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風太郎のPな日々 http://futaro1980.blog.fc2.com/

昔の国鉄ローカル線、地方私鉄や最近のローカル線など、旅の写真と思い出で綴るブログです。

1980年代、「鉄道のある風景」を求めて全国を旅した風太郎が写真と文章で綴る、ローカル線紀行。バリ鉄ではありませんが、自然溢れる沿線や、出会った人々など、しばし「鉄路の叙情」を感じて頂ければ、と思っています。しばらく「鉄」から遠ざかっていましたが、最近復活、ローカル線の「今」も綴っています。その他自然風景、日々雑感諸々まで。なるべく頻繁に更新したいと思っています。よろしくお願いいたします。

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2011/12/18

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  • 長良川鉄道春暦 その6 ドキュメント55H 駅桜の下で ②

    長良川鉄道 深戸 2025年4月駅に朝が来た。ホームは東西に延びて、背後の山から昇る朝日が次第に光の帯を伸ばしてくる。花の盛りの大樹が目覚る。 いのち短し、恋せよ乙女。 だから輝く。 この桜はいつからここに立っているのか。1928年に鉄道省越美南線の暫定終着駅として開駅とあるから、その時に記念植樹されたと考えるのが自然だろう。ようやくここまでやって来た汽車、おらが駅のモニュメントとして。小さかった苗木...

  • 長良川鉄道春暦 その5 ドキュメント55時間 駅桜の下で ①

    長良川鉄道 深戸 2025年4月「キミの鉄道の写真はドキュメンタリーなんだな。 瞬間を生きてる鉄道が写っている。 他ではあまり見ないキミの個性。」と有難い評も頂ければ、我が意が伝わったかと嬉しいところがある。深戸駅の上り方にある駅桜は、その大きさといい、枝振りといい、一本立ちとしては今まで各地で見て来たなかでも確実に五指に入る。郡上八幡以北がほぼ壊滅に近いなかで、そこからさして離れていないこの駅...

  • 長良川鉄道春暦 その4 始まり

    長良川鉄道 美並苅安 2025年4月東京辺りでは例年3月末には満開になり、葉桜の入学式に始業式は普通だが、もともと遅いのか、今年は遅れ気味なのか、花の盛りが始まりを告げる。今日最初の乗客が早朝のホームに立つ。多分、本日始業式。 美並苅安Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 長良川鉄道春暦 その3 雪解け水

    長良川鉄道 赤池 2025年4月初夏を思わせる日差しが水面を蒼く染める。日本三大清流にも数えられる長良川。今年は積雪も多かったろう、水源白山の雪解け水は冷たく透き通る。眼前でカヌーが転覆して、濡れた髪から飛沫が散る。逆巻く急流を眼下にして。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 長良川鉄道春暦 その2 満開

    長良川鉄道 大矢 2025年4月咲いてないわと言っても、総延長70km以上、第三セクターでも指折りの長さのこの鉄道、しかも南北に長いとなれば、どこかに花の盛りはあるものだ。本当のピークは一日だけしかないとはよく言われるが、爽やかな青空の下、本日はピークと認定したい。此処に作らなくてもという自転車置き場は無粋と言えば無粋だが、駅まで自家用車送迎が普通の昨今、ガチャガチャ自転車を引き出すのも、いにしえ...

  • 長良川鉄道春暦 その1 桜はまだかいな

    長良川鉄道 自然園前 2025年4月単独行としては実に15ヶ月振りに鉄道を撮る。長良川鉄道は2年前の初夏に名古屋のドラゴンズ観戦がてら顔を出したことがあるが、土地勘も無くいい加減に流した感がある。しかし国鉄時代から歴史を重ねた駅々にある大樹は確かめれば見事な桜の木であり、花の時期になったらさぞやと、沿線要所のフラグ立てはちゃんとやっていた。立てたフラグは回収に行かなければならない。しかし今年の桜...

  • 不定期更新?になります。 日々旅に在り。

    昨春の大怪我から間もなく一年。セルフ快気祝いに海外でもブチかまそうかと思ったけれど、東南アジアの辺境など、現地の兄ちゃんの原付バイクのケツにぶら下がる覚悟と筋力が必要で、さすがにまだ自重。いやそれでも4月5月はあんまり東京にいません。 日本の何処かを旅しています。 探さないで下さい。大量のストック画像をヤワな車載ノートパソコンに詰め込むのも厳しいし、更新は不定期?生存確認用に現地発信があるかもしれま...

  • 紅色

    わたらせ渓谷鐡道 大間々 2017年「製版技術者が先入観でピンク色に振ったりする。桜は白いだろ!」と憤る風景写真家がいたが、樹種の問題は別にしても、白だと言われればその方が自然なような気はする。しかし白ならばそれだけ環境光の影響を受け易いということだ。 朝方なら蒼く、夕方なら紅色に。七変化の変わり身もまた、人を惑わせる妖花なのかもしれない。北関東に傾いた春の陽が、最後の光を注いでいる。Copyrig...

