちょっと小さいが、ちょっと楽しみ。畑はというと、ほとんどやるべきことをやってしまって、ほとんど冬休み状態。それでも、朝夕に畑へいかなければならない。というのは、メダカ。朝夕にエサをやらなければならないのだ。娘が知人からメダカの子どもをもらってきて、おすそ分けしてくれた。かなりレアなメダカだと言う。死なせてなるものかと、畑のビ...畑/ちょっとだけよ

  • 茶話155 / 秋の遠足

    今週は日・火・木と雨が降って畑に入ることが出来なかった。今日(金)も雨模様で、もはや冬眠状態。我が相方に、「遠足(弁当を買ってドライブ)に行こうか」と言うと、返事もしないで着替えに行く。その間、前の遠足は何時だったかと……思い出そうとしても思い出せない。遠足から帰って日記を見たら6月14日以来。なるほど、掛かりつけ医が引退して、薬を飲まなくなった時と一致する。そのあたりから血圧が180まで上がっていて、運転がおっくうになっていたのだ。それが、四日前に半年ぶりに医者に行って、薬をもらって、血圧が下がって、気分がよくなって、遠足に行く気持ちになったのだと納得した。とりあえず、あてもなく、竹ノ内峠を東へ(奈良方面)。唐楓の並木が見事に紅葉している。二上山の頂上の紅葉も綺麗だ。ならば、吉野の方へ向かおう!途中のス...茶話155/秋の遠足

  • 茶話154 / 友

    6月に、小学校の同窓生の掛かりつけ医が、もう歳だからと引退した。「すまんけど、他の医者を探してくれるか」と言われていたが、しばらく経っても異常がない。家で血圧を測っても、140前後の歳相応の数値。こりゃ、案外、薬を飲まなくても大丈夫なんだと自己判断。「薬から病を起こす」「薬は身の毒」なんてことわざが有馬温泉。半年近く医者通いせず。薬も飲まずに放ったらかしにしていた。ところがどっこい北の湖。10月頃から歯が痛い。肩をボキボキ、首をネジネジ、調子がへん。耳も詰まった感じがする。なんてーこったい肩こったい。こいつぁー駄目だと勘念して、半年ぶりに新しいクリニックへ。診察を待っているのは年寄りばっかし。まずは「血圧を測りますね」と優しく言われて腕まくり。シューシューと空気が入る。さて、どのくらい?と、思ったら、空気...茶話154/友

  • 畑187 / 台湾山芋

    岡山の友人にもらった台湾山芋の葉がだいぶんに黄色くなったので収穫した。正式には大薯(だいじょ)だが、台湾から沖縄を経て九州に伝わったとされ、「台湾山芋」や「沖縄山芋」とも呼ばれている。亜熱帯原産で、寒さには殊更弱い。本州では種芋が寒さで越冬できないので、作られるのは少ないそうだ。4個もらって、土に埋めて下駄箱の下に置いていたら、4個とも冬を越してくれた。初めて作った作物なので掘るのが待ち遠しかった。傷つけないように遠くから四方にシャベルを入れ、てこの原理で畝から切り離す。大きな土の塊が出てくる。我が畑は粘土質なので、この土を取り除くのが一苦労。サツマ芋の時と同様に発掘作業さながら。ようやく顔を出した台湾山芋。不揃いの芋が大小合わせて10キロはあるだろうか。「山芋」という名の固定の品種は無い。自然薯、長芋、...畑187/台湾山芋

  • 畑186 / はてしなく

    玉ネギも植えた。そら豆も植えた。エンドウも植えた。これで春野菜の準備は完了。もう一つ、ビニールハウスも完成した。幅260㎝×長さ550㎝だから14.3㎡。ほぼ9畳だから4坪半になる。五年前に造った第一号ハウスは2坪だから二倍以上の広さ。一号ハウスは春にブルーシートを張って、物置兼玉ネギ吊場にする計画だ。二号ハウスくらいになると、ちょっとしたものが植えられる。まずは、絹さや、スナップ、エンドウを10株。3月になれば、絹さやから順に春を味わえる。今時の朝7時の気温は5度前後。ハウスの中は10度なので、朝早いうちはハウスの中で出来ることをする。気温が上がってきて、ようやく外の作業をする。天気がよいと、10時頃にはハウスの中は35度になっている。左右のビニールをめくり上げて、野菜の成育適温の25度に調整してやる。...畑186/はてしなく

  • 茶話153 / 老いの小文 五の⑥

    ※⑤のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。旅の四日目は大阪に帰る日だ。私が「弁当を買って、明石の海を見ながら食べよう」と提案した。見事に晴れ渡った空を仰ぎ、さすがは「晴れの国」と称賛する一方で、やはり「はずの国」かと諦観しつつ備前の国を離れた。途中、私は「スーパーに寄ってくれ」と言った。「何、買うねん?」と不思議そうな友人に、「土産や!」と答える。旅行して、土産物屋で土産は買わない。その土地のスーパーで買うことにしている。京都に行けば、スーパーで八つ橋を買う。琵琶湖へ行けば、スーパーで小鮎の甘露煮を買う。その方が、土地の匂いが感じられる。スーパーに寄ってもらってから、「つるや」という弁当屋で弁当を買った。小食な私は、弁当を買う時は、中身や値段ではなく、量で選ぶ。たいていは一番小さいのを買...茶話153/老いの小文五の⑥

  • 茶話152 / 老いの小文 五の⑤

    ※④のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。旅の三日目も備前晴で、午前中は昨日刈り残した草を刈た。11時頃に早々に切り上げて、少し早い昼食のカップうどんをすする。昨日の夜、酒を飲んでいて、「いつもの湯郷の温泉は飽きたから、違う温泉に行こう」。「それなら、奥津温泉に行こう。奥津渓も紅葉しているかもしれない」。「紅葉しているはずだ」という断定ではなく、「紅葉しているかもしれない」の推量表現に何んだか安心した。岡山三大河川の一つである吉井川に沿って津山へ。津山から、また吉井川にそって北に上る。吉井川の源流が奥津渓なのだ。光沢のある真っ黒な瓦の家が続く。日本三大瓦の一つである島根の石州瓦(赤色)の黒色バージョンで、屋根に積もった雪を早く溶かすために黒い釉薬を塗っているのだという。黒光る石州瓦に柿紅...茶話152/老いの小文五の⑤

  • 茶話151 / 老いの小文 五の④

    ※③のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。見事な雲海を見損ねて海の底に帰り、30分もすると霧が晴れて陽の光が差してきた。旅の一番の目的は、友人の畑の草抜きである。さっそく小鎌を手に畑に出る。そして、見事としか言いようのない草原を見る。それもエノコロ(草)、露草、赤まんまの背の高い草が、クローバー、チドメグサの横に広がる草を覆っている。去年に来たときはこんなんではなかったのに、今年は、普通の畑ではまず見ることのない厄介者の巣窟ではないか。そうか……、去年は夏に来て草抜きをしたのだ。しかし、今年は猛暑に堪えかねて来なかったので、厄介者がはびこったのだ。草刈り機を使ったら歯に巻き付いて難儀するに違いない。ならばというので、友人に「のこぎり鎌はないか」と言うと、すぐに持って来てくれた。これで勇気...茶話151/老いの小文五の④

  • 茶話150 / 老いの小文 五の③

    ※②のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。もみじ寺から怖ろしく狭い山道を通る。谷底に落ちれば、行方不明のまま朽ち果てるだろうという道であった。ようやく見知った道に出てほっと息をつく。見知ったスーパーに入って、家飲み用のアテを買う。明るいうちに友人宅に着く。無事にたどり着けたというので、まずはビールで乾杯。そしてそのままオジン二人の質素な酒盛りとなる。朝は何時もの防災無線の音楽で目が覚める。友人が来て、雲海を見に行こうと言う。そういえば、夕んべの酒宴の中で、見事な雲海の写真を見せてくれたのを思い出した。外に出てみると、山々は霧に覆われている。こんな日は、見事な雲海になるのだ、というので、是里(これさと)とい展望台に向かう。深い霧の中を車は走る。この霧を抜けると青空が広がり、人生観を変えるほ...茶話150/老いの小文五の③

