「お互ひの唇(くち)の湿りを感ずるは互ひの奥に渇きぞ宿しぬる(新作)」、、、ダブルベッド。不尽5187首目・・・お互ひの
ひとを、ひととき、ひとへに想ふ短歌がメインのブログです。作歌歴約二十年、かつては相聞(恋歌)、現在は専ら雜詠です。
「故郷の訛を漏らす人と居て自ず弛みぬ心の留め金(新作)」まぁ、誰にでもあること。不尽5083首目・・・故郷の
「閉店のカウントダウン今日こそは看板娘に別れを告げん(新作)」まさかジェンダー云々とか言われないだろうなぁ。不尽5082首目・・・閉店の
「四十(しじゅう)年振りに会う友郷里にて社長の奴を呼び捨てにせり(新作)」近年になり奇跡的?にラインでつながっていたので、やたらめったら再会の感激というほどではない。(が、物理的距離はとてつもなく離れている。)「どちらかがこの世にいなくなるまで、あと一回くらいは会いたいものだ。」とお互い納得して別れる。不尽5081首目・・・四十年
「老獪と若気のいたり何れ採る賢人もはや御座(おわ)しまさねば(新作)」老醜は埒外だが、、。「よりましに投じませうと促さるる反らしたる胸薄き選良(新作)」選良はもはや死語、、。こんなことを詠みたくて歌を作ってるのではないので、番外。(笑)不尽【番外】2首
「夢で会ふ異性視線を反らさずに此度も許さざるまま去にぬ(新作)」ことさら、「異性」というひっかかりのある語を使っただけの歌。不尽5080首目・・・夢で会ふ
2023前半戦83試合43勝38敗2引首位3差2024同時点83試合43勝39敗1引首位1差何と!CSに出られるかもしれないというシーズン当初にはおよそ想定外の事態!。この時点で昨年は今永・バウアー二人で12勝。今年はジャクソンとケイ、そして石田裕太郎の新加入三人で12勝。と穴埋め。そして、打では、やはり蒼彗天(オースチン)。てなわけで、今シーズンは勝敗関係なく純粋に試合を楽しめると安心していたのに、、。勝ち負けが気がかりでどうもくつろがない。(笑)まぁ、優勝の心配はしていない。巨人だと予想してる。でも、最低2試合余計に楽しめるから、ここまで粘ってるなら3位でいいからCSに行ってほしいものだ。筒香がHRをスタンドに放り込んでCS進出を決めることを夢見ているのだが、、。それにしても、新戦力の選手たち(外野手...5079首目・・・幾人か
「二時打ちし柱時計にうつつにぞ三時打てるが夢にて会ひぬ(新作)」昭和の柱時計は、いや壁掛時計ですら、1時間毎に(時刻の数だけ)時を打っていた記憶がある。(就寝するときには、時報のスイッチを切る、、。)不尽5078首目・・・二時打ちし
「とりあへず番組流せ本を出せ関知いたさぬ観光公害(新作)」京都(市)に縁を持つ者として、(現在の)府知事と市長双方の゙中高の同窓生として、一首。京都(市)がキラーコンテンツ故といえば聞こえはいいが、上の句のような安直さが現象の一因に思えて仕方がない。遠くからぼんやり考えるだけだが、シニカルに過ぎるだろうか。(まぁ、海外からのツーリストはもっと構造的な原因もあるのだろうが、、。)如何に優秀な先輩、後輩の彼等とて、「本質的」な改善は困難だろう。むしろ、期待するほうが酷というものだろう。まぁ、出来は、理屈っぽい下手な主張してる駄目歌。今日は、祇園祭の前祭の宵山だ。不尽5077首目・・・京都オーバーツーリズム考
甲子園球場誕生100周年に因むNHKの特番を視聴。中でも名場面投票結果は興味深かった。まぁ、今どきこんな投票するのは、30代以上か、野球小僧だけとは思うが。「1961年第43回夏の報徳学園対倉敷工」とか「1958年第40回夏の坂東・村椿」などが漏れてるのは時代の変遷だなぁ。このうち、第54位に関することは、【番外】8月12日の原辰徳にこのブログで以前書いたことがある。渋いと感じたのは、第50位。実は、リアルタイム視聴の記憶がある最古が、この試合だ。白黒テレビかけ流していただけなのだが、本盗の場面は確かに記憶している。(最も当時は野球のルールも分かってはいなかったが。)そんなに有名な試合であったか、と。一方、「1989年第61回春決勝の上宮のサヨナラエラー」とか「1998年第80回夏の宇部商の延長15回サヨ...5076首目・・甲子園100周年
