折々に過ぎ行く人の顔光るビルの間からの朝陽の中を折々に過ぎ行く人の顔光るビルの間からの朝陽の中を歌う風・・・913千葉甫
昨日も一昨日もしたことを今日もしている恐らく明日も昨日も一昨日もしたことを今日もしている恐らく明日も歌う風・・・744千葉甫
下りて来た一羽の雀コンビニと私の間を弾んでよぎる下りて来た一羽の雀コンビニと私の間を弾んでよぎる歌う風・・・743千葉甫
来る風が雨の匂いを帯びてきてコンピューターから外へ眼をやる来る風が雨の匂いを帯びてきてコンピューターから外へ眼をやる歌う風・・・742千葉甫
一週に一回顔を合わせての挨拶のみで三年となる一週に一回顔を合わせての挨拶のみで三年となる歌う風・・・741千葉甫
度の合わぬ眼で仰ぐ空飛んで行く一つの影は恐らく鴉度の合わぬ眼で仰ぐ空飛んで行く一つの影は恐らく鴉歌う風・・・740千葉甫
炎を見ることはなくなったこの頃は電子レンジで日々足りていて炎を見ることはなくなったこの頃は電子レンジで日々足りていて歌う風・・・739千葉甫
足踏みをしてゴキブリを追い払い深夜間近の階段上る足踏みをしてゴキブリを追い払い深夜間近の階段上る歌う風・・・738千葉甫
足の裏刺した痛みは昨夜まで私の指の爪の切れ端足の裏刺した痛みは昨夜まで私の指の爪の切れ端歌う風・・・737千葉甫
蒸し暑い夜となりつつ窓外の音高まって降り続く雨蒸し暑い夜となりつつ窓外の音高まって降り続く雨歌う風・・・736千葉甫
それぞれの声色持って声交す二羽の鴉が居る窓の外それぞれの声色持って声交す二羽の鴉が居る窓の外歌う風・・・735千葉甫
若い人に私の若い日のことを話した後の残る寂しさ若い人に私の若い日のことを話した後の残る寂しさ歌う風・・・734千葉甫
食前に服む一錠を忘れたと食事半ばに気がつく今日も食前に服む一錠を忘れたと食事半ばに気がつく今日も歌う風・・・733千葉甫
灯点したその瞬間にゴキブリが足元間近から突っ走る灯点したその瞬間にゴキブリが足元間近から突っ走る歌う風・・・732千葉甫
閉じた眼に揺らぐ明暗窓際へ伸びた木の葉に風の出てきて閉じた眼に揺らぐ明暗窓際へ伸びた木の葉に風の出てきて歌う風・・・731千葉甫
古くから知っている名が唐突に記憶の中の空白となる古くから知っている名が唐突に記憶の中の空白となる歌う風・・・730千葉甫
一日が間もなく終る今日もまた結末の無い幾つかあって一日が間もなく終る今日もまた結末の無い幾つかあって歌う風・・・729千葉甫
声交わす鴉の群れの中空に屯していて今日の夕映え声交わす鴉の群れの中空に屯していて今日の夕映え歌う風・・・728千葉甫
うたた寝の覚めて暫く現在の時間へ定着までを漂ううたた寝の覚めて暫く現在の時間へ定着までを漂う歌う風・・・727千葉甫
目覚めても目覚めてもまだ闇の中朝は誠に遠くにあって目覚めても目覚めてもまだ闇の中朝は誠に遠くにあって歌う風・・・726千葉甫
アナログの二つの時計それぞれに少し異なる時間を見せるアナログの二つの時計それぞれに少し異なる時間を見せる歌う風・・・725千葉甫
食前に一錠ずつを二つ服み食後に一つで朝食終る食前に一錠ずつを二つ服み食後に一つで朝食終る歌う風・・・724千葉甫
行きずりに視線が合って挨拶と笑顔の見知らぬ美しい人行きずりに視線が合って挨拶と笑顔の見知らぬ美しい人歌う風・・・723千葉甫
折々の意識の白くなるときに降り続いている雨の音聞く折々の意識の白くなるときに降り続いている雨の音聞く歌う風・・・722千葉甫
傍らを過ぎる車に飛び立たず町で生まれて育った鴉傍らを過ぎる車に飛び立たず町で生まれて育った鴉歌う風・・・721千葉甫