  • いつも通りの

    筑波鉄道 常陸小田 1982年草枕 旅の憂へを慰もることもありやと 筑波嶺に (万葉集)春爛漫の世の中に合わせて、先日入稿したフォト&エッセイ「旅のたまゆら 1981-1988」も、43年前の春物語。しかし万葉歌人と大分違うのは、そこに近づく程に旅の憂いが深まったことだ。うららかな筑波の麓は、撮りようがなくて四苦八苦がネガの並びに表われていて気の毒な程で、半ば投げやりに居座った小駅の、平凡過ぎる一日。いや、...

  • Pray for Myanmar

    ミャンマー マンダレー近郊 2019年ミャンマー中部でM7.7の大地震発生と。中部と言えばこのマンダレー周辺だ。クーデター以降、実質内戦状態の同国ながら、日々を生き抜かなければならない民は逞しく、普段通りの日々を守っていると信じたかったが。同じ地震国ながら、日本とは社会のインフラもセーフティネットも全てが違うのだ。熱中症寸前の風太郎に椅子を出して木陰の休憩を進めてくれたおばさん。 お茶と食事を差し...

  • 故郷に春来たり

    小湊鉄道 月崎 2016年アクアライン経由で我が家から小湊鉄道中心部まで車で1時間丁度というお手軽さ故、どうもご近所で撮ってる感があって、遠いところにやって来たという感覚に乏しい。しかし車の免許を持たない地元生活者の目線に立てば、そこには日に数本の鉄道に頼った移動手段しかない。「故郷」という独立した生活のコミュニティはそこに確かに在って、帰る場所でもあれば、出発の場所でもあるはずだ。駅は故郷...

  • 急ぎ足

    大井川鐡道 家山 2018年欧米の学校で一般的な「秋始まり」に対して、日本の「春始まり」はいずこから根付いたのか、その訳に興味がある。桜花に始動のエネルギーを感じてその時期を特別なものとしたのか、それとも後追いのモニュメントとして、象徴的な植物に人集う場所、学校を、駅を飾らせたのか。新たな始まりは忙しなくもある。軽やかな急ぎ足が改札口に響く。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights re...

  • 開花

    因美線 美作滝尾 2022年日の出前。朝露を崩して三脚を据える。 香る春草。一夜にして開花は更に進んだか。通過列車が静寂を破って。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 此処に人在りて

    宗谷本線 雄信内 1987年3月14日付で北海道内において5つの駅が消えた。今更に驚かない出来事になってしまったが、雄信内、抜海と多少なりとも縁のあった駅となれば。雄信内駅については拙著「旅のたまゆら 1981-1988」のなかでも一文をしたためている。38年前の待合室に置かれた「駅ノート」の、故郷を後にした二十歳の地元女性の書き込みについて。「今度帰って来る時まで」と記された駅は無くなってしまった。 宗...

  • 朝靄

    烏山線 小塙 2017年朝靄を切り裂く、レールの響き。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 母の故郷

    2025年3月出来ることは写真位だから老いた母の故郷へ。伊豆西海岸、半農半漁の村に早や彼岸桜。母の古いアルバムから。70年以上前の写真に免じて個人情報は勘弁してもらおう。屈託なく笑う少女たちは、今88歳。そして背景の山の形を見て欲しい。校庭の隅で少女の母に出会ったかと。心揺れるのは、人の生涯を越えて残らんとする写真の勝利だろう。春である。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reserved...

  • 待合室

    わたらせ渓谷鐡道 上神梅 2017年座布団に 早や春来たり 鄙の駅Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 春浅く

    只見線 入広瀬 2019年遅い春が、山の頂まで這い登ってゆく。copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 春の日差し

    飯山線 津南 1991年雪深い里にも春の日差し。長靴から革靴に履き替えた駅員の、所作も心なしか軽やかだ。雪崩の危険もあるこの季節、運行は順調だろうか。copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 線路の向こう

    ミャンマー マダヤ線 オーボー 2019年突然のクーデターから4年。戦力的には圧倒的な国軍に対し、民主派勢力が優勢を取りつつあるとの意外な報も、いよいよ泥沼化が進んできた証ともいえよう。国内難民450万人の推測は国民全体の1割に迫る。貧しくも穏やかに続いた日々。線路の向こうに見えたものは。copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • あかがね色

    わたらせ渓谷鐡道 小中 2023年この鉄道の象徴とも言えた「あかがね色」の車両が次々老朽化、廃車の時期を迎えているという。地味と言えば地味。 しかしおよそ沿線風景を汚すように珍妙なボディが横行するなか、彩り豊かな季節も、モノトーンの季節も、それは静かに調和する鉄道の風景になった。copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 冷え込み

    花輪線 平館 2023年明け方の気温は-11℃。朝日が冷え切ったレールをゆっくり温める。「日本旅行作家協会」に入れてもらったので例会で挨拶したら、元鉄道ジャーナル編集部、「旅と鉄道」創刊メンバーという重鎮の役員が同席していて。知らぬが仏というか、狭いこの世界で迂闊なことをしゃべると赤面ものだ。その「旅と鉄道」最新刊は本日発売。連載フォト&エッセイ「旅のたまゆら 1981-1988」第4回は「音威子府駅午前3時...

