ひとりで見上げるそっと舌を出し舐め上げる千夜一夜の話は作り話におとぎ話朝に見たお月様はひとりだったアラビアンナイトは話す人に聞く人せめて泣く人嫌々する人が...
受け止めてと叫ぶ。幾百の朝を迎えても誰も彼も雨一粒すら押さえ込むちからはとうの昔に置きつつあちらの空へと手を翳す。知っているのと心の中でしずかに思う。でも...
言いそびれたその唇から嘘がこぼれ落ちていくやわらかなひとふりの笑みからはズンズンと勇ましい別れ言葉が次から次へと飛び出してあわてて拾いに走り回る私はあぁ、...
言い訳を糊塗して花のさやさやとした絡まりについて行く。それでも流れは先へ後ろへと混沌とする。いったいどこへ羅針盤をかくしてしまったのだろうか。見えない目的...
寂しい雨降りには縺れるように後を追いかけてうすい渡るしずくに捧げましょう。ひとすじの落ちていく先にはかまえて茎のような腕を広げて待ちましょう。そんな出会い...
雨の日に忍んで会いに来るあなたに扉を開けて待つ素振りを見せながらはたはたと花のかそけき音に紛れて傘を差し出す腕のはかなさに忘れて夜半からの目覚めに逃げ込む...
行きつ戻りつ笑うあなたの影を踏みながらもう帰ることはできないと知る何度も探し回りうずくまるあなたを見逃し差し出す手は届かないと記憶するゆらゆらと湧き上がる...
そのひとしずくが怒りを果てなく押さえ込む出かけるすべをひとつふたつなくし路頭に迷い込み彷徨い求める居場所すら見失い泣き叫ぶもやってくる日常のいやらしさは知...
何もしないをする。一生懸命に、精一杯に。ただ。何もしないをする。昼寝の時間がいいな。ナッツを頬張るのも嬉しいな。直木賞を読むのも楽しいな。でも。何もしない...
眠りの途中で見た夢に追い越され私はあなたを見つけることができない離そうとして伸ばした腕には不実が紛れ込みあなたは私を許すことができない私には私の涙がありあ...
曖昧な約束は気がつけばどこかへと渡し詮ない言い訳は思い返せばどこぞの私へと開けてはいけない玉手箱を抱えて登り来る男はひらひらと遊び疲れたようで見てはいけな...
そろりそろりととびらを開けると居るはずのあなたのすがたはなくみどりみどりとしたふくよかなつぼみの守り神がひらりひらり追いかけていたのは7月の雨を見損ないぱ...
いったい幾つの夏をくぐり抜けてきたのだろう繰り返しの朝はかき消しもせず時は忘れさせもせず季節は終わり あなたは変わったひとひらに託すどうぞと差し出すかいな...
いつしか輝いていた思い出すらもどこかへと置き去りにして今が精一杯のひとあかり。手のひらにこぼれ落ちる笑顔をだれかれとなく見せつけて行きたがる。それほどまで...
目覚めると窓の外は辺り一面靄でかすんでいて見渡すのが難しい灰色の世界だった。朝のコーヒーを飲みながら昨日届いたメールを読みかえす。「 いつか会える日が訪れ...
誰かが来て椅子に腰掛けてどうぞと わたしにも手を差し伸べるお嬢さん。アイスクリームはいかが。なんて。ワンシーンのようなストーリーの続きのような。絵本のプリ...
誰にも言えず誰からも問われず微かな心の震えとともに待つ来るはずもなく来たがりもせず立ち止まることも許さずに待つその行為に救われてそれだけの想いに清められて...
重ねて綴じ合わせて黙りましょうか紅差し指が影をなぞります幾度も光の裏に傷口を守るように隠れたというのに暦は嘘のように変わります花の香りは水へと放り投げ雨へ...
しめたとびらを開けて待っていたのはさんざめく空の雨を避けて傘差す手にしがみつき色めく指に絡みつき待っていたのよとこぼれる吐息に促され急かされああでもないこ...
