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  • イラスト詩「砂時計とライター」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 不.安.ば.っ.か. 運.ん.だ. ​​​​広角レンズに映るクリーム

  • 無法地帯

    無法地帯という言葉を聞いて何を想像するだろう、 存外、治外法権という言葉を思い浮かべるかも知れない。 とはいっても治外法権とは、国際法上の権利で、 在留外国人がその居住する国家の法律に拘束されない特権

  • イラスト詩「白い羽根」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​ これは​一体何度目​の冬? そしてこれは一体何度目の絶望? A

  • 路地裏 *いろいろまじごめん

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ <ゴミ箱から異世界へ行きます> ...エアコンの室外機で、 “コマンド入力”する、 「※ コマンド入力によるアクセス可能」 [ライ

  • イラスト詩「昼下がりの影」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 昼下がりの空気は、 まるで熱に煮えたぎる水のようにゆるく歪んでいた。 アスファルトの表面温度は摂氏五十度を超える

  • 18

    閉じられてゆく世界/こじあける世界 外出とは、僕等を覆う、薄くも強固な一枚の膜を破る行為だ。 それは、室内という、完璧に守られ、制御された空間から、 広大で予測不可能な世界という名の無限の可能性へ

  • 17

    コイン精米機 駅前のスーパーの、日陰になった隅。 真夏のアスファルトの底知れぬ熱気を、どこか遠ざけるように、 その機械は背を低く構えている。 薄緑色の鈍い光沢を放つ鉄の外装が、午後の傾きかけた日差

  • 16

    深夜の蒼色のレーダー図より 人類が、まだおぼつかない歩みで大地を離れ、 空という無限の領域へと、その視線を向けた、まさにその瞬間から、 戦闘機は、もはや単なる鉄と火薬でできた兵器ではなくなった。

  • 15

    狐影戦記 雨雲が、鉛色の重みを帯びて空を低く覆い、 その冷たい滴が、無数の甲冑の表面を濡らし続けていた。 一粒一粒の雨滴が、武士の兜の鉢金を叩く音は、 遠くで響く雷鳴にも似て、湿った戦場の空気を震

  • 14

    空豆 風の気配すら感じられない、とある静謐な午後。 畑の一角に、他の草木よりもひときわ高く、 向日葵やアスパラガスのように、 まるで誰かに見せるかのように、その青い莢を掲げる、 控えめながらも存在

  • 13

    洞窟の火と手の記憶 The Fire in the Cave and the Memory of the Hand 社会主義という思想の根底には、人類が持つ、 普遍的な感情が横たわっている。それは、 眼の前に広がる「不公平」への、燃えるよう

  • 12

    蝶の光、なめくじの夢 一九八〇年代後半、日本という国全体が、 まるで巨大な金色の泡の中にいた。 その時代、空気は、根拠のない楽観論と、高揚感に満ちていた。 富を欲するものは恥を忍び、傾絶せよ。

  • 11

    麦茶 夏の兆しが、まだほんのりと青い、 湿った空気の匂いに混じり始める頃。都市の喧騒から離れた、 あるいは古い住宅街の、とある台所で、 ひと鍋の麦茶が、静かに、そして緩やかに煮出されている。 窓辺

  • 10

    UVB-76 モスクワ郊外、深々と雪が降り積もる、凍てつく冬の夜更け。 時計の針は午前三時十七分を指し、街の喧騒は遠く霞んで、 あたりは深い静寂に包まれている。 その静けさの中で、一台の古びた真空管ラジ

  • 9

    性同一性障害 性同一性障害、 あるいは、現代において、より精緻な感性で紡ぎ出された言葉、 「性別違和(Gender Dysphoria)」という概念。 それは、まるで一枚の絵の中に、矛盾する二つの静寂が、 しか

  • 8

    巫女バイト 凍てつく冬の早朝、あるいは夏の熱気を帯びた祭りの夕暮れ。 冷たい風が頬を撫で、周囲の静寂が心を洗うような瞬間、 凛とした冷気を纏い、清潔な白衣に、 鮮やかな緋色の袴をすっと身に纏い、

  • 7

    ウミヘビ ウミヘビ、その響きは、 どこか遠い海の底から聞こえてくる、 神秘的な歌。 それは、単に海に棲む蛇ではなく、 太古の昔、乾いた陸から、青く広がる海へと、 大胆に越境を果たした生命の使者であ