書こうとするまでは記憶にあったのにペンが止まって出て来ぬ一字書こうとするまでは記憶にあったのにペンが止まって出て来ぬ一字歌う風・・・720千葉甫
マイペースの蠅取蜘蛛がキーボードをよぎって行くまで見る指止めてマイペースの蠅取蜘蛛がキーボードをよぎって行くまで見る指止めて歌う風・・・719千葉甫
いつか雨が降ったのを知る窓際の木の葉に残る雨滴のあっていつか雨が降ったのを知る窓際の木の葉に残る雨滴のあって歌う風・・・718千葉甫
カーテンの外から滲む街灯に明かるむ部屋を見る目覚めてはカーテンの外から滲む街灯に明かるむ部屋を見る目覚めては歌う風・・・717千葉甫
ことも無く一日が行く次に為す予定の一つを今日も忘れてことも無く一日が行く次に為す予定の一つを今日も忘れて歌う風・・・716千葉甫
この道の一つの桜の花終えてその他の木々の中に埋もれるこの道の一つの桜の花終えてその他の木々の中に埋もれる歌う風・・・715千葉甫
似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して歌う風・・・714千葉甫
ぎこちなくなった時間の救われるタイミングよく電話の鳴ってごこちなくなった時間の救われるタイミングよく電話の鳴って歌う風・・・713千葉甫
一本の雑木の枝の新緑の日に日に迫る窓の下から一本の雑木の枝の新緑の日に日に迫る窓の下から歌う風・・・712千葉甫
ここからは見えないところの桜から漂って来た花びら一つここからはみえないところの桜から漂って来た花びら一つ歌う風・・・711千葉甫
?呼ばれたように覚えて彼は立ち止まり、あたりを見回した。見覚えのない住宅街の通りだった。人影は無い。なぜ、ここを歩いているのだろう?それに、ここへ来た記憶もなかった。再び、声を聞いて振り返った。塀の上に座った猫が彼を見つめていた。見覚えのある猫だった。少年時代に居た飼い猫のトムを思わせた。「トム?」呼んでみた。「あぁ」猫が答えた。そのときドアが開いて出てきた人に眼をやった彼は、衝撃に身が凍りついた。その人は逝ってほぼ三年になる彼の父親と瓜二つだった。その人も、顔に驚きの色を浮かべて、「一夫か!もう、こちら彼岸へ来たのか。えらく早いじゃないか!」掌奇譚Homecoming千葉甫
鳴るたびに近づいていた雷鳴の遠退き始める雨は上がるか鳴るたびに近づいていた雷鳴の遠退き始める雨は上がるか歌う風・・・710千葉甫
薄暗い時間のままに昼が来てまた降り出した雨の聞こえる薄暗い時間のままに昼が来てまた降り出した雨の聞こえる歌う風・・・709千葉甫
過去からの声だったのか未来から来た声だったか呼ばれて覚める過去からの声だったのか未来から来た声だったか呼ばれて覚める歌う風・・・708千葉甫
ポケットを裏返しても出てこない確かに入れた筈だけれどもポケットを裏返しても出てこない確かに入れた筈だけれども歌う風・・・707千葉甫
来る風の躊躇うようにカーテンの静止するとき揺れているとき来る風の躊躇うようにカーテンの静止するとき揺れているとき歌う風・・・706千葉甫
ソリテアの挫折の続く今度こそ今度こそはと向きになりゆくソリテアの挫折の続く今度こそ今度こそはと向きになりゆく歌う風・・・705千葉甫
春の陽の輝く髪を右左揺らして私の前を行く人春の陽の輝く髪を右左揺らして私の前を行く人歌う風・・・704千葉甫
眠れないまま聞いている耳鳴りに加わっている新しい音眠れないまま聞いている耳鳴りに加わっている新しい音歌う風・・・703千葉甫
夢に来てランチを共にした人は十年前まで接していた人夢に来てランチを共にした人は十年前まで接していた人歌う風・・・702千葉甫