明日見る背景にはカラカラと笑うあなたの姿が刻み込まれているたとえ明日という日がわたしのもとに落ちてこなくてもこうして隣の肩にもたれた一瞬を分かち合えたのな...
吐いた息が苦しいのに吸い込むほうがせつないのは暗く止まってしまった現在が過去へとかえりたがるため過去はこれ見よがしに死に急ぎ現在であったときを忘れている未...
待っててね。青い空の遠くから逢いに行くよ。赤い実を両手に抱えて逢いに行くから。ヤマモモの赤い実にはるかかなたからのくちづけを山盛り一杯詰め込んで逢いに行く...
雨に煙る。目にぼんやりと映る。ほのかに浮かぶのはあぁ、あれは迎えの姿。吐く息すら掴めない悲しみはおいていきましょう。素振りを捨てて愛おしさは永遠に囲い込み...
見つけたのはひとひらの言葉見つけたいのはあるかないかのおとぎの目覚めあなたがやってくる音に耐えてあなたのはかなげな香りが絶えてあふれ出る悲しさの声に纏わり...
私から申しますのは草の下の花の上のほら、見つけられないやつを探し出して欲しくて。とりあえず、愛想の良きしっかり者のお供をつけますのでごゆるりと風の集まる場...
さぁ、行こうか。飛んでいく先にはあなたとわたしだけの神話。朝が来る。そして、あふれる光の天空。伸ばせば無限に際限なく触れる幸せの形が。いつか、きっと。(メ...
たおやかな優しさをひとつかかえこみはしりだすのは届けるため あなたにひりひりと焼ける心もひとつ放り投げ遠くへ遠くへと祈るさまはこれからの暗示のように ひと...
足音を忍ばせて焦がれる想いを偲ばせて肩をいだき 両の手を巻き取り言葉さえ差し出したというのにあなたは何を欲していらっしゃるのでしょうか偽りを見せつけるひろ...
水の羽音の中で丸まる幾層にも夢の365日が重なり合う悲しさをそぎ落とし つらさを分かち合い守られていたのだとうつうつと蕩々と語る男だからと手を伸ばすのは ...
隠し持った剣を差し出すべくもなく淡くはるかな花びらが優しさを纏う緑の剣を後ろ手に 探すあなたには微笑みと同時にはなやかに密やかにまわり込み背中に突き刺す手...
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ひとりで見上げるそっと舌を出し舐め上げる千夜一夜の話は作り話におとぎ話朝に見たお月様はひとりだったアラビアンナイトは話す人に聞く人せめて泣く人嫌々する人が...
吐き出そう知らぬが仏開けば ドボドボと失っていく勢いよくよそ見をしていても流れ続けていくからわがままを誤って見失っても南の風は許さないからあっという間に花...
そんなときにはホウキを探す空を飛べるのなら猫と一緒にドゥブロヴニクの海岸線を飛んでみるのもいいそんなときには帽子をかぶってトンガリ靴を履いて精一杯の皮肉の...
燃える花弁の逢瀬をくぐり抜けてわたしを預けにまいりましょうひとつふたつと言葉を書き分けて細くしべに紛れ込みましょうたなごころの文字ひとひら咥えたまま天空へ...
白い柔らかな橋を渡りましょう。あなたの手の平に指を重ねて一緒に渡りましょう。落ちないように落とさないように見つめあいながら昔からそうしていたように白い長い...
刺さるような裏切りチクッと刺さる あなたのこれ見よがしチクチクと刺さる 不義理の応酬抜けるような桃色のため息スゥッと抜けるなら 噛み砕こうススッと抜けるな...
雨降りの日には船をこぎ出し旅立ちましょう幾千夜の星をわたり雲の流れを乗り越えあなたとわたし夢の橋をくぐり抜け昨日の瞳をじっと見つめあい明日には一つの雨粒を...
