「微風(そよかぜ)にせせらぎさざなみ蠱惑めく皐月にありて囁き来たる(新作)」語感とリズムの一首。『HaveYouNeverBeenMellow』(そよ風の誘惑)を聴いて詠んだ。不尽5283首目・・・微風に
ひとを、ひととき、ひとへに想ふ短歌がメインのブログです。作歌歴約二十年、かつては相聞(恋歌)、現在は専ら雜詠です。
「微風(そよかぜ)にせせらぎさざなみ蠱惑めく皐月にありて囁き来たる(新作)」語感とリズムの一首。『HaveYouNeverBeenMellow』(そよ風の誘惑)を聴いて詠んだ。不尽5283首目・・・微風に
「触れざるを悔やみて乗れば通り雨ロマンスカーの窓を打ちたり(新作)」「地中化の恵みはあらむ然れど汝が彼の日指差しし街は掻き消ゆ(新作)」町田からはこね16号に乗車。車種はEXE30000形。不尽5281、5282首目・・・小田急はこね号
「此の枝が今年も伸ばす若枝を刈らねばならぬ墓掃除かも(新作)」俳人ではないので「切字」のことをあまり解っていない。(気を配らないのほうが当たってるか、、。)不尽5280首目・・・此の枝が
「インパクトプレーヤー縦に切り裂きて励起したるやFW一丸(新作)」ラグビーで途中出場で存在感を示す選手を「インパクトプレーヤー」と言う。今シーズンのプレーオフ進出チームが出揃った。CS以外のBSや地上波テレビ中継も数試合あるので見ようと思う。不尽5279首目・・・インパクト
泉鏡花は、1873年(明治6年)生〜1939年(昭和14年)、65歳没。畏れを為して近づかないでいたが、意を決して全集(『鏡花全集』全15巻(エムティ出版、1994)に取り付く。だが、途中で音を上げた。文章自体の難解さより、文体が馴染めない。(倒置法で文末に名詞を持ってくることが多い。)、加えて妙に方言めいた会話が多いところ。この二つで話がすっと身体に入ってこない。もとより息の長い作家人生を送った鏡花だが、そんな訳で明治まででギブアップだ。明治時代の作物に限定し、それなりの評価がある「中編以上」の作物31作を読む。(名作の『婦系図』については、4342首目・・・明治のベストセラー小説を読む③でアップ済。)年代順に心に留まった作物の感想を書いておく。「義血侠血」1984M27芝居がかってて胸躍る名作「夜行巡...5278首目・・・泉鏡花を読む
「若き日に竹刀置き気を整へし君が最終講義を終ふとよ」朋への献歌。不尽5277首目・・・若き日に
「求愛の合図(サイン)生き物各々に捻(ひね)くれものとして一夜を過ごせり(新作)」上の句と下の句との距離(離れ具合)は悪くないなと自賛。(但し、生の事実は下衆である。)「求むれど捻れたままの春の夜」、、季語を知らない無理くり俳句化。(あまり知る気もないが、、。)不尽5276首目・・・求愛の
「白がかる黒と呼びたきならば呼べ黒がかりたる白との差をや(新作)」二分法に何ら異義はないのだが、何事もそうそうぶった切られては、いささか面食らう。(「140字思考」とあながち無関係ではあるまい。)不尽5275首目・・・ 白がかる
「秒針の音より早き鼓動にて時折重なり日付を越えり(新作)」点と線からなる生。不尽5274首目・・・秒針の
「愛されぬ理由(わけ)を嘆きつる口吻(こうふん)に凡(およ)そそぐはぬ唇持つが(新作)」片戀、、。不尽5273首目・・・愛されぬ
「大縄跳び巡る大波越ゆるほど歓喜じわじわ幕切れぷつり(新作)」昔も今も、、ではなかろうか。不尽5272首目・・・大縄跳び
「愛ゆゑに飲み込まるるに情け無く蠕動(ぜんどう)運動追いやられたり(新作)」蠕動運動は意思とは関係なく行われる。敗者の歌。不尽5271首目・・・愛ゆゑに
「立喰ひで一球速報曇りたるレンズ晴れれば逆転ホーマー(新作)」きつねうどんの湯気、、。嗤い話にならないうちにこのロゴを貼っておく。(汗)不尽5270首目・・・立喰ひで
「異国人街中大股散歩(ストロール)船旅客船(クルーズシップ)寄港日好天(新作)」見慣れない西洋系の外国人が街中に溢れるのでそれと知れる。「客船が留まる春空異国人」無理くり俳句にするとこんな感じか?(汗)不尽5269首目・・・異国人
「ennui(気怠し)と訳を充てたる人は誰(た)ぞシーツを乱したるふくらはぎ(新作)」ennui=アンニュイ解説?略。不尽5268首目・・・ennui
「掌を大きく拡げ手を振りたる入学式の小さき人よ(新作)」偶には詠むまともな?歌。三句を「振りたる手」とするのが正統的?だろうが、上下で断然する感覚があり、読み下した。不尽5267首目・・・掌を
弔ひの仕来たりさまざま粛々と郷に従ひ悲しみ分かつ俗信と言はるるものの逆縁(ぎゃくえん)で遺(のこ)さるる婆(ばば)の背中は丸し納骨室(カロート)に骨撒き終へばいつの日か土に還らん妹(いも)を追ひつつ居住地とかなり離れた県で執り行われた葬儀に赴いた。故人とは(心情的には他人とは言い難いが)法律上は「親等なし」という関係だ。葬儀は(宗派というより)風習の異同を感じさせてくれる。子供が親に先立ついわゆる逆縁の場合、親は斎場には同行しない(長くなるので理由は割愛する)。45年前に、私の母が亡くなった際の、祖母もそうだった。しかしこの習わしも次第に薄れていると葬儀社の方から聞いた。また、(生まれ育ちが関西なので)遺骨を骨壺にいれたまま納骨することに違和感があるが、この地は関西同様、妻に先立たれている故人の骨を、室内...5264-5266首目・・・葬送3首
「自らが招きしピンチに抑ふるは八番打者ぞ吼ゆるべからず(新作)」5チームと一巡したが、まぁ、慌てず騒がず、、の心境でございます。不尽5263首目・・・自らが
「覆道(ふくどう)を行けば切れ切れコマ送り残雪の嵩春の峠よ(新作)」偶にはこんな歌も詠む、と。「ふくどう」の説明は略。不尽5261首目・・・覆道(ふくどう)を