行く夜の時間に眼をやりもう一章読みたいところでページを閉ざす行く夜の時間に眼をやりもう一章読みたいところでページを閉ざす歌う風・・・701千葉甫
麗らかな陽ざしであるが会う風は冬の名残の感触を持つ麗らかな陽ざしであるが会う風は冬の名残の感触を持つ歌う風・・・700千葉甫
五年目の来るコンピューター未使用の内蔵ソフトの沢山あって五年目の来るコンピューター未使用の内蔵ソフトの沢山あって歌う風・・・699千葉甫
僅かな間うとうとの来ただけなのに三十分が消え失せている僅かな間うとうとの来ただけなのに三十分が消え失せている歌う風・・・698千葉甫
プログラムされている声に従ってキー押していく今夜は冷えるプログラムされている声に従ってキー押していく今夜は冷える歌う風・・・697千葉甫
相談の相手無いままとつとつとインターネットで答えを探す相談の相手無いままとつとつとインターネットで答えを探す歌う風・・・696千葉甫
ピーという音に続いて伝言は入らずに今日の電話も切れるピーという音に続いて伝言は入らずに今日の電話も切れる歌う風・・・695千葉甫
直進をしようとしたが右折する犬に従い引かれ行く人直進をしようとしたが右折する犬に従い引かれ行く人歌う風・・・674千葉甫
起きるにはまだ早いので眼を閉じて起きる時間に去られてしまう起きるにはまだ早いので眼を閉じて起きる時間に去られてしまう歌う風・・・693千葉甫
靴下の踵の穴のまた少し大きくなっている寒い朝靴下の踵の穴のまた少し大きくなっている寒い朝歌う風・・・692千葉甫
隣接の家の窓から反射する朝の陽ざしの階段下る隣接の家の窓から反射する朝の陽ざしの階段下る歌う風・・・691千葉甫
今日の運不運の他は変わりばえほとんどしない一日だった今日の運不運の他は変わりばえほとんどしない一日だった歌う風・・・690千葉甫
そういうことだったのかとの認識がじわじわとくる時間を置いてそういうことだったのかとの認識がじわじわとくる時間を置いて歌う風・・・689千葉甫
窓開けて降っているかと目を凝らし傘ぶら下げて歩く人見る窓開けて降っているかと目を凝らし傘ぶら下げて歩く人見る歌う風・・・688千葉甫
検温の数字で微熱を知ってから何をするにも怠さ覚える検温の数字で微熱を知ってから何をするにも怠さ覚える歌う風・・・687千葉甫
待っている眠りの兆しの無いままに耳鳴りばかり聞こえて更ける待っている眠りの兆しの無いままに耳鳴りばかり聞こえて更ける歌う風・・・686千葉甫
躓いてよろけた弾みに目の覚めて白い明かりの満ちている部屋躓いてよろけた弾みに目の覚めて白い明かりの満ちている部屋歌う風・・・685千葉甫
ジェット機と空気の摩擦する音の尾を引いている雲厚き午後ジェット機と空気の摩擦する音の尾を引いている雲厚き午後歌う風・・・684千葉甫
上げた眼に空をよぎった鳥の影見たのは私一人の真昼上げた眼に空をよぎった鳥の影見たのは私一人の真昼歌う風・・・683千葉甫
不透明ガラスの窓の外にある影の動いて猫の立ち去る不透明ガラスの窓の外にある影の動いて猫の立ち去る歌う風・・・682千葉甫
選択肢二つの一つに少しづつ思い固まる時間の迫る選択肢二つの一つに少しづつ思い固まる時間の迫る歌う風・・・681千葉甫
鳴っている電話聞こえるこの家に居るのは私一人か今は鳴っている電話聞こえるこの家に居るのは私一人か今は歌う風・・・680千葉甫
気がつけば夕べ近づく降り出してきそうになっては明るくなって気がつけば夕べ近づく降り出してきそうになっては明るくなって歌う風・・・679千葉甫
一台のコンピューターで見て読んで聞いて記して過ごした今日も一台のコンピューターで見て読んで聞いて記して過ごした今日も歌う風・・・678千葉甫