  • 6

    レタス スーパーマーケットの鮮やかな陳列棚で、 あるいは食卓のサラダボウルの中で、 ついぞ僕等はそれを、「ただのサラダの脇役」として、 その存在を無意識のうちに通り過ぎてしまう。 しかし、このみず

  • 5

    「90%の人が効果を感じました」という表現と、 残り10%への説明責任は? 「確率的に1%の可能性があります」と言う時、 その1%に命を託す人の姿勢は、論理よりも切実で重い、 遠隔気功というスピリチュアル詐欺師

  • 4

    中学生になる前に 小学校の、どこか牧歌的で、 柔らかい陽射しに包まれた校庭の記憶。 青い空の下で、友達と無邪気に遊んだ日々が、 まるで淡い水彩画のように心に広がる。 それから、中学校という、 少し

  • 3

    伊勢神宮 「崇める」とは、一体、何を意味しているのか。 「祈る」とは、誰に向けて、どのような思いを込めた声なのか。 そして、私達が依って立つ「日本」という共同体は、 一体、何によって形作られてきた

  • 2

    ランディ・ガードナーの断眠実験 一九六三年の終わり、十七歳のランディ・ガードナーという、 一人の高校生が、世界を揺るがす、あまりにも個人的な、 しかし途方もない実験の幕を開けた。 二六四.四時

  • 1

    ギリシャ神話 マーベル映画の雷神『ソー』がアスガルドから地球に降り立つ時、 それはゼウスと英雄たちの物語の遠い残響を聞かせ、 悠久の時を経て磨き上げられた、 人間存在の核心を照らし出す深淵なる鏡。

  • 風と森、その語られざる場所から

    ​​​​​​​​​第一章 - 忘却の大地 この村は、現代という時の奔流から完全に切り離された、 まるで琥珀の中に閉じ込められた昆虫のような場所。 国土地理院の最新測量図からは跡形もなく消え失せ、 衛星写真には

  • 青曜日、甘き記憶の浸透圧

    遥か未来の銀河辺境、 記憶と重力が曖昧に混ざり合う小惑星群の一つに、 澱んだままの腐った水にも等しい、 オモイデと呼ばれる星が浮かんでいる。 その表面は、古書のように擦り切れた時間が幾層にも堆積し、

  • 七八センチ分、まだ話したいJ-POP未満の私たち

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 「ねえ、転校生くんじゃん! 教室の隅っこで、いつも哲学書でも読んでそうな顔してるよね。 まる

  • イラスト詩「ジス・スピニング・ワールド​」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​////// 開始ログ:夢のスパイラル ///// 🔴:賽は投げられた。 現状維持では後退するばかり、進歩それは神の悪夢だ。 美

  • 仮面劇

    灼熱のアスファルトは、まるで都市の動脈瘤のように脈打ち、 心は風を受けた水面のように泡立ってとりとめもなく、 陽炎が揺らめくたびに空間の輪郭は曖昧になる。 高層ビル、高速道路、空港、マンション・・。 メ

  • イラスト詩「眼鏡と視覚の工芸 透映堂」

    商店街の雑踏を抜け、信号の音が背後に遠ざかると、 不意に空気の密度が変わる瞬間がある。 大通りからわずか三十歩。 そこにひっそりと口を開ける細い石畳の路地は、 都市の時間から切り離された、別世界の回廊

  • 硝子越しの時間たち

    Ⅰ:灰色の午後と、風の死んだ街 八月の終わり――午後三時をわずかに過ぎた頃、 世界はまるでどこかの境界に立っているかのような、 揺らぎと停滞の狭間にあった。 酸っぱい気の抜けたビールのような昨夜の雨

  • イラスト詩「僕の押し入れには宇宙がいる。いや、いた。たぶん、いまも。」

    ドン! 「な、なんだぁ?」 変な音がした。 天井を突き抜けるような音が、部屋を揺らした。 段ボール箱が無造作に積み上げられた中から、 カップラーメンが転がり落ちて来た。 音の方向はすぐに分かった。

  • イラスト詩「まだ名づけられていない痛み」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ...顔から火が出るほど、 ...顔を背けたいほど 複雑なパズルの音、硝子片、 いびつな物同士の組み合わせで、 「白」も「黒」

  • (Resonance) ――心に残る音、記憶のさざ波

    ​​​​​​​​​​ あの人が傍らにいた記憶だけが、 身動きできずに膝を抱えた僕の心の中で、 この海のように絶え間なく寄せては返している、 かすかな明暗のさざ波。 タブー それは、禁忌。 答え

  • 震え

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ほんのちょっとの...ことで... 曇ってしまったlost generation... 真夜中の公園...のブランコが揺れ...る... 甘えた声で...