「死に様のみ伝へ聞きしつフェイスブック面影遺す口元ありて(新作)」久々訪れた。ともかく合掌。R.I.P.。不尽5260首目・・・死に様のみ
「二人だけ歌うマサムネもう少し上手な嘘でいいのにと現在(いま)。(新作)」FMで1995年の流行り歌が流れていた。スピッツの『ロビンソン』。(マサムネは、草野マサムネだ。)口語。終句の「現在(いま)」が全て。句点を付けて、軽い嘆息を表しているつもり。5259首目・・・ふたりだけ
「楕円形(オーバル)の文字盤長き径下(お)るる針はもどかし細き手首は(新作)」終句を推敲前は、「細き手首よ」としていたが手首と針のつながりを少し意識させたかった。まぁ、何れにしても、句跨りの傷歌だが、、。不尽5258首目・・・楕円形(オーバル)の
「一度には生地が剥がれぬデニッシュの甘き打算に眼をそらしつつ(新作)」センシュアルな歌。下の句が甘っちょろくて決まってない。不尽5257首目・・・一度には
「床につき母を想へば母は子を思ひつ眠れぬ夜も在りけむ(新作)」母の夢を見ることはもう数年に一度くらいだ。去る者日々に疎しではなく、成仏している証だなぁ、と思うようにしている。「けむ」は過去推量。(推量の助動詞はほんとに難しい。)不尽5256首目・・・床につき
「白黒の銀幕の中棲み居たる汝(なれ)の瞳は何色ならむ(新作)」例えば『陽の当たる場所』でリズ(エリザベス・テイラー)を見たときの感想のような歌。不尽不尽5255首目・・・白黒の
「DVDケースに容れらるる名画貶めらるるばかりの軽さ(新作)」自分に取っての名画となると「思い出」という付加価値が付いているのである。なのに、何たる軽さよ、との嘆き歌。二束三文の◯◯◯◯のCDと比べて尚更の感。(まぁ、これは単に、ケースの材質の違いの所為なのだが、、(汗))不尽5254首目・・・彼の名画
「限りなく敷き詰めたきも隙生(うま)るる点描画をば恋へども冥し(新作)」西洋画の本をパラパラ見ていて詠む。新印象派(西洋画)の作品自体は明るい色調なのだが、、。不尽5253首目・・・ 限りなく
「五芒星(ごぼうせい)描けど傾(かたぶ)き鈍(なまくら)なる心に躙り寄る魔ぞ甘き(新作)」一筆で書けるが、そのせいか、歪になってしまう五芒星の形。不尽5252首目・・・五芒星
5251首目・・・映画『名もなき者、A COMPLETE UNKNOWN』を見る
ボブ・ディランが米フォーク界の寵児となってから、『エレクトリック』・ディランに舵を切るまでを描いた伝記的な作品。1960年から65年に当たる。洋楽を聞き始めたのが1972年頃なので、知ったかぶりをするつもりはない。とはいえ、後追いで、ディランの「70年代まで」の有名どころの曲は、ひととおりは知っている。ただ、あのクセのある声や歌唱に、難解な詩が相まって正直苦手だった。既にレジェンド扱いだったので、敬して遠ざける、みたいな存在だった。同時代的なシンパシィで聞いてきたコアなファン(現時点では70歳以上だろう)はともかく、日本国内で(大衆的な)認知度が高まったのは、初来日した78年以後ではなかったろうか。(『武道館』とタイトルされたライブ盤も出ている。)ともあれ、この映画、ボブ・ディラン(ティモシー・シャラメ)...5251首目・・・映画『名もなき者、ACOMPLETEUNKNOWN』を見る
「右肩の可動領域狭まりて汝を支へざる言ひ訳となす(新作)」「Frozenshoulder」とは言い得て妙だ。微妙にセンシュアルな歌のつもり、、。不尽5250首目・・・右肩の
5249首目・・・MLB開幕戦シカゴ・カブスVSロサンゼルス・ドジャース
「再びのハマのマウンド願ひつつ凱旋Shōtaに弥栄(いやさか)あれかし(新作)」試合結果など問題ではない。メジャーリーガー今永の勇姿が全て。数年後(?)を待ち焦がれるばかり。不尽5249首目・・・MLB開幕戦シカゴ・カブスVSロサンゼルス・ドジャース
「冬枯れの親水護岸河口までひとりとひとりでいいのだろうか(新作)」口語。文語なら結句は「よしとすべきや」か。だが、より莫とした気分や景色を出したかった。でも、濁音が多くて音的には調べがイマイチかな。不尽5248首目・・・冬枯れの
「嗚呼待てぬ然て然て待てぬ然さればこそ湯搔かんとして茹でにけるかも(新作)」料理、、。湯が沸騰するまで待てない性格?だ。結局、青物を茹でる羽目になることがしばしば。(汗)不尽5247首目・・・嗚呼待てぬ
「べきは当為べからずは禁止常並に右往左往をするやわが愛(新作)」一、二句ともに字余りの「傷」歌。恋という文字を使うのはもはや躊躇う年齢なのだろう。不尽5246首目・・・べきは当為
「嵩(かさ)がやや高きを朧に聞き分くる金曜四時の朝刊の音(新作)」ありがたいことに長年早朝四時に配達がある。金曜日は最も折り込み広告が多い日だ。不尽5245首目・・・嵩がやや
「君の名を書きて席待ちなす時の甘やかすぎる後ろめたさは(新作)」結句は間投助詞の「よ」でも意味に大差ないけど、、ね。不尽5244首目・・・君の名を
「識らざりて為し得ざらむことばかりにて気づけば鉄本繰りて休らふ(新作)」本屋に行くことが好きなのだが、根がペシミストなんで、凹んでしまうことが、ままある。そして、結局、鉄道本の棚にたたずむこととなる。さても、『鉄道ジャーナル』の休刊には驚いた。メカ音痴の文系人間や旅情派の鉄にとっては、『鉄ファン』や『鉄ピク』より、フィットする雑誌だったと思うのだが、、。不尽5243首目・・・知らざりて
「さあ吐けと迫れど海が恋しきか只管(ひたすら)口を割らざる浅蜊(あさり)(新作)」3%食塩水を作るのって、、面倒。不尽5242首目・・・さあ吐けと