  • 茶話149 / 老いの小文 五の➁

    ※①のつづきです。姫路を過ぎてバイパスを下り、出雲街道を北へ向かい龍野に着く。日本で最も愛唱されている童謡「赤とんぼ」の作詩者三木露風の生誕地である。夕焼小焼のあかとんぼ、負はれて見たのは、いつの日か山の畑の桑の実を、小籠につんだは、まぼろしか十五で、姐やは嫁にゆき、お里のたよりもたえはてた夕やけ小やけの赤とんぼ、とまつてゐるよ、竿の先露風が歳の時に両親が離婚をし、露風は祖父の家に引き取られる。そこで出会ったのが、お手伝いとして雇われていた子守娘の「姐や」である。姐やは母親のいない露風を、このうえなくかわいがってくれたという。龍野の市街を抜けると田園が広がっている。車窓から古ぼけた民家を見つけるたびに、夕焼け小焼けのノスタルジアにひたっていた。龍野をぬけて美作の国に入る。友人宅に向かう途中にもみじ寺と呼ば...茶話149/老いの小文五の➁

  • 茶話148 / 老いの小文 五の①

    備前の国に家を買って、週に四日間ほど大阪から通っている友人の誘いで、霜月の六日、友人の車に便乗して大阪を立った。本来は一日に発する予定だったが、早期大雨注意報が出ていたので取り止めて延期した。「晴れの国」をキャッチフレーズにしている備前の国なのだが、とにかく私が行くと雨が降る。時には晴天続きの日に訪問したいという私の願いで、四日間、晴予報がでているこの日の出立となった。予報通りの雲一つない晴天となり、大阪、神戸、姫路の高速をひた走る。途中、昼食代わりに明石のサービスで助六寿司を買った。歌舞伎十八番『助六由縁江戸桜(すけろくゆえんのえどざくら)』に由来する寿司である。江戸の侠客であった花川戸の助六(実は曽我五郎)が、源氏の宝刀を取り戻さんと吉原に足しげく通い、刀を取り戻す騒動を描いた歌舞伎である。劇中、助六...茶話148/老いの小文五の①

  • 畑185 / おやまあ

    ビニールハウスを建てることに集中している間は、他の野菜はほうったらかしにしていた。ハウスがほぼ完成して、他の野菜をのんびりと見に回る。あらまあ!多品種少量時間差植えの畝が大きくなりすぎて、満員電車状態になっている。少しずつ収穫していく予定だったが、それれれれれれれを忘れるほどにハウス造りに集中していたのだ。こりゃなんとも採りきれない。道端だったら「お好きなものをご自由にお持ち帰りください」の看板を揚げたいほどになっている。まずは壬生菜を一株収穫。これを食べるだけでもニ、三日かかりそうだ。★もう一つ、頭の中から存在が消えているのがあった。農小屋の裏手にあるので、意識して見にいかないかぎり、存在に気づかない。ミカン!ひょっとして……と見に行くと……おやまあ!ひょっとしてと思った通りのひょっとして状態になってい...畑185/おやまあ

  • 俄38 / 子ども俄2024

    九月の末に、こども会から、俄を作って教えてもらえませんかと依頼があった。子ども俄は、うちの息子が演じて以来だから25年ぶりになる。しかも、祭りまで一ヶ月もない。俄なんて、その名の通りすぐに出来るだろうという感覚らしい。「それで、出演者はどんなメンバー?」「とりあえず、男女2名ずつくらいで」「とりあえず……では、台本を書かれへんがな!」毎年続けていないと、俄がどういうものか分かっていない人間が増えて来る。「もっと早く、夏休み頃に言うてきてーな」とぼやきつつも承諾。その日の夜に、6年生の男子2名でお願いしますとメールがあった。2名のやりとりは漫才になりやすい。十年ほど前に大人2名用のを書いたのがあったので、そいつを子供用にリメークして、次の日に渡した。すると、その夜に年長の男の子が出演したいと言って来たとメー...俄38/子ども俄2024

  • 畑184 / お預けの秋

    久々の投稿。といっても、遊んでいたわけではない。秋祭りの三日間をはさんで、ひたすら動いていた。10月10日頃から、新たにビニールハウスを造り出した。一昨年の春に、百姓を引退した先輩から、長さ10mのビニールハウスの骨組みやら資材一式を頂戴した。去年の秋に、落花生やら里芋の出荷が落ち着いた11月頃に建てようと計画していたが、ちょうどその頃に体調がおもわしくなくなった。それで、やむなく中止した。それを横目で見ていた資材をくれた先輩百姓が、「おまえは、よう建てへんやろなあ……」とポツリと言う。その一言が頭にカチーンときて、心にボッと火が着いた。今年は何が何でも建ててやる!幸か不幸か、アライグマやらカラスのせいで、落花生の収穫が早くに終了して、時間的余裕が出来た。よっしゃ!建てるとするか!まずは、きれいな長方形に...畑184/お預けの秋

  • 畑183 / あんさん別れまひょ

    三日連続で「曇→雨」の日が続いて、昨日は曇り、今日は見事な晴天。天高く馬肥ゆる秋。と、言いたいが、晴れると、さすがに夏の陽射し。9時頃になると、もう畑作業が辛くなる。朝の6時から落花生の畝の片付け。やりやーがった!落花生の残りの一畝をシートで囲って、絶対に入れないようにしていたのに……。シートを上から押さえつけやーがって、継ぎ目から潜りこみやーがった!これで6畝全部やられたことになる。5万円くらいは食べられた。見るのも癪に障るので早々に撤去!やり終えて、ほぉーっと息を吐き、天を仰ぐ。天高くアライグマ肥ゆる秋。しかし、これでスッキリした。もう、朝早く起きなくてすむ。もう、これで、あの野郎ともおさらばだ!彼岸過ぎに植えたニンニクが芽を出し始めた。種球を4キロ買って、400個ほど植える計算だったが、600個種球...畑183/あんさん別れまひょ

  • 俄37 / 俄ごっこ

    若いころ、祭で俄をすることになったとき、村のお年寄りに、「しっかり遊んどいで」と言われた。俄は演劇の一種だが、「演じる」のではなく、「遊ぶ」なのだ。子どもたちが、輪にしたヒモの中に入り、電車にみたてて「出発!ガッタンゴットン・・○○駅です」とやる電車ごっこ。お母さんやお父さんになったつもりで「行ってらっしゃい」「ただいま」「ご飯が出来たよ」とやるままごとなどの「ごっこ遊び」と「にわか」は同じなのだ。子どもは、たんに、「何かにみたてる」「何かになったつもり」「何かをしたつもり」を繰り返し楽しんでいるだけで、演じるという気持はない。それでも、子どもが楽しく遊んでいるのを見ると、見ている大人も楽しくなる。俄は自分だけでなく、見ている人も楽しくさせる遊びなのだ。俄の命は〈遊戯性〉にある。宴会のかくし芸用に一人俄を...俄37/俄ごっこ

  • 畑182/ リング

    どうやら午後から雨が降りそうなので、気持ちをさっぱりさせようと、アライグマがほとんど食べた落花生の枯れたのを燃やした。野焼きは原則的に禁止だが、「農業・林業または漁業を営むためにやむを得ないものとして行われる必要な廃棄物の焼却であって、軽微なものは許可する」という例外措置がある。もちろん、周りに住宅があると迷惑がかかるので野焼きは出来ない。しかし、我が畑は田園地帯のど真ん中にあるので心配ない。昨日、サツマイモを試しに掘ってみた。六月中旬という遅い時期に植えたので、まだ小さいだろうと思っていたら、小ぶりのラグビーボールくらいのが4、5個ついていた。こりゃ大きくなりすぎじゃわい!大きすぎるのは道の駅に出しても、料理しにくいので売れ残る。だから、我が家では、大きいのは四等分して、蒸して干し芋にするのが定番。〈次...畑182/リング