  • 黒猫の左眼

    ​​ 、、、、、、、、、、、、、、 ビルにガタガタする看板がある。 七月の午後三時、太陽が容赦なく照りつける中、 僕は錆びついた自転車のハンドルに手をかけながら、 いつものように路地裏へと向かった。 ア

  • 潰れる店の作法

    ​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

  • 祝福は肋骨へ戻ってゆき沈黙が奇妙な衣をぬけだす 4

    ​​ 窒息という語を最初に覚えたのは、 小学校の保健体育の教科書だったか、 それともプリントと呼ばれる藁半紙の中だったか。 その教科書には、窒息の原因や対処法が図解され、 こうまで静かに、こうまで感情の

  • 祝福は肋骨へ戻ってゆき沈黙が奇妙な衣をぬけだす 3

    いかれている夢。 (に、錆びたベッドスプリングは関係ない、) こわれている夢。 (に、食料品店のうすぐらい蛍光灯は関係ない、) ま る で 古 い 教 会 の オ ル ガ ン の よ う に 低 く 響く 、  そ の

  • 祝福は肋骨へ戻ってゆき沈黙が奇妙な衣をぬけだす 2

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​ 、、、、、、、 夢の回廊を進む。  足元に這うように伸びてきたのは、水苔のような湿った気配。壁面から、床から、呼吸のわずかな間隙すらも水が滲み、 その湿気は、

  • 祝福は肋骨へ戻ってゆき沈黙が奇妙な衣をぬけだす 1

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​夢を見る。​ ​それ自体は珍しいことではないが、​ ​何故かいつも不気味なマンションの夢・・・・・・​。 爆弾の破片で脳を半分にそがれたような、 夢の続きはNGシーン、

  • ころもがえり

    ​​​​​​​​ ​​​​​​ ​​ 、、、、、、、、、、、、、、、、 取引先の運送業者の運転手があそこ、と言う。 ―――取引先の運送業者の運転手、彼の名は木村。 日焼けした顔に無精髭を蓄えた四十代の男が

  • ​​​​​​​​​​​​​​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​彼女は生まれて初めてピアノに触れた時、 とても綺麗な音を出した。 ​​​​​建築基準に従って上部のみが開閉可能な窓、​​​​​ ​​わ

  • イラスト詩「異物記述」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

  • 名もなき扉の奥で

    以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。

  • 虹の膜が弾ける前に

                                                                                           

  • 微熱

    ​​​​ 力み過ぎて声が裏返る、よ・・。​​​​ ​

  • イラスト詩「醜育声腸」

    どれくらい君のことが好き、 その間に生きる目的や幸せや生活が、 生乾きの、透明な、皮膚とやらに見え隠れして。 コンビニエンスストアの青白い蛍光灯が作る影の中で、 横顔を見ながら、すべてが背景に溶け込

  • 春の円環

    昭和六十二年の夜が深まり、 神田川の水面に映る街の明かりが、 狡猾な動物みたいに、 風速一・一メートルの微風に乗ってさざめく。 マンションの輪郭を縫うように流れるナトリウム灯の橙色。 波長五八九ナノメ

  • イラスト詩「色彩」

    ​​ ​​​​​​​ 感​じ る ​時...... 伝

  • 名もなき眼

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ 高校の放課後に、友達にホラーについて語る、 ​それは、すうっ―――っつ・・と、​ ​​​​溶けてしまいそうな午​後​―――。 ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​窓外

  • イラスト詩「環境音楽みたいな焼き直し的ステレオタイプホラー(笑)」

    その夜、俺は地方のビジネスホテルにいた。 駅前のチェーンは満室で、仕方なく選んだ古い宿だ。 ロビーは薄暗く、埃っぽい。 フロントの男は無表情で、鍵を滑り込ませた。 「エレベーターの前の部屋は、使用不

  • イラスト詩「白いホテル」

    鐘の音が、遠くから微かに届くような錯覚を覚える、 午後八時過ぎ。 地方出張のために予約していたビジネスホテルは、 駅前の賑やかな喧騒からまるで隔絶されたように、 裏通りの闇にひっそりと佇んでいた。 日