  • 漁師町

    五能線 北金ヶ沢 1983年線路と海の間に閉じ込められたような漁師町の佇まいが好きだった。肩に力が入って、ISO32のパナトミックXで撮っている。粒状性には目を見張ったものの、到底使い易いフイルムとは言えなかったが、精緻に描写された町並みは、今も眠ったようにあまり変わらない気がする。copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 雑木燃ゆ

    烏山線 小塙 2017年パキンと竹を割るように乾いた関東の冬。ヌケも最高ならレンズも喜ぶというものだろう。国鉄型ありし頃の烏山線。 たった一度きり、たった1日だったけれど、鮮烈な思い出を残してくれた。早や陽は傾いて雑木林は紅く燃える。copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 湯治で奥会津 その7

    只見線 会津大塩 2025年1月傾いた陽が山の端に隠れるギリギリに間に合ったのは、ツキにも恵まれた。豪雪に恐れをなして行ったのに冬晴れ続きとは思わぬフェイントながら、この季節に光と翳の妙を堪能できるのも僥倖というべきだろう。これがラストショット。 実に一年振りにマトモに鉄道を撮ったな。実質24時間強の短期決戦、日に正味4本しか撮れない限界ダイヤの区間にあって、これだけのバリエーションを持たせられた...

  • 湯治で奥会津 その6

    只見線 会津蒲生 2025年1月雪と鉄のコントラスト。 只見線 本名 緊急放水が鉄橋を吹き飛ばした、あの2011年。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 湯治で奥会津 その5

    只見線 会津蒲生 2025年1月ボディ+10倍近い高倍率ズームで重量1340gか。いくら筋肉が欲しいからと言って、3000gのダンベルを上げ下げする様な無茶は止めろと諫められているが、微妙な重さである。カメラは軽いわ、レンズ交換はサヨウナラだわと、楽チン撮影を決め込んでいたのは過去の話。情けないがカメラが重い。 常時手持ち撮影はデフォルトながら、フレームインを待ち構えるような鉄道撮影では、長時間にわたるカメ...

  • 湯治で奥会津 その4

    只見線 会津中川 2025年1月たまに現れる雪雲はそのまま降りることもなく流れるのだった。豪雪の里の、しばしの休息。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 湯治で奥会津 その3

    只見線 会津西方 2025年1月10円玉一枚投入で確か10分位使えるガスコンロとか、古色蒼然とした湯治場の雰囲気は消えて、最近リニューアルされすっかり綺麗になった早戸温泉自炊棟に、チャイニーズが飛び交うのも時代。スルメを焼く匂いが廊下まで漂っていたな。湯治というかアルコール漬けというか、結局温泉には一度きりしか入らないのはどうしたことか。「鉄橋は止めような。」の合意の下、山霧漂う会津西方は素敵な雪...

  • 湯治で奥会津 その2

    只見線 本名 2025年1月少雪だった去年の分まで降るかと思われた今年の豪雪。ここ暫く降らないという。里の雪は固く締まって、鉄橋の響きを返している。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 奥会津で湯治 その1

    早戸温泉 つるの湯 2025年1月写真は結構、でも雪のあるところはダメですよと聞いたような聞かぬような。車を出して乗せて行ってやるという奇特な方にも恵まれれば、そして山の湯に漬かって一献となれば。早戸温泉つるの湯は、一羽の鶴が傷を癒しているのを見てその霊験に気が付いたというありがちな温泉由来だが、特に外傷に効くとあれば、大汗かきながら上腕筋を揉みほぐしたいところ。これは写真撮影ではなく、あくま...

  • 雪の幕間

    飯山線 蓮 2019年朝から雪を落とし続けた雲が不意に切れて陽光さえ覗く。それは僅かな幕間であって一時間も経たぬうち、また白い闇に閉ざされるのだった。千曲の畔の、いつもの冬の日である。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • ミラーが返る音

    宗谷本線 音威子府 1984年こんどは41年前の音威子府、午前3時半。冴え渡った漆黒の夜空に白いスチームを引いて、下り夜行急行「利尻」が発車してゆく。最後尾の荷物車に煌々と灯る明かりの下、荷扱の車掌は停車各駅での積み下ろしに不眠の一夜を過ごしているのだろうか。氷点下30℃の下、一眼レフのミラーが返る音が硬い空気を震わせる。半世紀近くを経て記憶の深いところに刻まれているのは、素手で握った三脚に指が...

  • 音威子府21時

    宗谷本線 音威子府 2017年最終下り特急が音威子府に着く。路面が凍結する道北の冬、地元の人でさえ車の運転を怖がるという。此処に生きる人がいるのなら、鉄道の役割はまだあるはず。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 関東空っ風 リハビリプチドライブ③ 霞ケ浦落陽

    霞ケ浦 2024年12月この季節、この天気と来れば、霞ケ浦の畔に立たなきゃ。空っ風に波立つ湖面も日没と共に凪いでくる。筑波山はここから遠望すると名山の趣。やっぱり離れて見るに限るね。なかなか幕を引かない残照の宴。 鉄道は消えても山河あり。 鹿島鉄道 桃浦 2007年日帰りながら結局12時間、200km弱のあんまりプチでもないリハビリドライブ。右手で持ち上げるZ7Ⅱ+24-200mmズーム、こりゃ重いと初め...