心地よい戯れをあなたに一つわたしに二つ拭えない涙をあなたに幾千万わたしに一粒ふたりの世界は行き止まり逃げる細道は迷い道あちらこちらへと彷徨い漂い疲れ果て眠...
開ける前微笑みと期待値が同居する不安が隠れていることは見ない振り空ける前あなたにゆずるわたしがワープする居所も時も譲った真似事明ける前あなたの心を開けて紛...
ひらひらパラパラ人生が落ちてくるあなたに一つ差し出してあなたにも差し上げて私は残りもので十分ポトポトそろりそろり笑顔が飛んでくるあちらに放り上げそちらにも...
ポチポチと言葉を撃つ夜明け前の指切りなんて 針千本飲~ますたわむれに始まるなれそめかりそめ一夜限りの修羅の群れ大人ぶった小さなまるごとの並びは精一杯の約束...
雨降りあとに忍んで来るあなたは扉を閉めると月を探す。月なんて。どこにも浮かんではいない。朝には帰るあなたは太陽しか見ることがない。優しい明るさの中で約束を...
ひかりをそぉっとくちびるで転がす。あっちを向いたあなたに移すために。嫌々するあなたにため息越しに渡す。ひかりはきっとあなたと私の渡し船。夜まで行き着くと誰...
そろりそろり手を伸ばしあちらへとこちらへと逃げ惑う明るさに付いていくのは陰に見つかるから止めようかと助かる手はずの雨粒一つ裏切りの揺らめくひかりとなり...
負けてしまう泣いてしまう爪を噛んで下を見てとぐろを巻く不安をなかったことにする知らんふりをする触らないことにするイライラチクチクしんしんと心の下がりかたで...
いくつかのいつかははた迷惑な月日でありあなたとあなたとわたしと私はどうも出会えない二人きりの秘めたる蜜月をどんでん返しに自信たっぷりにぶち壊す...
泣き明かした朝に日が昇るひとり選ぶのは難しくふたりかかえるのは骨が折れるきっとさんにんめが良かったのだ慈しむのは難しくなだめるのは簡単で恋い焦がれるのはた...
幾つかのまなざしをかき集めてあちら側へと駆ける背中を見せて嫌を表示するのに疲れ果てて座りこむ飛べるんだとわかったときにこちら側は捨てるだから。止めるなら噛...
喚いていた。わかっていた。忘れていた。笑っていた。わくわくと遊んでみる。わしわしとかき抱く。わらわらと戸惑う。わんわんと泣く。煩わしかったのは詫び状のひと...
チクチクと食むながれる感情は抑えどころもなくチクチクと食む背中の痛みはあなたが喰らうからなめらかに激しく喰らうからいつかの約束は反故にされチクチクとしくし...
チクチクと食むながれる感情は抑えどころもなくチクチクと食む背中の痛みはあなたが喰らうからなめらかに激しく喰らうからいつかの約束は反故にされチクチクとしくし...
眠りの谷間に浮かぶ手のひら表に返し裏を眺めつつ光と戯れひとときの眠りに果てしなく泣くそうだ花びらの先を間違えたのだ捕まえたのではなく離したのだ泡のようなき...
それは寄りそうに。カタカタとさんざめく空の悲しみのように。開くのは物覚えの悪い男には難しく幼子の泣き声に紛れてほとほとと眠り込むあなたにはたやすいのだけど...
溺れるままに任せてみる壊れたまなざしでみつめたまま手を差し出すこともせずひらひらと泡になった過去が詰め寄るグズグズと斜線のような未来は落ちていくとがめもせ...
騒ごうか。紅色の空洞の中を。鼓動をひとつかかげて。名残を積み上げて。花びら三つ四つ。潜り込めたのに入口はどこなのか。騒ごうか。真っさらな一歩は紅色の空洞の...
その時を待っていたのだろうか。いやいや。具にもつかぬ戯れを厭うぐらいの覇気は左手に。重ね合わせる言の葉を拒むような気骨は右手に。このまま男の胸に倒れ込んで...