今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
チャールズ・リンドバーグ “何事が起ころうと、この瞬間を生きていることでたくさんだ。”~幸せの名言
今日はチャールズ・リンドバーグ(1902~1974)。人類初の大西洋単独無着陸飛行に成功したことで有名だ。“なんと大洋の美しいことよ、なんと大空の澄んでいることか、点のような太陽、何事が起ころうと、この瞬間を生きていることでたくさんだ。”今この瞬間を生きることは、日々の幸福度を上げるためにとても有用だ。しかしご存知のとおり、それは容易ではない。心はすぐに「今」から抜け出し、未来や過去をあてどなくさまよってしま...
今日紹介するのは藤田一照、伊藤比呂美による対談「禅の教室(中公新書)」。曹洞宗僧侶である藤田氏が質問に答える形で進行していて、坐禅についていいアドバイスが多くみられたので、紹介したい。リンクp82~さらに問題なのは「これじゃいけない。これは座禅になっていない」と自分を責めだしたりすることです。そうなると、どんどん悪循環に入っていって、坐禅が自分で自分を攻撃する戦場になってしまうんですよ。(中略)なぜ...
僕は様々な瞑想法を試してきたが、アーナパーナサティ瞑想法というのも中々おもしろい。プラユキ・ナテラボー、篠浦伸禎著「脳と瞑想(サンガ新書)」からご紹介。リンク面倒な決まりが少なく、かつサマタ瞑想、ヴィパッサナー瞑想が両方盛り込まれているのでバランスがいい。興味がある人は少ないかもしれないが(身も蓋もないw)、せっかくなので始めてみる。p17からを要約1 背筋を伸ばし、他の筋肉はゆるめて座る。仙骨をし...
子供をもつことの意義と経済的負担をアーリーリタイアの側面から考えてみる
多くの知人が僕が書いた本 ”幸せの確率 あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” を買って、読んでくれている。内心どう思っているのかはわからないが、さすがに著者本人の前で酷評する人はいない。リンクということで、僕への直接のリアクションは、「すごくいい」か「まあまあ、いい」に限られてくる。そんな中、僕の本が「子供がいない人」にウケていることに気づいた。子供にかかる費用は莫大だ。自著からその部分を引...
自著「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」から、「高いものに慣れてはいけない ~グルメ達の気の毒な日常」という部分を紹介する。グルメほど馬鹿馬鹿しいものも少ないように僕には思える。うまいものになれてしまえば、「快楽順応」により、幸せを得にくくなってしまう。かといって、そんじょそこらのものではもはや満足できない。体にも懐にもきつい、悪循環が続くだけだ。食事は健康的...
クリスティナ・ロセッティ “覚えていて悲しんでいるよりも、忘れて微笑んでいるほうがいい”~幸せの名言
今日はイギリスの詩人であり、画家、クリスティナ・ロセッティ(1830~1894)。ダンテの妹だそうだ。名言はこれ。“覚えていて悲しんでいるよりも、忘れて微笑んでいるほうがいい”以前、遺伝子プログラムに逆らって、楽観的になる方法があると書いた。この名言がそっくりそのまま当てはまるのだ。脳科学分野において、「物事は記憶しなければならない」という思い込みを捨てることにより、楽観的になれるとされている。幼少時から記憶...
「集中力とは鈍感であること」って、気づいてました?~ 「出口版 学問のすすめ」より
出口治明著「出口版 学問のすすめ」の紹介。今日が最終回。池谷裕二氏との対談部分から「集中力について」の部分を引用する。出口集中力とはそもそも何でしょうか。池谷集中力の正体は、意外に思われるかもしれませんが、鈍感であることです。日常生活では、物音がしたり、話し声が聞こえたり、スマホの画面が目に入ったりしますね。こういう、集中力をそぐものをディストラクターといいますが、それを無視する力が集中力です。野...
人は訓練すれば外国語で考えるようになるのか?~「出口版 学問のすすめ」より 2
昨日に引き続き、出口治明著「出口版 学問のすすめ」の紹介。今日は脳科学者・池谷裕二氏との対談部分から興味深かった個所を引用する。母国語と外国語について出口人間が物事を考えるときには母語を使っているので、僕は国語を大事にしなければいけないと考えているのですが、とある先生から、「いや、たとえばハンナ・アーレントの思想を理解しようと思えば、ドイツ語を勉強したほうがいいのでは?」と指摘されました。母国語以...
