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レビューブログ【レブログ!】 https://reblog.hateblo.jp

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書のレビューが5000件以上! レビューは毎日更新します。

ファン意識や世論に流されず、 自分の感じた感想を正直に伝えたいと考えています。

D.IKUSHIMA
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2008/06/18

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  • モンスター・ハウス

    モンスター・ハウス (吹替版)スティーブ・ブセミAmazon誰も住んでいないはずの一軒家が モンスターと化したことに気づいた少年たちの話。 子供向けの内容かと油断していたが、 次々と人間を飲み込む家の迫力満点なビジュアルと 年齢相応の無力感がホラーとして活かされており、 ダイナミックなアクションシーンまで用意された贅沢な造り。 小さな不安が伝わってくる導入部から徐々に勢いを増していき、 何度かの山場を経て最後は大きな盛り上がりを見せるという 映画としてお手本のような構成で、 大人が観ても十分楽しめる良作だった。

  • REVENGE / リベンジ

    REVENGE リベンジ(字幕版)マチルダ・ルッツAmazon不倫相手と砂漠地帯に遊びに来ていた女性が 自分にひどい扱いをした男たちに復讐する話。 痛々しい場面の表現は優秀なのだが、 話がとにかくスローテンポで 本筋に関係のない前フリも妙に長いし、 復讐が始まってからの展開も遅すぎる。 敵がたった3人しかいないので それぞれに時間をかけるしかないとはいえ、 もう少し機転を効かせた戦いを見せるとか 予想外の出来事が起きるような工夫が欲しかった。 若い女性が果敢に立ち向かうアクションということで 「ハイテンション」のような面白さを期待したが、 頭の悪いヒロインが素人臭い戦い方をするだけの内容だった…

  • 大人も知らない みのまわりの謎大全

    大人も知らない みのまわりの謎大全作者:ネルノダイスキダイヤモンド社Amazon街の中の設置物や生き物など、日常で目にする身近なものの 仕組みや生態などを子供向けに広く浅く解説したもの。 地球に初めてやってきた異星人の新鮮な感覚を通して 身近な物の構造や目的を紹介する流れになっており、 全ページがマンガっぽいイラストで表現されていて子供にも読みやすい。 外側からでは見えない内部の様子も描かれていて好奇心が刺激される。 特定のジャンルに特化した図鑑とは違って かなり幅広い範囲のものが扱われているので 自分がどういった分野に興味を惹かれるのかを確認することもできる。 ページ内の一部の文字が小さくて…

  • 茶の味

    茶の味坂野真弥Amazon田舎の小さな村に暮らす一家に焦点を当て、 家族それぞれの悩みを描いていく話。 シュールといえば聞こえがいいが、 脈絡のないエピソードが展開されるばかりで ひたすら意味もオチもないまま進んでいく印象。 奇妙な世界観を見ているだけで満足できる人ならいいが、 映画としては盛り上がる場面もないまま 2時間20分を超える長さというのが辛すぎる。 観る人によってかなり評価の分かれる作品で、 合わない人にはまったく面白くないだろう。

  • TOKYO VICE(トウキョウ・バイス)<第1シーズン(全8話)>

    TOKYO VICEアンセル・エルゴートAmazon1990年代の終わりに日本の大手新聞社に入社したアメリカ人が 刑事やヤクザとの関係作りに苦労しながらも とあるサラ金業者に絡む秘密を追求していく話。 東京を舞台に日本人俳優が多く登場しているが、 あくまでアメリカが制作したドラマで どの立場の人間も英語が話せる独特の世界観。 いろいろな組織の怖い部分が映し出されるが、 主人公が大胆に行動していく 第4話を過ぎてからの方が面白い。 ピリピリした緊迫感の中で 何が起きるかわからない怖さに中毒性がある。 海外製と気づかないぐらいしっかりした日本が描かれ、 見応えのある内容に仕上がっている佳作。