  • 畑181 / 秋色佳也

    ♪薄紅の秋桜が秋の日の何気ない陽だまりに揺れている♪岡山の友人宅でもらってきたコスモスが満開になった。秋の心を知っている花だ。秋の陽のやさしい光を背にうけて、畑にほほえむコスモス。薄化粧した湯上りの女性のような嫋(たお)やかな色気がある。もう一つ満開なのがニラ。赤い花でも咲かせてくれれば美しいのだが、小さな白い花で目立たない。それでも、これだけ群生すると、なんとなく見栄えがする。しかし、種を付けさせると株が弱るので、写真を撮った後に株元から刈り取る。去年は種を採ってやろうとおいておいた。が、今年に種を蒔くまでもなく、こぼれ種が芽を出して雑草状態になっている。こっちの花は、もう終わりかけの青シソ。畑のあちこちに10株ほどあるが、2株ほど残してあとは刈り取る。その時のご褒美がシソの実。指でしごいて実を採り、洗...畑181/秋色佳也

  • 俄36 / 台本にない笑い

    江戸時代に書かれた『古今俄選』にある俄の技法をいくつか紹介する。※は筆者注。【あぶら】俄の最初から終わりまで、出放題で言葉で引っ張ることだ。※理屈の通らないことを次から次へと連発(出放題)すること。やすきよの漫才のようなものだろう。【なえこ】おかしみを出すために、下をなやして言葉を遣うこと。※「なやす」とは「力を抜く」ことで、阿呆のような間の抜けたしゃべり方をすること。藤山寛美の「あほぼん」のしゃべり方だ。【でたらめ】はだかにて出る俄に多し。※「はだか」とは文字通りの「裸」の意もあるだろうが、役柄として演じず、地のまんまのこと、アドリブだろう。以上を踏まえたうえで、次の【俄の稽古の事】を読んでいただきたい。座敷で充分に稽古をして出演すれば「でたらめ」もよく効いて面白い。稽古が不足している時は、「あぶら」が...俄36/台本にない笑い

  • 茶話147 / 眠り

    若いときは睡眠時間四、五時間という時もあったが、今は8時間眠ることにしている。研究によると、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の山が五回あるのが良いらしい。一つの山が1.5時間として「1.5×5回」で7時間30分がベストだという。もちろん、個人差があって、8時間の人もいれば、7時間眠ればよいという人もいる。どっちにしても、人生のほぼ3分の1(1/3)は眠っていることになる。一日の1/3眠って、1/3働いて、1/3は私的な時間をもつというのが理にかなっている。何かの会合で10㎞ほど離れた会場へ車で行く。会合が終わってからの帰り、道に迷う。銀行のビルがある交差点に差し掛かる。どっちへ行こう……と右折する。二車線の広い道路を数キロ走ると、一車線の道路になり、閑静な住宅街に入る。碁盤の目のように区切ら...茶話147/眠り

  • 茶話146 / 曼殊沙華

    畑からの帰り道、堤防の土手に、赤い花が咲いていた。アライグマと格闘しているうちに、気づかずにいた。そういえば、お彼岸に咲くからヒガンバナなのに、今年は、お彼岸に咲いていなかったなあ……。ヒガンバナの開花温度は20~25度とされている。特に、最低気温が20度前後まで下がってくると、地中の球根から花茎が一気に伸びて花を咲かせる。だのに、10月になって咲くとは……。こんなの始めて!まだ暑いのだ。江戸時代初期、南蛮貿易で沸き立ってい長崎の貿易商の娘が、ポルトガル船の航海士であったイタリア男性と恋に落ちた。やがて、二人の間に姉・お万、妹・お春が生まれる。しかし、寛永16年(1639)に第五次鎖国令が発布され、今後、日本人との混血を禁止するため、長崎に在住していた紅毛人とその家族は日本を追放された。家族はバラバラにさ...茶話146/曼殊沙華

  • 畑180 / もうやめて

    しばらく、ブログはご無沙汰していた。なんやかんやと雑用が飛び込んできた。そこへきて、またしてもヤラレた!10月になれば、ぼちぼち出荷しようと思っていた落花生。春はカラスに、200株植えた苗を根こそぎ引っこ抜かれた。そして、秋は……アライグマ!なっ!なんでやねん!ラスカルなんぞという可愛いもんじゃない!ネットを破って侵入……、一畝が全滅。株の根元の美味しいところを見事に食われた。慌ててネットを修復。次の日、祈る気持ちで畑へ。なっ、ナッ、なんでやねん!修復した箇所のヒモを外して侵入……、またもや一畝が全滅。高さ1メートルの防獣ネットを買って来て、炎天下で半日かけて設置。さあ、来るなら来てみろ!次の日の朝、余裕で畑へ。なっ、ナッ、Natt、なんでやねん!暑い中、慌ててネットを張ったものだから、ロープの張りが弱か...畑180/もうやめて

  • 茶話145 / 黄昏

    夏場は、日が暮れても暑くて畑仕事にならなかったが、今は日暮れ前にはなんとか動けるようになった。夕方の4時30分頃に家を出て畑へ。まずは、朝に農小屋の西側に置いていた椅子を、反対の東側の日陰へ移動させる。しばらくは、西陽から日陰になっている辺りの草抜き。5時前になると、東の太子町(南河内郡)から防災無線が流れる。「もうすぐ5時です。子どもはお家へ帰りましょう」ちょうど5時になると、西側の山のお寺の鐘が鳴るのではなく、『夕焼け小焼け』のオルゴールが流れて来る。夕焼け小焼けで日が暮れて山のお寺の鐘がなるおててつないでみな帰ろうからすといっしょに帰りましょ(詞:中村雨紅・曲:草川信)陽が西に傾きだす、ここらあたりから働き時。多少しんどい作業も、汗をかかずにできる。一時間ほどして、のんびりタイム。椅子に座って、東の...茶話145/黄昏

  • 茶話179 / ちゃばなし

    「茶話」は「サワ」と音読みするが、ここでは「ちゃばなし」と訓読みしていただきたい。もともとは、雑談・雑感のコーナーとして書き出した。最初は、『ちょっといっぷく№』としていたので、何が書いてあるのかわからない。なので、36回から『ちょっといっぷく№タイトル』に替えた。しかし、長すぎて、スマホで読むと二行になってしまうことがあった。そこで、現在の『茶話№/タイトル』になった。最近、過去記事を読んでいただけるようになった。時たま、「ちょっといっぷく18』などという、えらく古いのが読まれたりする。それはそれで嬉しいのだが、当の本人は、何を書いたのか覚えていない。「記事一覧」から検索をかけて、2022年3月26日の記事で、ああ、あれかと、やっと分かった。プーチンのウクライナ侵攻が始まった頃で、憲法の話の後に、次の話...茶話179/ちゃばなし

  • 畑179 / 行雲流水

    家の庭で秋冬野菜の苗を作っていたが、本葉が出てこない。ということは、根が伸びていない……ということ。去年は、五日ほどで葉が出たのだが、今年の暑さは去年以上なのだと痛感!茎をそっと引っ張るだけで、すっぽりと抜ける。コンクリートの上なので熱がこもりやすいのだ。こりゃアカンがな……というので、丈夫そうなのを畑のビニールハウスへ引っ越し。畑では、棚の上に置くので、根の部分への風通しがいい。最初からそうしておけばよかったのだが、ひねくれものの台風10号の接近で、ビニールの天井を剥がしてしまったのだ。どうせ、まだ、一つや二つの台風が来るだろうし、邪魔くさいからと、そのまんまにしていた。というわけで、まずは、天井のビニールの張り直し。直射日光を浴びないようにネットも張って日除け。それから、バイクで四往復して、苗の引っ越...畑179/行雲流水

  • 茶話 / 発想の転換?