  • 関東空っ風 リハビリプチドライブ② 石岡機関区

    石岡駅 鹿島鉄道石岡機関区跡 2024年12月鹿島鉄道石岡機関区の跡地はマンション用地として売りに出し、累積赤字穴埋めの足しにすると聞いたが。17年経過後の今も空き地を晒すばかりである。長年使われた機関区の跡地となれば、沁み込んでいるのはエンジンオイル、グリース、ディーゼル燃油。それらを削り取っても、鉄道の痕跡は有害物質の蓄積となって今時の環境基準を満たさないのか。それとも駅至近とはいえ市場...

  • 関東空っ風 リハビリプチドライブ① 筑波の麓

    筑波鉄道 常陸小田駅跡 2024年12月「あれだけ壊した肩なんだから簡単には戻らないって。」「骨はいいけど筋肉がまだまだだから動かすほどに腕の筋肉疲労が起きる。」とは言われても、腕を宙に浮かせてじっと本なんぞ広げている方が具合が悪く、ハンドルを左右に回している方が調子がいいのだから、アウトドアに出るのが自然体かつ効果的なリハビリなのかも知れぬ。ということで連載エッセイの取材も兼ねて、旧筑波鉄道と...

  • 明けましておめでとうございます

    只見線 郷戸 今年は雪深い新年を迎えたところが多いようですね。全てを紅く染める清めの炎。明けましておめでとうございます。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 良いお年を

    札沼線 豊ヶ丘 これが本年最後の更新となります。今年はいろいろなことがあり過ぎて、ひとつひとつ思い出せば長い長い1年だったというのが実感です。「旅のたまゆら 1981-1988」の個展開催準備から始まり、GW前後の開催までのみっちり濃厚な時間。 その閉幕直後に肩甲骨複雑骨折の事故に遭ってひと月近い入院とくれば、それと並行して初の雑誌連載が始まるも、地道に続くリハビリの開始でもあり。 秋には老父の逝去とその後...

  • 虫食いの風景

    小湊鉄道 上総大久保 2014年何とも季節外れな絵ではあるが。桜名所だらけの小湊にあって、一番好きなのはここ上総大久保だった。飯給も月崎もそれなりの良さはあるが、桜と線路との「間合い」が近過ぎず遠過ぎず、絶妙なバランスを保っていると思う。しかしこのアングルは撮れなくなるらしい。事実は未確認だが複数の情報筋によれば、この写真の前景、菜の花か咲いている辺りに太陽光パネルの支柱が立ち始めていると。...

  • Merry Christmas

    新宿駅I wish you a Merry Christmas !Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • ひとひらの雪

    只見線 大白川 2020年これは意図せぬAFの悪戯なのだけれど。コントラストをモジュールが拾うなら、浮かび上がったひとひらの雪に吸い寄せられるのだろう。雪同士が高空でぶつかって合体した、ぼたん雪が線路を白く覆ってゆく。本日発売の「旅と鉄道」。 連載中の「旅のたまゆら 1981-1988」 第3回は南部縦貫鉄道、1984年。小学生のレールバス通学写真から辿るのは、秘められた大地の歴史。Copyright © 2011 風太郎...

  • 資料本

    写真を見せていて困るのは、「ここに写ってる車両は何形?」というスペックを問われることで、そういったことには無頓着、来るものをただ撮っていたあの頃。それでも昔のローカル私鉄など修車技術も高かったのか、古い車両が大切にされ、場違いな近代車に簡単に置き換えたりしなかったから、奇妙奇天烈な奴が来て茫然というようなことは皆無だった。騒がしいラッピングなど影も形もないし。縮小均衡は目に見えていたとはいえ手堅い...

  • 冬至の朝

    只見線 入広瀬 2022年夜明けが遠い朝も、始発列車の賑わい。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 雪の便り

    飯山線 横倉 2023年豪雪の地から雪の便りが届く。長く冷たい冬の始まりに、通り過ぎる窓の灯りが愛おしい。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 時代の主役

    三菱石炭鉱業鉄道線 清水沢 1984年清水沢の凍てついたホームから石炭ストーブが燃えるヤマ行き車内へ。手に提げているのは定番の学生鞄ではなく、どこかのファンシー雑貨店のビニールバックだろう。サンリオキャラクターの勃興期でもある。 「カワイイ!」文化を育て支えた主役は彼女らの世代だった。はて当時の清水沢にそんな小洒落た店があったろうかとは野暮で、札幌辺りに繰り出した際に手に入れたものを常に携帯...

