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  • 名もなき扉の奥で

    以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。

  • 虹の膜が弾ける前に

                                                                                           

  • 微熱

    ​​​​ 力み過ぎて声が裏返る、よ・・。​​​​ ​

  • イラスト詩「醜育声腸」

    どれくらい君のことが好き、 その間に生きる目的や幸せや生活が、 生乾きの、透明な、皮膚とやらに見え隠れして。 コンビニエンスストアの青白い蛍光灯が作る影の中で、 横顔を見ながら、すべてが背景に溶け込

  • 春の円環

    昭和六十二年の夜が深まり、 神田川の水面に映る街の明かりが、 狡猾な動物みたいに、 風速一・一メートルの微風に乗ってさざめく。 マンションの輪郭を縫うように流れるナトリウム灯の橙色。 波長五八九ナノメ

  • イラスト詩「色彩」

    ​​ ​​​​​​​ 感​じ る ​時...... 伝

  • 名もなき眼

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 高校の放課後に、友達にホラーについて語る、 ​それは、すうっ―――っつ・・と、​ ​​​​溶けてしまいそうな午​後​―――。 ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​窓外

  • イラスト詩「環境音楽みたいな焼き直し的ステレオタイプホラー(笑)」

    その夜、俺は地方のビジネスホテルにいた。 駅前のチェーンは満室で、仕方なく選んだ古い宿だ。 ロビーは薄暗く、埃っぽい。 フロントの男は無表情で、鍵を滑り込ませた。 「エレベーターの前の部屋は、使用不

  • イラスト詩「白いホテル」

    鐘の音が、遠くから微かに届くような錯覚を覚える、 午後八時過ぎ。 地方出張のために予約していたビジネスホテルは、 駅前の賑やかな喧騒からまるで隔絶されたように、 裏通りの闇にひっそりと佇んでいた。 日

  • イラスト詩「百年後の世界」

    時刻は深夜二時を過ぎていた。 街灯一つない、墨を流したような山間の林道を、 白い軽ワゴン車が、 ぬかるんだ砂利道を啜るような鈍い音を立てて、 ゆっくりと進んでいた。 寝そべって章魚のごとく枝を伸ばした

  • カタ、カタ、カタ

    深夜零時を少し過ぎたころ、 梅雨明け前の湿気をはらんだ空気が、 アスファルトの熱を吸い込んで重く立ち込める田舎道を、 一台の軽ハッチバック車が、 ヘッドライトの円錐形の光を彫刻刀のように、 闇に深く彫

  • イラスト詩「二十六階」

    六月中旬、湿気を孕んだ空気が住宅街へと流れ込み、 築十五年のタウンハウスにも、 ゆるやかで粘性のある沈黙が満ちていた。 時刻は午後三時を少し過ぎたところ。この時間帯は、 まるで空間の奥底で時間が凝固し

  • 報告

    さっき長編小説が終わった。 少年王 https://kakuyomu.jp/works/16818622175915328880 めっちゃいきった文体を目指し、 途中から何でこんな息苦しいものを作っているのか首を傾げた(?) お金もらえるな

  • イラスト詩「視線の檻」

    大きな声では言えませんが、私はストーカーだったことがあります。 今日の午後も、駅の改札を出た彼女の白い踵を、 私は規則的な歩調で追っていました。 彼女の履く白いローカットの運動靴は、 わずかに汚れたソ

  • 扉の向こうで

    この都市では、夜になると。 出歩いてはいけない。 回覧板にも載っていたが、 サインだけして返した。 夜の一時をわずかに回った時刻、 俺は築四七年のアパートの重たい鉄扉を軋ませ、 コンクリートの亀裂が薄

  • 認識崩壊

    就職を機に、かつて学生時代を過ごした混沌とした都市を離れ、 郊外の新興住宅地へと移り住んだ。 開発途中のその街は、未完成な地図の余白のように白く、 静まり返っていた。 確かめていないとちゃんと二十四時

  • イラスト詩「昼下がりの影」

    昼下がりの空気は、 まるで熱に煮えたぎる水のようにゆるく歪んでいた。 アスファルトの照り返しが窓硝子を熱し、 その熱が室内にじんわりと滲み込んでくる。 焦げ付くような夏の匂いの中に、古びた家の奥に澱む