「水飛沫君は切れぎれ今日もまた目を閉ずなかれまだ此処に居る(新作)」切れぎれになるふたり。ただ、ひとりはまだ目を見開いたままだ。不尽5075首目・・・水飛沫
「放置にはあらざり寧(むし)ろ見殺しの事ども例へば我の五七五(新作)」箴言めいた歌は大抵が駄歌。七七の下の句ができない「シューベルト7番」(笑)が常にある。不尽5074首目・・・放置には
「横恋慕さるるもしかたなきやうなる坂の頂或るひと置きて(新作)」(口語)「横恋慕されてもしかたないような坂の頂或るひとを置き」函館を旅行する前に詠んだ。どっちがいいかなぁ。四句と五句を入れ替えると自分の居場所が逆転するようにも読める。(こういうのが、作歌の面白いところ。)これまた、どっちがいいかなぁ。(笑)「横恋慕さるるもしかたなきやうなる或るひと置きて坂の頂」(俳句)「夏坂の上(ㇸ)で横恋慕さるるかな」おお、詠嘆か!(笑)ちと歌意と違う、、。(汗)「夏坂の上(ㇸ)で横恋慕されてみよ」いいかもな、(笑)不尽5073首目・・・横恋慕
(渡辺貞夫『マイ・ディア・ライフ』裏ジャケ)「昨日より半歩トリップせんとして俺のBRAVAS鏡に向かひき(新作)」整髪料(スタイリング)の歌。色気づく頃。世代は「バイタリス」、「マンダム」、「MG5」いずれでもない。しかして、「BRAVAS」だ。あの安定感のあるフォルムが好きだった。四句は、ボクであってはならぬ。俺だ。長らく使い続けたのは、FM番組の『渡辺貞夫マイ・ディア・ライフ』の影響もあるかなぁ。そう、〜ブラバス、サーウンドゥ・トリップッ、『渡辺貞夫・マイディアライフ』〜だ。「ブラバス」の後は、「アウスレーゼ」を使っていた。(輪島・貴乃花のCMよりずっと後のことだから)さほど理由はない。今は、「ルシード」を使って長くなった。これまた、理由はない。ただ、時代は、無香料になった。「汝がためと懸想する人出で...5071.5072首目・・男性化粧品2首
「同窓会欠席続けアップさるる彼等は赤の他人に成り果つ(新作)」「(中高一貫男子校で、おまけに劣等生やったし)同窓会なんかに出て何がおもろいねん」、と内心毒づきながら、HPを確認している捻くれ者の歌。不尽5070首目・・・同窓会
なぜだか、野球ばかり10首の今期。五年後に戻らまほしと蔦の這ふ球場(ボールパーク)に送らんShōta(4961)キャンプイン優勝するはずなきがゆゑ却(かへ)りてシーズン愉しめる哉(4982)ウェンデルケンウィックケイにアンソニー今だ空きたる96番(4987)壁つくりタメを産み出し面で打つ悩めど十(とお)に七はしくじる(5013)凡打あり美技あり三桁(みけた)の番号を背負ふ彼等の止まざる競争(5014)打つほどに遍く心に届きしが打つほど離れし近くの心〜大谷翔平元通訳事件〜(5017)ポスティング7年8年FA権「I✭YOKOHAMA」形容さまざま(5018)手を翳せ揺らせハマスタ応援歌アーチを架けむ我等が225(5021)打たずとも構わぬ非礼を詫びるのみ帰朝報告柵越え225(番外)二番から六番いかさま誇れども...スポーツ短歌182024年上期
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「お互ひの唇(くち)の湿りを感ずるは互ひの奥に渇きぞ宿しぬる(新作)」、、、ダブルベッド。不尽5187首目・・・お互ひの
「わたしからあたしになりてもう一度わたしになりて去りゆきし君(新作)」五句、一旦は、「別れたる君」と詠んだが、女性に主導権があったのを思い出して、改変。不尽5186首目・・・わたしから
「足つきの黒きボタンは僅かなる傾き持ちて掛け違はわれぬ(新作)」「掛け違ふすゑに取れたるこのボタン少し明るき糸を探しぬ(新作)」手先の不器用さは、父親譲りだ。ボタン付けは、玉留で、玉と生地の間に遊びがいつもできてしまう。2首目。足付きボタンは、穴あきボタンより、糸が目立ちにくい。一応、失恋歌ですが、、。ちょうど50年前、布施明は彼の『積木の部屋』で♪君にできることは、ボタン付けと掃除、、だけど満ち足りていた。♪と唄った。(作詞は有馬三恵子。)当時(今も?)は、ボタン付けは難易度☆ひとつということ、、でしょうか(汗)不尽5184-5185首目・・・ボタン2首