「地下アイドルオフステージで友人と談笑したり模試の結果(リザルト)(新作)」偶々出くわしただけで、もとよりチェイスする嗜好はない。(汗)不尽5241首目・・・地下アイドル
「愛しくも激しき流れ生(あ)れぬよう心の傾(かたぶ)き均(なら)してをれど(新作)」河口の街に住んでいるので気づきにくいが、川が流れているのは高低差があるからだ。未練がましい5句、、。不尽5240首目・・・愛しくも
「歌集をば立ちて読みたる女生徒の細胞ふつふつ粒だちたらむ(新作)」詩歌のジャンルでは、ここ一、二年くらい短歌がブームとの文字を時折り目にする。行きつけの大型書店(ジュンク堂)で、短歌本と俳句本の占めるスペースが逆転していて、そのことをやや実感する。弱・青年層の作歌が増えているとされている。そういえばジュンク堂でも、いわゆる若い人が歌集を立ち読みしている姿は何度も見かける。(一方、句集を手にしているの見かけたことは、一度もない。)ついでに書くと、月刊誌NHK短歌とNHK俳句の紙面を瞥見しても、短歌は明らかに若者を意識したページ数が多い(事の是非は於くとして)ようだ。とはいえ、あの「短歌研究」が隔月刊になるのには、驚いた。不尽5239首目・・・歌集をば
(猿沢池)(秋篠寺)(本堂)しめやかにかつしどけなく動き初む秋篠寺の伎芸天なり(法華寺)(本堂)(新薬師寺)(本堂)神将の宮比羅(くびら)大将剣を持て守り給はん新薬師寺かな*亥年の守護神は十二神将のうちの宮比羅(くびら)大将。(興福寺、中金堂)(南円堂)(三重塔)(猿沢池と南円堂)*五重塔は修復中二方から光を受くる阿修羅像影に交はる手と手は奇(あや)し(三笠山、冬季閉山中)三笠山若草匂はぬ冬なれば登りてまほろば見下ろし能はず(奈良公園)資料画像(奈良わくわくガイド様より)下枝は食べ尽くされて奈良公園高さ二メートルの鹿摂食線(ディアーライン)とぞ(070205-07)おわり5234-5238首目・・奈良行(その2)
(法隆寺廻廊の「胴張り」(エンタシス)円柱)(唐招提寺、金堂)(鑑真和上御廟)一命を賭して来たりし上人の願ひに叶ふる国となりぬや(法隆寺、中門)(中門廻廊)(金堂、五重塔)(夢殿)一念を細き御身にただ立てりすくとおおはすは百済観音(中宮寺、本堂)ああ頬にお触れあそばし指先と羨ましきぞ半跏思惟像(法輪寺、三重塔)(法起寺、三重塔(現存最古))(西大寺)(西大寺、本堂)(西大寺、東塔跡)大寺(おおてら)の威光数々西大寺今は鉄路の要衝地にて(070205-07)つづく5230-5233首目・・奈良行(その1)
「憧れをないものねだりと含められ気づけば含むる大人になりぬ(新作)」ジジィの繰言ってやつで、、駄作。不尽5229首目・・・憧れを
「この部屋がこんなに広かっただなんて眼を合わそうとしない言い訳(新作)」口語。(ひとり)カラオケご無沙汰してるなぁ、と気づいて作った。不尽5228首目・・・この部屋が
「へたうまの間柄にて君画きしラテアートそと解(ほぐ)れゆくかな(新作)」如何なる間柄を指すか、読み手に委ねよう。(笑)不尽5227首目・・・へたうまの
「弾かるるグラスの漣(さざなみ)伝播して離(か)るる心の弾み初めしか(新作)」一見技巧的だけど、あんまし中身ない歌。不尽5226首目・・・弾かるる
「啄木は一輪挿しを求めけむ疑はざりて店先に立つ(新作)」自己の煩悩として最も捨て去りたいのは、間違いなく、、「羨」。啄木歌の本歌取り。正直、啄木の芝居がかったナルシスト系の歌はあまり好きではないのだが、、『友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ』不尽5225首目・・・啄木は
「フムフムと選手名鑑ページ繰り皮算用のほくほくほくと(新作)」今年の顔は、順当の牧さん。昨年は名鑑号を手にして、「(前略)・・・背番号4の彼を腐すつもりは毛頭ないけど、ルーキーが表紙ってとこで、もう今シーズンを象徴しとるやろ。・・・(後略)」と、このブログに書いたのだった。結果、2024シーズンは貯金わずか2の3位。だが、今シーズンの面子を見るとポジ要素が多すぎる。貯金2で終わるはずはないっ!。V争いすることは間違いあるまい。(・・・と、控えめに書いておく。)不尽5224首目・・・フムフムと
「等しきに飽き足らざるやもう一本線を重ぬる過ぎたる愛は(新作)」合同記号「≡」のこと。不尽5223首目・・・等しきに
「リーダーの目配せひとつ揺らせしめ弾ませしむるCOMBO(コンボ)なるかも(新作)」・・・使役助動詞「しむ」である。「ベース弾きロン・カーターには足らざれど長駆でビシバシ低音繰り出す(新作)」・・・リヴィング・レジェンドの身長は193cm(!)らしい。「口ずさむは何ぞや配達パートナー蕎麦屋の出前失せつつあれば(新作)」・・・『モーニン』のフレーズがアドリブで出たので、いわゆる『蕎麦屋の出前』の故事(?)に因んだ一首。(UberEatsでは、配達パートナーさんと呼ぶようだ。)不尽5220-5222首目・・・ジャズ・フェス
「立春の眼(まなこ)の氷ひび割れて例えば名前に菜がつく人の(新作)」贈答歌なのに、マイナー調になってしまった。寒波のせいと、ご容赦を、、。不尽5219首目・・・立春の
「饒舌にひとつの言葉待ち侘びつ心の洞を展げて止まじ(新作)」言いたいことは決まってるのだが、表現が下手な失敗作。不尽5218首目・・・饒舌に
「96(バウアー)が再び光臨せんと知るザ・プロフェッショナルわくわく止まじ(新作)」ま、バウアーが来たから即27年ぶりのセ・リーグ制覇できると思うほどお人好しではない。けれども、あのスリリングなパフォーマンスをも一度見ることのできるワクワク感たるや。不尽5217首目・・・96(バウアー)が
