この部屋をシェアの蠅取蜘蛛が来てコンピューターの画面をあるくこの部屋をシェアの蠅取蜘蛛が来てコンピューターの画面をあるく歌う風・・・785千葉甫
この部屋をシェアの蠅取蜘蛛が来てコンピューターの画面をあるくこの部屋をシェアの蠅取蜘蛛が来てコンピューターの画面をあるく歌う風・・・785千葉甫
思い出す顔の多くは晩年の顔ではなくて若い日の顔思い出す顔の多くは晩年の顔ではなくて若い日の顔歌う風・・・784千葉甫
音低く吹くハーモニカ少年の日々に愛奏じた曲が出る音低く吹くハーモニカ少年の日々に愛奏した曲が出る歌う風・・・783千葉甫
通り過ぎた一機のあって伸びている飛行機雲の溶ける炎昼通り過ぎた一機のあって伸びている飛行機雲の溶ける炎昼歌う風・・・782千葉甫
灯を消して眼を閉じて来る眠り待ちつついつしか眠る昨夜も灯を消して眼を閉じて来る眠り待ちつついつしか眠る昨夜も歌う風・・・781千葉甫
寝る際に眼をやる窓に丸い月あってまともに顔を合わせる寝る際に眼をやる窓に丸い月あってまともに顔を合わせる歌う風・・・780千葉甫
親しんできた名の一人また逝って寂しさの増す私の世界親しんできた名の一人また逝って寂しさの増す私の世界歌う風・・・779千葉甫
炎昼の窓から雀の声の来る金属性の響きを帯びて炎昼の窓から雀の声の来る金属性の響きを帯びて歌う風・・・778千葉甫
灼けている日本列島台風が上陸間際の地方もあって灼けている日本列島台風が上陸間際の地方もあって歌う風・・・777千葉甫
新紙幣出てからひと月経たけれど持っている人ともまだ出会わない新紙幣出てからひと月経たけれど持っている人ともまだ出会わない歌う風・・・776千葉甫
見下ろした足元近くをのんびりと蠅取蜘蛛のあるくのを見る見下ろした足元近くをのんびりと蠅取蜘蛛のあるくのを見る歌う風・・・775千葉甫
寝転んで灼けた空気を聞いている時間長引く真夏日の午後寝転んで灼けた空気を聞いている時間長引く真夏日の午後歌う風・・・774千葉甫
蛞蝓がタイルの壁に長々と体を伸ばしている暑い夜蛞蝓がタイルの壁に長々と体を伸ばしている暑い夜歌う風・・・773千葉甫
電柱に鴉が一羽呼び声をあげる度毎上がる尾を見る電柱に鴉が一羽呼び声をあげる度毎上がる尾を見る今日の一首・・・772千葉甫
連想が連想を呼ぶきっかけは何だったかを既に忘れて連想が連想を呼ぶきっかけは何だったかを既に忘れて歌う風・・・771千葉甫
戸を開けて首振ってきた風に会うまたも消し忘れていた扇風機戸を開けて首振ってきた風に会うまたも消し忘れていた扇風機歌う風・・・770千葉甫
貨物車の左へ曲がるの声響く人影の無い灼けた交叉路貨物車の左へ曲がるの声響く人影の無い灼けた交叉路歌う風・・・769千葉甫
蛇口から落ちるぬるま湯手に受けて今日酷暑日の増す疲労感蛇口から落ちるぬるま湯手に受けて今日酷暑日の増す疲労感歌う風・・・768千葉甫
灼けついた陽ざしの中を力なくただ一匹の蝉の声来る灼けついた陽ざしの中を力なくただ一匹の蝉の声来る歌う風・・・767千葉甫
太陽にぎらりと睨み返される出てきた雲は遠くにあって太陽にぎらりと睨み返される出てきた雲は遠くにあって歌う風・・・766千葉甫
微睡の覚めて現つへ戻るまでの漂う意識に耳を澄ませる微睡の覚めて現つへ戻るまでの漂う意識に耳を澄ませる歌う風・・・765千葉甫
探しものしていて出てきたメモの紙何のメモかは既に忘れて探しものしていて出てきたメモの紙何のメモかは既に忘れて歌う風・・・764千葉甫
降らぬまま陽の差してくる来た風に雨の匂いの束の間あって降らぬまま陽の差してくる来た風に雨の匂いの束の間あって歌う風・・・763千葉甫