  • イラスト詩「閉じ込められた視界」

    十年ほど前のことだ。母が肺に癌を患い、 最終段階に入ったと宣告された頃、 俺達は住まいを移さざるを得なくなった。 病院へのアクセスと、わずかに残された時間の共有。 それが俺達の生活のすべてとなった。

  • イラスト詩「夢に出る彼女の顔が少しずつ違う」

    春の終わり、大学を卒業したばかりの僕達は、 中央線沿線で部屋を探していた。 生活を共にするという決断は、まだ現実の重さを持たなかった。 娑婆気もあれば欲気もある、二十三歳。 邦楽のようにつらつら口ずさ

  • Drive_with_you

    都内の私立高校に通うAさんは、ごく平凡でありながら、 どこか無垢な透明感を湛えた女子高生だった。 彼女は目立つタイプではないが、 放課後の教室や週末のカフェでの小さな冒険が、 穏やかな日常を優しく縁取

  • 踏切

    家の近くには、ひとつの踏切がある。 昼間はただの交通の通過点。 コインランドリーの裏手にひっそりと佇み、 人々が何気なく通り過ぎる場所。 だが夜になると、 その踏切は街の皮膚の裏側にひび割れのような口

  • イラスト詩「リトルジャガーといちばん最初の魔法」

    ねえねえ、知ってる、ある日のこと、 ももかは柔らかなぽかぽかの日差しの中で目を覚ましました。 生クリームが少し固まったような姿勢で目が開きます。 こんな時、ももかは世界がたまらなくうつくしいものに思え

  • イラスト詩「十代の心」

    ​​​​​​ (自然そのもののコントロール不可能な様相が、 よりクリアに見えてくる公園・・・・) ​天井にくっついた風船みたいなものだよ​​ それ以上進まない​​

  • Ωの境界

    ​​​​​​​ ​​​​​ 夢の中で彼は、 「バーチャル・セルフ」になった。 それは詩的な喩えではない。 彼の意識は、量子コンピュータの演算空間に

  • イラスト詩「なんちゃらかんちゃら」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​​​​​そこにはもう何もないんだぜ。 鋭敏なる神経を有する触角の尖端のような舌も。​​​​​​​ (思 ​い​ 出―――を・・ ​​​青い水溜まり

  • イラスト詩「decomposition」

    夜が静かに降りてくる。 空は一枚の漆黒のヴェルベットに変わり、 星の代わりにネオンの粒が都市の輪郭を刺繍していく。 何の前触れもなく空のバランスが崩れる、 この夜が、静かに編集されていく。 まるでレンズの

  • イラスト詩「春は咲いている」

    チャイムが鳴った。 いや、「切断された」と言った方が正確だ。 刃のように細く鋭く、空気を裂いて、 この午後の透明な沈黙を真っ二つにした。 恋に落ちてゆく、 道徳の鎖、因習の鎖、 心を縛っているその人

  • イラスト詩「深層」

    夜が、タールみたいに地面に張りついてる。 歩道も車道も、じっとり濡れてて、 靴底が嫌な音を立てるたび、 何か自分がこの街に溶けてくみたいで気持ち悪い。 緊急極秘指令。 繁華街のネオンが、水溜まり越しに

  • イラスト詩「白線」

    夜が落ち始めた頃、 駐車場の片隅には、 ひんやりしたアスファルトの匂いが、 ゆっくりと満ちていた。 空を飛べたらいいのにな。 風を切って、旋回して、 帰り道まで迷子になることなく、 一直線の帰巣本能

  • イラスト詩「お、なんか見えんな」

    午後の陽ざしが、窓辺に最後のきらめきを落としていた。 そこにも序破急があり、 完成とは違う未成がある。 開いたノートの隅には、無意識に描いた小さな星の落書き。 酔い痴れの妄想さ。 もうすぐ死の灰。 ふ

  • イラスト詩「街灯の光、風、そして行き先のわからない足音」

    ねえ、気付いた? 夜が静かに降りてきてさ、 気がついたら、一つだけ街灯がぽつんと光ってたんだ。 あれ、まるで迷っちゃった誰かのために立ってるみたいでさ、 ちょっと切なくなるね。 普遍性の海の腐蝕作用

  • イラスト詩「speak」

    霧がゆっくり降りてきて、 なんか、世界が静かになった気がしたんだ。 (You are my destiny...) 偶然自分に属した権利ってやつ。 遠くで誰かが呼んでるような声。 でも、その輪郭はすぐネオンサインの海