ある日のコンベンションホールのアトリウム。市内に在る高校書道部の作品展に出くわした。揮毫(きごう)してあるのは、自作の短歌。50点ほどあったろうか。気に入った歌を、4点書き写す。今入れた麦茶のグラス結露する速さで高二の夏を占う色褪せた剣道防具しまう時夢の後先自分に問うた僕の名を祖父が忘れてしまうほど時の流れは人を待たないブーケトス任されたって結婚の幸せの意味まだわからない最後の歌が一番好きだ。完成度では一首目だろうし、二首目の上の句の静謐な感じも捨てがたい。だが、四首目の一切の理屈が無くて苛性に読み下した若さの勢い。口語の軽みがそれを引き立てている。「わからない」ことの潔さとともに、(いずれ?)「わかる」ことへのとまどいを感じる。、、、三首目を本歌取りして私の一首。「逆縁(ぎゃくえん)の後に呆けし祖母「...5216首目・・・書道展にて
(金峰山寺・蔵王堂)なすすべもなしと思はば拝むのみ蔵王権現漲りをりて*仁王門は修理中ありさまは異ならざりぬ塔尾(とおのおの)陵(みささぎ)異形の王と言へども(如意輪寺本堂)(後醍醐天皇塔尾陵)(楠公親子像)九字切る帝を思ひ北闕門(ほっけつもん)畏れ多くも都を思ふ(吉水神社)(北闕門)山峡(やまかい)の吉野を訪(おとな)ひ行き行けば正閏(正閏)問ふは厭わしきかな(吉野朝宮阯)(061111-13)(おわり)5212-5215首目・・・高野山・吉野行(その3)
(金剛峯寺、大玄関・小玄関)観光客(ツーリスト)カタコトで問ひ片言で答ふる僧侶大本山よ(金剛峯寺、正門)(金剛峯寺、主殿)(金剛峯寺、蟠龍庭)タペストリー求むるならば道筋を説く金剛界曼荼羅ぞかし印相と御面相との様相を篤と眺むる霊宝館よ高野山霊宝館内は、すべて撮禁。宿坊の精進料理とて些(いささ)かに箸使いをば気遣ひをりて(宿坊西方院)(061111-13)(つづく)5208-5211首目・・・高野山・吉野行(その2)
(壇上伽藍・根本大塔)参道に列々たるや供養塔苔深々と重々しきや(奥之院)杉木立抜けて聖域燈籠堂灯は明明とあたたかきかな(奥之院、御廟橋)これ以降撮禁エリア金色の大日如来源(みなもと)のかくも然も々々ありぬべきかも(壇上伽藍、中門)相応しき土地は何処と唐土(とうど)より投げし三鈷を受け止む枝よ(壇上伽藍、三鈷の松)(061111-13)(つづく)5204-5207首目・・・高野山・吉野行(その1)
「睡眠の質を問ひかくるサイトありたとへば汝(なれ)の夢を見しこと(新作)」何てことない歌なのだが、上の句と下の句の「着きぐあい」(=筋道の通りぐあい)は、5202首目より、気に入っている。ここいらが、作歌の難しさ・面倒さであるが、面白さのひとつ。不尽5203首目・・・ 睡眠の
「ひとことを言ってくれない夢の中何ら現(うつつ)と変はらざりしが(新作)」新旧かな混じりで悔しい気持ちを表した(つもり)。終助詞を「が」ではなく「も」とするかも迷いどころ。不尽5202首目・・・ひとことを
「ことさらに替へたる己がしじみ汁空の殻をば数ふも哀し(新作)」AtYoshinoya不尽5201首目・・・ことさらに
「心臓(ハート)から遠ざかるほど冷たしと今さら気づきあふ指先は(新作)」五句、、「指先よ」とせず、言い差しにした。不尽5200首目・・・心臓から
5199首目 大学ラグビー選手権決勝 ○帝京33-15早稲田●
桐蔭学園の同級生同士が両チームのキャプテンとなった決勝。後半風下になったことで冷静にプレーした帝京の勝利。四連覇おめでとうございます。「いたずらにフェイズ重ぬるばかりにてゴールラインはじわり遠のく(新作)」不尽5199首目大学ラグビー選手権決勝○帝京33-15早稲田●
人前で泣くこと憚られし頃尠(すくな)き例外として甲子園(5076)幾人(いくたり)か新しき星現れて一等星を目指し戦ふ(5079)酔ふほどの宴にあらずぷっつりとバックスクリーンの灯は消えぬ(5087)四年後を持たざる者と持つべき者渇く涙と渇かす涙(5096)記号ひとつ書き込む時間遅るるも感極まれりベンチのA子(5103)本年も名簿すらなき名鑑に応援の気運上がり難しも(5130)CSは勝つが負けよが本拠地の戦(いくさ)を是とす大勝すれども(5149)些(いささ)かに食傷したる咆哮も全き余地なき牧の勝鬨(かちどき)(5154)鬼神をも驚かしむる進化にて今宵天辺(てっぺん)横浜の星(5161)FWの離合集散反則(あやまち)をゆめ起こすまじとて抱く規律(ディシプリン)(5188)事為すに欠かせざる信(しん)より深く...スポーツ短歌19 2024年下半期
「微睡(まどろ)みを破りし唇(くち)の湿りにてああ約束事が今ひとつあり(新作)」、、またまたダブルベッド。不尽5198首目・・・微睡みを
「一線を引かれし夜は明け切りぬ喉(のみど)に落とせり深煎り珈琲(新作)」深煎りは、深入りとの掛詞、、。不尽5197首目・・・一線を
「今年こそ減らしたしとふ面持ちの善男善女ジム開きとて(新作)」毎年詠めそうな一首。(笑)不尽5196首目・・・今年こそ
毎年一月の2日と3日は、ラグビーと駅伝でテレビの前から離れられない。紺と白というお互いセカンドジャージでの見慣れない姿の戦い。テレビで見る限り前半の早稲田のラインディフェンスとダブルタックルは完璧だった。残念ながら、京産は見事に昨年のリベンジを早稲田に食らってしまった。「アタックがさも単調に思ほゆる紺を阻みし白き壁なり(新作)」さすがは、対抗戦全勝優勝のチーム。さて、ファイナル。帝京が同じチームに連敗するかどうか、、。「背負うもの大きならむや駅伝の六区の走者(ランナー)震へる腿よ(新作)」さて、箱根駅伝は、珍しく母校の露出度?が高く、その意味では結構楽しめた。まぁ、結果は青学の横綱相撲を見せつけたが、、。不尽5194.5195首目・・・大学ラグビーと箱根駅伝
「肩口が寒し布団を押さへまほし父の声思(も)ひ床につく夜(新作)」就寝時に亡父の声が聞こえてきて、詠んだ。不尽5193首目・・・肩口が
