2002年出版だから1993年に芥川賞受賞から10年後ほどの作品だ。女子高校生、男子高校生の話。単純な二人の恋物語ではない。女子高生サヤは何事にも疑問を持ち独自な思考をする。ある時喫茶店で高齢の西洋人女性と話をする。その女性はイザベラ。彼女の西洋化されていない地域の旅の話に興味を持つ。彼女は本に書いているという。図書館で探してイザベラ・バードの『日本奥地紀行』に出会う。男子高生カツオはフィリピン人の母親を持つ美貌の男子高生マックンと性的関係を持っている。ほかにも悩める大学生の友人などが登場する。読み通すことができるほどは面白かったが、読み終わってなんだかなという感想が残った。ネットで書評を見てもよく理解できていないようだ。豊橋の園芸店で妻が時間を過ごしている間エリーを連れて隣に広がる山に登った。写真の左部...4/24多和田葉子『球形時間』読了