聞き耳を立てれば雨は降っていて躊躇うような雷鳴のくる聞き耳を立てれば雨は降っていて躊躇うような雷鳴のくる歌う風・・・677千葉甫
急速に気温下がって急速に血圧上る連動をして急速に気温下がって急速に血圧上る連動をして歌う風・・・676千葉甫
冷えこんだ今日の漸く終りつつ明日は更に冷えこむと聞く冷えこんだ今日の漸く終りつつ明日は更に冷えこむと聞く歌う風・・・675千葉甫
時折の陽ざしはあれど午後からはさらに冷えつつ思いの縮む時折の陽ざしはあれど午後からはさらに冷えつつ思いの縮む歌う風・・・674千葉甫
一所見えていた空の青消えて予報通りに雨の迫るか一所(ひとところ)見えていた空の青消えて予報通りに雨の迫るか歌う風・・・673千葉甫
昨日を今日もなぞっているように過ぎてはいるが今日は今日である昨日を今日もなぞっているように過ぎてはいるが今日は今日である歌う風・・・672千葉甫
聴いているギターの曲に遠い日の弦の感触還る指先聴いているギターの曲に遠い日の弦の感触還る指先歌う風・・・671千葉甫
苛立って言葉の荒くなってゆく私を見つめている私が居る苛立って言葉の荒くなってゆく私を見つめている私が居る歌う風・・・670千葉甫
返事して夢から覚める何事を問われたのかの記憶は抜けて返事して夢から覚める何事を問われたのかの記憶は抜けて歌う風・・・669千葉甫
拾い読みしている本から三十年前に記したメモの出てくる拾い読みしている本から三十年前に記したメモの出てくる歌う風・・・668千葉甫
日常の茶飯事一つ忘れては思い出しつつまた一日行く日常の茶飯事一つ忘れては思い出しつつまた一日行く歌う風・・・667千葉甫
ヘッドホン外せば夜は更けていて聞くのは私の脈拍の音ヘッドホン外せば夜は更けていて聞くのは私の脈拍の音歌う風・・・666千葉甫
アンケートに書くわが齢を逸早くコンピューターが答えを示すアンケートに書くわが齢を逸早くコンピューターが答えを示す歌う風・・・665千葉甫
忘れつつ思い出しつつ片づけていない一つが意識に潜む忘れつつ思い出しつつ片づけていない一つが意識に潜む歌う風・・・664千葉甫
考える間は机上に置いていた眼鏡のつるの冷たさ沁みる考える間は机上に置いていた眼鏡のつるの冷たさ沁みる歌う風・・・663千葉甫
ヘッドホンで聴いている曲折々に聴かずに過ぎる想いに落ちてヘッドホンで聴いている曲折々に聴かずに過ぎる想いに落ちて歌う風・・・662千葉甫
通りには斜めに雪が降っていてぽつりぽつりと人影の行く通りには斜めに雪が降っていてぽつりぽつりと人影の行く歌う風・・・661千葉甫
十を割る数となったが元日に今年は揃って来た年賀状十を割る数となったが元日に今年は揃って来た年賀状歌う風・・・660千葉甫
冷えてゆく気温を肌に感じつつ一人いる夜は殊更寒い冷えてゆく気温を肌に感じつつ一人いる夜は殊更寒い歌う風・・・659千葉甫
暮れきった部屋の机上でスリープの明かりの点滅するコンピューター暮れきった部屋の机上でスリープの明かりの点滅するコンピューター歌う風・・・658千葉甫
重たげな雲が朝から閉じていて夜には雨と言う予報では重たげな雲が朝から閉じていて夜には雨と言う予報では歌う風・・・657千葉甫
吠えながら近づく声は空中にあって鴉が突っ切て行く吠えながら近づく声は空中にあって鴉が突っ切て行く歌う風・・・656千葉甫
閉じて眼を開けては時計に目をやって起き出す昨日と同じ時間に閉じて眼を開けては時計に目をやって起き出す昨日と同じ時間に歌う風・・・655千葉甫
間に合って留守番電話へ切り替わる間際に取ればセールスの声間に合って留守番電話へ切り替わる間際に取ればセールスの声歌う風・・・654千葉甫