得た知識を記憶に定着させる方法とは?~「出口版 学問のすすめ」を読んで
出口治明著「出口版 学問のすすめ」を興味深く読んだ。知識を「覚える」方法について、出口氏はこう語っている。たとえばおもしろい本を読んだら、僕は周囲の人に「こんな本読んだで」「これはおもろいで」というように、その本の内容やおもしろかったポイントを話します。誰かに会うたびそういう話をするので、内容を覚えてしまうのです。(中略)アウトプットすることが大事なら、読書日記をつければいいじゃないかという意見も...
FIREした時の総資産額。2,000万円以下が42%って本当?
少し前のものだが、「FIRE」した1000人に聞いた、リタイア時の総資産は?との記事がある。社会人として働き始めてからリタイア(もしくは独立)するまでにかかった年数を教えてもらったところ、「15年~20年未満」(25.8%)が最も多く、次いで「20年~25年未満」(24.4%)、「5年~10年未満」(17.5%)と続く結果に。30代後半から50歳くらいまでが最多ということになる。リタイア時の総資産については、「2,000万円未満」が最も多く42.2%。...
自著「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」から、余暇の過ごし方、お金、そして幸せについて書いている部分を抜粋する。遊びへの出費が減らせずに困っているひとには、ぜひ読んでほしい一文だ。“「お仕着せのレジャーはほどほどに ~自由な余暇を創造しよう」いつの間にか、ちょっとした休みを利用して、他県にまで足を伸ばすのが当たり前のような風潮ができてきましたが、そこまで余暇をア...
タイという国が好きだ。若いころ、2度ほど1カ月程度のバックパック旅行をしているのに加え、結婚してからも妻とやはり2度訪れている。なぜそんなにもタイに惹かれるかといえば・・・。まず、人がいい。微笑みの国と呼ばれるだけあって、人々が温厚で、途上国にありがちなしつこい物売りも少ない。季候がいい。元来が寒がり、冷え性なので、一年中暖かいというだけで僕的には高評価だ。物価が安い。ある程度長い旅をするのなら、こ...
①内面への気づき、②集中、③無執着の「ま、いっか」。瞑想修業はこれだけで十分!(というかこれだけでも大変)
小池龍之介著「解脱寸前」の紹介。今回が最終回。リンク今日は日々を「瞑想的」に生きるための、僕が知る中でもっとも実践的なアドバイスを紹介する。p217 解脱寸前――おわりに より(前略)その素朴さとは、こんな感じです。日々、人に優しくして己を損なわないように戒めを守りつつ、内面を観察し、集中や無執着の訓練をする。以上!という具合。結局のところ、どんなに心の本質について理論的にスッキリ理解したりしても、そ...
思考の全体を司るCEOのような「私」はどうやら「いない」らしい。
引き続き小池龍之介著「解脱寸前」の紹介。リンクp108 「私は、いません」より抜粋。(前略)いかにマインドフルネスを洗練させてみましても、心の中にポコポコ生じてくる思考を観察すれば観察するほど、①まず一瞬先に思考が生じ、②ほんの一瞬遅れないし、もっとも早くて同時にそれに気づく、という、決して先回りできない順番でしか、気づけないことが分かるはずです。マインドフルネスと集中力が高まれば高まるほど、思考が生...
自由意志は存在せず、思考は脳の各所で自動生成されたものにすぎない!?
昨日の「イワク」解説に引き続き、今日は小池龍之介著「解脱寸前」の本体を紹介する。リンクp104「考えをスルーする練習」より。この心の中に発生するいろいろな考えと見解は、自分で作っているものではなく、それゆえ自分のものでもない。(中略)私たちにとって、優しく気配りもできると、大変に良い印象を与えている、Aさんという知人がいたと仮定します。そして私たちの家族や友人といった身近な存在がもしも、「Aさんって...
解脱寸前と公言し旅に出て、解脱できなかった小池氏の「イワクつき」本を紹介します。
今日紹介するのは小池龍之介著「解脱寸前」。え、あのイワクつきの……と反応された読者もいると思う。実はこの本は僕のお気に入りのひとつで、今まで何回も読み返している。しかし「イワク」部分が気になって、今までは取り上げずにきた。現在、僕自身が再度瞑想にはまっているのもあり、思い切って紹介してみたい。リンクまずは小池氏の紹介。アマゾンから。1978年生まれ。出家名は空朴。東京大学教養学部卒業。月読寺(神奈川県鎌...
