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  • 茶話154 / 友

    6月に、小学校の同窓生の掛かりつけ医が、もう歳だからと引退した。「すまんけど、他の医者を探してくれるか」と言われていたが、しばらく経っても異常がない。家で血圧を測っても、140前後の歳相応の数値。こりゃ、案外、薬を飲まなくても大丈夫なんだと自己判断。「薬から病を起こす」「薬は身の毒」なんてことわざが有馬温泉。半年近く医者通いせず。薬も飲まずに放ったらかしにしていた。ところがどっこい北の湖。10月頃から歯が痛い。肩をボキボキ、首をネジネジ、調子がへん。耳も詰まった感じがする。なんてーこったい肩こったい。こいつぁー駄目だと勘念して、半年ぶりに新しいクリニックへ。診察を待っているのは年寄りばっかし。まずは「血圧を測りますね」と優しく言われて腕まくり。シューシューと空気が入る。さて、どのくらい?と、思ったら、空気...茶話154/友

  • 畑187 / 台湾山芋

    岡山の友人にもらった台湾山芋の葉がだいぶんに黄色くなったので収穫した。正式には大薯(だいじょ)だが、台湾から沖縄を経て九州に伝わったとされ、「台湾山芋」や「沖縄山芋」とも呼ばれている。亜熱帯原産で、寒さには殊更弱い。本州では種芋が寒さで越冬できないので、作られるのは少ないそうだ。4個もらって、土に埋めて下駄箱の下に置いていたら、4個とも冬を越してくれた。初めて作った作物なので掘るのが待ち遠しかった。傷つけないように遠くから四方にシャベルを入れ、てこの原理で畝から切り離す。大きな土の塊が出てくる。我が畑は粘土質なので、この土を取り除くのが一苦労。サツマ芋の時と同様に発掘作業さながら。ようやく顔を出した台湾山芋。不揃いの芋が大小合わせて10キロはあるだろうか。「山芋」という名の固定の品種は無い。自然薯、長芋、...畑187/台湾山芋

  • 畑186 / はてしなく

    玉ネギも植えた。そら豆も植えた。エンドウも植えた。これで春野菜の準備は完了。もう一つ、ビニールハウスも完成した。幅260㎝×長さ550㎝だから14.3㎡。ほぼ9畳だから4坪半になる。五年前に造った第一号ハウスは2坪だから二倍以上の広さ。一号ハウスは春にブルーシートを張って、物置兼玉ネギ吊場にする計画だ。二号ハウスくらいになると、ちょっとしたものが植えられる。まずは、絹さや、スナップ、エンドウを10株。3月になれば、絹さやから順に春を味わえる。今時の朝7時の気温は5度前後。ハウスの中は10度なので、朝早いうちはハウスの中で出来ることをする。気温が上がってきて、ようやく外の作業をする。天気がよいと、10時頃にはハウスの中は35度になっている。左右のビニールをめくり上げて、野菜の成育適温の25度に調整してやる。...畑186/はてしなく

  • 茶話153 / 老いの小文 五の⑥

    ※⑤のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。旅の四日目は大阪に帰る日だ。私が「弁当を買って、明石の海を見ながら食べよう」と提案した。見事に晴れ渡った空を仰ぎ、さすがは「晴れの国」と称賛する一方で、やはり「はずの国」かと諦観しつつ備前の国を離れた。途中、私は「スーパーに寄ってくれ」と言った。「何、買うねん?」と不思議そうな友人に、「土産や!」と答える。旅行して、土産物屋で土産は買わない。その土地のスーパーで買うことにしている。京都に行けば、スーパーで八つ橋を買う。琵琶湖へ行けば、スーパーで小鮎の甘露煮を買う。その方が、土地の匂いが感じられる。スーパーに寄ってもらってから、「つるや」という弁当屋で弁当を買った。小食な私は、弁当を買う時は、中身や値段ではなく、量で選ぶ。たいていは一番小さいのを買...茶話153/老いの小文五の⑥

  • 茶話152 / 老いの小文 五の⑤

    ※④のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。旅の三日目も備前晴で、午前中は昨日刈り残した草を刈た。11時頃に早々に切り上げて、少し早い昼食のカップうどんをすする。昨日の夜、酒を飲んでいて、「いつもの湯郷の温泉は飽きたから、違う温泉に行こう」。「それなら、奥津温泉に行こう。奥津渓も紅葉しているかもしれない」。「紅葉しているはずだ」という断定ではなく、「紅葉しているかもしれない」の推量表現に何んだか安心した。岡山三大河川の一つである吉井川に沿って津山へ。津山から、また吉井川にそって北に上る。吉井川の源流が奥津渓なのだ。光沢のある真っ黒な瓦の家が続く。日本三大瓦の一つである島根の石州瓦(赤色)の黒色バージョンで、屋根に積もった雪を早く溶かすために黒い釉薬を塗っているのだという。黒光る石州瓦に柿紅...茶話152/老いの小文五の⑤