寝る際に聞いた雷鳴その後に雨があったと覚めてから聞く寝る際に聞いた雷鳴その後に雨があったと覚めてから聞く歌う風・・・653千葉甫
暖かい夜とは言えど力なく壁際あるく冬のゴキブリ暖かい夜とは言えど力なく壁際あるく冬のゴキブリ歌う風・・・652千葉甫
返事して開けるまでやや間があったドアの外にはだあれも居ない返事して開けるまでやや間があったドアの外にはだあれも居ない歌う風・・・651千葉甫
はたきつつ弾みで触れて立てかけたままのギターが久々に鳴るはたきつつ弾みで触れて立てかけたままのギターが久々に鳴る歌う風・・・650千葉甫
次々と間近に降りてここに居る私に構わず雀ら弾む次々と間近に降りてここに居る私に構わず雀ら弾む歌う風・・・649千葉甫
予期をした程は気温の下がらずに得した思いで過ぎている今日予期をした程は気温の下がらずに得した思いで過ぎている今日歌う風・・・648千葉甫
屋内かそれとも外か物音のあった夜更けの静けさ募る屋内かそれとも外か物音のあった夜更けの静けさ募る歌う風・・・647千葉甫
聞かされたショック次第に薄れつつ意識の底に淀みゆく滓聞かされたショック次第に薄れつつ意識の底に淀みゆく滓歌う風・・・646千葉甫
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折々に過ぎ行く人の顔光るビルの間からの朝陽の中を折々に過ぎ行く人の顔光るビルの間からの朝陽の中を歌う風・・・913千葉甫
カーテンを大きくめくって入ってくる朝(あした)の風の涼しさを吸うカーテンを大きくめくって入ってくる朝(あした)の風の涼しさを吸う歌う風・・・912千葉甫
早朝の雨後の舗道に音も無く三羽、四羽の雀の弾む早朝の雨後の舗道に音も無く三羽、四羽の雀の弾む歌う風・・・911千葉甫
雷鳴が虚ろに一度あったあと静かに過ぎて行く朝の刻(とき)雷鳴が虚ろに一度あったあと静かに過ぎて行く朝の刻(とき)歌う風・・・910千葉甫
午後からは晴れる予報の暮際に短い時間の陽ざしがあった午後からは晴れる予報の暮際に短い時間の陽ざしがあった歌う風・・・909千葉甫
眼の隅を走った影に目をやった床には何も無く夜が更ける眼の隅を走った影に目をやった床には何も無く夜が更ける歌う風・・・908千葉甫
頭からかぶりつくがに解体をされて見慣れた家は無くなる頭からかぶりつくがに解体をされて見慣れた家は無くなる歌う風・・・907千葉甫
人影の無い路上から朝かげを弾いて飛び立つ雀が一羽人影の無い路上から朝かげを弾いて飛び立つ雀が一羽歌う風・・・506千葉甫
色褪せた写真にあるのは記憶からすっかり消えていた一場面色褪せた写真にあるのは記憶からすっかり消えていた一場面歌う風・・・904千葉甫
窓の外よぎって行った紋白蝶雨はすっかり上がったようだ窓の外よぎって行った紋白蝶雨はすっかり上がったようだ歌う風・・・904千葉甫
お喋りな一羽と聞いている一羽二羽の雀が電線に居てお喋りな一羽と聞いている一羽二羽の雀が電線に居て歌う風・・・903千葉甫
真昼間の路上に影を落とす木の下行くときの初夏の風真昼間の路上に影を落とす木の下行くときの初夏の風歌う風・・・902千葉甫
没ちてゆく夕陽が間もなくマンションの端からここへ伸びてくるころ没ちてゆく夕陽が間もなくマンションの端からここへ伸びてくるころ歌う風・・・901千葉甫
雑木と呼ばれている木の伐採をされつつ強く匂いを放つ雑木と呼ばれている木の伐採をされつつ強く匂いを放つ歌う風・・・900千葉甫
人間の住む暖かさ無い家が増殖しつつ消えるわが町人間の住む暖かさ無い家が増殖しつつ消えるわが町歌う風・・・899千葉甫