  • この若さある限り

    この若さある限り浜田光昿Amazon女性教師に想いを寄せる高校生と その幼馴染との恋愛模様を描いた話。 大人の女性に憧れる若者のリアルな様子と それを見てヤキモチを焼く幼馴染が微笑ましい。 吉永小百合の出演作の中では珍しく彼女の存在感が薄いが、 かわいらしく気の強いキャラクターは魅力的。 中盤以降がスローテンポで退屈なのが残念だが、 若い頃特有の勢いに任せた行動力と 思い通りにいかない切なさが味わえる作品。 mclover.hateblo.jp

  • 硫黄島からの手紙

    硫黄島からの手紙(字幕版)渡辺謙Amazon第2次世界大戦中の硫黄島において アメリカ軍と戦う日本軍の様子を描いたもの。 日本兵たちに焦点を当てた内容ではあるが、 クリント・イーストウッド監督をはじめとする 海外スタッフによって作られたアメリカ映画となる。 また、同監督の「父親たちの星条旗」とは対の関係になっており、 アメリカ側の視点で描かれたそちらを観ておくと、 その裏側を垣間見るように本作を味わうことができる。 ただ、1本の映画として見た場合、 型破りな陸軍中将が部隊をテコ入れしたり 有効な作戦で敵を撃退するような場面がほとんどないので どうにも気持ちよさや面白さを感じられないのが残念。 …

  • 父親たちの星条旗

    父親たちの星条旗(字幕版)ライアン・フィリップAmazon第2次世界大戦中の硫黄島において日本軍と戦ったアメリカ軍の様子と そこで撮られた「硫黄島の星条旗」の写真をめぐる話。 序盤に描かれる上陸戦の様子は 「プライベート・ライアン」にも劣らない迫力があり、 双方の勢力がぶつかった壮絶さが伝わってくる。 史実に基づく作品だが、映画としての構成が秀逸で、 戦闘中の様子と帰国後の騒ぎと息子の視点を織り交ぜながら それぞれが徐々に掘り下げられていくのが素晴らしい。 登場人物が多いのでどの話題が誰のことなのか混乱するが、 たくさんの仲間を失った兵士の悲壮感や 政治的な思惑で振り回される心情が描かれており…

  • 完全なる飼育 愛の40日

    完全なる飼育 愛の40日緋田康人Amazon高校時代に会社員の男性に 監禁された経験を持つ女性の話。 「完全なる飼育」に続くシリーズ2作目となるが、 ストーリーは完全に独立したもので、 共通する出演者についても別の人物設定になっている。 ただ、監禁された女性が徐々に態度を軟化させ、 助けを呼んだり逃げ出したりできる機会があっても おとなしくしているという展開は何も変わらず。 ヒロインの演技はかなりイマイチだし、 前作よりも舞台の規模や緊迫感が下がっており、 映画としてあえて観るほどの面白さはない。 2020年までに9作ものシリーズ作品が出ているが、 特にこれといった価値は見当たらなかった。 【…

  • ディープ・カバー -即興潜入捜査-

    ディープ・カバー ~即興潜入捜査~Bryce Dallas HowardAmazon即興芝居の教室を開いている女性と パッとしない2人とともに警察に協力する形で ドラッグを扱う犯罪組織に接触する話。 冴えない会社員や役者かぶれの男など キャラクターは個性的で悪くないのだが、 たどたどしい演技ながら偶然が重なって 筋金入りの悪人だと思われる予想通りの展開で、 コメディとして笑えるほどの面白さはない。 かといってアクションやスリラーといえるほどの没入感もなく、 まずまず有名な俳優が出演している割に 全体的に中途半端な仕上がりだった。

  • 悪い夏

    悪い夏北村匠海Amazon生活保護の不正受給を防ごうとする市役所職員と あるシングルマザーがトラブルに巻き込まれていく話。 受給者の家庭訪問をする導入部から ジワジワと不穏な空気が漂い始め、 一気に目が離せない状況に陥っていくという ジェットコースター感がたまらない。 キャスティングが絶妙で どの登場人物も存在感が素晴らしいし、 抑圧された弱者が食い物にされる様子が あちこちで起きるところが恐ろしい。 欲望や恐怖によって闇に堕ちた者たちの ドロドロした生き様に浸れる良作。

  • DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール

    DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール作者:ビル・パーキンスダイヤモンド社Amazon老後に備えて大きな資産を貯め込んでいくのではなく、 うまく使い切って人生を終えることを提唱したもの。 仕事を辞めたあとの生活や予想外のトラブルが起きたときのために 若い頃の生活や経験を犠牲にして資産を築いても 結局それをうまく活かせないまま死ぬ可能性を説明し、 有効活用できる時期に大胆に使うべきだというのは説得力が高い。 子供のために遺したいという気持ちがあったとしても 自分が死んでからではなく、子供にとって最適なタイミングで 渡してあげた方が有意義だという斬新な視点にも納得させられた…

  • こんにちわ20才

    こんにちわ、20才吉永小百合Amazonとある家に下宿することになった医学生が 下宿屋の娘と親しくなっていく話。 非常にシンプルな筋書きだが、 強気で意地っ張りな主人公の言動はかわいらしいし、 それを取り巻く人たちの温かさも心地いい。 下宿人と結婚した姉たちのような 安易な選択はしたくないと言いつつも ジワジワと医学生に惹かれていく様子が微笑ましい。 安心して観ていられる予想通りの展開だが、 いろいろな人が幸せになっていくことに癒される佳作。 mclover.hateblo.jp

  • ホワイトバード はじまりのワンダー

    ホワイトバード はじまりのワンダー(字幕版)アリエラ・グレイザーAmazon「ワンダー 君は太陽」で主人公をいじめていた少年の祖母が まだ学生だった第2次世界大戦の頃に ユダヤ人として周囲から迫害された当時を思い返していく話。 原作者が書いたアナザーストーリーを映画化したものだが、 前作の筋書きやイジメっ子の存在はほとんど関係なく、 完全に独立した作品として観ることができる内容。 平凡な日々がドイツ軍の介入によって一気に崩壊するが、 ユダヤ人の生活が脅かされていく緊迫感と 心優しいクラスメイトとの微笑ましいやり取りが 絶妙なバランスで心を揺さぶってくる。 幸せそうな描写が続くほどに 悲劇が訪れ…

  • ゴミ屑と花

    ゴミ屑と花Amazon深夜に事業ゴミを集めて回る回収業者の話。 慣れた様子で淡々と作業をこなす若い女性と それを見習う元自衛隊員の男性という 新鮮な組み合わせの設定は悪くないが、 わずか30分という短さもあってか、 登場人物が魅力が見えてきたあたりで終わってしまう。 ゴミ収集に焦点を当てた発想は悪くなかったが、 もう少し面白さや気持ちよさを感じる展開が欲しかった。

  • 完全なる飼育

    完全なる飼育竹中直人Amazonボロアパートに住む中年の会社員が 誘拐した女子高生と徐々に親しくなっていく話。 誘拐された直後は暴れたり嫌がったりしていたのに たいして時間が経たないうちに態度を軟化させ、 逃げ出すことも助けを呼ぶこともしなくなる被害者の 心理的な部分がイマイチ理解できなかった。 結構な有名な俳優が出ているものの 映画としてはそこまで面白いものではないので、 小島聖の体当たりな演技が観たい向け。

  • 許されざる者<2013年公開日本映画版>

    許されざる者(2013)渡辺 謙Amazonクリント・イーストウッドが監督・主演を務めた同名作品を 明治時代の日本を舞台にリメイクしたもので、 遊女の顔に消えない傷を作った男に その恨みを晴らしに行く賞金稼ぎたちの話。 「ゴールデンカムイ」と同じ世界観に 個性的なキャラクターたちが出てくるのはいいのだが、 警察署長の横暴がひたすら描かれるばかりで スカッとさせてくれる要素が少なすぎる。 「人斬り十兵衛」などと恐れられたと言いつつ 主人公の強さが味わえる場面がほとんどなく、 フラストレーションが溜まるやり取りを 2時間近くも見せられるのが辛い。 弱者が悪人たちに対抗する様子を期待していただけに …