  • 閉幕

    小湊鉄道 養老渓谷 2017年今年の秋は遠出皆無だったから確かめようもなかったが。遅い紅葉だったという。 狂いは常態化した感はあるけれど、季節の幕引きは確実にやってくる。本邦最後の紅葉の地じゃないかという、房総半島にも。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 払暁

    三江線 香淀 2017年まだ明けやらぬ大河の畔に。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • IN THE CITY 11 SPECIAL SEAT

    ゆりかもめ 2017年夕陽眩しい大都会の回廊をゆく。これが鉄道かはともかくとして、このポジションはちょっと羨ましい。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 霞ケ浦落陽

    鹿島鉄道 桃浦 1981年落日の霞ケ浦湖畔をゆくのはキハ401形。 国鉄払い下げのキハ04を総括制御化、2両一組で運用は良いが、ありきたりな正面2枚窓に改造してしまうのはその無粋さを嘆いたものだ。いやそれもまた今となっては牧歌的な嘆きではあるが。限りなく透明感のある関東平野の晩秋である。 窓辺の乗客も夕陽のグラデーションに惹かれているのだろうか。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights ...

  • 鉄道があったなら

    いすみ鉄道 小谷松 2015年何処にでもありそうな里に、鉄道があったなら。そこにまた物語が生まれるというものだ。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 軒先の秋

    富山地方鉄道 岩峅寺 2015年冷たい雨は降り続く。立山連峰を望む駅にまもなく厳しい冬がやって来る。名残りに色付く蔦が軒先を飾っていた。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 静けき隘路

    花輪線 兄畑 2019年米代川が湯瀬の渓谷に差し掛かろうとするところ。ディーゼルの響きも遠ざかれば、風にそよぐ尾花が微かに音を立てるばかりである。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 拓きの里

    南部縦貫鉄道 坪川 1984年昔の写真を撮っている時は見るもの皆珍しく、目の前にあるものをただ夢中に撮るのみ、写るものの歴史的な背景などおよそ考えが及ばなかったものだ。小学生の列車通学は過疎に伴う学校統合の産物と簡単に片づけ、間違いではないにせよそれ以上掘り下げることもなかった。雑誌に連載を持つようになり、ファクトチェックの必要もあって沿線の村史など初めて紐解けば、そうだったのかと写真がまた...

  • 北太平洋

    日高本線 厚賀 2013年これより北はオホーツクとも呼ばれるから、太平洋の北の果てだろうか。荒れ狂った低気圧が去って、穏やかな夜明けの海が帰ってきた。沖のエメラルドグリーンはやはり太平洋のそれである。もう二度と帰っては来ない、線路を見下ろす朝。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 岩木の麓

    津軽鉄道 金木 1982年「おいわきやま」の麓はぴんと空気も済んだ秋晴れ。キハ20と22をハイブリッドしたような老兵が単行でやって来た。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 彩の駅から

    飯山線 蓮 2020年彩満ちた駅に、いつもの通学列車。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • つるべ落とし

    蒲原鉄道 高松 1982年つるべ落としの秋の夕暮れ。最後の光を拾う。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 再び朝が

    わたらせ渓谷鐡道 上神梅 2021年暗く冷たい一夜が過ぎて、改札口に再び朝がやってくる。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 40年目の答え合わせ

    山陰本線 1983年 写真集「旅のたまゆら 1981-1988」 「記憶を刻むもの」より昔の大学は休みがやたら長かった。 最近はそうでもないらしい。 休講続きで学生を喜ばせるばかりの講義は、今では足りない分を補填しなければならないらしいから、その分休みが短くなる。もっとも長い休みに旅に出たいなら、その軍資金が必要だから休みの半分はバイトで潰れることになる。それが無けりゃ撮れた写真は二倍にと思えば残念...

  • 秋晴れ

    山陰本線 飯井 2015年半農半漁の村に朝が来た。潮風が実った稲穂の香りも運ぶ。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 世は移ろえど

    五能線 2018年世は移ろえど、窓に飛沫を降らす波濤はそのままだ。本日発売の「旅と鉄道」12月号。連載フォトエッセイ「旅のたまゆら 1981-1988」 第2回は、「窓辺のダイヤグラム」。 山陰本線 1983年。13時間以上をかけて山陰を走り抜ける長距離鈍行列車の旅。鋼板とガラスで二つの世界に隔てられた、非日常を旅する「内側」と変わらぬ土地の日常が流れる「外側」。 ダイヤグラムの交差に似た窓辺の出会いは刹那に過ぎ...

  • 秋冷の朝

    只見線 会津川口 2022年夜明けと共に沸き上がった川霧が、次第に秋空へ還ってゆく。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 次の改札は

    一畑電鉄 秋鹿町 1982年 写真集「旅のたまゆら 1981-1988」 「プロローグ」よりまどろみをカチャンと破られて。 律儀な駅員が次の電車の行先をぶら下げる。Copyright © 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村写真集「旅のたまゆら 1981-1988」 SPECIAL WEB SITEはこちら著者 寺下 雅一発行 現代書館ブックデザイン 鈴木一誌+吉見友希+矢島風語印刷 平河工業社Printing director ...

