オリジナル恋愛小説を掲載しています。
■伯爵家の箱入り娘は婚儀のまえに逃亡したい(完結) 伯爵令嬢のシャーロットはもうすぐ顔も知らないおじさまと結婚する。だから最後にひとつだけわがままを叶えようと屋敷をこっそり抜け出した。そこで知り合ったのは王都の騎士団に所属するという青年で——。
「え……桔梗さん……?」 創真は扉のところで立ちつくしたまま、目を瞬かせる。 執事に案内されて入室した西園寺家当主の書斎に、なぜか桔梗がいたのだ。彼女は流れるような所作で応接ソファから立ち上がり、会釈する。創真も怪訝に思いながらつられるように頭を下げた。「桔梗にも関係する話なのでな」「あ、はい……」 奥の執務机にいた徹は、創真のつぶやきにさらりと答えて腰を上げた。 この面会は翼が執事を通して取り付けてく...
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