ウディ・アレン作品「ローマでアモーレ」って筒井康隆のパクリだよね!
開業医時代、HPに掲載していた「院長ブログ」記事から転載。ウディ・アレンや筒井康隆のファンはぜひご一読を!***************************************映画「ローマでアモーレ」鑑賞記 (一部ネタバレあり)先日、WOWOWでウディ・アレンの監督作品、「ローマでアモーレ」 が放送されました。私は大のウディ・アレン・ファンなのですが、同時に大の出不精でもあるため、映画館には中...
FAT, LEAN, BARISTA, COAST。FIREにはいろいろな種類があるそうだ。
開業医をしていた僕がクリニックを後輩に譲ったのが8年前、47歳の頃。そのような決断をした経緯や資産形成術を半年かけてまとめ、原稿を出版社へ持ち込んだところ、反応は実に冷たいものだった。「アーリーリタイアなんて、普通の人ができるわけないでしょう」「そんなの、誰も興味をもちませんよ」「どの程度のマーケットがあるか理解してますか?」僕自身は今後、人々が物質的豊かさより、違う種類の充足を求めるようになると考...
サピエンス全史のユヴァル・ハラリ氏は毎日2時間瞑想をしてるって知ってた? ~ 坐禅を愛する著名人たち
個人的に座禅や瞑想にはまっていることは再三書いてきた。さて、瞑想を好む(好んだ)有名人というと、誰の顔が浮かぶだろう?まずはApple創業者、スティーブ・ジョブズ。ジョブズはインドで仏教に傾倒し、カリフォルニアに戻った後、曹洞宗の禅僧である鈴木俊隆を導師として禅を学んだ。実際、下のような言葉を残している。https://www.goodreads.com/quotes/668031-if-you-just-sit-and-observe-you-will-see-howただ座って観察...
僕はかねがね、美しい女性は精神を病んでいる可能性が高いと感じているのだが、はたして本当なのだろうか?
これから書くことはヒンシュクを買いそうな気がして、少し怖いのだが・・・。「若くてきれいな女性は精神を病んでいる可能性が高い」と僕は思っている。医師として診察にあたる際、必ず患者さんの内服薬をチェックする。患者さんの全身状態を把握するためもあるし、それをしておかないと飲み合わせの悪い薬を出してしまう危険性があるからだ。僕は医師になってすぐ、多くの若くてきれいな女性が心療内科に通院し、投薬治療をうけて...
「宝くじが当たったら何に使うか?」 を聞けば、その人の幸福度が見えてくる。
随分前の話になる。 飲み屋のカウンター席でひとり、ぽーっと飲んでいたら(これが至福の時なのですな)、後ろのテーブル席から女性数人の話し声が聞こえてきた。ふりかえって見たわけではないので確かなことはわからないが、声の感じからすると僕と同じ40~50歳代だろうか。ひとりの女性が年末ジャンボ宝くじについて熱弁している。どうやら以前、前後賞を合わせた賞金額が10億円に増額されたことに不満があるらしい。主な理由は...
三谷幸喜氏が勧める「読書感想文の書き方」を実際に試してみると……
夏休みも終盤。宿題の読書感想文で苦労している小中学生、そして親御さんも多いかと思う。そこに着目したのであろう。一昨年の今頃、テレビ番組「情報7daysニュースキャスター」で日本を代表する脚本家、三谷幸喜が「読書感想文の書き方」をアドバイスしていた。僕自身大いに楽しんだし、多くの視聴者から好評を得たようだ。三谷氏が説く読書感想文の書き方とは以下の5つ。① どう思ったかではなく、自分がどう変わったかを書く。② ...
アーリーリタイア後の肩書をどうするか!? ~ retired も unemployed も日本語では“無職“になってしまう件
今日は、リタイア後に生じるちょっとした問題について記しておこう。アーリーリタイアが一般的だからなのかどうかはわからないが、英語だと同じ「仕事をしていない」状態でもリタイアした場合はretired、職にあぶれている場合にはunemployedという具合にはっきりと区別することができるのに対し、日本語では「無職」という肩書ひとつしかないため、自己紹介をする時の肩書に困ることもありそうだ。ちなみに新聞の投書欄などでは、...