  • 横浜好日

    横浜 氷川丸 2024年9月Z旗は「皇国の興廃この一戦にあり」ではなく、「本船は曳き船を必要としている」という情けない意味が本来と知る。快気祝いかリハビリの一環か、大人の遠足に誘われて横浜へ。横浜駅から大桟橋までよく歩いたな。氷川丸は一応豪華客船のはずだから急な階段など無かろうと思いきや、ブリッジや機関室はそうは問屋が卸さぬ。それでもスイスイ上り下りできるのは、家の階段さえ怖かった以前に比べれ...

  • 寄合い

    蒲原鉄道 高松 1982年お出掛け着に着替えたばあちゃん達、稲刈りも済んで寄合か慰労会か。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 軽便祭2024

    毎年行ってる「軽便祭」。 今年は前夜祭の講演(風間さんと名取さん)と本祭とフルコースで。銀龍号は場違いだが、田舎の砂利道なんぞはOナローならではの再現性。毎年驚かされるのはこの分野の技術革新だ。精密にレーザーカットされたペーパー車両模型・ストラクチャーの出来にたまげていたら、時代はもっと先を行っている。「3Dプリンター」だ。いくら何でも1/87とかの繊細なディティールは無理・・・いや、これは。肉厚とか...

  • 秋霖の峠道

    只見線 大白川 2018年濡れた木々に秋が匂う。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 隔月入稿

    「800~1000字のオーダーはちょうど書き易い長さよ、それより短かったらむしろ難しいよ。」「毎月締切だとうっかり泡を食うことはあるけど、隔月だったら楽勝だって。」と、旅行雑誌に寄稿多数の先輩紀行作家は仰るけれども。「旅と鉄道」に連載中の原稿締め切りは忘れた頃にやって来る。原稿用紙にして2枚の長さは撮ったその場のエピソードだけでは浅いと感じる字数で、そこから普遍性のある世界観まで視座を拡げないと苦しい。...

  • 屋根裏プラハ

    写真家にして稀代のカメラヲタク、田中長徳さんの大長編エッセイ集、「屋根裏プラハ」を読む。ヴァーツラフ広場をソ連軍戦車が埋め尽くした1968年から時間さえ凍ったような1975年を皮切りに、1989年のビロード革命、そして世紀を越えた2010年まで30年以上、遂に屋根裏のアパートまで借りて住んでしまったチョートク先生の、「プラハ」への偏執愛が詰まっている。風太郎はサラリーマン時代の乏しい海外旅行経験の中で、珍しく2回も...

  • さらば最悪の夏

    長野県 雨飾山麓の家 2022年拙ブログでいくら「夏去りぬ。」とやっても一向に去らない夏。思えば青葉眩しい5月末に入院、セルフ痛み止め投下ボタンを握り締めた1ヶ月近い監禁生活から解放されても、恐る恐る外へ出るや油を敷いたフライパンのような屋外。高原の縁側で昼寝、夜風に吹かれて焼くバーベキューはもう食べられませんという夢から目覚めれば、効き過ぎなエアコンのダルさに辟易するばかり。 大糸線 頸城...

  • 駅の灯り

    富山地方鉄道 岩峅寺 2022年古い駅には黄昏時が似合う。夜に呑み込まれようとする頃、それに抗うような灯りが駅に刻まれた時間の蓄積を映し出す。場違いな「東急」には隅で遠慮してもらうとして。「究極のプライバシー」ながら、医者から貰った我が肩甲骨の3DCT画像があまりにフォトジェニックで感心したので。この鮮やかさはプリクラ並みに盛ってないかいと疑いたくなるが、さすがに盛っちゃいかんだろう。自慢のチタン...

  • これもヨンマル

    ミャンマー マンダレイ~モンユワ 2018年いまや希少過ぎる国鉄型、ヨンマルは彼の地でこんな毎日を送っている。いやヤンゴンとか大都市は平静を装うも、主戦場とも言われる地方農村部のローカル線はほとんど走っていないと聞く。鉄道員は皆逃げたとも、抵抗勢力に加わったとも、殺されたとも。ヨンマルは今、何処を走るか。 チャン・ウー草原のジャンクションで小休止。 おいもう出すぜ、置いてくぞと、「快速 ...

  • 暮色

    上田交通 上田原 1982年風が涼気を運び始めた、初秋の夕暮れ。構図になってないわと、ボツ箱に収まっていた写真にふと吸い寄せられたりする。欲をかくことさえ間に合わなかったからこそ、見たままがそこにある。もう帰っては来ないその時が、むしろ鮮やかに定着している気がして。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 朝陽降る

    わたらせ渓谷鐡道 上神梅 2021年朝陽降る。秋雨に洗われた大気を透かして。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 北の秋風

    宗谷本線 抜海 2012年一足早くやって来る、北の秋風。熊笹の海がざわざわ騒ぐなかを。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 夏去りぬ

    日中線 熱塩 1979年静けさを破るように夏草をかき分けると、秋の虫が次々と飛び出してくる。線路の行き止まりから、次の季節が忍び込む。両手でハンドルを握れる。 ウインカー出しなど右手の仕事は問題ない。 教習所で習う「右手を10時方向まで送ってグイと廻す」という右折の仕方はこの間まで痛くて出来なかったが今は出来る。しかし頭上のオーバーヘッドコンソール(ただのホワイトボード)に通過時間とか書こうもの...