刻々と暑くなりつつ吸っている空気の温度を喉に感じる刻々と暑くなりつつ吸っている空気の温度を喉に感じる歌う風・・・762千葉甫
微睡から線香花火を連想の雀の声を聞きつつ覚める微睡から線香花火を連想の雀の声を聞きつつ覚める歌う風・・・761千葉甫
雨は降っているか見下ろす夜の通りやがて来かかる傘ささぬ人雨は降っているか見下ろす夜の通りやがて来かかる傘ささぬ人歌う風・・・760千葉甫
木の葉打つ降り出した音聞き留めて聞いている間に音の途絶える木の葉打つ降り出した音聞き留めて聴いている間に音の途絶える歌う風・・・759千葉甫
音低く弾くカリンバの一音の高く響いて夜の静けさ音低く弾くカリンバの一音の高く響いて夜の静けさ歌う風・・・758千葉甫
気まぐれな風に吹かれて羽搏きを始めたように木の葉らそよぐ気まぐれな風に吹かれて羽搏きを始めたように木の葉らそよぐ歌う風・・・757千葉甫
充電の機器の増えつつ今日もまた充電をする続けて二つ充電の機器の増えつつ今日もまた充電をする続けて二つ歌う風・・・756千葉甫
六時間タイマー・セットの扇風機の風がまだ来るまたの目覚めも六時間タイマー・セットの扇風機の風がまだ来るまたの目覚めも歌う風・・・755千葉甫
自動ドアのスライドをして開くまでを見つめる灼けて光る通りを自動ドアのスライドをして開くまでを見つめる灼けて光る通りを歌う風・・・754千葉甫
久々にレコードで聴くこの人の意外に高い若い日の声久々にレコードで聴くこの人の意外に高い若い日の声歌う風・・・753千葉甫
探しつつ次第に記憶の甦るあそこへ仕舞ったかも知れないな探しつつ次第に記憶の甦るあそこへ仕舞ったかも知れないな歌う風・・・752千葉甫
私より一足先に室内へ入って蛾の飛ぶ灯りの下を私より一足先に室内へ入って蛾の飛ぶ灯りの下を歌う風・・・751千葉甫
カーテンが平らに揺れて入ってきた今夜の風の涼しさを吸うカーテンが平らに揺れて入ってきた今夜の風の涼しさを吸う歌う風・・・750千葉甫
漂って来たこの匂い記憶にはあるのだけれど?あるのだけれど?漂って来たこの匂い記憶にはあるのだけれど?あるのだけれど?歌う風・・・749千葉甫
ヘッドホン外せば夜は更けていて音無く揺れる窓のカーテンヘッドホン外せば夜は更けていて音無く揺れる窓のカーテン歌う風・・・748千葉甫
思いがけぬ距離を歩めた幸せの後の寂しさ夢から覚めて思いがけぬ距離を歩めた幸せの後の寂しさ夢から覚めて歌う風・・・747千葉甫
窓からの風が伝えた歌声を聞いて目覚める白雲光る窓からの風が伝えた歌声を聞いて目覚める白雲光る歌う風・・・746千葉甫
街灯の明かりに窓へ影を置く木の葉の揺れていて夜は更ける街灯の明かりに窓へ影を置く木の葉の揺れていて夜は更ける歌う風・・・745千葉甫
昨日も一昨日もしたことを今日もしている恐らく明日も昨日も一昨日もしたことを今日もしている恐らく明日も歌う風・・・744千葉甫
下りて来た一羽の雀コンビニと私の間を弾んでよぎる下りて来た一羽の雀コンビニと私の間を弾んでよぎる歌う風・・・743千葉甫
来る風が雨の匂いを帯びてきてコンピューターから外へ眼をやる来る風が雨の匂いを帯びてきてコンピューターから外へ眼をやる歌う風・・・742千葉甫
一週に一回顔を合わせての挨拶のみで三年となる一週に一回顔を合わせての挨拶のみで三年となる歌う風・・・741千葉甫
度の合わぬ眼で仰ぐ空飛んで行く一つの影は恐らく鴉度の合わぬ眼で仰ぐ空飛んで行く一つの影は恐らく鴉歌う風・・・740千葉甫
炎を見ることはなくなったこの頃は電子レンジで日々足りていて炎を見ることはなくなったこの頃は電子レンジで日々足りていて歌う風・・・739千葉甫