  • イラスト詩「百年後の世界」

    時刻は深夜二時を過ぎていた。 街灯一つない、墨を流したような山間の林道を、 白い軽ワゴン車が、 ぬかるんだ砂利道を啜るような鈍い音を立てて、 ゆっくりと進んでいた。 寝そべって章魚のごとく枝を伸ばした

  • カタ、カタ、カタ

    深夜零時を少し過ぎたころ、 梅雨明け前の湿気をはらんだ空気が、 アスファルトの熱を吸い込んで重く立ち込める田舎道を、 一台の軽ハッチバック車が、 ヘッドライトの円錐形の光を彫刻刀のように、 闇に深く彫

  • イラスト詩「二十六階」

    六月中旬、湿気を孕んだ空気が住宅街へと流れ込み、 築十五年のタウンハウスにも、 ゆるやかで粘性のある沈黙が満ちていた。 時刻は午後三時を少し過ぎたところ。この時間帯は、 まるで空間の奥底で時間が凝固し

  • 報告

    さっき長編小説が終わった。 少年王 https://kakuyomu.jp/works/16818622175915328880 めっちゃいきった文体を目指し、 途中から何でこんな息苦しいものを作っているのか首を傾げた(?) お金もらえるな

  • イラスト詩「視線の檻」

    大きな声では言えませんが、私はストーカーだったことがあります。 今日の午後も、駅の改札を出た彼女の白い踵を、 私は規則的な歩調で追っていました。 彼女の履く白いローカットの運動靴は、 わずかに汚れたソ

  • 扉の向こうで

    この都市では、夜になると。 出歩いてはいけない。 回覧板にも載っていたが、 サインだけして返した。 夜の一時をわずかに回った時刻、 俺は築四七年のアパートの重たい鉄扉を軋ませ、 コンクリートの亀裂が薄

  • 認識崩壊

    就職を機に、かつて学生時代を過ごした混沌とした都市を離れ、 郊外の新興住宅地へと移り住んだ。 開発途中のその街は、未完成な地図の余白のように白く、 静まり返っていた。 確かめていないとちゃんと二十四時

  • イラスト詩「昼下がりの影」

    昼下がりの空気は、 まるで熱に煮えたぎる水のようにゆるく歪んでいた。 アスファルトの照り返しが窓硝子を熱し、 その熱が室内にじんわりと滲み込んでくる。 焦げ付くような夏の匂いの中に、古びた家の奥に澱む

  • イラスト詩「閉じ込められた視界」

    十年ほど前のことだ。母が肺に癌を患い、 最終段階に入ったと宣告された頃、 俺達は住まいを移さざるを得なくなった。 病院へのアクセスと、わずかに残された時間の共有。 それが俺達の生活のすべてとなった。

  • イラスト詩「夢に出る彼女の顔が少しずつ違う」

    春の終わり、大学を卒業したばかりの僕達は、 中央線沿線で部屋を探していた。 生活を共にするという決断は、まだ現実の重さを持たなかった。 娑婆気もあれば欲気もある、二十三歳。 邦楽のようにつらつら口ずさ

  • Drive_with_you

    都内の私立高校に通うAさんは、ごく平凡でありながら、 どこか無垢な透明感を湛えた女子高生だった。 彼女は目立つタイプではないが、 放課後の教室や週末のカフェでの小さな冒険が、 穏やかな日常を優しく縁取

  • 踏切

    家の近くには、ひとつの踏切がある。 昼間はただの交通の通過点。 コインランドリーの裏手にひっそりと佇み、 人々が何気なく通り過ぎる場所。 だが夜になると、 その踏切は街の皮膚の裏側にひび割れのような口

  • イラスト詩「リトルジャガーといちばん最初の魔法」

    ねえねえ、知ってる、ある日のこと、 ももかは柔らかなぽかぽかの日差しの中で目を覚ましました。 生クリームが少し固まったような姿勢で目が開きます。 こんな時、ももかは世界がたまらなくうつくしいものに思え

  • イラスト詩「十代の心」

    ​​​​​​ (自然そのもののコントロール不可能な様相が、 よりクリアに見えてくる公園・・・・) ​天井にくっついた風船みたいなものだよ​​ それ以上進まない​​