  • 人間の土地

    奈良原一高さんの写真集「人間の土地」のページをめくる。今では知らぬ人も珍しい長崎の端島(軍艦島)と桜島の火山灰の大地、に生きる人間の記録。1954年から1956年の撮影。 軍艦島の刻明な映像記録としてはおそらく初めてのものだろう。奈良原さんのあとがきによれば、所縁のあった九州各地を旅行中、23歳の一学生はこの被写体に偶然出会い、「思い立った者が行わなければならない」なる声を聴き、「はじめて自分のカメラを手に...

  • 匂う朝

    只見線 若宮 2017年始発列車までまだ1時間。地表を覆った朝靄が少しづつ空に消えてゆく。誰もいないホームに立ってそっと吸い込むのは、露に濡れた土と線路の赤錆、そしてやって来た実りの匂い。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 「たまゆら」写真展余聞 メモリアル

    ご来展者から本を頂いた。昭和24年生まれというからひと回りは年上の方なのだが、SNSで拙写真集の存在を知り、以来この写真展に期待されていたそうだ。賛辞を頂くと共に時代の記録について話は尽きなかった。その後の入院でベッドに伏せっていた時、カミさんが家に届いたと持ってきてくれたもので、若い看護師は不思議なものを見るような顔をしていたが。「撮り鉄60周年記念」のメモリアルに制作した私家本だそうだ。 高度成長...

  • 揺らめく翳

    島原鉄道 大三東 2016年ホームがかさ上げになり、それに応じて待合室も横断踏切の位置も変わったか。海と空は変わらない。 そして足許に揺らめく翳の濃さも。古い写真から紡ぐのみならず、その場所で今この時も生み出されている写真の物語。 島原鉄道 大三東 1982年 写真集 「旅のたまゆら 1981-1988」 「夏の光」より本日発売の「旅と鉄道」。フォト&エッセイ「旅のたまゆら 1981-1988」 連載第...

  • お囃子が聴こえる

    島原鉄道 大三東 1982年これは写真展ハガキ「天狗」のラストショットである。咄嗟に望遠レンズに付け替えて「その後」を追ったらしい。天狗と子供たちはホームを降り、線路敷を悠々と歩いて神社の境内に向かう。トップライトを受けて鳥居の前に白く光るものは夜店のビニール屋根である。急行列車が乾ききった砂埃を上げて通り過ぎる。夏祭りのお囃子とざわめきが聴こえてくるだろうか。夏空に。 以前の五十肩でも筋トレ...

  • ドゴール帽

    高千穂線 川水流 1988年オリンピック絡みでドゴール帽をしょっちゅう見せられると、つい思い出すのがこの夏のJR九州だ。1987年の分割民営化の際、同社の制帽として採用されたのがドゴール帽である。 あくまで俗称で、自由フランス軍のド・ゴール将軍のそれが大戦中やたら目立ったことから来る。近代軍隊の制服デザインの歴史というのは二大陸軍国とされたフランス系とドイツ系に大別されるそうだが、当初各国が真...

  • 連載始めます。

    「旅と鉄道」誌(隔月刊 イカロス出版)に連載を持つことになった。お題は「旅のたまゆら 1981-1988」。 そもそもいつまでこのネタで引っ張るつもりだと囁かれるものもあったし、写真集も出せば先日の写真展もやったのを機に区切りを付け、「次」に向かう腹積もりだった。しかし世の中はまだまだ広い。SNS上やご来展者とのお話を通じて、「知らなかった」という未開拓顧客層が多数存在することが分かってきたことに加え、編集部...

  • さざ波

    磐越西線 山都 2015年さざ波立つ川面は秋の訪れを告げるか。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 歴戦のニコワン

    保険会社に送った悲惨な写真負傷事故の際持っていたのは、Nikon1V3 10-30mm F3.5-5.6VR付きである。落下した瞬間のカメラの様子は知る由もないが、多分オシャカと思ったし、そんなものを確認している余裕も無かったから、転がっていた奴をそのまま持ち帰り、被害状況を確認したのはひと月後の退院時である。まずバッテリー室の蓋が開いて、中のバッテリーはどこかに吹き飛び、バッテリーを押さえていた黄色いプラの留め金が...

  • 油照り

    鹿児島交通 撮影地不明 1982年「油照り」という俳句の季語を初めて知った。 そうかああいうのを言うのかと、遠い夏の日が蘇る。台風銀座にまた大きい奴が迫っていて、予兆の雲が空に広がっていた。真夏の烈日こそ無いものの、熱気が雲に蓋をされ地表に沈殿したか。風はない。 流れる汗というより体中の脂を絞られるような田舎道の果てに、また暑苦しい色の流線形が来るのだった。あの頃の南九州より今の東京の方が暑い...