「会ひに行くときに限りて混んでゐるタコメーターのみ冷静なるや(新作)」師走、、安全運転で参りましょう。不尽5183首目・・・会ひに行く
ほぼ4年ぶりのアルバムリリース。決して短くはないブランクの事情はある程度わかってはいたものの、変わっていなくて、(是非は措くとしても)「まずは安心した」が、正直なところ。大仰すぎる悲しみソングが少なくて、その裏返しの妙に明るい歌もない。次第に確かなことを歌いながら、エンディングとなる構成はまずまず。メジャーデビューから数えて24年目に入ったしばじゅん。3年目からリアルタイムでチェイスしてきて、彼女も、アラフィフ(48歳)になったか、と小嘆息。(ちなみに同じ年の女性歌手は、一青窈、hitomi。2001年デビューでは、中島美嘉。)応援し続けて参ります、、やっぱり。「直ちにはおかえりなどと言ふもんかたつぷり味わうまで言ふもんか(新作)」待ちくたびれ(忘れかけ?)てたんで、ちょっとセンシュアルな歌になった。不尽5182首目・・・柴田淳~14thオリジナル・アルバム『901号室のおばけ』~
「手書きなる名簿を見つけりそれぞれの人生あらむ生死すらまた(新作)」「IMEにては入力制限を受けむ君の名幾度か書きし(新作)」「選択的夫婦別姓の議論読む旧き名簿を傍らにしつ(新作)」捨てた、と思っていた名簿を見て詠んだ、、。不尽5179-5181首目・・・旧き名簿三首
「何の日ぞ調べざれども珍(めずら)かにふたつ知りたる師走の八日(新作)」パーソナルな出来事抜きだとそんな日はほとんどない。ちなみに「44年前の出来事」とは違い、「トラ・トラ・トラ」は現地時間では七日だ。不尽5178首目・・・何の日ぞ
「枯葉散り舞ひつ街路を埋めれども朽ちるは何処(いずこ)誰か知るべき(新作)」柄にもない歌なので、反語を使ってはみたが、下の句が甘い。(類型的)。不尽5177首目・・・枯葉散り
「常連の客もとりどりズージャより世間話をして立ち去りぬ(新作)」行きつけのジャズ喫茶は、都会とは異なるのんびり感。ときおり、全くジャズに興味がなさそうな客がカウンター席でマスターと世間話をしては帰って行く。いろんな人にとってのくつろぎスペース、これはこれで宜しいかな、と。不尽5176首目・・・常連の
「怒り顔のみは練習せざれども容易く為せるが腹立たしくも(新作)」自分だけかも、、いや昨今、最も簡単なのは、泣き笑いより、怒ることだろう。ただ、それは心底からの怒りではない、、が。不尽5175首目・・・怒り顔
「古来より求めらるるは真善美些(いささ)か知をば要するや真(新作)」真実を巡る議論(めくもの)。「形而下」の事象に過ぎぬとは言え、そもそも真実は熱狂とは無縁の冷然なもの。真は信たるべきも、信は必ずしも真ならじ。不尽5174首目・・・古来より
「かななれどみなぎる力一幅に頷きながら口ずさみをり(新作)」かな=仮名かなで短歌を詠んだ歌人会津八一は書家でもあった。自筆の短歌が表装された掛け軸を見て詠んだ。不尽5173首目・・・かななれど
田山花袋は、明治4年(1871年)生、昭和5年(1930年)没、60歳。今や「蒲団」で自然主義の先鞭をつけた記録のみが残り、記憶には残らないかの如き明治の文豪。また、芥川龍之介や正宗白鳥などから「下手くそ」呼ばわりされ、やはり不憫な感が拭えない田山花袋を更読みする。テキストは『定本花袋全集』、時系列に主だった作物40作を読む。全体の感想は、筋は派手な展開はないし、表現もケレン味もなく、乾いた感じ。まぁこれが花袋が標榜した「平面描写」なのだろう。花袋は小説家として名をなす以前に紀行文の名手として知られていたそうな。平面描写の下地は充分あったといえよう。四つ星以上をつけた作物は「縁」・「田舎教師」・「時は過ぎゆく」。「縁」(明治42年)は、「生」や「妻」と共に「蒲団」(明治40年)以後の花袋「自然主義三部作」...5172首目・・・田山花袋を更読みする。