    【2022年3月22日のリメイクです】駅前の不法駐輪で、近所の人は困りはてていた。「自転車を停めないように!」と、立て看板を出したが効果はない。ところが、たて看板を次のようにすると不法駐輪が無くなった。「自転車捨て場」なーるほど、物事にとらわれずに、その時その場に応じた発想の転換は重要だ。ラーメン屋の店主が、看板に落書きをされて困っていた。「ラーメン」という字を「ラーヌン」と落書きされてしまうのだ。そこで、発想を転換して、「らーめん」と平仮名にした。次の朝、看板に「らーぬん」。発想の転換は重要だが、敵の方が勝っているのを肝に銘じなければならない。※カラス・ヌートリア・アライグマ、それに猛暑との日々の挌闘で、事程左様に落胆ぎみ……。ふと思い出してリメイク。茶話/発想の転換?

  • 畑178 / 秋愁

    ひねくれ者の台風10号に惑わされていたのか…….気づかずにいた。まだ8月だとばかり思っていた……>その日暮らしの年金生活者とはいえ……なさけない!最近、どうもおかしい……そろそろボケがきたか?もう9月ではないか!極早生玉ネギの種を蒔かなければ!ニンニクを植える畝をつくらなければ!わてて、6日の日に玉ネギの種を蒔いた。玉ネギの種まきは、品種によって極早生(5日)・早生(10日)・中生(なかせ=15日)・晩生(20日~)と決めている。日照時間の長さ(日長)がある長さに達っすると、玉が肥大するように改良されている。極早生玉ネギは3月下旬から収穫だから、それまでにある程度成長させておかなければならないので早く種を蒔く。8月の下旬から蒔くことができるが、早蒔きすると大きくなりすぎて、玉を大きくさせずに花を咲かせてし...畑178/秋愁

  • 茶話 / はてな

    【2022年2/12のリメイク版です】問1○の中に漢字を一字入れて下さい。親人中○小数十年前に、難関私立大学付属幼稚園の入試で出された問題です。入試問題だと言われると、何か重大な法則でもあるのだろうと構えてしまいます。しかし、昨今流行りのクイズ番組で出される問題の発想と同じです。答えは、左手を開いてみれば解けます。薬指の「薬」です。これを右手の「小〇中人親」の順にされると、もうお手上げです。さて、問1以下の問題です。チャレンジしてみてください(答えは過去のブログ記事に)。問2○の中にアルファベットを一字入れて下さい。SMTW○FS問3○の中に漢字を一字入れて下さい。北本○九問4○の中に漢字を一字入れて下さい。小中○大問5○の中は大・小のどちらの字。大小大小大小大○小大小大問6A~Dの中から子どものカエルは...茶話/はてな

  • 畑177 / つるがえし

    この暑さにも負けることなく、サツマ芋が生い茂っている。さすが、江戸時代の三大飢饉や、戦中・戦後の食糧難の時代に多くの人々の命を救った作物だけある。天候異変に強く、荒地でも栽培出来るので救荒植物と呼ばれている。実際、放ったらかしでも育つ。しかし、伸びた蔓から根が出て、余計なところに芋を付けて栄養が分散してしまう。そこで、蔓の節から出ている根を切り、畝(うね)の中央へ折り返してやる【つる返し】。その前に、秘密兵器の出番!「畑173/盆からさ~きゃ2」で書いたトウガラシ液!焼酎と酢に、トウガラシを漬けたもので、強いにおいでアライグマやヌートリアなどの害獣が寄り付かなくなる。今回は、これに、ホームセンターで買った竹酢液(ちくさくえき)をブレンドする。竹炭を作る際に出た液体を蒸留したもので、害獣の忌避剤だけでなく、...畑177/つるがえし

  • 畑176 / ひねくれ者

    台風がやってくると、まず、しなければならないのはビニールハウスのビニールを剥がすことだ。さて、側面だけにしようか……、天井も剥がそうか……?迷った末に、備えあれば憂い無し!天井のビニールも剥がした。それから二日。台風は未だに紀伊半島の先っぽ。風は無いが雨が続く……。天井を剝がさなければよかった……悔やんだとて仕様がない。なにしろ相手は、とびっきりひねくれた台風なのだから。周りの人に否定ばかりされると自己肯定感が低くなって、性格がひねくれてくるのださいう。素直に自分を表現できなくなる。台風も高気圧に頭を押さえつけられると、ひねっくれてコースをかえてしまう。近畿直撃が四国直撃となって、結果、九州をぐるっと回って、四国を横断して、近畿を縦断してしまう。なんとも困った台風である。ひねくれ者が去る間は秋野菜の種まき...畑176/ひねくれ者

  • 畑175 / 朗らか

    朝の5時半ごろに畑に着いた。ちょうど日の出。山の端の東雲(しののめ)の空が、ほがらほがらと明けてゆく。猛暑続きだが、この時間帯は、さすがに涼しい。「春はあけぼの」だが、夏のあけぼのも捨てたものではない。どっかりと椅子に座って、しばしは夏の曙を楽しむ。の出は、その日のスタートだが、平安時代の女性にとっては、切ない時間帯でもあった。しののめのほがらほがらと明けゆけばおのが後朝 (きぬぎぬ) なるぞ悲しき/古今集・恋三平安時代の貴族は「通い婚」。夫婦は同居せずに、男が女の実家に通う。一夜を共にする前に、互いの下着(襦袢・じゅばん)を重ねてコトに入る。コトが終わった明け方、男は出勤するために帰るのだが、昨夜に重ねていた下着(衣・きぬ)を交換して帰る。女にとっては、男が次も私の所へ来てくれるだろうかと、悩ましい「衣...畑175/朗らか

  • 畑174 / リフレッシュ

    朝、目覚めると、ガレージのトタン屋根を打つ雨音。もう少し眠ろう……。ほぼ一ヶ月ぶりだろうか。朝方に、まとまった雨が降った。小止みの雨の中、畑へ行くと、久々に土は真っ黒。ゲリラ豪雨は困りものだが、これっくらいの雨なら、毎日でもいいから降って欲しい。オモダカに留まっているシオカラに吹くのは秋の風。今日は、のんびり過ごすとするか。23日は旧の地蔵盆。「そろそろ、大根でも植えようか」地蔵盆が過ぎると秋の農事の始り。今年は、待ちきれなくて、育苗に30日かかるキャベツ、ハクサイ、ブロッコリーだけ、種を蒔いた。16日の一粒万倍日に蒔種して、ぼちぼち芽が出だした。夏場の育苗は、ここからがたいへん。双葉の間に陽をよく当ててやらないと、ひょろひょろと茎が伸びてしまう。太陽の様子をみながら、半日陰から出したり入れたりしなければ...畑174/リフレッシュ

  • 茶話143 / 涼っしーい!

    暑いときに、熱いうどんを食べれば、さぞかし暑いだろうと思っていたら、今日の昼食は熱いうどん。まちがいなく暑かった。外に出れば、四川風の味付けで中華鍋で炒められているような暑さ。噴出さんばかりの汗。そのせいかクーラーの効きも悪い。涼し気な音楽はないかと探すと、「ジャングルの朝」というヒーリング音楽があった。ギャーギャーと鳥が泣き叫び、キーキーと猿が木々を渡る。余計に暑くなった。暑さで、久しく遠出をしていなかったので、どこか涼しい所へ旅に出よう!海辺は年寄りにはハイテンポなので、山あいの静かな村の旅館を予約した。黒鉄も溶けよと照り付ける下を、フェラーリのクーラーをがんがんに効かして車は走る。どこにもありそうな麓の街で昼食をとって、夏木立に囲まれてほの暗い舗道へと入って行く。もはや、クーラーは必要なかろうと、車...茶話143/涼っしーい!

