このシリーズでは、中世に出現した「庶民のための仏教」、いわゆる鎌倉新仏教を取り上げてみようと思う。内容が過去の記事と重複する部分もあるかもしれないが、ブログ主が頭の中を整理するために書いている意味もあるので、復習だと思ってお付き合いいただければ・・・ さて鎌倉新仏教は、既存の仏教に対するアンチテーゼとして生まれた宗派である。平安末期よりまず武士が、遅れて庶民らが台頭してくるわけだが、既存の寺社勢力は広大な荘園を抱え、皇族や有力貴族らの子弟が座主に就任する貴族仏教であったため、必然的にその教えも体制を補強するものとして利用されていた。新興勢力であった、彼ら武士や庶民らを対象とするものではなかった…