足踏みをしてゴキブリを追い払い深夜間近の階段上る足踏みをしてゴキブリを追い払い深夜間近の階段上る歌う風・・・738千葉甫
足の裏刺した痛みは昨夜まで私の指の爪の切れ端足の裏刺した痛みは昨夜まで私の指の爪の切れ端歌う風・・・737千葉甫
蒸し暑い夜となりつつ窓外の音高まって降り続く雨蒸し暑い夜となりつつ窓外の音高まって降り続く雨歌う風・・・736千葉甫
それぞれの声色持って声交す二羽の鴉が居る窓の外それぞれの声色持って声交す二羽の鴉が居る窓の外歌う風・・・735千葉甫
若い人に私の若い日のことを話した後の残る寂しさ若い人に私の若い日のことを話した後の残る寂しさ歌う風・・・734千葉甫
食前に服む一錠を忘れたと食事半ばに気がつく今日も食前に服む一錠を忘れたと食事半ばに気がつく今日も歌う風・・・733千葉甫
灯点したその瞬間にゴキブリが足元間近から突っ走る灯点したその瞬間にゴキブリが足元間近から突っ走る歌う風・・・732千葉甫
閉じた眼に揺らぐ明暗窓際へ伸びた木の葉に風の出てきて閉じた眼に揺らぐ明暗窓際へ伸びた木の葉に風の出てきて歌う風・・・731千葉甫
古くから知っている名が唐突に記憶の中の空白となる古くから知っている名が唐突に記憶の中の空白となる歌う風・・・730千葉甫
一日が間もなく終る今日もまた結末の無い幾つかあって一日が間もなく終る今日もまた結末の無い幾つかあって歌う風・・・729千葉甫
声交わす鴉の群れの中空に屯していて今日の夕映え声交わす鴉の群れの中空に屯していて今日の夕映え歌う風・・・728千葉甫
うたた寝の覚めて暫く現在の時間へ定着までを漂ううたた寝の覚めて暫く現在の時間へ定着までを漂う歌う風・・・727千葉甫
目覚めても目覚めてもまだ闇の中朝は誠に遠くにあって目覚めても目覚めてもまだ闇の中朝は誠に遠くにあって歌う風・・・726千葉甫
アナログの二つの時計それぞれに少し異なる時間を見せるアナログの二つの時計それぞれに少し異なる時間を見せる歌う風・・・725千葉甫
食前に一錠ずつを二つ服み食後に一つで朝食終る食前に一錠ずつを二つ服み食後に一つで朝食終る歌う風・・・724千葉甫
行きずりに視線が合って挨拶と笑顔の見知らぬ美しい人行きずりに視線が合って挨拶と笑顔の見知らぬ美しい人歌う風・・・723千葉甫
折々の意識の白くなるときに降り続いている雨の音聞く折々の意識の白くなるときに降り続いている雨の音聞く歌う風・・・722千葉甫
傍らを過ぎる車に飛び立たず町で生まれて育った鴉傍らを過ぎる車に飛び立たず町で生まれて育った鴉歌う風・・・721千葉甫
書こうとするまでは記憶にあったのにペンが止まって出て来ぬ一字書こうとするまでは記憶にあったのにペンが止まって出て来ぬ一字歌う風・・・720千葉甫
マイペースの蠅取蜘蛛がキーボードをよぎって行くまで見る指止めてマイペースの蠅取蜘蛛がキーボードをよぎって行くまで見る指止めて歌う風・・・719千葉甫
いつか雨が降ったのを知る窓際の木の葉に残る雨滴のあっていつか雨が降ったのを知る窓際の木の葉に残る雨滴のあって歌う風・・・718千葉甫
カーテンの外から滲む街灯に明かるむ部屋を見る目覚めてはカーテンの外から滲む街灯に明かるむ部屋を見る目覚めては歌う風・・・717千葉甫
ことも無く一日が行く次に為す予定の一つを今日も忘れてことも無く一日が行く次に為す予定の一つを今日も忘れて歌う風・・・716千葉甫
この道の一つの桜の花終えてその他の木々の中に埋もれるこの道の一つの桜の花終えてその他の木々の中に埋もれる歌う風・・・715千葉甫
似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して似通ったこの日この日を生きている食べることさえ定型化して歌う風・・・714千葉甫