  • 茶話142 / つき草

    えっ!今頃、咲くのか!その花の名前から梅雨の時期に咲くのかと思っていたので意外だった。俳句でも秋の季語になっている。露草も露のちからの花ひらく/飯田龍太「畑141/春の日」で書いた露草。なんとも清らかな青い花を、雑草の中に咲かせるのはもったいない。そう思って、畑の畔に芽を出していたのを、家に持って帰って鉢に植えた。畑でしょっちゅう見ている花だが、育ててみると意外なことだらけの植物だ。横に根を伸ばすのかと思っていたが、直根で地中深くに根を伸ばす。最初は小さな鉢に植えていたのを大きな鉢に植え替えた。茎が土に触れると、あっという間に根を出す。そこからまた茎を伸ばす。綺麗な花を咲かせなければ、ずいぶんと厄介な雑草だ。黄緑色した包葉(ほうよう)という、二枚貝のような変形した葉の中から花を咲かせる。強い日光に当たると...茶話142/つき草

  • 畑173 / 盆からさ~きゃ2

    アライグマの撃退法をネットで調べていたら、トウガラシ液があった。強い刺激臭が苦手らしい。イノシシやヌートリアなどの害獣にも効果があるという。そういえば、五年ほど前に農薬替わりにしようと思って、トウガラシ液を作ったことがある。農小屋の中を探してみると、有った有った!完全に熟成した五年モノのトウガラシ液(左の黄色の蓋)。蓋を開けると強烈な匂い。なるほど、こりゃ効きそうだ。焼酎にトウガラシを入れて漬け込むだけ。お好みで酢やニンニクをトッピングする。二週間ほど熟成させると完成。ろ過して二百倍ほどに薄めて使う。無害だし自然に優しい。それに、農薬は一日で使い切らなければならないけど、こいつは作り置きが可能だ。ただし、風向きを考えて散布しないと、目に入ったらたいへんなことになる。使わずに五年も放ったらかしにしていたのは...畑173/盆からさ~きゃ2

  • 畑171 / 盆からさ~きゃ

    明日からお盆。だからといって、分家なので、殊更になにもない。でも、お盆が過ぎると秋野菜の作付けスタート。さあ、なに植えようか?まずは、余っている種を確認して、自作の「栽培暦」とにらめっこ。植える野菜が決まると、次は場所割り。さあ、どこに植えようか?連作障害を防ぐために、エクセルで「輪作表」を作り、畝ごとに何を植えたのか記録している。黒い部分は休耕中。年々、黒が増えていくのは歳のせいで仕様がない。考えているうちに、去年のことを思い出した。苗を作ったものの、九月になっても猛暑が続き、定植できなかった。おそらく、いや、きっと、今年も暑いにちがいない。寒冷紗で遮光して、保護してやる必要がある。ならばというので、去年に少しだけやった「多種類混合植え」をすることにした。アブラナ科の野菜8種類を一つの畝に植えるのだ。長...畑171/盆からさ~きゃ

  • 畑171 / ピントが合わない!

    カラスの襲撃が一段落ついたと思ったら、今度はアライグマが落花生にちょっかいを出してきた。囲ってある網に4、5センチでも隙間があると、そこから手を突っ込んで土をほじくる。インターネットでで退治法を調べると、アライグマは嗅覚が鋭く、強いニオイを嫌う……とある。そんなら……というので、ペットボトルに庇(ひさし)を二カ所開けて、100均で買って来た野良犬猫の忌避剤とナフタリンを入れて仕掛けた。ニ、三日経過したが、どうやら効果があったのか、やって来なくなった。その代わりに珍しいのが現れた。夕方の5時ころ、まだ暑いが、雲が出てきたので畑へ。すると、里芋の通路に動くもの。足の長い茶色い鳥が歩いている。今までの記憶から判断してケリ!?ケリという変わった名をした凶暴な鳥で、巣に近づくと、親がキーキーと大きな声で鳴きながら突...畑171/ピントが合わない!

  • 茶話141 / 杞憂

    地球は丸いというのは常識だが、古代中国では「天円地方」、天は円(まる)く、地は方形であると考えられていた。これを聞いた「杞」という国の男が、それなら、いつか天が落ちてきて、地が崩れてしまうのではと心配して、夜も眠れず、食事も喉を通らなくなった。それを見かねた人が、「天は大気で覆われているから落ちないし、地は頑丈な土の塊だから崩れることはない」と説得した。それを聞いて、杞の国の男は、無用の心配して憂えていただけかと、ようやく安心した。中国の古典『列子(れっし)』の中にある「杞憂(きゆう=杞の憂え)」というお話。明日何が起きるのかは誰にも分からないのだから、それを心配してもどうしようもないしかし、何が起こるか分からないという危険に、無防備でいるのは無謀だ。天地が崩壊することには対処のしようがないが、地震や台風...茶話141/杞憂

  • 茶話140 / 四季

    こぼれ種で畑のあちこちに生えている松葉牡丹。「畑タコ」で書いた雑草のスベリヒユの仲間だから、この暑さの中でも剛健に育つ。写真には写っていないが何十匹ものミツバチが飛んでいる。近くに寄っても刺してこない。クマのプーサンになった気分。みんな、後ろ足にコロッコロにした花粉を抱えている。野生化して、どこかに巣をつくって蜂蜜をいっぱい蓄えているのだろう。そういえば、今日は8月3日……はちみつの日。明日4日は新月。ということは、旧暦の7月1日(朔日)。旧暦では1月、2月、3月が春で、4月、5月、6月が夏。秋は7月、8月、9月で冬が10月、11月、12月となる。今年は、少し遅れて7日が立秋。とはいえ、季節なんぞはゆっくりと移ろうもので、少しずつ秋が感じられますよ……というのが立秋。四季があることは味わいがある。日本だけ...茶話140/四季

  • 茶話139 / よどむ

    晴天が続いて畑に田んぼの水を入れた。野菜はさることながら、雑草も待ってましたとばかりに息を吹き返す。焼けつくような陽射しにもめげることなく、植物はぐんぐんと大きなる。植物が我が物顔にはびこっているのに、逆に、人はぐったりとしなびている。炎暑の昼は、クーラーを利かした暗い部屋でじっと淀む(澱む)しかない。夏の炎天下に虚しく過ごす時間の何んと長いことか。生ぬるい水の底に沈む泥のように澱んでいる。よどむ……。川の流れの滞る場所を意味する「よど(淀・澱)」に、動作を表す「-む」がついて「よどむ(滞る・沈む)」という動詞ができた。洗ひ衣(きぬ)取替川(とりかいがわ)の川淀(かわよど)の淀まむ心思ひかねつも/万葉集(洗いたての着物に着替えるかのように、他の女に乗り替えでもしたのかしら……。だから、私の所へ通うのをため...茶話139/よどむ

  • 畑170 / 夕立

    梅雨明けしてから雨が降らないので、一昨日は、隣の田んぼの水を落花生の畝に引いて水浸しにした(「おひたし」と言う)。今日も今日とて警戒アラートが出る晴天で、雨が降らないままに13日目。もはや夕立は期待できない。落花生は青々と元気いっぱい。さぞかし、他の野菜も水を欲しているだろう。というので、今日はトマトやナスの畝に水を入れた。こんな小咄がある。■え~夕立屋でござい。夕立のご用はおまへんかいな。▲変わった商売が来たがな……、おい、夕立屋!■へい!▲夕立屋て、どんなことすんねん?■へぇ、お金を頂きましら、夕立を降らしまんねん。▲そんなことができんのんか?■へぇ、さっきも隣の町内で「この町内だけにちょっと降らしてんか」というんで、ザ~ッとひと雨降らしてきましたがな!▲へ~、町内だけ?■へぇ、ですから「ここの三軒だ...畑170/夕立

  • 畑169 / たのむで!