「窓越しに行き交ふ通勤人(びと)の顔眺む働くこと斯くも憂し(新作)」駅ナカのコーヒーショップから平日の通勤ラッシュ時の人々の顔を見て詠う。(派手に句跨り、、(汗))不尽5171首目・・・窓越しに
「AIの想定内に属したる人間(ひと)と思はばふと安堵せり(新作)」出してくるサイトやおすすめリストなど、人工知能には勝てない?と悟った歌、、。不尽5170首目・・・AIの
「その昔遊び場なりし山門にゆきこのYU(ゆ)となむ落書きをせし(新作)」なぜ、ローマ字だったのか。習いたてだったのか、漢字で「由」だと生々しかったからか、、。不尽5169首目・・・その昔
「この人の何処に最後は触れしかと離(か)るる刹那の浅ましきとて(新作)」あぁ、浅ましや、、不尽5168首目・・・この人の
「ひとつきりの純喫茶なりいくつもの別れ話ぞ切り出されし哉(かな)(新作)」純喫茶が好きなのは雰囲気もさることながら、ピンの客が比較的多くて会話が少ないこと。不尽5167首目・・・ひとつきりの
「知らざるを嘆き遣りたる一日に知らぬ振りにて遣り過ごすこと(新作)」訳知り顔の歌はほぼ失敗作。とはいえ、年を重ねるほど大きくなる思い。不尽5166首目・・・知らざるを
「高(たか)が否然れど読書というべきぞこのテーブルの高さに気が散る(新作)」行きつけのドトール店のテーブル高さが最も読書に集中できる。コメダ(統一されてるか?)も星野珈琲も、少し高すぎるのだ。ジャズ喫茶では読書はせず瞑想半分、居眠り半分である。不尽5165首目・・・高が否
「テレビ塔昇りて偏(ひとえ)に叫びしも離ればなれの減衰地点(新作)」久しぶりに名古屋のテレビ塔を見上げたので、一首。ただ、栄のランドマークのこの塔から、もう電波は飛んでいない。不尽4939首目・・・テレビ塔
「無踏切地下化高架化目(ま)の当たり駆ける電車が消えつつある街(新作)」はいはい、鉄男歌。不尽4938首目・・・無踏切
「甘やかな懐柔されど抗へぬ背を向けし汝が紡ぐハミング(新作)」スキャットやヴォカリーズよりくぐもっている分、誘因する力をハミングにはあると思う。不尽4937首目・・・甘やかな
「公理抱く数学者等を羨めり汝に証を立て続けしが(新作)」数学における公理は(定理と異なり)証明できないものである、、、とか。不尽4936首目・・・公理抱く
「源氏名にあらざる君のフルネーム知りたる奴を何ぞ羨む(新作)」この係り結びは、疑問か、反語か、、読み手に委ねよう。笑不尽4935首目・・・源氏名に
三冊積んでいたのを、一掃。「森へ行きましょう」(長編、単行本2017年刊)少しの『あるある』を持ち込んで、心地よい違和感に引き込む川上弘美の魅力。前半はいつもどおりの世界。でも、最後に、人生に折り合いをつけるには一度は森で迷うことが必要という、まとめた感がある分不思議度が薄まる。パラレルワールドで描くのは成功してるのかな?「ぼくの死体をよろしくたのむ」(短編集、単行本2017年刊)川上弘美の短編の作物は、心を大きく振幅させないので、心がなだらかな状態のときに読むに限る。いい意味で落胆しないし、感動もしない。でも、そこそこしあわせ感覚が味わえる。(二つともSF的だが)別れの哀しみを緩やかに描く『二百十日』と『スミレ』に⭕を付けた。「某」(長編、単行本2019年刊)ファンタジカルな作物はある意味安心して読める...4934首目・・・川上弘美の「文庫」をまとめ読み。
「一人来て紅き葉踏めば遺す音サクサクのみぞ今年の秋よ(新作)」昔々、「サクサクと落葉を踏めばさくさくと少し小さい君の音する」と詠んだことが、ある。不尽4933首目・・・一人来て
「麗らかに染めつ前線春上り錦降らしめ秋下るかな(新作)」切れ字を使ってみた。日本語?としては、「前線は麗らかに染め春上り錦降らしめ秋下るかな」が正しいかな、、。不尽4932首目・・・麗らかに
「中間点折返点通過点弁(わきま)へざるまま今日も過ぎをり(新作)」マラソンを見てて作ったんだけど、ジジイの悔恨とも処世訓ともいえないこの類いの歌は、大抵つまらんわな。笑不尽4931首目・・・中間点