ノルウェイの森ではなくノルウェイ製の家具? それとも下ネタ? ビートルズの名曲を巡る論争があるって、知ってましたか?
村上春樹著「雑文集(新潮社)」の中にとびきりおもしろいエッセイがあった。タイトルは「ノルウェイの木をみて森を見ず」というもの(タイトルもまた、うまいなあ)。リンクビートルズの名曲「ノルウェイの森(原題;NORWEGIAN WOOD)」において、「NORWEGIAN WOOD」は何を意味するのかというのがテーマだ。多くの人は知っていると思うが、村上春樹の同名の長編小説はビートルズのこの曲を題材にしている。ノルウェーの森は実際に...
YOLO(You Only Live Once)~人生はたった一度きり!
「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」の紹介も今日が最終回。本書の最後の部分を引用する。たとえアーリーリタイアに興味がなくても、経済的な理由によって窮屈な思いをしているすべての人に、ぜひ手にとってもらいたい自信作だ。“「YOLO~幸せの確率」私の人生は、後どのくらい続くのだろう、と時おり考えます。アーリーリタイアという生き方を選択し、設計するためには、自分の人生を...
引き続き、自著「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」から。今日紹介するのは子育てとお金、そして幸せに関する2つの文章。「子供にお金がかかって大変!」と嘆いている人には、ぜひ一読してもらいたい内容だ。“「子供にはお金よりも「心のエネルギー」を使おう」ここでは幸福の観点から、子供へのお金の使い方について考えます。世間を見渡してみると、私には多くの親が子供にお金をかけ過...
前回から紹介しているのは僕自身の著書、「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)。内容を一部抜粋してみる。タイトルは「幸せをもたらすのは、地位財ではなく内なる喜び」物質的なものを求めて疲弊するのはやめて、愛情や自由、自主性などを謳歌しながら生きる方が幸福につながるよ、との趣旨だ。“経済学者、ロバート・フランクによって提唱された、人間のもっているものを地位財・非地位財の二...
幸せの確率を上げるための各論となる「4つの確率」とは?~僕がアーリーリタイアを選択した理由
今日は自著、「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」を改めて紹介する。このところ家にこもって坐禅を組んでばかりいるのでネタが切れたわけでは断じてない(断じて断じてない)。この本は一言でいえば、「アーリーリタイアについて」の本だ。僕の知る限りアーリーリタイアという切り口でまとめられた本は、それまでなかったはずだ(この本が出版された2017年初頭にはFIREなる言葉はまだ日本...
オリンピックのテレビ観戦は、「時間は必要」だけど「お金はかからない」娯楽の代表かもしれない。
自著、幸せの確率 あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめの最終節に、このような箇所がある。“死は我々全員に、そう遠くない将来、必ず訪れます。そのことをしっかりと理解できている人、理解しようとしてはいるものの、現実問題として受け止めきれていない人、あるいは、理解することを拒み、無意識のうちに目をそらしている人と、向き合う姿勢は人によって大きく異なりますが、そこから逃れることは誰にもできません。私が...
自著「4週間で幸せになる方法―Twenty-eight tips to create joyful life」では、幸せに生きるための行動術や思考法を、幸福学、医学、心理学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から選び出し、その中から特に重要で、比較的簡単に実行できる28のアイディアを紹介している。今日はお気に入り記事のひとつを抜粋して紹介したい。1日目 感謝の気持ちや親切心を大切にしよう初日は誰にでも実行しやすく、即効性があるものから始める...
アメリカはなんとかなっても、日本のような国が一番ひどい目にあうのではなかろうか? 「知能低下の人類史」を読んで 4
エドワード・ダットン、マイケル・A・ウドリー・オブ・メニー著「知能低下の人類史: 忍び寄る現代文明クライシス(春秋社)の紹介。リンクここまで3回にわたり、産業革命以降、人類の遺伝的な劣化によって知能が低下してきたらしという内容を紹介してきた。(1回目から読みたい方はこちらから https://fire-earlyretire.com/blog-entry-793.html )では今後人類はどのような運命をたどるのか?著者らの見解は極めて悲観的だ。p258...
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今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
今回で最終回、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容なのだが、これに対するAmazonでのカスタマーレビューが興味深かった。半分近くが星5つなのだが、低評価のレビューもちらほら。その中でも星1つをつ...