  • Ωの境界

    ​​​​​​​ ​​​​​ 夢の中で彼は、 「バーチャル・セルフ」になった。 それは詩的な喩えではない。 彼の意識は、量子コンピュータの演算空間に

  • イラスト詩「なんちゃらかんちゃら」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​​​​​そこにはもう何もないんだぜ。 鋭敏なる神経を有する触角の尖端のような舌も。​​​​​​​ (思 ​い​ 出―――を・・ ​​​青い水溜まり

  • イラスト詩「decomposition」

    夜が静かに降りてくる。 空は一枚の漆黒のヴェルベットに変わり、 星の代わりにネオンの粒が都市の輪郭を刺繍していく。 何の前触れもなく空のバランスが崩れる、 この夜が、静かに編集されていく。 まるでレンズの

  • イラスト詩「春は咲いている」

    チャイムが鳴った。 いや、「切断された」と言った方が正確だ。 刃のように細く鋭く、空気を裂いて、 この午後の透明な沈黙を真っ二つにした。 恋に落ちてゆく、 道徳の鎖、因習の鎖、 心を縛っているその人

  • イラスト詩「深層」

    夜が、タールみたいに地面に張りついてる。 歩道も車道も、じっとり濡れてて、 靴底が嫌な音を立てるたび、 何か自分がこの街に溶けてくみたいで気持ち悪い。 緊急極秘指令。 繁華街のネオンが、水溜まり越しに

  • イラスト詩「白線」

    夜が落ち始めた頃、 駐車場の片隅には、 ひんやりしたアスファルトの匂いが、 ゆっくりと満ちていた。 空を飛べたらいいのにな。 風を切って、旋回して、 帰り道まで迷子になることなく、 一直線の帰巣本能

  • イラスト詩「お、なんか見えんな」

    午後の陽ざしが、窓辺に最後のきらめきを落としていた。 そこにも序破急があり、 完成とは違う未成がある。 開いたノートの隅には、無意識に描いた小さな星の落書き。 酔い痴れの妄想さ。 もうすぐ死の灰。 ふ

  • イラスト詩「街灯の光、風、そして行き先のわからない足音」

    ねえ、気付いた? 夜が静かに降りてきてさ、 気がついたら、一つだけ街灯がぽつんと光ってたんだ。 あれ、まるで迷っちゃった誰かのために立ってるみたいでさ、 ちょっと切なくなるね。 普遍性の海の腐蝕作用

  • イラスト詩「speak」

    霧がゆっくり降りてきて、 なんか、世界が静かになった気がしたんだ。 (You are my destiny...) 偶然自分に属した権利ってやつ。 遠くで誰かが呼んでるような声。 でも、その輪郭はすぐネオンサインの海

  • 黄金の仮面と銀の影

    足利尊氏が京都に開いた室町幕府は、 政権というより武家たちの利害調整装置だった。 将軍とは名ばかりの“調停者”であり、 守護大名たちは封建制の装いをまとった独立国主。 中央の名において地方を支配するので

  • 204

    EDM 真夜中0時3分。 冷え切ったビルの谷間を、 鋭く尖った光の弾丸が弧を描きながら横切る。 Do it Do it 都市の流れ星。 それはまるで、星を模した銃口から放たれた未来の閃光。 漆黒の夜空を突

  • 203

    Until the leaves fall once more 冬の気配が、静かに世界を縁取る十一月。 皮膚の神経線維に堪えがたい刺が触れる。 陽はすでに傾き、空の端には紅と紫が溶け合い、 まるで絹を染め上げる筆の跡のように

  • 202

    夕方、君の胸が、震える理由 町の外れ、人目に触れぬ森の奥に、 時の流れから置き去りにされたような屋敷が、ひっそりと佇んでいる。 巨大な苔むした木々が鬱蒼と茂るだけでは飽き足らず、 赤茶けた煉瓦の

  • 201

    君はいない 彼女は、夜の帳がゆっくりと降りるたびに、 心の奥に黒い墨を垂らしたような重い影を感じていた。 胸の中ががらんどうになり涙さえ出ないような悲しみ。 昼間、教室のざわめきの中で彼女に注がれ

  • 欠けた朝と満ちる夜 ――カヌースクール篇――

    澄み渡る空の青が、湖面にゆっくりと溶け込む。 遠くでかすかに聞こえる鳥の囀り、そして波が岸辺を撫でる柔らかな音。 それで現実性がことごとく抜けてしまって、 ただお伽話の夢の国の光景のようなものになって