  • 黄金の仮面と銀の影

    足利尊氏が京都に開いた室町幕府は、 政権というより武家たちの利害調整装置だった。 将軍とは名ばかりの“調停者”であり、 守護大名たちは封建制の装いをまとった独立国主。 中央の名において地方を支配するので

  • 204

    EDM 真夜中0時3分。 冷え切ったビルの谷間を、 鋭く尖った光の弾丸が弧を描きながら横切る。 Do it Do it 都市の流れ星。 それはまるで、星を模した銃口から放たれた未来の閃光。 漆黒の夜空を突

  • 203

    Until the leaves fall once more 冬の気配が、静かに世界を縁取る十一月。 皮膚の神経線維に堪えがたい刺が触れる。 陽はすでに傾き、空の端には紅と紫が溶け合い、 まるで絹を染め上げる筆の跡のように

  • 202

    夕方、君の胸が、震える理由 町の外れ、人目に触れぬ森の奥に、 時の流れから置き去りにされたような屋敷が、ひっそりと佇んでいる。 巨大な苔むした木々が鬱蒼と茂るだけでは飽き足らず、 赤茶けた煉瓦の

  • 201

    君はいない 彼女は、夜の帳がゆっくりと降りるたびに、 心の奥に黒い墨を垂らしたような重い影を感じていた。 胸の中ががらんどうになり涙さえ出ないような悲しみ。 昼間、教室のざわめきの中で彼女に注がれ

  • 欠けた朝と満ちる夜 ――カヌースクール篇――

    澄み渡る空の青が、湖面にゆっくりと溶け込む。 遠くでかすかに聞こえる鳥の囀り、そして波が岸辺を撫でる柔らかな音。 それで現実性がことごとく抜けてしまって、 ただお伽話の夢の国の光景のようなものになって

  • 欠けた朝と満ちる夜 ――料理教室篇――

    フクロウカフェを出た後、さすがに鹿子田先輩も、 休日なので用事でもあるかなと思ったら、 「次は何処に・・・行こう・・・」と言う。 催促―――された(?) 街は週末の活気に包まれ、通りを行き交う人々の楽しげな

  • 欠けた朝と満ちる夜 ――ランニング&フクロウカフェ篇――

    日曜の朝。 折角の休みだが、何もしないのも勿体ない気がして、 軽く運動でもするかと速乾Tシャツとランニングショーツといういでたちで、 公園に向かった。 公園には柔らかい朝陽が射し込み、木々の影が長く伸

  • イラスト詩「Gravity & Light」

    以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。

  • 言葉が生きる場所

    ​​​​​​​​​​​​​​​ Yo, 眼を閉じろ let me take you deep inside この世界の仕組み、疑問を投げかけながら ride 精神の傷、 皮膚を強靭にした面の皮の不死身。 選ばれたる少数という名の阿呆と悪党。 権力

  • イラスト詩「俺の歌を聴け!」

    以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。

  • イラスト詩「雨に溶ける」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​ ​...いま 触れているもの...へ と...​ (​​...試行錯誤でパスワード入力​​ 形式

  • 新しい時代の詩

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​ 心拍数は更に上がるのに、草原、 獅子の影は遠くなっていく。 ―――手の込んだ代用品、人生の代用品、時間の代用品。 過去それは、イリュージョンの

  • イラスト詩「楽園」

    ​​​​​ ​​​​​​​​小 さ な 躊 躇 い  ―――。                                                  

  • 風景

    ​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ “風景”という状態がある、 この未曽有の精密さに真正の治療あれば剥奪の極みをくれよう、 その雅びで

  • プレイ、プレイ

    しっとりと濡れた庭は その葉を一枚ずつむしりとるかのように また 根と根がぶつかって お互いの水気や養分を奪い合うように ( みずかさ ) が増して行く みずから・・ ああ、あんなこ

  • 夜は寂かに

    おそろしくスローモウションに 明暗の鋭い切れ方 ・・・ふつと切れて巻き返す夜の部屋に 僕の視力が戻る 遠慮なく/思う存分

  • かもちゃん、つまらなさについて語れば

    ​​​​​​ かもちゃんが公園で砂場で寝転がっていた。 子供たちが、ゆさゆさ、すると、顔を向けてきて言った。 「かもちゃん、今日は一日つまんないことをするダロ。 つまんないことは人生哲学の一つダロ。