前回に引き続き、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容だ。僕は以前から幸福学やポジティブ心理学に興味があって、多くの知見に納得してきたのだが、どうにも腑に落ちないデータもいくつかある。その代...
今日から数回にわたり「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」のご紹介(集英社インターナショナル)。著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくというもの。発想と行動力に興味を抱いて手にとったところ、なかなかおもしろい内容だった。ちなみに幸福度調査トップのコスタリカでは、平均で8.5...
自著「幸せの確率―あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)」から、余暇の過ごし方、お金、そして幸せについて書いている部分を抜粋する。遊びへの出費が減らせずに困っているひとには、ぜひ読んでほしい一文だ。“「お仕着せのレジャーはほどほどに ~自由な余暇を創造しよう」いつの間にか、ちょっとした休みを利用して、他県にまで足を伸ばすのが当たり前のような風潮ができてきましたが、そこまで余暇をア...
少し前のベストセラーではあるが、今日引用して紹介するのは「ライフシフト(東洋経済新報社)」。この本からきた「人生100年時代」という言葉は、その年の流行語大賞候補に挙げられている。現在まで人類の平均寿命は伸び続けてきており、データ上はそれが頭打ちになる兆しはない(つまり、伸び率の鈍化がみられない)。このまま寿命が伸び続けるとすると、現在50歳未満で先進国に住む人は100歳くらいまで生きる公算が高くなるのだ...
今日は文豪、トルストイ(1828年 - 1910年)のあの名言。“幸福な家庭の顔はお互い似かよっているが、 不幸な家庭の顔はどれもこれも違っている。”有名なものなので知っている人が多いことと思う。幸せの本質を見事に表した名言で、なるほどと唸らされる。でも冷静に考えると、ちょっと不思議な点も出てくる。「不幸な家庭の顔が違っている」これに関しては異論はないだろう。貧乏だから不幸。金持ちだけど病気がちだから不幸。健康...
池谷裕二監修「勉強脳の作り方」(日本図書センター)。大体知っている内容ではあったが、知見が濃厚に詰まっていて役に立った。備忘録として個人的に重要と考えた個所をまとめておく(自分用というより、主に子供たちの学習用)。・ストレスによって脳の機能は低下し、記憶力や学習能力が落ちる。・平均的なペースは40分勉強したら5~10分休憩(自分にあったタイミングで)。・休憩時間にはなにもしないこと(ゲームはもちろん、...
前回、より多くの幸福を感じるためには増やすのではなく、今現在「ゼロ」のことを始めたり、新たに獲得したりすることが大切だと書いた。今回はどのような活動や趣味が喜びに繋がりやすいのかについて、データを元に書いてみたい。幸福学における研究により、能動的な趣味の方が受動的なものよりも幸福度を上げることがわかっている。例えばテレビを見る、映画を見る、買い物をするといった娯楽は受動的趣味にあたり、あまり幸福度...
前回の記事では自由時間を有意義に過ごすための実践的なテクニックを書いた。今日はそれを補足する。幸福度を高めるためには今あるものを増やすより、ないものを得ることの方が重要であることが研究によりわかっている。例えば僕ら夫婦でいえば、長男が生まれてから三男が幼稚園に入るまでの10年近くの間、夫婦で外食をする機会はほとんどなかった。常に最低1人はまだ幼稚園にも行かない、幼い子供が家にいるわけだから、夫婦で出...
アーリー/セミリタイアブログをみていると、リタイアしたら時間を持て余して困る、あるいは、そうなるんじゃないだろうかと不安だ、という文章が散見される。それについて何回かに分けて私見を述べたい。僕は「人生」とは「時間」だと思っている。時間がなくなるときが、死、すなわち、人生の終わりだからだ。なので時間を持て余すなどと聞くと、その人の生きて行く意義ってなんだろうと首を傾げたくなってしまう(失礼)。子供の...
今日は3大幸福論のひとつを著したフランスの哲学者、アラン(1868年 - 1951年)は、による言葉。“幸福だから笑うわけではない。 むしろ、笑うから幸福なのだと言いたい。”まったくその通りだと思う。このところ、セロトニンという言葉をよく耳にするようになった。これは神経伝達物質と呼ばれるものの1種で、腸や血液中の他、一部は脳内に存在し、頭をすっきりさせたり、心のバランスを整えポジティブで安定した状態に保ったりす...