ぎこちなくなった時間の救われるタイミングよく電話の鳴ってごこちなくなった時間の救われるタイミングよく電話の鳴って歌う風・・・713千葉甫
一本の雑木の枝の新緑の日に日に迫る窓の下から一本の雑木の枝の新緑の日に日に迫る窓の下から歌う風・・・712千葉甫
ここからは見えないところの桜から漂って来た花びら一つここからはみえないところの桜から漂って来た花びら一つ歌う風・・・711千葉甫
?呼ばれたように覚えて彼は立ち止まり、あたりを見回した。見覚えのない住宅街の通りだった。人影は無い。なぜ、ここを歩いているのだろう?それに、ここへ来た記憶もなかった。再び、声を聞いて振り返った。塀の上に座った猫が彼を見つめていた。見覚えのある猫だった。少年時代に居た飼い猫のトムを思わせた。「トム?」呼んでみた。「あぁ」猫が答えた。そのときドアが開いて出てきた人に眼をやった彼は、衝撃に身が凍りついた。その人は逝ってほぼ三年になる彼の父親と瓜二つだった。その人も、顔に驚きの色を浮かべて、「一夫か!もう、こちら彼岸へ来たのか。えらく早いじゃないか!」掌奇譚Homecoming千葉甫
鳴るたびに近づいていた雷鳴の遠退き始める雨は上がるか鳴るたびに近づいていた雷鳴の遠退き始める雨は上がるか歌う風・・・710千葉甫
薄暗い時間のままに昼が来てまた降り出した雨の聞こえる薄暗い時間のままに昼が来てまた降り出した雨の聞こえる歌う風・・・709千葉甫
過去からの声だったのか未来から来た声だったか呼ばれて覚める過去からの声だったのか未来から来た声だったか呼ばれて覚める歌う風・・・708千葉甫
ポケットを裏返しても出てこない確かに入れた筈だけれどもポケットを裏返しても出てこない確かに入れた筈だけれども歌う風・・・707千葉甫
来る風の躊躇うようにカーテンの静止するとき揺れているとき来る風の躊躇うようにカーテンの静止するとき揺れているとき歌う風・・・706千葉甫
ソリテアの挫折の続く今度こそ今度こそはと向きになりゆくソリテアの挫折の続く今度こそ今度こそはと向きになりゆく歌う風・・・705千葉甫
春の陽の輝く髪を右左揺らして私の前を行く人春の陽の輝く髪を右左揺らして私の前を行く人歌う風・・・704千葉甫
眠れないまま聞いている耳鳴りに加わっている新しい音眠れないまま聞いている耳鳴りに加わっている新しい音歌う風・・・703千葉甫
夢に来てランチを共にした人は十年前まで接していた人夢に来てランチを共にした人は十年前まで接していた人歌う風・・・702千葉甫
行く夜の時間に眼をやりもう一章読みたいところでページを閉ざす行く夜の時間に眼をやりもう一章読みたいところでページを閉ざす歌う風・・・701千葉甫
麗らかな陽ざしであるが会う風は冬の名残の感触を持つ麗らかな陽ざしであるが会う風は冬の名残の感触を持つ歌う風・・・700千葉甫
五年目の来るコンピューター未使用の内蔵ソフトの沢山あって五年目の来るコンピューター未使用の内蔵ソフトの沢山あって歌う風・・・699千葉甫
僅かな間うとうとの来ただけなのに三十分が消え失せている僅かな間うとうとの来ただけなのに三十分が消え失せている歌う風・・・698千葉甫
プログラムされている声に従ってキー押していく今夜は冷えるプログラムされている声に従ってキー押していく今夜は冷える歌う風・・・697千葉甫
相談の相手無いままとつとつとインターネットで答えを探す相談の相手無いままとつとつとインターネットで答えを探す歌う風・・・696千葉甫
ピーという音に続いて伝言は入らずに今日の電話も切れるピーという音に続いて伝言は入らずに今日の電話も切れる歌う風・・・695千葉甫