    豪雨が続いた後、梅雨明けしてから、十日余り雨が降らない。おまけに「極めて危険」のアラートが続く。去年のカレンダーを見てみると、七月に「危険」が7日で、八月に「極めて危険」が三日あっただけ。それが今年は、「極めて危険」がすでに九日ある。このままいけば、今年の8月はどうなるのだろう?!落花生が盛んに花をつけている。これから実を太らせるために水が必要になる。仕方なく、今年二回目の「お浸し(畑に水を入れる)」。朝の5時から水を入れて、8時に家に帰って、昼前に水を止めに行く。土が水を吸って畝全体が真っ黒になっている。水を得た気持ちの良さに、落花生の葉はしゃんとして笑っているようだ。日本の南西数百キロに小さな島の、山奥深く入った所に一本の樹がある。その樹の花は人間の顔をしていて、人が話しかけると花が笑う。何度も話しか...畑169/たのむで!

  • 畑168 / みどり

    春夏冬ごとに四分の一を休耕にするのだが、今年は里芋の出荷を取りやめたので、四分の一増えて、半分が休耕地。草抜きが追い付かない。それに、くそ暑い。しゃーない!薬をかけるか!というわけで、今年二回目の除草剤の出番。これで一週間分の手間が省ける。あとは、のんびりと夏野菜の畝の間の草抜き。五本植えしたオクラと、トマトの間を這いずる。ちょうどいい日陰で気持ちいい。よく熟れたトマトを見はからって朝食替わり。2、3メートルごとに休憩。べしゃりと地面に座り込む。トマトのコンパニオンプランツにするバジルが余ったので、適当に植えておいたら、摘み芯しないのによく茂っている。じっと見ると、なかなか綺麗な葉っぱだ。花や実ばかりに目がいくが、じっくり見れば葉っぱも見ごたえがある。中でもひときわ美しいのが台湾芋。なんともみごとな黄緑の...畑168/みどり

  • 畑167 / オアシス

    落花生の二回目の土寄せを終えた。憎きカラスに200株の苗を引っこ抜かれるという事件があったせいで、例年より十日ほど遅い。いつもは中旬から野良仕事は軽めの夏休みに入るのだが、今年はあと一週間ほどかかりそうだ。それでも一段落がついて少し気が楽になった。のんびりやればいいのだが、お天道様しだいだから、のんびりが滞ってせかせかしなければならない時もある。それに、極めて危険な暑さの中で、のんびりなんぞしていたら干物になってしまう。土寄せを完了して、例年の夏場の指定席にドカリと座る。農小屋の西側で、日陰で風がよく通る。すぐそばを細い用水路が流れている。せせらぎ(浅い川の流れる音)はしないが、きらきらと光りながら流れる水に涼しさを感じる。生い茂る雑草の中に黄色い花をつけているのはヒレタゴボウ。鰭田牛蒡と漢字で書いた方が...畑167/オアシス

  • 畑166 / 雑草

    明日、畑で何しようという目的と明日の天気で、何時に起きるかが決まる。毎度の猛暑で8時頃までしか動けない。やることがいっぱいあれば4時30分に起きて、5時から畑へ。あまりなければ6時に起きて、のんびりと畑へ。目が覚めて、外で雨音がしていれば、ゆっくりと寝る。この一週間、雨が降れば豪雨という日が三回。土の渇く間がなく、畑の中に入れなかった。ようやく今日になって梅雨前線が北上。さっそく5時に起きて畑へ。と言っても、まだ土が湿っているから畑には入らずに、土が固い通路や畔の草抜き。雑草は抜いても刈っても容赦なく生える。雨降り前に抜いて放ったらかしにしていた雑草なんぞは、もう生き返って根を伸ばしている。なんとまあ……と呆れるとともに、なんとも逞しいものよ……と感心する。♪生きる事がつらいとか苦しいだとか言う前に野に育...畑166/雑草

  • 茶話139 / 涼しい

    「命にかかわる暑さ」などと言われると、外出をせずに部屋でじっとしているしかない。戸を閉め切ってクーラーを利かし、外部と遮断された部屋の中で過ごす。炎天を来てクーラーに冷さるる/石塚友二クーラーのなかった昔は、北と南の縁側の戸を開け放って風通しをして、自然と一体になっていた。大の字に寝て涼しさよ淋しさよ/小林一茶今はクーラーによって受動的に冷やされるだが、昔は積極的に涼しさを求めた。自然にあるものを利用した簾(すだれ)と葦簀(よしず)で日差しを防いだ。水の蒸発で熱が奪われるのを利用して道に打ち水をした。軒先の吊りしのぶや風鈴に、目と耳で涼しさを感じた。そして、それらを風情として愛でた。それどころか、花火や舟遊びのように、涼しさを求めることを夏の行事にして、暑さをみんなで楽しんだ。日本人は、涼しさを皮膚だけで...茶話139/涼しい

  • 畑165 / なんとも物騒な

    あんなけ雨が続いたのに、もう一週間も雨が降らない。梅雨の大型連休。トマトなんぞは、わざと水をやらずに虐めてやった方が甘いのが出来る。しかし、花が咲き始めた落花生は水を欲しているのに、畝の土がカラカラに乾いて、可哀そうに元気がない。そこで久しぶりに「お浸し」。とはいえ、料理して食べるのではない。隣の田んぼから畑に水を入れて、畑を水浸しにするのだ。基本的に蒔種や定植、よほど葉がしなびている時にしか水はやらない。自然農法……などという洒落たものではない。邪魔くさいのだ。畝の間にたっぷりと水を入れて半日ほど放ったらかしに水攻めしてやると、畝に水がしみこんで真っ黒になる。野菜の葉っぱはしゃんとして元気になる。欠点は雑草も元気になることだ。が溜まる間、スイカをつるしあげる。とはいえ、こてんぱんに批難するのではない。網...畑165/なんとも物騒な

  • 茶話138 / 天まで届け

    毎日、「危険」のアラートが出されて、もはや畑仕事は早朝しかできない。5時に起きて、畑へ行く。4月に植えたサツマイモから、ようやく植えることができるほどの苗が出来た。植え時期としては少し遅いができないことはない。昔は梅雨に入る6月に植えたものだ。それが今では、温室で苗を作るので、4月や5月と早くなっただけだ。季節感の無い世の中になったものだ植え終わって、やれやれと8時頃に帰る。朝食を済ませて、涼しければ、もう一度畑へ行くが、すでに30度に達している。毒炎焼くがごとく地は焦げ、命あっての物だねである。家の中でじっとしているしかないが、我が狭い寓居には居場所がない。庭に出て影の下で暇をつぶす。去年に作った「吊りしのぶ(62/しのぶ)」を吊るそうと針金で台を作る。さて、吊る段になって、コンクリートで固められた軒に...茶話138/天まで届け

  • 畑164 / 喜びの共有

    南と西の田んぼの田植が終わった。これで東西南北を稲田に囲まれた「ぽつんと一軒畑」になる。なんとなく寂しいが、これでカラスがいなくなってくれればと期待している。逆に、我が畑に集中攻撃をかけてくるかもしれない。だが、畑全体に防鳥糸やネットを既に張り巡らせている。来るなら来てみろだ!田植がされている間は、農道を車が頻繁に移動するので、邪魔をしてはと畑に行くのを控える。その間は、我が0円花壇の手入れで暇をつぶす。写真の前列左から、去年作ったコケ玉(62/しのぶ)。コケだけでは殺風景なので、庭の片隅に生えていたウンランをトッピングしている。前列真ん中は道端にあったのを引っこ抜いてきたスミレ(畑158/アレする)。根っこだけでも芽を出す植物なので、すぐに定着した。前列右は庭の片隅に生えていたミツバ。マクドのコーラーの...畑164/喜びの共有

  • 畑163 / めぐる季節の中で

    先週あたりから30度超えの日が続いて、畑活は朝夕の夏勤務。6時頃に畑へ。カラスのために余計なことをしなければならない。畑の四方と上に、防鳥糸を張り巡らせた。身長よりも低い所に糸が張ってあるので、頭が糸に引っかかる。畑に入る時は、麦わら帽子を脱いで、頭を下げなければならない。なんとも礼儀正しい畑である。実りだしたキュウリは、慇懃無礼なカラスの被害にはあっていないので、糸の効果はあるのだろう。8時に、近くの工場の始業のサイレンが鳴ると、我が畑活は終了。今年からの帰宅の儀式の始まり……。パーン!カラスを追い払うために、ロケット花火を一発撃ちあげる。パン、パン!百均で買った玩具のピストルを二発ぶっぱなす。高圧電線に留まって、「あのオッサン、早く帰らんのかな」と眺めている奴らが一斉に飛び立つ。ざまあみろ!青田を背景...畑163/めぐる季節の中で

  • 畑162 / カッテにしやがれ!