  • シェー

    写真のネタが枯渇してきた。 いや、「おふらんす」は時節ネタでもあるしね。「ミーはおふらんす帰りざます」の、イヤミが発する「シェー!(chier!)」は歴としたフランス語である。「糞ったれ!」の意味だとか。入院時は箸さえ使えなかった右腕はかなり復活してきた。 「イヤミのシェーが出来る」が目標値と思うがそれはまだまだ。特に右腕が頭を巻くように曲がるのは陥りやすい間違いとされているから厳しい。(最近のYモバイ...

  • 「たまゆら」写真展余聞 写真表現論

    蒲原鉄道 七谷 1984年 「写真とは記憶の道具ではなく、記憶の発明である。写真の物語とは、語り手の記憶につながらない過去のできごとに対して、語り手の現在の視点から、写真に刻印された過去のディティルをあらためて観察し、そこにあらたな記憶を発明するというようにして、写真がその引用であるところのひとつの可能な物語をいまあらたに語り出すことである。」 「視線の物語・写真の哲学」 西村清和時間...

  • 盛夏

    いすみ鉄道 小谷松 2014年傾いてなお、射るような烈日。光と翳のあわいを縫うように。「肩廻してないからかな、腕全体の筋肉が硬くなるというか、そのうちしびれて来る。肩を廻すと和らぐ。これって血行が悪いんですよね?」医者「まあそうですね。」「例えばね、アルコールとか入ると血行が良くなりますよね?」医者「アルコール以外でも血行を良くする方法はあります。」「いやアルコールが入るとね、腕がにわかに柔...

  • 鉄道写真展 Report

    「鉄道ダイヤ情報」誌に写真家の米屋こうじさんが毎月連載されている「鉄道写真展 Report」。風太郎の写真展を取材して頂き、本日発売の9月号に掲載されている。期間中に会場での取材だったのだが、いろいろ興に乗って話しているうちに、文字起こししたら10,000字を超えたとのこと、それを何とか3,000字に収めるというご苦労をお掛けした。見開き2ページとはいえ限られた誌面で個展の全貌を紹介というのも無理な話で、毎号...

  • 瞬く夏

    鹿児島交通 加世田 1982年ネガの端に長く眠っていた、短か過ぎて永遠の夏。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • ファインダーの景色

    小湊鉄道 里見 2014年露出の加減にレタッチ、写真のマジックでこうなるが、夜の帳が降りた里見駅ホームの端はこれよりずっと暗い。 カメラのAFは当てにならない。 MFで駅員氏の背中に置きピンも手だけれど、望遠に絞り開放では自分の目玉が信用出来ない。唯一のチャンスと思われるのは、駅員氏の上半身をラインライトが縁取る1秒余りに、AFがそのコントラストを捕まえるか否か。来い来い来い、というその瞬間に...

  • 「たまゆら」写真展余聞 確かに見たけれど

    磐越西線 1982年この写真の主役は妻面に貼られたポスター、「レール・オリエンテーリング」である。カメラを抱えた少年が目一杯弾けて小躍りしている。しかしこの少年の服装センスが凄まじいのだ。上半身は緑のトレーナー、下半身は真っ赤なズボン。 クリスマスかっての。これは1980年から始まった「いい旅チャレンジ20,000km」のPRポスターである。このキャンペーン、宮脇俊三氏のベストセラー「時刻表2万キロ」に便乗...

  • 夜の雨音

    大井川鐡道 家山 2021年床下のコンプレッサーも止まった発車前、ホームを打つ雨音に耳を澄ます。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 「たまゆら」写真展余聞 お初にお目に掛ります

    前にも書いたが風太郎は一匹狼というか、自分勝手な人間なので、折角の和を乱すような気がして、グループの一員になって皆で写真を撮りに行ったり、合同写真展とかに関わることは基本的に無い。いきおいその界隈における知人はかなり少ない。それでも目立つ形で前に出ると、思わぬ方まで情報が届くものだ。受付でカードに記されるご芳名を見ていて、ああっと驚くことが結構ある。只見線写真の名著「望郷只見線」の中心メンバーの一...

  • 梅雨の彩り

    大井川鐡道 崎平 2018年 そぼ降る雨中のタチアオイ。茎の下の方から開花して、上まで咲き登ると梅雨の終りと聞く。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

  • 俗世間に帰って参りました

    退院の朝手術室というところが、あれほど冷え冷えと室温を落としている場所とは思わなかった。手術着1枚しか着ていない風のナースは冷え性にならないのかしらと思ったり、他人事状態のうちに皆でエイヤと幅50cm位しかないのではという手術台に載せ替えられる。真上にいわゆる手術室のライト、両側から見下ろすドクター達。これはいい絵だねえ。縦位置ウルトラワイドで決まりだな。スマホカメラでいいから腹の上に置かせてくれ...

  • お休みします。

    とんだ不注意で外傷事故にあい、1ヶ月ほど入院加療になってしまいました。復活の日をどうかお待ち頂ければ幸せです。風太郎 拝...

  • 一人

    只見線 入広瀬 2018年この駅で下車する高校生たちが、ほぼ全部の乗客だった。道筋に残っているのは、あとひと駅。たった一人の為に、列車は闇に沈む山峡へ。© 2011 風太郎のPな日々 All rights reservedにほんブログ村...

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