FIREとは、Financial Independence, Retire Earlyの頭文字をとった言葉で、経済的自立と早期退職を意味します。FIREを目指す人は、投資や節約で資産を増やし、4%ルールを守って運用することで、毎年生活費の4%に相当する不労所得を得られる状態を目指します。この状態になれば、フルタイムの仕事に就かなくても生活費を賄うことができ、早期退職が可能になります。FIREは近年注目を集めているライフスタイルの一つですが、メリッ...
今日は作詞家、音楽プロデューサー、秋元康(1958-)の言葉。“自分の幸せが定義付けできない人は、何も手に入らない。大事なのは、自分にとって何が幸せなのか、どうすればドキドキできるのかを、しっかり理解しておくことです。”本当に、そうだろうか?僕はちょっと懐疑的だ。たとえば、ある人がギャンブルこそが自分の幸せと信じているとする。それが一番ドキドキする、と。であればどんどんギャンブルをしなさい、とは普通はな...
今日のテーマは、労働の歴史。そもそも人間は、いつから「生涯の大半を労働に捧げる」ことが普通だとされるようになったのか?実はそれほど昔の話ではなく、産業革命以来であると考えられてる。古代ギリシャ人にとって働くことは卑俗なことであり、自由時間を得るために仕方なくやっているだけで、そこに何ら意味を見出したりはしなかったそうだ。現に哲学者・アリストテレスは、「賃金が支払われる仕事はすべて、精神を奪い、弱め...
昨日に続きメジャーリーガー大谷翔平の愛読書でもある、中村天風の著書「運命を拓く(講談社文庫)」の紹介。リンク今日は僕が好きな個所を少し長めに引用する。p235~三年四年経った人が私にお礼をいうとき、この人は、本当に私のいうことを聞いていたな、と私が思うようなお礼をいう人は、まあ十人に一人いるか、どうかである。たいていの人は、「(前略)尊いことを教えていただいたお陰で、この頃は、弱かった体も、すっかり...
中村天風(敬称略)という人物がいる。以下は中村天風財団HPより。https://www.tempukai.or.jp/know/footprint中村天風(なかむらてんぷう)明治9(1876)年生まれ。日露戦争の軍事探偵として満蒙で活躍。帰国後、当時不治の病であった肺結核を発病し、心身ともに弱くなったことから人生を深く考え、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路、奇遇にも...
引き続きニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。最終日の今日は下巻から。よく思考実験でも使われる「最後通牒ゲーム」なるものがある。2人1組でのゲームなのだが、まずはルールを引用で説明したい。このゲームは、思いがけない授かりもの(たとえば10ドル)がプレーヤー1(提案者)にあたえられるところから始ま...
今日はビル・ゲイツ氏ら絶賛の話題作、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)を紹介する。まずはAmazonから。経済格差、人種、国家間対立…。今ほど「分断」が強調される時代はない。だがちょっと待ってほしい。こうした分断はなぜ起こるのだろう?それは進化の過程で、私たちが「仲間」を愛し、尊重する能力を身につけたからだ。この能力こそが、世界の命運...
今日は古代ギリシャの哲学者、アンティステネス(紀元前444年 - 紀元前365年)による言葉。“「人間最高の幸福とは何か」「幸せに死ぬことだ」”ありきたりと言えばありきたりなセリフであり、すっと聞き流すこともできる。でもこれって案外、深い言葉かもしれない。幸せに死ぬためには、死ぬときに幸せに感じられるようなコンディションづくりが必要になる。では、どのような行いが死ぬときの幸せに通じるだろうか?「たくさん金儲...
「4週間で幸せになる方法」という本を出しているのもあり、本ブログでは幸福に関する名言を紹介している。皆さんは読むことによって幸せになるだけではなく、ちょっとした雑学も身につくことになる。もし気に入ったものがあったら、何かの折に友人にも披露して、ぜひ周囲も幸せにしてあげてほしい。リンク今日は、ユダヤのことわざ。他人を幸福にするのは香水をふりかけるようなものだ。 ふりかけるとき自分にも数滴はかかる。この...