「真夜中に灯すラジオの歌声に引き戻さるるをしばし拒めど(新作)」言い差しの歌、、。数年来、柴田祐規子アナ(NHK)の声がなぜか耳障りがよく、とてもお気に入り。彼女が月1でアンカーを務める『ラジオ深夜便』は第4土曜日。つい夜更かししてしまう。不尽5192首目・・・真夜中に
「変わらずの救世軍の歌ふと深く落つる街角3℃とありて(新作)」、、分析になじまぬ心の動き不尽5191首目・・・変わらずの
5190首目・・・映画『勝ち切る覚悟〜日本一までの79日』を見る
「事為すに欠かせざる信(しん)より深く求め合ひしが頂上に立つ(新作)」まぁ、ベイのファンだけが見る作品である。ワンシーンずつだが、来年はソフバンのユニフォームを着ることとなった上茶谷と濱口の勇姿をみることができてよかった。不尽5190首目・・・映画『勝ち切る覚悟〜日本一までの79日』を見る
「パラパラと立ち読みなすが年の瀬の決まりごととて五黄の土星(新作)」師走には、某易断の本がやたら沢山陳列されるので、ついパラパラする。感想は、決まって「ふ〜ん」とか「へえ〜」の域を出ないのだが、、。不尽5189首目・・・パラパラと
「FWの離合集散反則(あやまち)をゆめ起こすまじとて抱く規律(ディシプリン)(新作)」フォワード戦の攻防の面白さを見るのは(スタジアムではなく)テレビ観戦に限る。貫くテーゼは、discpline.1月2日は、帝×明、京産×Wとなった。不尽5188首目・・・FWの
「お互ひの唇(くち)の湿りを感ずるは互ひの奥に渇きぞ宿しぬる(新作)」、、、ダブルベッド。不尽5187首目・・・お互ひの
「わたしからあたしになりてもう一度わたしになりて去りゆきし君(新作)」五句、一旦は、「別れたる君」と詠んだが、女性に主導権があったのを思い出して、改変。不尽5186首目・・・わたしから
「足つきの黒きボタンは僅かなる傾き持ちて掛け違はわれぬ(新作)」「掛け違ふすゑに取れたるこのボタン少し明るき糸を探しぬ(新作)」手先の不器用さは、父親譲りだ。ボタン付けは、玉留で、玉と生地の間に遊びがいつもできてしまう。2首目。足付きボタンは、穴あきボタンより、糸が目立ちにくい。一応、失恋歌ですが、、。ちょうど50年前、布施明は彼の『積木の部屋』で♪君にできることは、ボタン付けと掃除、、だけど満ち足りていた。♪と唄った。(作詞は有馬三恵子。)当時(今も?)は、ボタン付けは難易度☆ひとつということ、、でしょうか(汗)不尽5184-5185首目・・・ボタン2首
「会ひに行くときに限りて混んでゐるタコメーターのみ冷静なるや(新作)」師走、、安全運転で参りましょう。不尽5183首目・・・会ひに行く
5182首目・・・柴田淳~14thオリジナル・アルバム『901号室のおばけ』~
ほぼ4年ぶりのアルバムリリース。決して短くはないブランクの事情はある程度わかってはいたものの、変わっていなくて、(是非は措くとしても)「まずは安心した」が、正直なところ。大仰すぎる悲しみソングが少なくて、その裏返しの妙に明るい歌もない。次第に確かなことを歌いながら、エンディングとなる構成はまずまず。メジャーデビューから数えて24年目に入ったしばじゅん。3年目からリアルタイムでチェイスしてきて、彼女も、アラフィフ(48歳)になったか、と小嘆息。(ちなみに同じ年の女性歌手は、一青窈、hitomi。2001年デビューでは、中島美嘉。)応援し続けて参ります、、やっぱり。「直ちにはおかえりなどと言ふもんかたつぷり味わうまで言ふもんか(新作)」待ちくたびれ(忘れかけ?)てたんで、ちょっとセンシュアルな歌になった。不尽5182首目・・・柴田淳~14thオリジナル・アルバム『901号室のおばけ』~
「手書きなる名簿を見つけりそれぞれの人生あらむ生死すらまた(新作)」「IMEにては入力制限を受けむ君の名幾度か書きし(新作)」「選択的夫婦別姓の議論読む旧き名簿を傍らにしつ(新作)」捨てた、と思っていた名簿を見て詠んだ、、。不尽5179-5181首目・・・旧き名簿三首
「何の日ぞ調べざれども珍(めずら)かにふたつ知りたる師走の八日(新作)」パーソナルな出来事抜きだとそんな日はほとんどない。ちなみに「44年前の出来事」とは違い、「トラ・トラ・トラ」は現地時間では七日だ。不尽5178首目・・・何の日ぞ
「枯葉散り舞ひつ街路を埋めれども朽ちるは何処(いずこ)誰か知るべき(新作)」柄にもない歌なので、反語を使ってはみたが、下の句が甘い。(類型的)。不尽5177首目・・・枯葉散り
「常連の客もとりどりズージャより世間話をして立ち去りぬ(新作)」行きつけのジャズ喫茶は、都会とは異なるのんびり感。ときおり、全くジャズに興味がなさそうな客がカウンター席でマスターと世間話をしては帰って行く。いろんな人にとってのくつろぎスペース、これはこれで宜しいかな、と。不尽5176首目・・・常連の
「怒り顔のみは練習せざれども容易く為せるが腹立たしくも(新作)」自分だけかも、、いや昨今、最も簡単なのは、泣き笑いより、怒ることだろう。ただ、それは心底からの怒りではない、、が。不尽5175首目・・・怒り顔
「古来より求めらるるは真善美些(いささ)か知をば要するや真(新作)」真実を巡る議論(めくもの)。「形而下」の事象に過ぎぬとは言え、そもそも真実は熱狂とは無縁の冷然なもの。真は信たるべきも、信は必ずしも真ならじ。不尽5174首目・・・古来より
「かななれどみなぎる力一幅に頷きながら口ずさみをり(新作)」かな=仮名かなで短歌を詠んだ歌人会津八一は書家でもあった。自筆の短歌が表装された掛け軸を見て詠んだ。不尽5173首目・・・かななれど