  • 転売ヤー 闇の経済学

    転売ヤー 闇の経済学(新潮新書)作者:奥窪優木新潮社Amazon限定品や人気商品を買い占めて転売する者に密着し、 彼らが狙う商品やそのやり方をまとめたもの。 ポケモンカード、ゲーム機、ファングッズ、ディズニーグッズなど 入手の難しさや高額化でたびたび問題視される商品を どうやって手に入れて売りさばいているのかが 非常にわかりやすくまとめられている。 需要の高い品物を手に入れて高く売るという単純な構造だが、 もはや単なる小遣い稼ぎの手段ではなく、 ビジネスとして効率よく稼いでいくために 完全にシステム化されていることに驚かされる。 転売対策が取られている商品も多いのに そこを乗り越えていく対応力…

  • ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード

    ヒットマンズ・ワイフズ・ボディガード(字幕版)ライアン・レイノルズAmazon「ヒットマンズ・ボディガード」の続編で、 前作で護衛した殺し屋に加えて その妻と行動をともにする話。 殺し屋の妻の凶暴ぶりは悪くないのだが、 濃いキャラクターの数が増えすぎて 肝心の主人公が目立つ場面が減ってしまったし、 アクションについても目新しいものが少ない印象。 相性の悪いコンビが頻繁に内輪揉めしつつも 華麗な戦いぶりを見せてくれた前作の良さがなくなり、 コメディ要素に比重を置きすぎて 終始ガヤガヤと騒がしいだけになってしまった。 前作の構成で十分面白かったのに いろいろと要素を追加しすぎたせいで まとまりがな…

  • 斜陽のおもかげ

    斜陽のおもかげ吉永小百合Amazon太宰治と愛人の間に生まれた娘が 母をモデルとした小説「斜陽」に思いをめぐらせる話。 父親が日本を代表する文豪というだけでなく、 母親が彼の愛人ということまで 世間に知られている主人公の思いは複雑だろうが、 「斜陽」を読んだことがない上に太宰治にも思い入れがないためか、 面白いと感じる場面がどこにも見つからなかった。 全体的に暗い雰囲気が漂うが それに見合うだけの魅力が味わえなかった。 【関連作品のレビュー】 まんがで読破 人間失格(マンガ) 人間失格(マンガ) 人間失格(映画) 人間失格 太宰治と3人の女たち(映画) mclover.hateblo.jp

  • 「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない

    「死ぬんじゃねーぞ!!」 いじめられている君はゼッタイ悪くない (文春文庫)作者:中川 翔子文藝春秋Amazonタレントの中川翔子が自身のいじめられた経験や イジメ被害者とのインタビューを掲載したもの。 イジメに遭っている人に手を差し伸べるための本だとは思うが、 陰湿なイジメ行為がたくさん紹介されているだけに 本書を読むことで余計に精神的なダメージを受けそうな内容。 中川翔子自身が描いたマンガが載っているのは貴重だが、 文章で読んだ内容がそのまま絵になっているだけなので 新しい要素が得られないのも残念。 イジメ被害者に対する励ましの内容もよくあるものばかりで 特に本書独自の解決法や意識改革は得…

  • プロフェッショナル

    プロフェッショナルリーアム・ニーソンAmazon爆弾テロを起こした集団が 年老いた殺し屋の住む村にたどり着く話。 リーアム・ニーソン主演ということもあって もっと大勢の敵が出てくるとか 頻繁にやり合うのかと思っていたが、 全体的にスローペースで内容が薄い。 熟練の殺し屋というほどの強さも伝わってこないし、 ベテランらしい冴えを見せてくれるわけでもない。 味方側の被害者もそれなりに多く、 爽快感を感じられる場面が少ない凡作だった。

  • 僕らは人生で一回だけ魔法が使える

    僕らは人生で一回だけ魔法が使える八木勇征Amazon18歳になると1回だけ魔法が使えるという 言い伝えがある村に生まれた4人の少年の話。 村の住民なら1度だけ魔法が使えるという フワフワした設定も相当に受け入れにくいが、 そこからの場面もあまりに安っぽい展開ばかりで 序盤で投げ出しそうになるレベル。 パッとしない4人の幼馴染が 魔法をネタにふざけ合ったりケンカするのも バカバカしくて見ていられないし、 ダムの話も建設の必要性を正しく理解せずに 自然破壊のイメージだけで語られているようにしか見えない。 今ではどの作品でも見ないような 使い古された展開とセリフが多用されていて 感動させようという魂…