  • 欠けた朝と満ちる夜 ――料理教室篇――

    フクロウカフェを出た後、さすがに鹿子田先輩も、 休日なので用事でもあるかなと思ったら、 「次は何処に・・・行こう・・・」と言う。 催促―――された(?) 街は週末の活気に包まれ、通りを行き交う人々の楽しげな

  • 欠けた朝と満ちる夜 ――ランニング&フクロウカフェ篇――

    日曜の朝。 折角の休みだが、何もしないのも勿体ない気がして、 軽く運動でもするかと速乾Tシャツとランニングショーツといういでたちで、 公園に向かった。 公園には柔らかい朝陽が射し込み、木々の影が長く伸

  • イラスト詩「Gravity & Light」

    以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。

  • 言葉が生きる場所

    ​​​​​​​​​​​​​​​ Yo, 眼を閉じろ let me take you deep inside この世界の仕組み、疑問を投げかけながら ride 精神の傷、 皮膚を強靭にした面の皮の不死身。 選ばれたる少数という名の阿呆と悪党。 権力

  • イラスト詩「俺の歌を聴け!」

    以降、「灯台」は変化のない時間のなかに潜伏することになる。

  • イラスト詩「雨に溶ける」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​ ​...いま 触れているもの...へ と...​ (​​...試行錯誤でパスワード入力​​ 形式

  • 新しい時代の詩

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​ 心拍数は更に上がるのに、草原、 獅子の影は遠くなっていく。 ―――手の込んだ代用品、人生の代用品、時間の代用品。 過去それは、イリュージョンの

  • イラスト詩「楽園」

    ​​​​​ ​​​​​​​​小 さ な 躊 躇 い  ―――。                                                  

  • 風景

    ​ ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ “風景”という状態がある、 この未曽有の精密さに真正の治療あれば剥奪の極みをくれよう、 その雅びで

  • プレイ、プレイ

    しっとりと濡れた庭は その葉を一枚ずつむしりとるかのように また 根と根がぶつかって お互いの水気や養分を奪い合うように ( みずかさ ) が増して行く みずから・・ ああ、あんなこ

  • 夜は寂かに

    おそろしくスローモウションに 明暗の鋭い切れ方 ・・・ふつと切れて巻き返す夜の部屋に 僕の視力が戻る 遠慮なく/思う存分

  • かもちゃん、つまらなさについて語れば

    ​​​​​​ かもちゃんが公園で砂場で寝転がっていた。 子供たちが、ゆさゆさ、すると、顔を向けてきて言った。 「かもちゃん、今日は一日つまんないことをするダロ。 つまんないことは人生哲学の一つダロ。

  • イラスト詩「イケメン」

    ​ ピクセル化した朝焼け あの頃僕が買ったコントローラーでは 動かせない Qi規格のワイヤレス充電ができない よくあること それが呪いかも知れないって言ってる 地雷ですってブラウザを閉じる気持ちも

  • ビル管理の話

    ​ ビル管理を仕事とする上でやはり資格を取った方がいい。 とある会社では、資格が多いほど資格手当が出るからだ。 上位資格として三種の神器というものがあり、 「第三種電気主任技術者」「ビル管

  • 苔の話

    ​ 苔とは何かといえば、緑色をしていて、 ジメジメしたところに生えていて、苔寺、 神社の境内にあるとか、岩の上とか、川にもあるもの。 「わびさび」とか「君が代」というのも正解だ。 日本の

  • Serendipity

    ​​ ​眼が覚めると色硝子の粉のような視界で、​ ​​ 期待していた。​​ ​​​​ 旋律的な情緒、説明

  • ずっと橋を渡りきるあいだ

    籤を引いた。 (秘密に、または、ひそかに) -わかりました どうか内緒にして下さい。 -わかりました、わかりましたから、、 来るかな? と思う。――来るかな?

  • マダガスカル

    ​​​​​ ​ グリーンランド島、ニューギニア島、 カリマンタン(ボルネオ)島に次いで、 世界で四番目に大きい島、マダガスカル島。 約五八.七万平方キロメートルで、これが日本の約一.六倍。 島なんてい

  • イラスト詩「夜の讃歌」

    ​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​ ​​ ―――ゆらゆらしていた僕等。 、、、、、

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