2024年秋秋は果実の季節ていねいにやさしくひとつひとつに袋掛指先にひたすら母心袋掛
先達の秀句を味わいながら<br>自得の一句を求めて多作多捨です<br>古希すぎの晩学で楽しみながらの遅々緩歩です<br>
古希近くからの俳句入門 たくさん作ってたくさん捨てる、ついでに恥もたくさんかく これをずーっと続けています
夜桜に酔うのは酒のせいばかりではない春の宵、花の宵ともなれば艶めくのは当然だ上戸も下戸も本性を隠さない花の月仮面を外す上戸下戸丈子
春はたくさんのドラマがある季節来し方にパラパラ漫画のような喜怒哀楽があった忘れられない春恨も春恨や五臓六腑のうらがえる丈子
花のいのちはほぼ10日散った花びらを花筏とはなんとも詩情の言葉その下に大きな鯉がひしめいて渦をまいていた大鯉の渦のかたちに花筏丈子
桜の芽吹くこの季節帰ることの無い鴨は心字の形の池に群れているまるで花守のように思える心字の池に花守通し鴨丈子
来し方にはたくさんの別離があったそれぞれに感慨は深い思い出すたびにうずいてくるものがある蛙の声が遠くに聞こえるさよならはどれも生傷遠蛙丈子
富士山麓の吟行句湧水利用の豆腐料理を食したが近くに見事な山葵だがあった山葵田に富士湧水の息遣い丈子
無口な父の菊根分けを試してみたが早々にお手上げで父のようにはいかない談笑の記憶の無い父子だったが菊根を通じて会話している引き継ぐは父の無口と菊根分け丈子
所収句のなかで高い評価をいただいた一句絶叫と激しく散る桜の取合せが良かったのか絶叫をかたちにすれば飛花落花丈子
白神のぶば林の散策案内は若い女性の樹木医だったイワウチワは岩団扇と書き、名前の通り団扇のような見た目のかわいらしい花です。白神に女樹木医イワウチワ丈子
ようやくぬるみだした春の川たくさんお命が動きだす在来種に多くの外国渡来種が混じりこんでいる在来も渡来も問わず春の川丈子
祖父は軍鶏を何頭も飼育していてよく闘鶏に同行し、普段とは違う祖父の水を吹いて気合を入れる真剣な険しい面持をみた鶏合せ水吹く祖父の目に気合丈子
晩春、元気な子供らはすっかり夏のふるまい額には元気印の×絆創膏夏近し額にの絆創膏丈子
ときおり町の温泉施設を利用する露天風呂が春光にきらめいている水紋をみていて浮かんだ一句所収句のなかでたくさんの方から選をいただいた来し方はパラパラ漫画水かげろう丈子
荷風と竹の取合せに格別の意味はないふいに浮かんだフレーズこんなふうにできる俳句もあるんだな荷風の忌竹の部首の字一千字丈子
眠っていた山が囀りに春を知るふところにある川湖沼の水が平らにおだやかに呼吸する囀りや山ふところの水平ら丈子
今年23才の孫娘が5才の頃彼女の部屋からお招きがあった部屋の前の歯「まいちゃん」と紙の表札雛あられをふるまわれた雛あられ紙表札に招かるる丈子
そろそろ春耕の頃になる朝の散歩に槌音を聞いた田畑を守り豊作を願う地蔵さまの小屋を村人が修繕している春光やはずむ槌音地蔵小屋丈子
忘れ潮とは潮が引いた後磯や干潟などにできる水溜まりを「潮溜(しおだまり)の事」句意はそこで忙し気な蟹をみたまんまの景忘れ潮蟹はここでも忙しい丈子
八十路になって日がなのフリータイムを愉しもうこれは裏切られている妻娘孫たちから用事を頼まれるふと残り鴨の心境を想った思うほど自由のあらず残り鴨丈子