    カラスに全滅にされた落花生の種の蒔き直し。小さなトンネルを作って防鳥ネットで囲ったうえに、雨除けと保温のためのビニール。これだけ頑丈にすればカラスも手が出せまい。朝早くにビニールをめくって風通しを良くしてやる。家に帰って朝食して、再び畑へ行く。トンネルの辺りから二羽のカラスが飛び立つ。まさかと思って見ると、やられた!ええ?ここから口ばしを突っ込んだの?と疑うほどの隙間しかない。一羽がネットを持ち上げ、もう一羽が首を突っ込んで取り出したとしか考えられない。なんともエゲツナイカラスの学習能力!人間虐待!こうなりゃ最後の手段!家に帰って食パンを一枚取って来る。小さく切って、竹櫛に刺して、ハイどうぞ!君たちには、もうかなわないから仲よくしよう!中生(なかて)の玉ネギを抜いて乾かしておいて家に帰った。昼食終えて、畑...畑162/カッテにしやがれ!

  • 畑161 / 楽しみの種を蒔く

    例年なら、この時期はのんびりとしているのだが、落花生の苗200株全滅(前の記事)から、何かと仕事が増えて二週間休みなし。今日は、午前中に草抜きして、昼から小雨模様なので、やっとのんびり。白菜一玉800円から、ようやく価格が安くなってきた。そんな時期になって、ようやく我が家の白菜が食べごろに。これから、せっせと食べていかないと、この時期の白菜はすぐに花芽が出てくる(とう立ち)。だいたいにおいて、この時期、白菜はあまり食べないから、半分は友人にあげている。一方、こっちは、わざととう立ちさせた玉ネギ。普通なら、失敗作を人に見せたくないので引き抜いてしまう。だから、一度玉ネギの花を見たことがないので放ったらかしにしておいた。ネギ坊主のような花を咲かすのは想像できたが、1メートルほどの高さになるのは意外だ。ついてだ...畑161/楽しみの種を蒔く

  • 畑160 / 遂に8K88作戦!

    落花生の発芽が悪く、根を傷めまいと、発芽前に200株を定植するという、苦肉の策の九二九作戦(畑159)。いつものように畝の左右にカラスの嫌がる防鳥糸を張る。自然相手の農作業は、人間の意思ではどうにもならないことが起こる。しかし、その都度、創意工夫して苦難を乗り越えて来た。それが、農耕民族であった日本人の勤勉、緻密さ、信頼感」、専門性などの世界に誇れる日本人の魅力になってきた。農民根性が大和魂になってきたのだ。次の日、いくつかは青々とした本葉を出しているはずだと、朝、意気揚々と畑へ。玉砕!やられた。全滅!カラスに……!引っこ抜いて豆の部分だけが食われている。防鳥糸が効かない!大和魂がくじけてくる。写真を撮ろうにも落花生の姿は無いし、撮る気力も無い。ナミダすら出無い!五種類を植えているので、残った種を数えて、...畑160/遂に8K88作戦!

  • 畑159 / 九二九作戦発令!

    5月8日に落花生を100個ほどビニールポットに種蒔きして今日で14日目。7~10日で発芽して出そろう予定が、本葉が出たのは一割ほど。一気に定植するのは辛どいので、日にち差をつけて一週間後に植えた100個は沈黙したまま。落花生は発芽に加湿を嫌うので水やりしなくとも発芽したが、二週間で発芽しないと、さすがにカラッカラ。そこで一発勝負の水やりをしたが、どうも芳しくない。胚軸(双葉の下の茎)と一本の本根は出ているはずだが、地温が上がらないために細い根が張ってくれななんで?こんなん初めて!一日の気温を1時間ごと測定気した気温を平均したものが平均気温。単純にいえば、最低気温と最高気温を+して2で÷ればいい。温暖化だ、夏日だと囃されているが、この時期は大陸からの冷気も入ってきて最低気温が低い。そこへきて、雨や曇りが多い...畑159/九二九作戦発令!

  • 畑158 / アレする!

    朝6時に目が覚めて畑へ。落花生はというと10個ほど本葉を出している。まあええかと少しだけ納得して、あとはひたすら草抜き。一昨日に雨が降って、今日あたりが抜きやすい。8時過ぎに家に帰って朝食。もう一度畑へ行こうと玄関に出て、ふと思い出した。そうだアレをしなければ。春先に、家の近くの道路の脇でアレを見つけた。なかなか綺麗な花をつけている。調べてみるとアリアケスミレらしい。5月になったら種を採取して、庭に蒔いてやろうと決めていた。見に行くと、すでに種を飛ばしているのもある。だが、大半の実はまだ下を向いている。実が上を向いているのが成熟している証拠。ばかーっと三つに割れて種を遠くへ飛ばす準備をしているやつだ。そいつを見つけて封筒に入れておく。今日中に割れて、一粒で30個ぐらいの種が採れる。割れるのを待っている間、...畑158/アレする!

  • 畑157 / 勝負や!

    落花生の種を蒔いて、三日ほどで胚軸(双葉から下の茎)が出て、その拍子に種が土をぷっくりと盛り上げた。いい調子、いい調子。胚軸から根が伸びてから、種が二つに割れて本葉が一斉に出る。種を蒔いて発芽がそろうと実に嬉しくなる……。……はずだったが、一週間経っても種が割れない。ここしばらく肌寒くて、平年気温より1℃ほど低い。そのために地温が上がらず、根が成長していないのだ。厄介なことになった。出来るだけ水やりはしたくなかったが、土がカラカラに乾いているので、少し湿らせないといけない。やむを得ず、指で土をちょいちょいと取って豆を露出させ、蒸れないようにして水をかけるしかない。それで一気に発芽してくれればよいが、落花生は、水分が多すぎると発芽を止めてしまうことがある。さあ、どうしよう?雨の日が多く、気温の変化が大きいた...畑157/勝負や!

  • 畑156 / 音

    見ているだけで腹が立ってくるので、エンドウを早々に撤去した。いつもならネットごと刈り取って、新しいネットに張り替える。しかし、カラスが枝をボキボキにして、まったく成長していないので、エンドウをネットから取り外して、ネットは再利用することにした。すっきりとした畑を見て、気持ちもすっきり。それに、今日は、カラスもどこかへ行ったのか、やけに少ない。なんとも気ままなカラスだと思っていると、隣の畑の方から、周波数の合っていないラジオのような音がする。なるほど、うちと同じように枝をボキボキにやられたので、カラス除けの超音波機かなにかを買ったのに違いない。どんなものかと、帰り際に見に行くと、ラジオのようなではなく、ラジオだった。わざと周波数をはずして鳴らしていたのだ。砂嵐の音の間にピーとかヒューとかの音が交じる。住宅地...畑156/音

  • 畑155 / カラスの勝手

    負けた。カラスにエンドウを襲われて、防鳥糸を張ったが全く効果がない。カラスではなくハトだと思って、黒マルチの幟を立てて百姓一揆を起こした。しかし、効果があったのは最初だけで、ニ、三日するとエンドウの上に下りて、枝をボキボキにされた。近くの畑も同様の被害にあっていると言う。仲間と話をしているうちに、やはりカラスの仕業だという結論になった。カラスの脳の重さは鳥類の中でもずば抜けて重く、人間の7歳程度の知能があるという。人間の顔や服装も識別できる。近くの農小屋の屋根にカラスが留まっているのを見て、「あいつら何を考えとんやろか」と人間は思う。しかし、奴らは、じーっとこっちを見て、逆に人間を観察しているのだ。「このオジン、いつ帰るねん!帰ったらエンドウを喰いにいったるのに!」なんとも小癪な奴だ。そうこうしているうち...畑155/カラスの勝手