直進をしようとしたが右折する犬に従い引かれ行く人直進をしようとしたが右折する犬に従い引かれ行く人歌う風・・・674千葉甫
起きるにはまだ早いので眼を閉じて起きる時間に去られてしまう起きるにはまだ早いので眼を閉じて起きる時間に去られてしまう歌う風・・・693千葉甫
靴下の踵の穴のまた少し大きくなっている寒い朝靴下の踵の穴のまた少し大きくなっている寒い朝歌う風・・・692千葉甫
隣接の家の窓から反射する朝の陽ざしの階段下る隣接の家の窓から反射する朝の陽ざしの階段下る歌う風・・・691千葉甫
今日の運不運の他は変わりばえほとんどしない一日だった今日の運不運の他は変わりばえほとんどしない一日だった歌う風・・・690千葉甫
そういうことだったのかとの認識がじわじわとくる時間を置いてそういうことだったのかとの認識がじわじわとくる時間を置いて歌う風・・・689千葉甫
窓開けて降っているかと目を凝らし傘ぶら下げて歩く人見る窓開けて降っているかと目を凝らし傘ぶら下げて歩く人見る歌う風・・・688千葉甫
検温の数字で微熱を知ってから何をするにも怠さ覚える検温の数字で微熱を知ってから何をするにも怠さ覚える歌う風・・・687千葉甫
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この部屋をシェアの蠅取蜘蛛が来てコンピューターの画面をあるくこの部屋をシェアの蠅取蜘蛛が来てコンピューターの画面をあるく歌う風・・・785千葉甫
思い出す顔の多くは晩年の顔ではなくて若い日の顔思い出す顔の多くは晩年の顔ではなくて若い日の顔歌う風・・・784千葉甫
音低く吹くハーモニカ少年の日々に愛奏じた曲が出る音低く吹くハーモニカ少年の日々に愛奏した曲が出る歌う風・・・783千葉甫
通り過ぎた一機のあって伸びている飛行機雲の溶ける炎昼通り過ぎた一機のあって伸びている飛行機雲の溶ける炎昼歌う風・・・782千葉甫
灯を消して眼を閉じて来る眠り待ちつついつしか眠る昨夜も灯を消して眼を閉じて来る眠り待ちつついつしか眠る昨夜も歌う風・・・781千葉甫
寝る際に眼をやる窓に丸い月あってまともに顔を合わせる寝る際に眼をやる窓に丸い月あってまともに顔を合わせる歌う風・・・780千葉甫
親しんできた名の一人また逝って寂しさの増す私の世界親しんできた名の一人また逝って寂しさの増す私の世界歌う風・・・779千葉甫
炎昼の窓から雀の声の来る金属性の響きを帯びて炎昼の窓から雀の声の来る金属性の響きを帯びて歌う風・・・778千葉甫
灼けている日本列島台風が上陸間際の地方もあって灼けている日本列島台風が上陸間際の地方もあって歌う風・・・777千葉甫
新紙幣出てからひと月経たけれど持っている人ともまだ出会わない新紙幣出てからひと月経たけれど持っている人ともまだ出会わない歌う風・・・776千葉甫
見下ろした足元近くをのんびりと蠅取蜘蛛のあるくのを見る見下ろした足元近くをのんびりと蠅取蜘蛛のあるくのを見る歌う風・・・775千葉甫
寝転んで灼けた空気を聞いている時間長引く真夏日の午後寝転んで灼けた空気を聞いている時間長引く真夏日の午後歌う風・・・774千葉甫
蛞蝓がタイルの壁に長々と体を伸ばしている暑い夜蛞蝓がタイルの壁に長々と体を伸ばしている暑い夜歌う風・・・773千葉甫
電柱に鴉が一羽呼び声をあげる度毎上がる尾を見る電柱に鴉が一羽呼び声をあげる度毎上がる尾を見る今日の一首・・・772千葉甫
連想が連想を呼ぶきっかけは何だったかを既に忘れて連想が連想を呼ぶきっかけは何だったかを既に忘れて歌う風・・・771千葉甫
戸を開けて首振ってきた風に会うまたも消し忘れていた扇風機戸を開けて首振ってきた風に会うまたも消し忘れていた扇風機歌う風・・・770千葉甫
