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  • 畑――美女

    朝7時頃に畑へ。この時期は、まずウリ科の棚へ行く。スイカ・カボチャ・キュウリの黄色い花が咲いている。畑の花には黄色が多い。よく目立つからだろうが、そうでもない。昆虫の眼は人間ほどよくない。人間で言えば近視に近い。色の認識力も格段に少ない。ウリ科の花に集まるのはミツバチが多いが、ミツバチなんぞは黒、白、青、緑、黄色の五色しか認識できない。だから、黄色が多い。雌花がないか、一つ一つの花を観察していく。同時にミツバチが飛んでいるかを確認する。ミツバチが飛んでいれば、雄花の花粉を雌花に運んでくれているから、いいかげんに通り過ぎる。しかし、今日は飛んでいない!こんな時は、人間がミツバチになる。カボチャの雌花が二つ大きな花を咲かせている。去年の記事に「畑でいちばん美しい花」と書いた。株元の雄花をとって、花びらを外して...畑――美女

  • 畑――青春

    梅雨の晴れ間がニ、三日続いた三日目は貴重だ。前に書いた落花生の花の付け根から出る子房柄が土に入りやすいように、株元の土を耕し(中耕)、周りから柔らかい土を株元に寄せる(土寄せ)。草抜きと追肥も兼ねているので重要な作業。砂質の土なら鍬でチョイチョイなのだが、我が家の畑は粘土質なので一株ずつ手作業。晴れ間晴れ間の三日をかけて、第一回目の土寄せが完了。落花生は一株で200ほどの花を咲かすという。その頃に二回目の土寄せをして、我が畑の勤務は夏休みに入る。まだ勤めていた8年ほど前に初めて熱中症になった。「今日は畑の草をとことん抜いてやろう!」と炎天下に草抜きをしていた。汗で体はびしょびしょなのだが「おお、これが青春だ!」などと意気込んで、畔の草を抜く。ブルッと寒気がして「おお、青春時代には、こんなの感じたことがあっ...畑――青春

  • 畑――性

    中学生のころ、新聞のテレビ欄を見ていて「男と女の性」というのを見つけた。親に内緒でこっそりとテレビを視た。しかし、男とは、女とはこういうときにこんな行動をとるものなのだという話ばかりで、お目当ての「性」の話はまったくない。最後にアナウンサーが「今日は男と女の性(さが)についてのお話でした」。その言葉で逆に赤面した。タイトルに「性」とつけたが、そんな子どもだましの話ではない。れっきとした、雄と雌が子孫を残すためのめでたい性の話である。多くの植物は一つの花に雄しべと雌しべがあって実をつける(両性花)。しかし、スイカやカボチャなどのウリ類は一つの株に雄花と雌花を咲かす(雌雄同株)。雄花の花粉を昆虫の媒介によって雌花が受粉して実をつける。ところがである。植物は、あまりにも低いところに雌花がついて実を成らすと獣に食...畑――性

  • 畑――蔓

    じゃまくさいことはしないというのが、我が農法!エンドウを収穫したあとの支柱をそのまま利用して、ネットを張り替えて蔓(つる)野菜の栽培。スイカ・メロン・カボチャ・キュウリ。通常の植え付け時期より二週間ほど遅れるが、蔓性の植物は成長が早い!蔓性の植物は、ナスやトマトのように自立しないからである。丈夫な幹や茎を作るための力を使わなくてもいいから、そのエネルギーの多くを、蔓を伸ばし、葉をひろげることに使っているのである。横着極まりないが理にかなっている。我が農法にぴったりな野菜である。などと独り悦にいって畑から帰る途中、堤防から見た河原の景色。こうなると蔓性植物の生育旺盛なのも困りものである。漢字「蔓(マン)」は〈つる〉以外に〈はびこる〉とも読む。畑――蔓

  • 畑――タコ

    外国から日本にもたらされた植物を帰化植物というが、その中でも有史以前にもたらされたものを「史前帰化植物」と呼ぶ。稲作の伝来とともに入ってきたものが多いので、田んぼや畑の雑草に多い。代表的なのがナズナ、ヤエムグラ(下の写真)、スベリヒユ。ナズナは、いわゆるペンペン草。春の七草に入っていて食べることができる。地中深くまで根を伸ばすので畑ではやっかいものだが、よく目立つので減りつつある。。ヤエムグラは、いわゆるヒッツキ虫。種が衣服や動物にに引っ付いて運ばれるため、昔はあちこちに生えていた。近頃は子どもが外で遊ぶことが少なくなったし、ペットも室内で飼われるために、めっきり見なくなった。残るスベリヒユこそ、田畑の中の最強の雑草なのである。赤みをおびた葉と茎、四方八方に枝分かれして広がる姿から、我が地方では「タコ」と...畑――タコ

  • 畑――落花生

    落花生は、豌豆と同様に自家受粉なので万に一つもハズレがない。しかも、花の根元の子房というところで受粉して、そこから子房柄というのが伸びて、地面にもぐって堅い殻に包まれた実をつける。マメ科でありながら土の中で結実するという不思議な植物である。鳥獣に食べられないように進化したのだろう。植物の発芽は、地面から胚軸という茎を出して、その先に双葉をつける。落花生は地面の中に胚軸を伸ばす。すると種が押し上げられて地面に頭を出す。胚軸から本根が出て、栄養補給jの準備がが整うと、種が二つに割れて双葉になる。この双葉にはすでに本葉が芽吹いている。落花生は、この作業を5~7日ほどの間にやってのける。お空にまっ赤な陽がのぼる/今日もあついぞ真夏日だあついの大好き落花生/あわてて地面に顔を出すお日様お空で笑ってる今日も真っ赤な陽...畑――落花生