  • 茶話151 / 老いの小文 五の④

    ※③のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。見事な雲海を見損ねて海の底に帰り、30分もすると霧が晴れて陽の光が差してきた。旅の一番の目的は、友人の畑の草抜きである。さっそく小鎌を手に畑に出る。そして、見事としか言いようのない草原を見る。それもエノコロ(草)、露草、赤まんまの背の高い草が、クローバー、チドメグサの横に広がる草を覆っている。去年に来たときはこんなんではなかったのに、今年は、普通の畑ではまず見ることのない厄介者の巣窟ではないか。そうか……、去年は夏に来て草抜きをしたのだ。しかし、今年は猛暑に堪えかねて来なかったので、厄介者がはびこったのだ。草刈り機を使ったら歯に巻き付いて難儀するに違いない。ならばというので、友人に「のこぎり鎌はないか」と言うと、すぐに持って来てくれた。これで勇気...茶話151/老いの小文五の④

  • 茶話150 / 老いの小文 五の③

    ※②のつづきです。初めての方は茶話148から読んでください。もみじ寺から怖ろしく狭い山道を通る。谷底に落ちれば、行方不明のまま朽ち果てるだろうという道であった。ようやく見知った道に出てほっと息をつく。見知ったスーパーに入って、家飲み用のアテを買う。明るいうちに友人宅に着く。無事にたどり着けたというので、まずはビールで乾杯。そしてそのままオジン二人の質素な酒盛りとなる。朝は何時もの防災無線の音楽で目が覚める。友人が来て、雲海を見に行こうと言う。そういえば、夕んべの酒宴の中で、見事な雲海の写真を見せてくれたのを思い出した。外に出てみると、山々は霧に覆われている。こんな日は、見事な雲海になるのだ、というので、是里(これさと)とい展望台に向かう。深い霧の中を車は走る。この霧を抜けると青空が広がり、人生観を変えるほ...茶話150/老いの小文五の③

  • 茶話149 / 老いの小文 五の➁

    ※①のつづきです。姫路を過ぎてバイパスを下り、出雲街道を北へ向かい龍野に着く。日本で最も愛唱されている童謡「赤とんぼ」の作詩者三木露風の生誕地である。夕焼小焼のあかとんぼ、負はれて見たのは、いつの日か山の畑の桑の実を、小籠につんだは、まぼろしか十五で、姐やは嫁にゆき、お里のたよりもたえはてた夕やけ小やけの赤とんぼ、とまつてゐるよ、竿の先露風が歳の時に両親が離婚をし、露風は祖父の家に引き取られる。そこで出会ったのが、お手伝いとして雇われていた子守娘の「姐や」である。姐やは母親のいない露風を、このうえなくかわいがってくれたという。龍野の市街を抜けると田園が広がっている。車窓から古ぼけた民家を見つけるたびに、夕焼け小焼けのノスタルジアにひたっていた。龍野をぬけて美作の国に入る。友人宅に向かう途中にもみじ寺と呼ば...茶話149/老いの小文五の➁

  • 茶話148 / 老いの小文 五の①

    備前の国に家を買って、週に四日間ほど大阪から通っている友人の誘いで、霜月の六日、友人の車に便乗して大阪を立った。本来は一日に発する予定だったが、早期大雨注意報が出ていたので取り止めて延期した。「晴れの国」をキャッチフレーズにしている備前の国なのだが、とにかく私が行くと雨が降る。時には晴天続きの日に訪問したいという私の願いで、四日間、晴予報がでているこの日の出立となった。予報通りの雲一つない晴天となり、大阪、神戸、姫路の高速をひた走る。途中、昼食代わりに明石のサービスで助六寿司を買った。歌舞伎十八番『助六由縁江戸桜(すけろくゆえんのえどざくら)』に由来する寿司である。江戸の侠客であった花川戸の助六(実は曽我五郎)が、源氏の宝刀を取り戻さんと吉原に足しげく通い、刀を取り戻す騒動を描いた歌舞伎である。劇中、助六...茶話148/老いの小文五の①

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