田山花袋は、明治4年(1871年)生、昭和5年(1930年)没、60歳。今や「蒲団」で自然主義の先鞭をつけた記録のみが残り、記憶には残らないかの如き明治の文豪。また、芥川龍之介や正宗白鳥などから「下手くそ」呼ばわりされ、やはり不憫な感が拭えない田山花袋を更読みする。テキストは『定本花袋全集』、時系列に主だった作物40作を読む。全体の感想は、筋は派手な展開はないし、表現もケレン味もなく、乾いた感じ。まぁこれが花袋が標榜した「平面描写」なのだろう。花袋は小説家として名をなす以前に紀行文の名手として知られていたそうな。平面描写の下地は充分あったといえよう。四つ星以上をつけた作物は「縁」・「田舎教師」・「時は過ぎゆく」。「縁」(明治42年)は、「生」や「妻」と共に「蒲団」(明治40年)以後の花袋「自然主義三部作」...5172首目・・・田山花袋を更読みする。
「窓越しに行き交ふ通勤人(びと)の顔眺む働くこと斯くも憂し(新作)」駅ナカのコーヒーショップから平日の通勤ラッシュ時の人々の顔を見て詠う。(派手に句跨り、、(汗))不尽5171首目・・・窓越しに
「AIの想定内に属したる人間(ひと)と思はばふと安堵せり(新作)」出してくるサイトやおすすめリストなど、人工知能には勝てない?と悟った歌、、。不尽5170首目・・・AIの
「その昔遊び場なりし山門にゆきこのYU(ゆ)となむ落書きをせし(新作)」なぜ、ローマ字だったのか。習いたてだったのか、漢字で「由」だと生々しかったからか、、。不尽5169首目・・・その昔
「この人の何処に最後は触れしかと離(か)るる刹那の浅ましきとて(新作)」あぁ、浅ましや、、不尽5168首目・・・この人の
「ひとつきりの純喫茶なりいくつもの別れ話ぞ切り出されし哉(かな)(新作)」純喫茶が好きなのは雰囲気もさることながら、ピンの客が比較的多くて会話が少ないこと。不尽5167首目・・・ひとつきりの
「知らざるを嘆き遣りたる一日に知らぬ振りにて遣り過ごすこと(新作)」訳知り顔の歌はほぼ失敗作。とはいえ、年を重ねるほど大きくなる思い。不尽5166首目・・・知らざるを
「高(たか)が否然れど読書というべきぞこのテーブルの高さに気が散る(新作)」行きつけのドトール店のテーブル高さが最も読書に集中できる。コメダ(統一されてるか?)も星野珈琲も、少し高すぎるのだ。ジャズ喫茶では読書はせず瞑想半分、居眠り半分である。不尽5165首目・・・高が否
「高級なる住宅街に迷ひ入る夕刊配達バイク軽やか(新作)」住んでいる土地の地域紙も夕刊紙は、今年度から廃刊になった。三大紙も配達を辞めた地方もあるとのこと。理由は宜無いところ。しかし、係ることは無縁(夕刊は読むべきもので、配達があるのが当たり前)の街区もあるのだろう。(「日本近代文学館」の帰路に、M区のK、S区のSを歩く羽目になって感じたこと。)不尽5164首目・・・高級なる
「帰らまほしからざる日いとくきやかに帰りたき日のおぼろぞ悔しき(新作)」ペシミストの性であろうか、、。不尽5163首目・・・帰らまほし
「流行語大賞候補のリスト見つ世間知らずとやや安堵せり(新作)」30語中全く知らず、皆目見当もつかぬのが18語。下の句は自虐ではなく、こんなことに心を動かされずとも、生活できていることの小市民的安堵(笑)。不尽5162首目・・・流行語
「鬼神をも驚かしむる進化にて今宵天辺(てっぺん)横浜の星(新作)」2024年のチームスローガンは「横浜進化」。さりとてCLIMAXのFINALからは、半ば口あんぐり状態。でも最終戦はベイらしく派手に決めた!一番大きな歓声を上げてしまったのは、、。最も感慨深かったのは、、。(7?8?回くらいの攻撃時にチラッと写ったこれ!)最高にジーンときたのは、、。果たせなかったリーグ優勝。まぁ、いつかするでしょう。(苦笑)弱かろうが、お得意の「ベイス☆ボール」を繰り広げようが、いつまでも応援してまいります。とりわけ楽しかった2024シーズン、ありがとうございました。I☆YOKOHAMA(__)m不尽5161首目・・・下剋上日本一成就
「雨やどり客は我(わ)のみがエヴァンスのヒアズ・ザット・レイニー・デー流れ来ぬ(新作)」『HereThat'sRainyDay』は、BILLEVANSの「Alone」のA面1曲目。5160首目・・・雨やどり
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「微風(そよかぜ)にせせらぎさざなみ蠱惑めく皐月にありて囁き来たる(新作)」語感とリズムの一首。『HaveYouNeverBeenMellow』(そよ風の誘惑)を聴いて詠んだ。不尽5283首目・・・微風に
「触れざるを悔やみて乗れば通り雨ロマンスカーの窓を打ちたり(新作)」「地中化の恵みはあらむ然れど汝が彼の日指差しし街は掻き消ゆ(新作)」町田からはこね16号に乗車。車種はEXE30000形。不尽5281、5282首目・・・小田急はこね号
「此の枝が今年も伸ばす若枝を刈らねばならぬ墓掃除かも(新作)」俳人ではないので「切字」のことをあまり解っていない。(気を配らないのほうが当たってるか、、。)不尽5280首目・・・此の枝が
「インパクトプレーヤー縦に切り裂きて励起したるやFW一丸(新作)」ラグビーで途中出場で存在感を示す選手を「インパクトプレーヤー」と言う。今シーズンのプレーオフ進出チームが出揃った。CS以外のBSや地上波テレビ中継も数試合あるので見ようと思う。不尽5279首目・・・インパクト
