2024年秋秋は果実の季節ていねいにやさしくひとつひとつに袋掛指先にひたすら母心袋掛
先達の秀句を味わいながら<br>自得の一句を求めて多作多捨です<br>古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です<br>
古希近くからの俳句入門 たくさん作ってたくさん捨てる、ついでに恥もたくさんかく これをずーっと続けています
2024年春孕み雀が耕運機のあとを追う耕運機孕み雀の従きまわる丈子
2024年春追いついたことのない逃水これならどうだ追うや逃水ハーレーダビッドソン丈子
2024年春田植えも近い塗り終えた畔を鳩がゆっくり呂歩いているけん塗畔を検べる鳩の緩歩かな
2024年春浅春のの小糠雨にうたれる万物の芽みなほぐれていくものの芽のほぐれる気配こぬか雨丈子
燕の巣2024年春序都市も軒下に燕が巣作りに忙しい私の動体視力を嘲るように飛び回っている動体視力嘲るようにつばくらめ丈子
2024年春満願の有頂天の喜悦紙風船のようにもうあとは萎むだけ紙風船ただいっときの有頂天丈子
2024年春紙風船は一人遊びも良いがほんとうは寂しくてさびしくてぽつねんと人を待つ顔紙風船丈子
2024年春寺社詣での鎌倉路本堂の天井にたくさんの仏さまの絵清明の庭から亀の鳴声亀鳴くや百仏ねむる絵天井丈子
目刺焼く2024年春賞罰のない不器用な一生目刺を上手に焼くのが取りえ不器用にひとつのじょうず目刺焼く丈子
2024年春頑固では世情の変化についていけない分かったちもりでの早とちりは土筆ばかりではない早とちり硬い頭のつくつくし丈子
2024年春苗札に花言葉の添え書き思わず声を出して読んでしまった心身が春なのだ苗札の声出して読む花言葉丈子
2024年春毎日が休日の余生の日々こんな気分もあるあるあるぶらここに余生を休む八十路かな丈子
2024年春風花が舞う墓参の三回忌伯父伯母子供たちだれもが母の面影を映している風花や母似の多き三回忌丈子
2024年春登校の児童を見送るあとには散らばるこっぱみじんの薄氷見送ればこっぱみじんに薄氷丈子
2024年春就寝前の日記きょう一日の言動をふりかえればまた反省と後悔日記は懺悔の記録にあふれている春燈(はるともし)日記はいつも懺悔録丈子
2024年春ふさやかに犬ふぐりの彩放棄田は年々増える総やかに彩づく捨田犬ふぐり丈子
2024年春麦秋の無人駅ここにも春の送別がある麦の秋無人駅にもある別れ丈子
2024年春三世代同居のしあわせ家族笑顔で幼子と紙風船で遊ぶ好々爺紙風船笑顔じょうずの老いじょうず丈子
2024年春三世代同居のしあわせ家族笑顔で幼子と紙風船で遊ぶ好々爺紙風船笑顔じょうずの老いじょうず丈子
2024年春囀りは生死の絶叫、戦いなのだいいね!コメントするシェア愛は騒乱囀りに血のにほひ丈子
2024年春雲雀が空高く鳴いているのは創造主への告げ口だ告げ口は人間世界ではおそろしい禁じ手だいくたびも天に告げ口揚雲雀丈子
2024年春春の夜半いつまでも煌々と灯暮らしと思いはさまざまだ夜半の春介護する灯も学ぶ灯も丈子
2024年春旧友の通夜に足早に歩くおりからの夜風に黒ネクタイがひらめくなんとも冴えかえるここち冴返る結び目ゆるむ黒ネクタイ丈子
2024年春長屋門の立派な棟瓦に小さな春が息づいている棟瓦一段ごとに草萌ゆる丈子
2024年春轟く春雷始祖鳥が大空から乾坤の危機を必死に告げている始祖鳥の託宣なるや春の雷丈子
2024年春立派なアーケードのある商店街も「フォーセール」のシャッター通りになっているもうここに春はおとずれない春遠しシャッター通りに「フォーセール」丈子
2024年春単線の無人駅桜時は人海のとどろきよどみなく人海花の無人駅丈子
2024年春菜の花が見渡す限りの川土手の道狂れ人のように歩き続けた一万歩たとえようのない酔心である狂れ人となる一万歩花菜道丈子
2024年春少子化でで増える廃校変わらず時を刻む時計の空にたくさんの鳥が北へ向かう廃校も停まらぬ時計鳥曇り
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2024年秋秋は果実の季節ていねいにやさしくひとつひとつに袋掛指先にひたすら母心袋掛
2024年冬踏切の警笛がなかなか止まない長い貨物列車が轟音と共に通過する行く手にはそれは見事な冬の満月まっしぐら冬満月に貨車の列丈子
2024年冬なにくそと思ったひとことが今は亡き父のひとことをかみしめる寒空にこうこうと満月じわじわと父の父のひとこと冬満月丈子
2024年秋秋の風雨に晒されて無惨な破れ蓮の姿池の辺の老いた己をみる思い敗荷や誰とも会わず口きかず丈子