  • イラスト詩「イケメン」

    ​ ピクセル化した朝焼け あの頃僕が買ったコントローラーでは 動かせない Qi規格のワイヤレス充電ができない よくあること それが呪いかも知れないって言ってる 地雷ですってブラウザを閉じる気持ちも

  • ビル管理の話

    ​ ビル管理を仕事とする上でやはり資格を取った方がいい。 とある会社では、資格が多いほど資格手当が出るからだ。 上位資格として三種の神器というものがあり、 「第三種電気主任技術者」「ビル管

  • 苔の話

    ​ 苔とは何かといえば、緑色をしていて、 ジメジメしたところに生えていて、苔寺、 神社の境内にあるとか、岩の上とか、川にもあるもの。 「わびさび」とか「君が代」というのも正解だ。 日本の

  • Serendipity

    ​​ ​眼が覚めると色硝子の粉のような視界で、​ ​​ 期待していた。​​ ​​​​ 旋律的な情緒、説明

  • ずっと橋を渡りきるあいだ

    籤を引いた。 (秘密に、または、ひそかに) -わかりました どうか内緒にして下さい。 -わかりました、わかりましたから、、 来るかな? と思う。――来るかな?

  • マダガスカル

    ​​​​​ ​ グリーンランド島、ニューギニア島、 カリマンタン(ボルネオ)島に次いで、 世界で四番目に大きい島、マダガスカル島。 約五八.七万平方キロメートルで、これが日本の約一.六倍。 島なんてい

  • イラスト詩「夜の讃歌」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​ ―――ゆらゆらしていた僕等。 、、、、、

  • やさしくて、胸が張り裂けて、世界に愛を叫びたくなるような話

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

  • What can you see?

    ​​​​​​​ ​​ ​​​​​​​​​​ 歌の中でいくつもの時代がさりげない調子で過ぎてゆく、 僕等を上向きにし、時には下向きにし、横向きにもして―――。 (無)を映す瞳だったらいいな、 『骸骨

  • ​​​​ ​​​​​、、、、、、 管理下の奴隷。 それはシステムのアポロンだよと君は言うの?

  • 夜の雨

    夜の山の獣道を一歩一歩歩き、 収束点はなく、テーマもなく、何処に辿り着くでもなく、 たんにだらだら描き継がれ、 描き継がれるという行為のみに支えられ、 先験的視覚は鰻となりながら不安が身体の一部から融

  • 目蓋の奥で優しい闇

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 瞳にうつる結晶は、儚く消え・・た―――。 ​​​​​​濁 り だ す 恣 意 の 末 路 、 十 六 夜 の 儚 い 恋 物 語 。​​​​​​

  • イラスト詩「咲うもの散うもの」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 「賑わうバザールの裏通りの、

  • 僕はみんなが幸せになれる方法の一助になればいいと思った

    ギロチンみたいに、あいつの首から上と、 あいつの首から下は何回お別れしただろう、 俺の妄想の中。 一年経っても話せる見込みはないし、 二年経っても笑い話になりそうにない、 三年経ったら石の上に隕石だ

  • 欠けた朝と満ちる夜 2

    5 ―――休日。 特に予定もなく、駅前のショッピングモールをぶらぶら歩いていた。 人間観察はホームズコンテストでは最上級のものだが、 まずはエドガー・アラン・ポーの『群衆の人』を、読もうか・・・?

  • 報告

    GWの最終日に間に合ったというより、 間に合わせた感がすごく強いな。 本当はあの物語はフクロウカフェへ行ったり、 ピザを作ったり、マジックショーへ行ったり、 名古屋へ出張に行ったりする予定だった。

  • 欠けた朝と満ちる夜 3

    9 ―――昼休み。 企画・開発部のエリア、コピー機の横には、 使いかけのペンや一時的に置かれた書類が雑然と並んでいる。 紙がなくなったぞー、と誰かが叫ぶが、 補充するのはいつも決まった数人だ。

  • 欠けた朝と満ちる夜 1

    1 俺の名前は小日向純。 入社半年になる新入社員―――。 中規模ながらも業界内ではそれなりに名の知れた企業。 オフィスビルの十階、 ガラス張りの窓からは絶賛発売中のシティビュー。 ただし、買え