貨物車の左へ曲がるの声響く人影の無い灼けた交叉路貨物車の左へ曲がるの声響く人影の無い灼けた交叉路歌う風・・・769千葉甫
蛇口から落ちるぬるま湯手に受けて今日酷暑日の増す疲労感蛇口から落ちるぬるま湯手に受けて今日酷暑日の増す疲労感歌う風・・・768千葉甫
灼けついた陽ざしの中を力なくただ一匹の蝉の声来る灼けついた陽ざしの中を力なくただ一匹の蝉の声来る歌う風・・・767千葉甫
太陽にぎらりと睨み返される出てきた雲は遠くにあって太陽にぎらりと睨み返される出てきた雲は遠くにあって歌う風・・・766千葉甫
間違った答えをしては傍らから訂正される夢より覚める間違った答えをしては傍らから訂正される夢より覚める歌う風・・・605千葉甫
設定は28度のエアコンの音のたびたび途切れる今日は設定は28度のエアコンの音のたびたび途切れる今日は歌う風・・・604千葉甫
先程から気になり続けていた音は蛇口から水の垂れている音先程から気になり続けていた音は蛇口から水の垂れている音歌う風・・・603千葉甫
衰えぬ暑さ続いているけれど日の暮れ早くなる確実に衰えぬ暑さ続いているけれど日の暮れ早くなる確実に歌う風・・・602千葉甫
秋告げるつくつくぼうしの鳴く声の今年も無くて酷暑の続く秋告げるつくつくぼうしの鳴く声の今年も無くて酷暑の続く歌う風・・・601千葉甫
照りつける陽ざしの重さ感じつつ横断歩道へ佇んで待つ照りつける陽ざしの重さ感じつつ横断歩道へ佇んで待つ歌う風・・・600千葉甫
蝉の声乏しいままに夏去って残暑酷しい昨日も今日も蝉の声乏しいままに夏去って残暑酷しい昨日も今日も歌う風・・・599
削除するクリック、クリック今日もまた怪しいメールの数の多くて削除するクリック、クリック今日もまた怪しいメールの数の多くて歌う風・・・598千葉甫
真夜中の握った手摺から腕を素早く走って行った感触真夜中の握った手摺から腕を素早く走って行った感触歌う風・・・597千葉甫
増していた暗さは降って来ぬままに明るさ戻る陽ざしの漏れる増していた暗さは降って来ぬままに明るさ戻る陽ざしの漏れる歌う風・・・516千葉甫
予報にはある俄雨待ちながら折々見上げる灼けている空予報にはある俄雨待ちながら折々見上げる灼けている空歌う風・・・595千葉甫
行く雲のかたちが思い出せそうで思い出せない記憶に触れる行く雲のかたちが思い出せそうで思い出せない記憶に触れる歌う風・・・594千葉甫
降っている音で眠って来た朝の静けさを聞く台風逸れて降っている音で眠って来た朝の静けさを聞く台風逸れて歌う風・・・593千葉甫
ふっと来た風の匂いを帯びていて目には見えずに降り出したのかふっと来た風の匂いを帯びていて目には見えずに降り出したのか歌う風・・・592千葉甫
自動ドア滑って開いてゆく前を見上げる空の灼けている青自動ドア滑って開いてゆく前を見上げる空の灼けている青歌う風・・・591千葉甫
六時間タイマーセットの扇風機の風がまだ来る目覚めるたびに六時間タイマーセットの扇風機の風がまだ来る目覚めるたびに歌う風・・・590千葉甫
執拗に陽は灼けてゆく一匹の熊蝉の声途絶えた後を執拗に陽は灼けてゆく一匹の熊蝉の声途絶えた後を歌う風・・・589千葉甫
トタン打つ音の間隔すみやかに速まりながら来た俄雨トタン打つ音の間隔すみやかに速まりながら来た俄雨歌う風・・・588千葉甫
待っていた眠りに忽ち来た夢の弾けて覚めてまた眠り待つ待っていた眠りに忽ち来た夢の弾けて覚めてまた眠り待つ歌う風・・・587千葉甫
微睡の覚めて静かな昼下がり雲の動きも無く暑い空微睡の覚めて静かな昼下がり雲の動きも無く暑い空歌う風・・・586千葉甫