秋とは異なる春の満月は愁いを感じる昔日の母への非礼の数々を偲んだ春満月嘘にうなずく母ありき丈子
家人の定期診療に付き添って行く大学病ドクターヘリの駐機場があるおりからの春光の中降り立った人それぞれにそれぞれの春がある春光やドクターヘリのプロペラ音丈子
渡りの鶴が帰る季節鶴の群れに少年は息をのむ優しい父の手が肩に添えられる少年の黙に父の手鶴帰る丈子
孫娘の油彩画の展示会でよく谷中商店街を訪れるギャラリーの近くにそれは見るからに老舗の煎餅屋がある軒を行き交うつばめを観た初つばめ谷中に古き煎餅屋丈子
参道の奥の大きな杉のご神木おりから春雷たくさんの祈り戦天災をみてきた年月を一本一行に秘めて厳か春の雪一本杉は一行詩丈子
春は何故か気だいような物憂いような春愁にとらわれる今日の春愁はきのうとは別物だ目前の河馬が潜ったのは偶然だろう昨日とは違う春愁河馬潜る丈子
春はときめき、胸騒ぎ、たくさんの出会い、別離の季節象の足踏みがいつもと違う何の予兆?ただならぬ象の足踏み春の月丈子
今日は節分で冬の季語は明日からはご法度だ日向ぼこに屈強な大男がどうみてもさまにならないなー大男さまにならない日向ぼこ丈子
真っ白な能面に寒月の鋭い日矢表情のはかれない能面の一重まぶたが美しい能面のひとへのまぶた寒月光丈子
寒暁あけやらぬ寒さの中新聞店には白い息が飛び交っている朝刊配達員が忙しくたちいふるまう小雪や新聞店の薄明かり丈子
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2024年秋秋は果実の季節ていねいにやさしくひとつひとつに袋掛指先にひたすら母心袋掛
2024年冬踏切の警笛がなかなか止まない長い貨物列車が轟音と共に通過する行く手にはそれは見事な冬の満月まっしぐら冬満月に貨車の列丈子
2024年冬なにくそと思ったひとことが今は亡き父のひとことをかみしめる寒空にこうこうと満月じわじわと父の父のひとこと冬満月丈子
2024年秋秋の風雨に晒されて無惨な破れ蓮の姿池の辺の老いた己をみる思い敗荷や誰とも会わず口きかず丈子
2024年秋木の実が落ちる晩秋厳しい冬への備えを促すようだ限りある余生にまたひとつの句読点とも木の実降る年ごとに負う句読点丈子
2024年秋三回忌までは月命日の墓参をこころがけている今年家族の不幸があった墓参にさわやかな萩の風をいただいた萩の風月命日がまたひと日丈子
2024年秋謝る相手はもう彼岸手遅れの謝罪は意味がないさがしてる謝るあいて穴惑い丈子
2024年秋人面のように大きい朴の葉が音もなく地に落ちてくるが一枚一枚それぞれの決断で枝を離れるようだころあいと個々の決断朴落葉丈子
2024年秋1室だけの和室の障子を張り替える糊の刷毛の「凹みにほっとする懐かしさを感じる障子張る刷毛に憶えの凹みかな丈子
2024年秋火葬を待つやるせない時間荼毘の白煙が秋雨にけむるのをみている秋雨にほそくかすかに荼毘けむり丈子
2024年秋釈然とはしなかったが否応もなく退院だと言われた固く閉ざされた一文字の口元に笑顔はない退院の口一文字秋の暮丈子
2024年秋丈子産卵のための川下りだが簗は人のエゴの営みいくばくかはそれを逃れ性を全うするいくばくか逃れる鮎も下り簗丈子
2024年秋「今日の菊」は重陽の子季語老いても夫婦は生涯かばいながら二人三脚かばいあう二人三脚今日の菊丈子