2024年秋木の実が落ちる晩秋厳しい冬への備えを促すようだ限りある余生にまたひとつの句読点とも木の実降る年ごとに負う句読点丈子
2024年秋三回忌までは月命日の墓参をこころがけている今年家族の不幸があった墓参にさわやかな萩の風をいただいた萩の風月命日がまたひと日丈子
2024年秋謝る相手はもう彼岸手遅れの謝罪は意味がないさがしてる謝るあいて穴惑い丈子
2024年秋人面のように大きい朴の葉が音もなく地に落ちてくるが一枚一枚それぞれの決断で枝を離れるようだころあいと個々の決断朴落葉丈子
2024年秋1室だけの和室の障子を張り替える糊の刷毛の「凹みにほっとする懐かしさを感じる障子張る刷毛に憶えの凹みかな丈子
2024年秋火葬を待つやるせない時間荼毘の白煙が秋雨にけむるのをみている秋雨にほそくかすかに荼毘けむり丈子
2024年秋釈然とはしなかったが否応もなく退院だと言われた固く閉ざされた一文字の口元に笑顔はない退院の口一文字秋の暮丈子
2024年秋丈子産卵のための川下りだが簗は人のエゴの営みいくばくかはそれを逃れ性を全うするいくばくか逃れる鮎も下り簗丈子
2024年秋「今日の菊」は重陽の子季語老いても夫婦は生涯かばいながら二人三脚かばいあう二人三脚今日の菊丈子
2024年秋「今日の月」は重陽の子季語生涯は夫婦の二人三脚老いてもかばいあいながらも生涯は夫婦の二人三脚かばいあう二人三脚今日の菊丈子
2024年秋新酒の前の長広舌は辟易だが店の主の好々爺然の笑顔は諾新走り長広舌の笑い皺丈子
2024年秋失念していた書棚の奥の奇書悪書始末に思案する秋灯下秋灯下家人の知らぬ奇書悪書丈子
2024年秋刺す力はもうないのに寄って来る生き残りの秋の蚊を打つ残り蚊の刺す気のなくて刺す気配丈子
2024年秋空家に目立つ看板ForSale」庭にたくさんのコスモスが咲き乱れている「ForSale」我が物顔のコスモス丈子
2024年秋秋鯖の美味は口説無用説明も講釈も邪魔だまって食わせてくれ口舌無用秋鯖に舌鼓丈子
2024年秋朝の爽やか涼気に深呼吸して四股を踏んでいたさやけしや深呼吸して四股を踏む丈子
2024年夏この長考がが身を助く自然界には生きる知恵がたくさん長考の踏み出す一歩かたつぶり丈子
2024年夏本心の吐露は生涯あらずこんな頑固を容にす捩花の生涯とおす自己欺瞞丈子
2024年夏孫たちの嬌声がなつかしい車庫の片角に三輪車もうごみでしかない三輪車青梅落つごみでしかない三輪車丈子
2024年夏鎌倉建長寺庭園からの新樹の香そこへの床の艶が陽に揺れていた新樹香踏み艶揺るる建長寺丈子
2024年夏古刹の杜に芭蕉翁の句碑がある思わず手でその文字江尾んぞったなぞる手に翁の言霊木下闇丈子
2024年夏気取ったつもりのサングラスほうれい線のよく目立つサングラスあえてくっきりほうれい線丈子
2024年夏八十路ともなれば半分は生身魂来し方に蛇行の軌跡がはっきりとうかぶをちこちに蛇行の軌跡生身魂丈子
2024年夏中年を過ぎると頤に半生が刻まれるこれからの半生が重なっていくおとがいが語る半生半夏雨丈子
2024年秋「ともしび」に入り浸りの少年後期ラストソングの後の帰途空の星を語り合っていた青春二つ星歌声喫茶の青春丈子
2024年夏六足のあめんぼう一足一足にそれぞれの意思とと役割一足に足の意思あめんぼう丈子
2024年夏夏日の大きな南風に吹かれると遠祖のプテラノドンの羽の名残り肩甲骨が落ち着かない大南風(おおみなみ)疼く遠祖の羽の痕丈子
2024年夏横浜中華街夏の賑わい客の呼び声が交錯している汗の呼び声原色の中華街丈子
2024年夏夏山のトレッキング獣道に百選の名水を示す矢印なんたる至福矢印に百選の水雲の峰丈子
2024年夏心太を前にだれもが撫肩元無頼派も例外ではない無頼派もここは撫で肩ところてん丈子
2024年夏蟻地獄の見事な傾斜角が安息角であると知った自然界は人知の及ばぬ天才ぞろい蟻地獄安息角を識る英知丈子
2024年夏鎌倉遊行に海を臨む切通しおりからの黒南風に吠えるような濤声を聴いた黒南風や濤声たかき切通し丈子
3024年夏炎天を逃れて駆け込んだ閻魔堂だったが炎帝は先回りしていたここも暑い炎帝を逃れ入りたる閻魔堂丈子
2024年夏青田からの風が心地良い車椅子にも不自由は感じない青田風もう三年の車椅子丈子
2024年夏少年期に蟇の長い行列を観たその謎がいま解けた冬眠の覚めた蟇蛙が一斉に池へ向かう途中だったリロケーション黙ののそのそ蟇の列丈子
2024年夏首塚の由来は万別だがどれにも固有の恩讐がある首塚の恩讐はるか黒揚羽丈子