泉鏡花は、1873年(明治6年)生〜1939年(昭和14年)、65歳没。畏れを為して近づかないでいたが、意を決して全集(『鏡花全集』全15巻(エムティ出版、1994)に取り付く。だが、途中で音を上げた。文章自体の難解さより、文体が馴染めない。(倒置法で文末に名詞を持ってくることが多い。)、加えて妙に方言めいた会話が多いところ。この二つで話がすっと身体に入ってこない。もとより息の長い作家人生を送った鏡花だが、そんな訳で明治まででギブアップだ。明治時代の作物に限定し、それなりの評価がある「中編以上」の作物31作を読む。(名作の『婦系図』については、4342首目・・・明治のベストセラー小説を読む③でアップ済。)年代順に心に留まった作物の感想を書いておく。「義血侠血」1984M27芝居がかってて胸躍る名作「夜行巡...5278首目・・・泉鏡花を読む
「若き日に竹刀置き気を整へし君が最終講義を終ふとよ」朋への献歌。不尽5277首目・・・若き日に
「求愛の合図(サイン)生き物各々に捻(ひね)くれものとして一夜を過ごせり(新作)」上の句と下の句との距離(離れ具合)は悪くないなと自賛。(但し、生の事実は下衆である。)「求むれど捻れたままの春の夜」、、季語を知らない無理くり俳句化。(あまり知る気もないが、、。)不尽5276首目・・・求愛の
「白がかる黒と呼びたきならば呼べ黒がかりたる白との差をや(新作)」二分法に何ら異義はないのだが、何事もそうそうぶった切られては、いささか面食らう。(「140字思考」とあながち無関係ではあるまい。)不尽5275首目・・・ 白がかる
「秒針の音より早き鼓動にて時折重なり日付を越えり(新作)」点と線からなる生。不尽5274首目・・・秒針の
「愛されぬ理由(わけ)を嘆きつる口吻(こうふん)に凡(およ)そそぐはぬ唇持つが(新作)」片戀、、。不尽5273首目・・・愛されぬ
「大縄跳び巡る大波越ゆるほど歓喜じわじわ幕切れぷつり(新作)」昔も今も、、ではなかろうか。不尽5272首目・・・大縄跳び
「愛ゆゑに飲み込まるるに情け無く蠕動(ぜんどう)運動追いやられたり(新作)」蠕動運動は意思とは関係なく行われる。敗者の歌。不尽5271首目・・・愛ゆゑに
「立喰ひで一球速報曇りたるレンズ晴れれば逆転ホーマー(新作)」きつねうどんの湯気、、。嗤い話にならないうちにこのロゴを貼っておく。(汗)不尽5270首目・・・立喰ひで
「異国人街中大股散歩(ストロール)船旅客船(クルーズシップ)寄港日好天(新作)」見慣れない西洋系の外国人が街中に溢れるのでそれと知れる。「客船が留まる春空異国人」無理くり俳句にするとこんな感じか?(汗)不尽5269首目・・・異国人
「ennui(気怠し)と訳を充てたる人は誰(た)ぞシーツを乱したるふくらはぎ(新作)」ennui=アンニュイ解説?略。不尽5268首目・・・ennui
「掌を大きく拡げ手を振りたる入学式の小さき人よ(新作)」偶には詠むまともな?歌。三句を「振りたる手」とするのが正統的?だろうが、上下で断然する感覚があり、読み下した。不尽5267首目・・・掌を
弔ひの仕来たりさまざま粛々と郷に従ひ悲しみ分かつ俗信と言はるるものの逆縁(ぎゃくえん)で遺(のこ)さるる婆(ばば)の背中は丸し納骨室(カロート)に骨撒き終へばいつの日か土に還らん妹(いも)を追ひつつ居住地とかなり離れた県で執り行われた葬儀に赴いた。故人とは(心情的には他人とは言い難いが)法律上は「親等なし」という関係だ。葬儀は(宗派というより)風習の異同を感じさせてくれる。子供が親に先立ついわゆる逆縁の場合、親は斎場には同行しない(長くなるので理由は割愛する)。45年前に、私の母が亡くなった際の、祖母もそうだった。しかしこの習わしも次第に薄れていると葬儀社の方から聞いた。また、(生まれ育ちが関西なので)遺骨を骨壺にいれたまま納骨することに違和感があるが、この地は関西同様、妻に先立たれている故人の骨を、室内...5264-5266首目・・・葬送3首
「自らが招きしピンチに抑ふるは八番打者ぞ吼ゆるべからず(新作)」5チームと一巡したが、まぁ、慌てず騒がず、、の心境でございます。不尽5263首目・・・自らが
「覆道(ふくどう)を行けば切れ切れコマ送り残雪の嵩春の峠よ(新作)」偶にはこんな歌も詠む、と。「ふくどう」の説明は略。不尽5261首目・・・覆道(ふくどう)を
「土くれが三和土(たたき)にとぼりとぼり落つ軒のつばくろ巣づくり一途(新作)」〜吹浦駅〜光景自体はありがちかもしれぬ。が、鉄男としては、旅先の木造駅舎で遭遇したので、思わず詠う。不尽5044首目・・・土くれが
「島かなた鉄路とともに相貌(かたち)変へ招くがごとし海輝きぬ(新作)」まぁ、そのとおりの歌。2句が説明的。5句の「跳び方」はそこそこか。不尽5043首目・・・島かなた
「旧字のゐその曲線や色めかしゆるりと書けば居(ゐ)るももどかし(新作)」・・・あくまで個人の感想です。不尽5042首目・・・旧字のゐ
「画数の少なきカナに換ふるをば優しさことさら言ひ効かせをり(新作)」こんな人間ですと、いう自虐歌。不尽5041首目・・・ 画数の
(猿島(横須賀平和中央公園より))観音崎まで行けば日本武尊伝説の走水神社に行くべきなのだが、、結局スルー。そして、神話から下世話に流れる。横須賀平和中央公園、、「これっきり坂」を目指す。「これっきり坂を下ればその言葉もはや縋らぬ捨て鉢乙女(新作)」『横須賀ストーリー』、、。これっきり坂はもちろん俗称。作詞家はこの坂をイメージしたらしいが、歌手は別の坂をイメージしていたとの言説もある。いや、これは現代の神話かもしれぬ。俗称なので、案内板などはない。公園への入口を間違って、これっきり坂を下る羽目になった。で、詠んだ歌。坂を下れば直ぐに京急の横須賀中央駅。ホームの駅メロは当然『横須賀ストーリー』だ。ここまで来れば行かねばなるまい追浜駅。「DOCKOFBAYSTARSYOKOSUKA」、ファーム練習場がある。「幾...5038-5040首目・・・横須賀行(その3)