「はじめてのステレオに針落とすときジャケットまた見ぬ君微笑めり(新作)」なつかし昭和系のブログに、ステレオの広告の写真が載ってたので詠む。このステレオとは、「シスコン」のこと。システムコンポーネント!70~80年代かな。死語?!、。汗不尽4930首目・・・はじめての
「天ならぬ人が作れば零四つ頭(ず)の上(へ)に並ぶる諭吉翁かな(新作)」2024年に紙幣の顔が変わるらしいので、忘れない?うちに。まぁ、20年前にも誰かが詠んでる歌だろうねぇ。でも実業家Sの顔を新札に刷るのは、あからさまって気分がするけど。不尽4929首目・・・天ならぬ
「唯ひとりなりたし乗り込む鈍行のボックスシートに頭ふたつ見ゆ(新作)」「旅」はひとり旅に限るのだが、、という歌。不尽4928首目・・・唯ひとり
「はらはらと歌が降りにき交差点密かに君の名付して呼びをり(新作)」ちと、大袈裟と思われるかもだが、過去に「ミューズ(詩神)」が降りてきたことがある。今から16年前の初冬。歩道の落葉が右往左往していた。「□橋」と名前のある交差点で信号待ちをしていた時のこと。三十一文字がいきなり次から次へと浮かんできた。確か四、五首だった。あわててビルの陰に駆け込み、スマホのメモに一気に流し込んだ。あんなことは、一度きりだ。まぁ、泡沫歌人ゆえ、たった一度きりの僥倖だろう。これからも、ないに違いない。それは「天啓」というべきなのだろうが、今でもあれは君のせいだと思っている。そのことを告げる機会はいくらでもあったのに、、、。不尽4927首目・・・はらはらと
「秋澄めば君の輪郭さえざえとも少し近くにいたはずなのに(新作)」甘すぎて、情けない。、、不尽4926首目・・・秋澄めば
「何処へ行く迷ふくらいの幸せは雲ひとつなき晩秋(おそあき)小春日(新作)」「屋上の看板外され久しきが何を告げしか朧となりぬ(新作)」「キャンバスの靴をば仕舞ふその前に歩いてめざす晩秋(おそあき)小春日(新作)」冬にはキャンバス・スニーカーが履けない場所に住んでいる。不尽4923-4925首目・・・小春日和三首
「鼻の先つぎつぎ弾けとびぬ泡溶けれど堪(こら)へきれずに午後は(新作)」初句が即物的、、ちょっとセンシュアルな感じ。ラジオからユーミンの『海を見ていた午後』が流れたので一首。歌詞の♪貨物船が通ってた♪グラスはテーブルに置かれていたイメージだげど、こちらは、ストローで相手が飲もうとしている刹那のイメージ。不尽4922首目・・・鼻の先
「冥き道選びて帰りし夜なれど蹴飛ばす石さへ見当たらざりき(新作)」たまには普通の歌を詠む、、四句。「蹴飛ばす石ころ」と生の事実に留めるか、「蹴飛ばす石さへ」と含意を見せてしまうか、難しいところ。プロなら、石ころを採るのかなぁ。不尽4921首目・・・冥き道
4784-4787首目・・・金沢逍遙(その1)で、以前から気になっていた『地上』を読もうと決める。と書いた。小説家島田清次郎は1899年(M32)に生まれ、1930年(S5))に亡くなった。『地上』は、二十歳のデビュー作だ。抑圧からの解放を希求する若者の息づかいがしっかり伝わる。少しのロマンスもある。やや大言壮語の嫌いもあるけど、若者ゆえの気負いだろうと許せる範疇だ。でも、「さぁ、これから」で終ってしまう。この一部だけでは何とも消化不良だ。『地上』はほぼ1年おきに4部まで刊行された。だが、現在は2部以降は、容易には読めない状況にある。4部までで50万部を売り上げた大正年間を代表する大ベストセラーの作物なのに、、。そんな事情も知りたくて、『誰にも愛されなかった男』(風野春樹著)という評伝を手にする。評伝では...4920首目・・・『地上』(島田清次郎作)を読む。
「汝(なれ)を追ふ明日に踏みいる汝を追ふ離(か)るる背滲む汝を追ふ息(新作)」危なかっしい歌か、、はたまた箱根駅伝か、、不尽4919首目・・・汝を追ふ
「真理ゆゑ時制は常に現在形されば過去形失恋(ロストラブ)とぞ(新作)」英語の「時制の一致」の例外ってやつね。単語としてはこのlostは過去文詞だろうけど。不尽4918首目・・・真理ゆゑ