妻が出かけたので一人での庭仕事は危険と散髪屋に行った。待ち時間に漫画本や週刊誌の間にあったこの本を手に取った。表題を巻頭に六編の短編集だ。巻頭を読み終わらないうちに順番が来た。それで散髪が済んだ後借りてきた。店主が言うには「わざわざ持って行くほどではないかもしれないよ」と。家で読み進めるうちに物語に既視感が出てきた。wikiで調べると、この話は2022年のNHKでドラマ化されていた。どうもそれを見たことがあったようだ。田舎の海辺の近くで商売している散髪屋に若い男が訪ねてくる。初めてである。長い髪をしていて、それまでは美容院で調髪しているという。今度結婚式を挙げるのでそれ用に自分に似合う髪型にしてくれと依頼する。初老の店主は作業の間中よくしゃべる。若い時は絵描きになりたかったなどと自分の生い立ちからよくしゃ...1/21荻原浩著『海の見える理髪店』読了