  • 無限回帰の祭壇

    地方都市の郊外。 石畳の隙間から顔を出す苔の青さが、湿った空気に色を添える。 偽装挿話の中で骨董屋している、 和製宮殿とおぼしき古い屋敷の長廊下を歩けば、 薄暗い光の下で銀色の筋となって浮かび上がり、

  • 残響

    以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。

  • 解剖室の異端者

    1728年、スコットランドのイースト・キルブライドにて、 十人兄弟の末っ子として生まれたジョン・ハンター。 この少年が後に「近代外科医学の父」と呼ばれ、 あの『ドリトル先生』のモデルにもなったが、 日本の

  • こっくりさん ――オカルトと科学の交差点――

    こっくりさんは紙とペン、 硬貨を使って行う狐を呼び出す降霊術であり、占いの一種で、 「狐狗狸」と表記される。 この遊びは現在でも小学生や中学生の間で行われており、 名前や遊び方が地域によって変わること

  • 200

    花の如く 分かり合いたいって、 願った。 利害を打算し、効果を予測し、 紙一重で躱した、 抽象的な状態で、 今日も、明日も、 具体的でも実践的でもない、 嘘の言葉を並べながら、 でも、信じた、 亡

  • 199

    Candidate for the perfect summer カメラはゆっくりとパンアップします、 空はどこまでも澄み渡っていて、 陽光が水面に反射して細かい輝きをまき散らし、 読んでいるあなたの視線も、いま波のように流れ

  • 198

    ムスメ今日から牛になりまス ムスメが牛のパジャマをして、 朝から「もー」しか言わないんでス、 これは反抗期ですカ? あー、わかりまス、わかりまっスル定吉、 シシャモの虎吉・・。 親の知らない間に、ウ

  • 197

    そろそろ夏だ、 すげーすげー夏、 しゅわしゅわな夏 Kamome studio

  • 196

    LOVE きめ細かいさざ波が静かに砂をなぞるたび、 しかめ面に微笑みかけたように、 二人の足元に淡い泡が広がる。 泡沫。 光の縞のような雲は綾に染めなし、 かぐわしく湿った絹の肌触りの潮風が髪を揺らし

  • 195

    風の記憶がほどける場所、 ここにあるのは、 時間のやわらかな手触り 朝の静寂をやさしく破るように、 陽光が木々の間からゆっくりと降り注ぎ、 運命の操舵によって、 確かめていた動きが形になって、 揺

  • 194

    Chrono Drift 微風が上衣の襟に吹き、 雨に濡れて額に絡る髪の毛もふるわせている、 いつか聞こえたような銃声、 街のクラクション、 けだるげな雨の街角。 ピンクの植木鉢の、 たくさんの花々のそばで

  • かもちゃん、痴漢すれば

    駅のホームに滑り込む電車。 車両の表面は朝の光を受けて揺れる水面のように煌めいている、 ―――プリズムだ。 窓越しに見える車内は、無数の断片的な物語が詰まったガラスケース、 乗客達の顔には思考や感情が流

  • 193

    電波唄 終電間際の十一時半の夜の鉄路、 レントゲンのように見た、 透き通っていくぼんやりなメモリー、 予報は今日も外れ、胸の奥は蜂の翅の警戒音。 逆巻くスクリーンはノイズ混じりで、 線香花火してる

  • 192

    やばいってやばいって うぜえ、ざけんな、ボケ。 やってらんね、え。 いじり倒してウダウダウダ、 (ウワー!) 徹夜経験が無いやつ、 一日中勉強した経験がないやつ。 スクリーンの・・陰影――で、 (

  • 191

    Are you truly unaware? Are you really seeing nothing? 天国は明るいって言うよねというと 本当のような気がするし、 逆に天国は暗いって言うよねといった時に、 違和感がある、 そういうことだよね?

  • 190

    因数分解された夜のゲシュタルト崩壊前夜 お喋りをして、熱が入って、拍車がかって、 円周率みたいだね、籠城戦。 笑ったりしながら、酒も入ってる、 因数分解みたいだね、空中物資。 だけどそのこととは

  • 189

    矢の如し 夕焼けは、 梢の先から幹の中を通り、 光の滴りを集める。 Time fliesという言葉があって、 Time flies like an arrowという言葉がある、 ―――光陰矢の如しさ。 それはさびにさびた劍太刀。

  • 半導体の話

    半導体は、電気を通す「導体」と、 (導体には金属、鉄、銅、アルミニウム等がある、) 電気を通さない「絶縁体」の中間の性質を持つ物質だ。 (絶縁体は、ゴムとかプラスチック、硝子もそうだ、) この性質

  • 188

    パニック障害 ー社会が抱える見えない恐怖ー 「パニック障害」という病気そのものは昔からあり、 かつては「心臓神経症」「不安神経症」といった名称で扱われていた。 近年になってから、他の神経症とはっきり

  • イラスト詩「大聖堂物語」 *超勢い、いきり文体の完成(?)

