オリジナル恋愛小説を掲載しています。
■伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい(完結) 伯爵令嬢のシャーロットはもうすぐ顔も知らないおじさまと結婚する。だから最後にひとつだけわがままを叶えようと屋敷をこっそり抜け出した。そこで知り合ったのは王都の騎士団に所属するという青年で——。
明日、わたしは顔も知らないおじさまと結婚するために旅立つ。だから——。 伯爵令嬢のシャーロット・グレイは部屋の窓をそっと開いた。 その向こうには雲ひとつない抜けるような青空が広がっている。降りそそぐ光はとてもまぶしい。きっと雨にはならないだろう。どうか今日だけは晴れますようにと天に祈った甲斐があった。 準備は万端だ。 この時間なら庭に使用人がいないことも確認済みだし、屋敷内から目につかない経路も調...
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