記念日の意識乏しくゴールデン・ウィーク過ぎて行く淡々と記念日の意識乏しくゴールデン・ウィーク過ぎて行く淡々と歌う風・・・898千葉甫
花水木通りの今日は花びらの白散りまべるところどころに花水木通りの今日は花びらの白散りまべるところどころに歌う風・・・897千葉甫
スピードを上げて電動車椅子で味わう薫る風の感触スピードを上げて電動車椅子で味わう薫る風の感触歌う風・・・896千葉甫
祖母からの種子で咲かせた日の還る歩道の花壇のパンジーを見て祖母からの種子で咲かせた日の還る歩道の花壇のパンジーを見て歌う風・・・895千葉甫
灯を消せば家を包んでいる音のあっていつしか降り出した雨灯を消せば家を包んでいる音のあっていつしか降り出した雨歌う風・・・894千葉甫
昨日も一昨日もしたことを今日もしている恐らく明日も昨日も一昨日もしたことを今日もしている恐らく明日も歌う風・・・744千葉甫
下りて来た一羽の雀コンビニと私の間を弾んでよぎる下りて来た一羽の雀コンビニと私の間を弾んでよぎる歌う風・・・743千葉甫
来る風が雨の匂いを帯びてきてコンピューターから外へ眼をやる来る風が雨の匂いを帯びてきてコンピューターから外へ眼をやる歌う風・・・742千葉甫
一週に一回顔を合わせての挨拶のみで三年となる一週に一回顔を合わせての挨拶のみで三年となる歌う風・・・741千葉甫
度の合わぬ眼で仰ぐ空飛んで行く一つの影は恐らく鴉度の合わぬ眼で仰ぐ空飛んで行く一つの影は恐らく鴉歌う風・・・740千葉甫
炎を見ることはなくなったこの頃は電子レンジで日々足りていて炎を見ることはなくなったこの頃は電子レンジで日々足りていて歌う風・・・739千葉甫
足踏みをしてゴキブリを追い払い深夜間近の階段上る足踏みをしてゴキブリを追い払い深夜間近の階段上る歌う風・・・738千葉甫
足の裏刺した痛みは昨夜まで私の指の爪の切れ端足の裏刺した痛みは昨夜まで私の指の爪の切れ端歌う風・・・737千葉甫
蒸し暑い夜となりつつ窓外の音高まって降り続く雨蒸し暑い夜となりつつ窓外の音高まって降り続く雨歌う風・・・736千葉甫
それぞれの声色持って声交す二羽の鴉が居る窓の外それぞれの声色持って声交す二羽の鴉が居る窓の外歌う風・・・735千葉甫
若い人に私の若い日のことを話した後の残る寂しさ若い人に私の若い日のことを話した後の残る寂しさ歌う風・・・734千葉甫
食前に服む一錠を忘れたと食事半ばに気がつく今日も食前に服む一錠を忘れたと食事半ばに気がつく今日も歌う風・・・733千葉甫
灯点したその瞬間にゴキブリが足元間近から突っ走る灯点したその瞬間にゴキブリが足元間近から突っ走る歌う風・・・732千葉甫
閉じた眼に揺らぐ明暗窓際へ伸びた木の葉に風の出てきて閉じた眼に揺らぐ明暗窓際へ伸びた木の葉に風の出てきて歌う風・・・731千葉甫
古くから知っている名が唐突に記憶の中の空白となる古くから知っている名が唐突に記憶の中の空白となる歌う風・・・730千葉甫
一日が間もなく終る今日もまた結末の無い幾つかあって一日が間もなく終る今日もまた結末の無い幾つかあって歌う風・・・729千葉甫
声交わす鴉の群れの中空に屯していて今日の夕映え声交わす鴉の群れの中空に屯していて今日の夕映え歌う風・・・728千葉甫
うたた寝の覚めて暫く現在の時間へ定着までを漂ううたた寝の覚めて暫く現在の時間へ定着までを漂う歌う風・・・727千葉甫
目覚めても目覚めてもまだ闇の中朝は誠に遠くにあって目覚めても目覚めてもまだ闇の中朝は誠に遠くにあって歌う風・・・726千葉甫
アナログの二つの時計それぞれに少し異なる時間を見せるアナログの二つの時計それぞれに少し異なる時間を見せる歌う風・・・725千葉甫