(浦賀の渡し)「海防とて台場を築きし役負ひし彼等はかつて海を見たるか(新作)」(腰越墓地)開港後の海の備えである台場建築の命を受けたのは(海なしの)会津藩。観音崎の腰越地区には、会津藩士の墓が点在している。会津贔屓なので深く頭を垂れる。「曇厚く富津は見えじ打沈め線とふ幕府の悲痛なる夢(新作)」(観音崎灯台)江戸幕府は、観音崎・富津を結ぶラインを「打沈め線」と定め、外国船の侵入を許さないこととした。「とりどりの色に塗らるるコンテナを抱ふる船が行き交う水道(新作)」海上交通の要衝であることは、短時間しか居なくても実感してしまう(060423)つづく5035-5037首目・・・横須賀行(その2)
(浦賀湾(愛宕山公園より))江戸幕府の海軍について読書中、、横須賀へ。「偉人とは呼ぶまじ伯理(ペリー)嗚呼されど最初に出て来る西洋人とぞ(新作)」(ペリー上陸記念碑(ペリー記念公園内))(ペリー胸像(ペリー記念公園内))ましてや恩人でもあるまい。されど重要人物であることは間違いない。「洋々と出でて帰りぬ咸臨も経りては薩長拿捕をしたりぬ(新作)」(咸臨丸出港碑(愛宕山公園内))碑裏には乗船員の名が刻されている。当然、万次郎、諭吉の名も。ヤーパン号(咸臨丸)の一生はその後も波乱に富んでいる。物言わぬ維新史だ。「海護り船を造りて軍興し北に下りて散らしし命(新作)」(中島三郎助招魂碑(愛宕山公園内))中島もかなりのキーパーソン。篆額は盟友榎本武揚とのこと。(060423)つづく5032-5034首目・・・横須賀行(その1)
「打たずとも構わぬ非礼を詫びるのみ帰朝報告柵越え225(新作)」唸るほかない。明日は、ハマスタにGO!だ。不尽【番外】復帰戦で逆転V3ラン筒香
「洗はんと抱き締むダウンの柔らかさ戻ると信ずる甘えなるかも(新作)」官能的なクリーニング、(笑)不尽5031首目・・・洗はんと
「ふりがなを得々ふれば知らぬ間に付きしが離(か)るる心ありしも(新作)」相聞のつもりが、作歌の際の自戒の歌になってしまった。不尽5030首目・・・ふりがなを
「白き羽根開き閉じては開く蝶まぼるあなたのなだらかな息(新作)」まぼる=見つめる菜の花畠、、。不尽5029首目・・・白き羽根
全集(筑摩書房1975年版)で、葉山嘉樹(1899年(明治33年)生、1945年(昭和20年)没)の全小説と8割方の随筆を読む。プロレタリア文学における葉山は、非共産系の労農派。機関誌の名から文戦派、描く対象から素材派とも呼ばれる。プロ文者には、「生活と芸術」の問題に思想が関わってくる。いわゆる「転向」問題だ。葉山も、1930年代初頭以来の思想弾圧により、東京における文筆生活に見切りをつける。東濃地方に居を移し、ゆるやか(?)に「転向」し、半農半作家生活に入る。葉山の作家活動は約20年。前半の10年がプロ文、昭和9年以降の後半10年余が民衆文学、農民文学となる。プロ文時代は「海に生く人々」・「淫売婦」・「セメント樽の中の手紙」が鉄板のベスト3。「海に生くる人々」の感想は、以前(4966首目)に書いたとおり...5028首目・・・葉山嘉樹を読む
「二人乗り許されざるを知らぬよに赦らされざるを識りたるふたり(新作)」街なかで自転車の男女の二人乗りを見た。なんだか久しぶりで妙に新鮮だった。不尽5027首目・・・二人乗り
観音崎まで行けば日本武尊伝説の走水神社に行くべきなのだが、、、スルー。神話から下世話に流れしまった。横須賀平和中央公園、、「これっきり坂」に向かう。「これっきり坂を下ればその言葉もはや縋らぬ捨て鉢乙女(新作)」『横須賀ストーリー』、、。これっきり坂はもちろん俗称。作詞家はこの坂をイメージしたらしいが、歌手は別の坂をイメージしていたなどの言説もある。いや、これは現代の神話かもしれぬ。俗称なので、案内板などはない。入口を間違って、これっきり坂を下る羽目になった。で、詠んだ歌。坂を下れば直ぐに京急の横須賀中央駅前。ホームの駅メロは当然『横須賀ストーリー』である。ここまで来れば行くかねばなるまい、追浜駅。「DOCKOFBAYSTARSYOKOSUKA」、ファーム練習場だ。「幾たりの若者漕ぎ出す大海ぞ上りてセ界の星...5038-5040首目・・・横須賀行(その2)
「辿り着きし君の扉のボタンにもatyourownrisk(自己責任)と透かせば書かれぬ(新作)」喫茶店で『TheLongAndWindingRoad』(ポール・マッカートニーのライブもの)がBGMで流れたのを聞いて詠うった。不尽5026首目・・・辿り着きし
YouTubeで、2週間限定全編放映。『時をかける少女』。とても好きなので、2日続けてみてしまう。「細くとも撓る身体(からだ)の若き娘(こ)の精神(こころ)の撓りいと安げ無し(新作)」やすげなし=きがかりだ。「石段を登るときにも下るときもつぼみの決意を宿せし知世(新作)」・・・坂のまち、尾道。不尽5024.5025首目・・・時は41年が流れた、、
「立てかけてゐるにすぎざる看板はお察し通り替ふるも易し(新作)」皮肉を通り越して馴れ合いの歌不尽5023首目・・・立てかけて
『入れ子なる人形最も小さきが笑つてゐると思ふべからず(新作)」マトリョーシカ、、皮肉なんだが下手歌なんで伝わらない。(汗)不尽5022首目・・・入れ子なる
「手を翳せ揺らせハマスタ応援歌アーチを架けむ我等が225(新作)」【前奏:横浜の空高くホームランかっとばせ筒香〜】さぁ打て筒香飛ばせ空の彼方横浜に輝く大砲かっとばせホームラン打とうが、打てまいが、ともかくよかった。例えボロボロになろうとも、他のユニフォームを着た筒香を見たくなかった。不尽5021首目・・・手を翳せ
「高鳴きのひばり翔けあがる菜畠は春よりほかに容れるものなし(新作)」自然詠が苦手。自然を愛でる能力に欠けてるのだと自認。つくづく俳句向きではない。小理屈を捏ね回して57577を作っております。(汗)不尽5020首目・・・高鳴きの