  • 畑――大葉

    家から畑まで500m。たいがいはバイクで行くのだが、たまに歩いて行く時がある。夏の夕べ、ビニール袋に缶ビールとさんまの缶詰を入れて畑へ。。収穫用コンテナをテーブルにして、いつものキャンプ用の椅子に座る。缶ビールをシュカーンと開けてまずは一口。喉越しを味わいながら、2mほど前の青じその葉(大葉)を二、三枚採って、さんまの缶詰の中にちぎって入れる。「さんまの大葉巻き」の完成。夕陽をあびて茜色に輝く二上山を眺めながらゴクリ!最近はもう一工夫。小さなタッパーに自家製のニンニク醤油を入れ、ごま油と白ごまをトッピングしたのを持って行く。大葉を四、五枚入れてシャカシャカさせてニ、三分。「やみつき大葉のごま醤油漬け」の完成。これが実にうまい!シーフードや塩焼き鳥に巻いて食べると絶品である!中国の後漢末期の名医「華佗(かだ...畑――大葉

  • ちょっといっぷく57 / 五月雨

    旧暦で、今日が五月一日(皐月のついたち)。久々の晴天!五月雨の降りのこしてや光堂/松尾芭蕉『奥の細道』旧暦の四月末に江戸を旅立った芭蕉が、五月十三日に平泉の金色堂(光堂)に拝観して詠んだ俳句である。五月雨(さみだれ)はちょうど今自分に降る雨だから梅雨ということになる。【解釈】激しい五月雨に耐えて金色堂がなんと美しく輝いていることよ。昔と変わらず美しく輝く金色堂を観て、芭蕉は藤原氏三代や源義経主従の「榮耀一睡」の夢に思いを馳せる。その時に詠んだ俳句が、夏草や兵どもが夢の跡五月雨や上野の山も見あきたり/正岡子規明治三十四年、死の前年の作。身動きもままならない病床にあった子規は、降り続く五月雨と上野の山を毎日のように見ていた。じめじめとした梅雨は体調にも差し障ったのだろう。それだけに、五月雨の合間のからりと晴れ...ちょっといっぷく57/五月雨

  • ちょっといっぷく56 / 雨

    昨日の6/11日が暦(雑節)の上での「入梅」だが、今年は十日前から梅雨入り。おまけに梅雨前線の近くを台風が続けて通過していき今日も雨。うっとうしい日が続いている。雨には涙・別れ・災いというマイナスのイメージがつきまとう。ならば、せめてこの場だけでも心晴れ晴れとプラス思考でいきたいものだ!まるくまるく形のよいものになろうとするやさしい心のあじさいの花きのうよりもきょうと新しい色になろうとする雨の日のあじさいの花(『あじさい』坂村真民の詩)なるほど、雨を紫陽花という明るい花に転化すればいい!I'msingingintherainJustsingingintherainWhatagloriousfeelin'I'mhappyagain僕は歌う雨の中でただ歌う雨の中でなんて素敵な気分幸せがこみあげる(『雨に唄えば...ちょっといっぷく56/雨

  • 畑――節約栽培

    農地の面積は昔からの尺貫法を使って「1町(ちょう)=10反(たん)=100畝(せ)」で呼ぶ。1町=約9917.36平方メートル=3,000坪=100アール(1ヘクタール)。甲子園球場の一回り小さい広さになる。今、資本をつぎ込んで大規模農業をするとき、1町なければ採算がとれないという。1反はその1/10。1反=約991.7平方メートル=300坪=約10アール。テニスコート5面ほどの広さになる。昔は、米一石を収穫できる面積を一反としていた。一石(=1000合)は、大人一人が一年間に食べる米の量になる。米作りならまだしも、1反の畑で野菜を作るとなると並大抵のことではない。我が家の畑は農小屋や通路を除いて5畝。1畝=約99.1平方メートル=30坪=約1アールだから、5畝でテニスコート2.5面ほどの広さである。この...畑――節約栽培

  • 畑――芋

    田水はつて一つ葉ゆるゝ芋を見る/飯田蛇笏季語は「田水張る(夏)」で、田植えの準備のために田へ水を入れること。その田んぼの手前で揺れている一枚の芋の葉とは、季節がら「里芋」の葉である。四月に書いた「里芋の親芋逆さ植え(畑/)」の芽がようやく出そろった。直径10㎝ほどの親芋を植えているので、放っておくと多いもので7、8個の芽が出てくる。そのまま放任しておくと小さな芋がいっぱいできるだけだという。ならば、芽の数を何本にするべきか?どうする?ネットで検索すると「一本」というのがあった。倍の収穫を目指しているいるのだから「一本」では意味がなかろう!親芋植えを教えてくれた百姓仲間に聞くと、「四本がそこそこの芋ができて良いみたいやで!」という。なるほど、東西南北に四本は利にかなっている。しかし、我が家の相方が「主婦は大...畑――芋

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