  • 畑154 / 落花生

    連休中に農水路の共同清掃(井路掘り)があった。昔は、田植えや害虫防除、稲刈りや脱穀など、仲間と共同ですることがたくさんあった。村のほとんどが専業百姓だから、仲間意識、ムラ意識があって運命共同体が形成されていた。今はもう、職業がてんでばらばらになって、井路掘りだけが残っているだけだ。利害が一致していれば運命共同体が形成されるが、利害がばらばらになっているのが現状だから、少しずつ井路掘りの参加者も減っていくだろう。井路掘りが終わると水の準備は完了、田植えが始まる。畑の周りもあっという間に水田に変わった。これでしばらくは水の心配をせずに済む。さあ、落花生の種を蒔くとするか。今年は、里芋の出荷をやめて、落花生が唯一の現金収入。いわば、命の落花生だ。ビニールポットに一粒ずつ蒔く。まずは100株蒔いて、あとの50株は...畑154/落花生

  • 畑153 / 立夏

    山々に立ち込めた薄絹の朝霞が少しずつ晴れ渡る。星の雫かと思うような露が草葉の上で朝陽に光る。ここちよい風が胸を撫でると、露の玉が地に落ちて、鈴々と楽の音を奏でて土に入っていく。なんともすがすがしい皐月の朝。名も知らぬ野の草が風に揺れる。現役時代は、五月の連休中も働いていた。こんな爽やかな季節こそ、畑でのんびりと野良仕事がしたい。それが理由で、定年前に仕事を辞めた。どうせ70歳くらいまでしか生きないのだから、年金なんて早くもらう方がいい。なんとも我がままだが、正解だったと思う。蜜柑の花が満開。ほんのりとジャスミンのような甘美な香りがただよってくる。16aある土地の3aほどで畑をしていたが、リタイアする前の年から畑を倍の6aにした。残りは業者に委託して稲作をしてもらっている。仕事を辞める時に、業者の社長に「米...畑153/立夏

  • 畑152 / ひ弱に

    今年、チャレンジする野菜は、岡山の友人からもらってきた山わさび。清流で栽培される「わさび(本わさび)」は、日本独特の食材だから英語でも「Wasabi」。畑で栽培される「山わさび(西洋わさび)」は、フィンランド原産で英語名は「Horseradish」。粉わさびやチューブのわさびは、ほとんど山わさびからつくられている。山わさびは本わさびより1.5倍も辛い。本わさびのような辛さの中に甘味はないが、舌がしびれるような刺激的な辛さが好みの人にはむいている。寒さには強いので鉢植えにして外に置いていたら、春になって虫食いだらけ。見るとアオムシがいっぱいついている。調べると、キャベツや白菜と同じアブラナ科だった。手で捕殺して、根を大きくするために露地植えにする。もう一つのチャレンジは「おくら」。なんとも日本語らしい名前だ...畑152/ひ弱に

  • 畑151/ 88

    今日は「夏も近づく八十八夜♪」。よくご存じの唱歌『茶つみ』だが、よくご存じでない二番の歌詞。♪日和つづきの今日此の頃を心のどかに摘みつつ歌ふ摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ摘まにゃ日本の茶にならぬ♪末広がりの八が二つ重なる八十八夜に摘んだお茶は、不老長寿の縁起物として好まれる。縁起のいいのはお茶だけではない。「八」「十」「八」の3つの字を組み合わせると「米」という字になるため、百姓にとっても大切な日だった。この頃から田植えが、ぼちぼち始まる。そのために、農水路をきれいにして、川の水を流す準備をする。全国的に農水路を井手というようだが、我が村では井路(いじ)とよび、村中から人が集まり井路を掃除するのを「井路掘り」とよんでいる。今はコンクリートで固められているが、昔は、文字通りに井路を掘っていたのだ。今日は、その...畑151/88

  • 畑150 / 種のネタ

    ブドウがつぼみを着けだした。花が咲くのは中旬頃。それまでに、枝の先っぽのつぼみは摘んで、枝元のつぼみ一つ残す。咲きだした頃に、ジベレリンという植物ホルモン液に漬けると種無しブドウになる。孫に食べさせてやろうと、去年、初めてジベレリンに漬けた。みごと種無しになった。しかし、実も無くなった。花がすべて枯れてしまったのだ。だいたい、野菜や果物には種ができるものだ。それを無理やり薬で種を無くすのは、自然の摂理から外れるし、神への冒涜だ。ブドウたけでなく、種無しピーマンやスイカとかも出だしたが、野菜や果物は種があるから美味しい。種の有るブドウなんて、スーパーでは売っていない貴重品なのだ。だから、今年はジベレリン処理をしない。種のある大人の味を楽しむ。河川敷で掘り上げて来たネヂモジが大きくなった(茶話135/野の花)...畑150/種のネタ

  • 畑149 / 雲外蒼天

    朝方に雨が降った。五月は半分の日が雨だった。日月曜の連休の間に、頑張って夏野菜の畝立てを終えて正解だった。雨上がりのうちに畑へ。昨日植えた赤シソは、水を吸って元気だ。それはそうと、ハトに襲われたエンドウを守るための「百姓一揆」の結末を確かめなければ……。うーん?手薄だった東西の端がやられた。スナップはもはや全滅状態。うーん?思案の末に黒ビニールの幟(のぼり)を増やした。30年ほどエンドウを作っているが、こんなの初めて……。黒いビニールが立ち並ぶ、情けない情景を呆然と眺める……。遠くの山々が白いベールに覆われだしている。こんな時は雨になる。泣きたいのは、こつちやがな……。……思っているうちにポツリポツリと降り出した。ビニールトンネルの中に慌てて入って、椅子に座ってぼんやり……。羅生門の下で、一人で雨やみを待...畑149/雲外蒼天

  • 畑148 / 一揆だ!

    昨日、夏野菜の畝を立て終えて、今日はゆっくり8時に畑へ。相方の梅干し作りのために、畔際に生えた赤シソの植え付け。「こぼれ種」で生えたのだが、わざとこぼれ種にしたので「意図的こぼれ種」。種を買って植えると案外失敗する。こぼれ種は確実に芽が出る。スコップで掘りあげて、植える予定の畝へ。さて、植えようと目の前のエンドウを見ると様子がおかしい。昨日、株の下の方になっていた実を何者かに食べられた。おそらくカラスだろうと思って防鳥糸を張った。カラスは羽が何かに触れるのを極端に嫌がるので、糸が最も効果的だ。なのに?そばに行ってみると、やられた!ぼこぼこに!それも株の上に乗って枝を折って食べている。「おいおい、ちょっとだけなら共存共生してやってもええけど、枝を折ったらアカンやろ!殺生やがな!」なんでやねん?糸は、ちゃんと...畑148/一揆だ!

  • 畑147 / 連休

    連休に入ったが何とも忙しい。朝の6時から老人会の墓掃除。「四月の6時からというのは早すぎるのとちゃうか!」と文句言いながら一時間ほど草抜き。終わると、そのまんま畑へ行って、三畝ほどの畝を立ててマルチを張る。10時前に家に帰る。二月の半ばから、知り合いの頼みで、ある薬草の苗を預かっていた。三月の中旬くらいまで頼むが、四月の上旬になり、それがやっと今日になった。桜が咲きだした頃から急激に成長した。大きくなりすぎて引き取りに来た車に乗せきれない。手土産にワッフルをもらったから、「ええよ、俺の車でも運んだるわ!」家に帰ると昼前。なにげなく家のガレージに置いていたが、実は一株千円近い貴重な薬草。それが大小200株ほど……。すっきりとしたガレージを見て、何となく寂しくなる……。カップラーメンを食べてから、競馬の天皇賞...畑147/連休

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