今日は、G・W・カーチスによる言葉。ちなみに僕はこの人について、この言葉の他には何も知らないし、ネットで探しても情報はない。以前紹介したダンデミス同様、名言界隈(?)のみで有名という人が実はポツポツいるらしい。なんとも不思議な話だ。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-223.htmlしかもカーチス氏の場合はその名言もしょぼい。“幸福はまず何より健康のなかにある。”いかにもありがちな健康第一説だが、せっかく...
ちょっと古い本だが、橘玲著「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法(幻冬舎文化)」を紹介したい。リンク橘氏の著書は以前も紹介しているが、この本もなかなか興味深い。一部を引用してみる。p249-250“ある調査によれば、人生の満足度を7点満点とすると、アメリカのビジネス誌「フォーブス」に載った大富豪たちの満足度の平均は5.8だった。彼らは資本主義社会の頂点に立つ成功者で、豪邸やプライベートジェットなど、望むも...
池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」を紹介してきたが、今日が最終回。リンクタイトルは「あがり症の人は不安を書き出すこと」。あがり症の人にとって朗報となる研究が、2011年1月の『サイエンス』誌に掲載されました。シカゴ大学のベイロック博士の論文です。(中略)ベイロック博士は、「高等学校の生徒106名に対して、期末試験でこの事実を確認しました。テスト直前に10分の時間を与え、次の試験科目のどの部分がど...
昨日に引き続き、池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」からの紹介。リンク今日は「イメージトレーニングはダイエットにも効果的!?」から。イメージトレーニングは、スポーツのみならず、ダイエットにも効果があるらしいというから驚きです。2010年12月の『サイエンス』誌に掲載されたカーネギーメロン大学のモアウェッジ博士の研究です。あたかも食べたかのようにイメージするだけで、食べたいという欲求が減るといいま...
今日紹介するのは池谷裕二著「寝る脳は風邪をひかない(扶桑社)」。相変わらず池谷氏の著書にはハズレがなく、この本も興味深く読ませていただいた。リンクそこで何回かにわけて僕が個人的に勉強になった部分を紹介する。今日は「ゲームの中毒性が自己管理能力を促進する!?」から。TVゲームやSNSなどのデジタル技術は脳にとって悪影響でしょうか。ゲームで遊ぶことで認知能力が高まるとするデータもあり、専門家の間でも統一...
昨日に続きメジャーリーガー大谷翔平の愛読書でもある、中村天風の著書「運命を拓く(講談社文庫)」の紹介。リンク今日は僕が好きな個所を少し長めに引用する。p235~三年四年経った人が私にお礼をいうとき、この人は、本当に私のいうことを聞いていたな、と私が思うようなお礼をいう人は、まあ十人に一人いるか、どうかである。たいていの人は、「(前略)尊いことを教えていただいたお陰で、この頃は、弱かった体も、すっかり...
中村天風(敬称略)という人物がいる。以下は中村天風財団HPより。https://www.tempukai.or.jp/know/footprint中村天風(なかむらてんぷう)明治9(1876)年生まれ。日露戦争の軍事探偵として満蒙で活躍。帰国後、当時不治の病であった肺結核を発病し、心身ともに弱くなったことから人生を深く考え、人生の真理を求めて欧米を遍歴する。一流の哲学者、宗教家を訪ねるが望む答えを得られず、失意のなか帰国を決意。その帰路、奇遇にも...
引き続きニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。最終日の今日は下巻から。よく思考実験でも使われる「最後通牒ゲーム」なるものがある。2人1組でのゲームなのだが、まずはルールを引用で説明したい。このゲームは、思いがけない授かりもの(たとえば10ドル)がプレーヤー1(提案者)にあたえられるところから始ま...
昨日の予告通り、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)から興味深く感じたエピソードを紹介する。今日は上巻から。アマゾン川流域などでは、子供には複数の父親がいると信じられている地域が多く点在するそうだ。分割できる父性を信じている文化では、子づくりにおける女性の役割はたいてい否定され、女性は「容れ物」にすぎないとみなされている。一部の...
今日はビル・ゲイツ氏ら絶賛の話題作、ニコラス・クリスタキス著、ブループリント:「よい未来」を築くための進化論と人類史(NewsPicksパブリッシング)を紹介する。まずはAmazonから。経済格差、人種、国家間対立…。今ほど「分断」が強調される時代はない。だがちょっと待ってほしい。こうした分断はなぜ起こるのだろう?それは進化の過程で、私たちが「仲間」を愛し、尊重する能力を身につけたからだ。この能力こそが、世界の命運...