    異世界では一五〇〇年です。 世界はまだ静かです。 しかし、この大地には、まだ誰も知らない巨大な夢が埋まっていた。 花弁に纏わりついた空気から小さな妖精が出てくるみたいに・・。 大聖堂を建てる・・・! 手

  • 187

    ウナギの骨を抱いて眠りゆくもの 部屋は静まり返っていた。 いや、沈黙というより、音の概念が存在しない空間だ。 壁にかけられた古びた時計は秒を刻むことを忘れ、 針は僅かに痙攣している。 部屋の中心に

  • 186

    ゆめがなえ 薄暗い路地裏、湿った石畳が月明かりを反射し、微かに輝いている。 濡れた苔が足元でわずかに滑り、靴の底が軋む音が響く。 いや、湿った石畳が月光を噛み、鈍く光り、 濡れた苔の上を踏むたび、

  • 185

    囀りと嗤い 娘は山道を歩いていた。 薄暗い森の奥で、紅葉が風に煽られ、 乾いた葉が足元を滑った。谷底の冷たい霧が肌を撫でる。 冷たい湿気が肌にまとわりつき、微かに土の匂いが混じる。 振り向いた。

  • 184

    風とマウンド 「平嶋みちる――? あのリトルリーグのピッチャーだった?」 教室、靴の先で床を軽く鳴らしながら、蓮は視線を向けた。 「そうだけど、今は関係ないよ」 みちるの爪は完璧に磨かれ、髪は軽く巻

  • 183

    終わらない旅 ――進化と忘却、そして抗う者の果てしない探求―― The Eternal Odyssey 銀河の中心に浮かぶ都市、オルビス・ルーメ。 星の残光が交差する中、生命体たちは記憶を交換しながら生きている。 これ

  • 182

    テクノロジーがもたらす静かな支配 世界が二重になってい―――る・・。 電車の窓に映る景色と、窓の外の景色は微妙にずれていて、 そこにいる人間もわずかに違っている。 少年はヘッドセットをつけたまま、車窓

  • 181

    人魚の歌 「流されるのが嫌なら、こっちへ来るか?」 と問いかけると、 彼女は「どっちでも、変わらない気がする」と答える。 少女はスプーンでヨーグルトをすくいながら、 液晶画面の中でアナウンサが喋

  • 意思決定の空間のStart with Why

    役員室は、企業の意思決定がなされる戦略の中枢であり、 その空間の配置や機能性が組織文化を反映する。 外部からは扉一枚で隔てられた領域だが、 その内部は、会社の方向性を決定するための象徴的な空間でもある

  • 八百屋

    八百屋というのがある。 それは昔馴染みの野菜の販売所だが、 土地の呼吸と季節の移ろいを反映する小さな生態系であり、 朝から晩まで変化する市場の鼓動を映し出す場所だ。 春の新玉ねぎ、夏のトマト、秋のさつ

  • 立ち喰い蕎麦という哲学

    通勤ラッシュの波を掻い潜り、 駅のホームの端にある立ち喰い蕎麦屋、 「松葉庵」に滑り込む。 暖簾の隙間から漏れる湯気と、出汁の香りが鼻腔をくすぐる。 朝の喧騒の中、この狭い空間は別世界だ。 カウンタ

  • 相撲の話

    相撲は日本の伝統的な格闘技であり、 神事としての側面も持つ競技だ。 相撲の文化的な側面も興味深く、例えば土俵入りや化粧廻し、 力士の生活様式など、昔ながらの風習が今も受け継がれている。 また、日本国内

  • イラスト詩「桃ヶ丘学園」

    春の風が柔らかく吹く朝、あなた――二宮菜月は、 桃ヶ丘学園の校門を潜った。 桃ヶ丘学園は、創立百年以上の歴史を誇るミッション系の女子校で、 かつては修道院と併設されており、品格と知性を兼ね備えた女性を、

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