2024年秋「今日の月」は重陽の子季語生涯は夫婦の二人三脚老いてもかばいあいながらも生涯は夫婦の二人三脚かばいあう二人三脚今日の菊丈子
2024年秋新酒の前の長広舌は辟易だが店の主の好々爺然の笑顔は諾新走り長広舌の笑い皺丈子
2024年秋失念していた書棚の奥の奇書悪書始末に思案する秋灯下秋灯下家人の知らぬ奇書悪書丈子
2024年秋刺す力はもうないのに寄って来る生き残りの秋の蚊を打つ残り蚊の刺す気のなくて刺す気配丈子
2024年秋空家に目立つ看板ForSale」庭にたくさんのコスモスが咲き乱れている「ForSale」我が物顔のコスモス丈子
2024年秋秋鯖の美味は口説無用説明も講釈も邪魔だまって食わせてくれ口舌無用秋鯖に舌鼓丈子
2024年秋朝の爽やか涼気に深呼吸して四股を踏んでいたさやけしや深呼吸して四股を踏む丈子
2024年夏この長考がが身を助く自然界には生きる知恵がたくさん長考の踏み出す一歩かたつぶり丈子
2024年夏本心の吐露は生涯あらずこんな頑固を容にす捩花の生涯とおす自己欺瞞丈子
2024年夏孫たちの嬌声がなつかしい車庫の片角に三輪車もうごみでしかない三輪車青梅落つごみでしかない三輪車丈子
2024年夏鎌倉建長寺庭園からの新樹の香そこへの床の艶が陽に揺れていた新樹香踏み艶揺るる建長寺丈子
2024年夏古刹の杜に芭蕉翁の句碑がある思わず手でその文字江尾んぞったなぞる手に翁の言霊木下闇丈子
2024年夏気取ったつもりのサングラスほうれい線のよく目立つサングラスあえてくっきりほうれい線丈子
2024年夏八十路ともなれば半分は生身魂来し方に蛇行の軌跡がはっきりとうかぶをちこちに蛇行の軌跡生身魂丈子
2024年夏中年を過ぎると頤に半生が刻まれるこれからの半生が重なっていくおとがいが語る半生半夏雨丈子
2024年秋「ともしび」に入り浸りの少年後期ラストソングの後の帰途空の星を語り合っていた青春二つ星歌声喫茶の青春丈子
2024年夏六足のあめんぼう一足一足にそれぞれの意思とと役割一足に足の意思あめんぼう丈子
2024年夏夏日の大きな南風に吹かれると遠祖のプテラノドンの羽の名残り肩甲骨が落ち着かない大南風(おおみなみ)疼く遠祖の羽の痕丈子
2024年夏横浜中華街夏の賑わい客の呼び声が交錯している汗の呼び声原色の中華街丈子
2024年夏夏山のトレッキング獣道に百選の名水を示す矢印なんたる至福矢印に百選の水雲の峰丈子
2024年夏心太を前にだれもが撫肩元無頼派も例外ではない無頼派もここは撫で肩ところてん丈子
2024年夏蟻地獄の見事な傾斜角が安息角であると知った自然界は人知の及ばぬ天才ぞろい蟻地獄安息角を識る英知丈子
2024年夏鎌倉遊行に海を臨む切通しおりからの黒南風に吠えるような濤声を聴いた黒南風や濤声たかき切通し丈子
3024年夏炎天を逃れて駆け込んだ閻魔堂だったが炎帝は先回りしていたここも暑い炎帝を逃れ入りたる閻魔堂丈子
2024年夏青田からの風が心地良い車椅子にも不自由は感じない青田風もう三年の車椅子丈子
2024年夏少年期に蟇の長い行列を観たその謎がいま解けた冬眠の覚めた蟇蛙が一斉に池へ向かう途中だったリロケーション黙ののそのそ蟇の列丈子
2024年夏首塚の由来は万別だがどれにも固有の恩讐がある首塚の恩讐はるか黒揚羽丈子