今日は、ダライ・ラマ14世の言葉。“他の人々に幸せになってもらいたければ、思いやりを実行に移すこと。自分が幸せになりたければ、思いやりを実行に移すこと。“無粋と知った上でわかりやすくすれば、「思いやりの行動は相手だけでなく自分をも幸せにする」ということ。実はインド独立の父、マハトマ・ガンディーも、「報いを求めない奉仕はひとを幸福にするだけでなく、わたしたち自身をも幸福にする」と同じような言葉を残してい...
一昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。昨日は「心地よさ」や「快適さ」の度合いでしかなく、究極的には「好きか嫌いか」の問題に帰着するとの一節を紹介した。たとえば、「君の態度は間違っている」と自信満々に怒る人がいるが、「君の態度は嫌いだ」と言い換えても意味は変わらないことになる。今日紹介するテーマも僕らが自分自身に...
昨日から紹介しているのが池谷裕二著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」。今日はシマウマについての問題。p273キャンパスに描くシマウマのシマ模様について聞きました。どちらの答えが多いでしょう。① 白地に黒シマ模様② 黒地に白シマ模様今日も本書へのリンクの下に正答を掲載する。リンク答え ① 白地に黒シマ模様自分の世界こそ自分のすべてです。いや、厳密に言えば、...
池谷裕二氏による名著「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80 (ブルーバックス)」を今日から数回にわたり紹介する。とはいえ僕の本音は、「僕のブログで抜粋を読んでいる暇があったら、さっさと本を買って読んでほしい」というところ。そのくらいお薦めだ。p156地上より永遠に友達の顔を思い浮かべてみてください。何人思い浮かびましたか。そこで二つの質問をします。質問A―その友達のうち10年...
FIRE生活での資金繰りにおいて、今月、我が家に明るいニュースがあった。「プルデンシャル米国ドル建リタイアメント・インカム」という、ドル建ての年金の受給が開始されたのだ。そもそも加入したのはいまから20年も前の2005年。当時、アメリカの長期金利が今同様に5%近くあったため、この保険も利率4.5%と非常に高いレベルで設定されていた。加入時の為替は1ドル105円。今とは逆に、為替は上がり下がりを繰り返しながらも、じり...
昨日書いた通り、このGWはベトナムのリゾート、ニャチャンにあるヴィンパールに滞在した。ベトナムについて一番痛烈に感じたのは、やはりまだまだ遅れているということ。宿泊は一応は五つ星ホテル(ヴィンパール リゾート & スパ ニャチャン ベイ)だったのだが、到着してすぐ、僕と妻の部屋の冷房の機器が悪いことに気づいた。そこで部屋の電話からトラブル時に指定された番号に連絡を試みるも、何度ダイヤルしても返答がない。し...
昨日書いた通り、ゴールデンウィークの後半に家族でベトナムに行ってきた。そもそも次男がこの春から高校に進学したため、学校での日程がどのように組み込まれるのか見当がつかず、ゴールデンウィークには何も予定を入れられないでいたのだが、入学後に配られた工程表を見る限り、連休は丸々空いている様子。ならば旅行にでも行きたいね、という話になり、ネットでチェックしたのだが、4月中旬では時すでに遅く、めぼしい宿はすで...
去年の春、家族で沖縄旅行に行った顛末を昨春に記した。僕にとって人生初のパッケージツアーだった。その時の記事から引用する。https://fire-earlyretire.com/blog-entry-1108.htmlパッケージツアーなるものを自分で利用したことは、今までに一度もない。若い頃はいわゆる「バックパッカー」で、いろいろな国をゆっくり、低予算で回るのが好きだったから、パッケージツアーのようなお仕着せのやり方を馬鹿にしているところがあっ...
いとうせいこう氏と精神科医・星野概念氏との対談、“ラブという薬” という楽しい本のご紹介。リンク特に興味深かったのが星野氏によるふたつの発言。人の話を聞くことについて。“p43今、聞いていて思ったんですけど、やっぱり傾聴するってこと自体が、「YESの姿勢」っていうか、相手を論破しようとしていないんですよね。でも、今ってなんとなく論破しないとカッコつかない感じになってきてるんじゃないですか。ツイッターとか...