  • 行動する人に世界は優しい

    行動する人に世界は優しい―自分の可能性を解き放つ言葉―作者:佐藤航陽新潮社Amazon実業家の佐藤航陽が大切だと感じる事柄をまとめたもの。 180個近くの格言が収録されているとはいえ、 SNSで発信した内容をまとめただけの本なので 本としての内容は非常に薄く感じるし、 これを読んで気づきを得られるかは人によるだろう。 仕事や自己成長に取り組む上での 意識改革につながるかもしれないが、 1500円ほどの値段に見合うかどうか あらかじめチェックしてから判断して欲しい。

  • スロウトレイン

    スロウトレイン [Blu-ray]松たか子Amazon両親を亡くし、3人で生きてきた姉弟の話。 独身のまま仕事に明け暮れてきた長女と 自由奔放に生きる次女、家事も料理も器用にこなす末っ子の 3人の関係性が心地よく、ずっと観ていたくなる。 両親と祖母を同時に亡くし、長女を母親代わりに 互いに支え合ってきたというシリアスな設定だが、 減らず口を叩き合う様子が微笑ましく、 暗い空気が漂わない作風がいい。 特に大きな盛り上がりや驚きはないが、 家族の温かみに触れて幸せになれる佳作。

  • 苺の破片(かけら)

    苺の破片宮澤美保Amazon昔のようなヒット作品を期待されながらも たいした成果が出せない女性漫画家の話。 ストーリーも俳優たちの演技も非常に安っぽく、 映画として何の魅力も感じられない。 主人公はやさぐれていて感情移入しにくいし、 ネガティブなばかりで実力も伝わってこない 死んだとされるマンガのキャラクターと 高校時代に憧れていた先輩の姿が重なるのはいいとして、 ずっとウジウジしている主人公を描いて どういう面白さを感じさせたいのかがよくわからない。 90分あまりのボリュームなのに ダラダラしていてずっと退屈な内容。

  • ブラック・レイン

    ブラック・レインYoshiko TanakaAmazonアメリカで殺人事件を起こした日本人が 大阪府警に引き渡される間際に逃げ出し、 ニューヨーク市警の刑事が捜索していく話。 「エイリアン」シリーズや「ブレードランナー」で有名な リドリー・スコット監督をはじめ、 海外映画のスタッフが大阪を舞台に撮影した映像や、 主演のアメリカ人俳優に高倉健や松田優作などが絡む 独特の世界観が非常に新鮮。 慣れない国と凶暴なヤクザたちに手を焼く主人公が ジワジワと逃走犯に迫っていく展開や 常に緊迫感が漂う雰囲気が楽しめる佳作。

  • 恋のハイウェイ

    恋のハイウェイ吉永小百合Amazon独り立ちをするために親元を離れて 上京したカメラマン志望の女性の話。 女性が社会進出していく時代的背景と それに伴う苦労が描かれているようだが、 映画としては面白さを感じる部分が少なく、 そこまで満足できる内容ではなかった。 主人公の強気でハキハキしたキャラクターはよかったが、 ストーリーに惹きつけられるほどの魅力がなく、 割と平凡な印象のまま終わってしまった。 mclover.hateblo.jp

  • 波うららかに、めおと日和<1~8話>

    波うららかに、めおと日和芳根 京子Amazon戦前の日本を舞台に、恋愛に不慣れな男女が 夫婦となったあとの日常を描いたもの。 真面目な帝国海軍中尉と純情な女性が結婚し、 互いに手探りな状態で進んでいく恋愛模様が楽しい。 第2次世界大戦が迫る時期の軍関係者ではあるが、 戦争を匂わせる描写はほとんどなく、 単純なラブコメとして気楽に観ることができる。 主要なキャラクターに感情移入しやすく、 観ていて応援したくなる良作。

  • ヌルボムガーデン

    ヌルボムガーデンチョ・ユニAmazon突如として自殺した夫の事情を探ろうとする女性の話。 ビジュアル面のインパクトばかりを優先したのか、 脈絡のない展開とヒステリックな悲鳴ばかりで 肝心のストーリーがあまりに古臭くてつまらないし、 ブツ切りで見せていく構成もわかりにくい。 予告編で期待してしまうが いざ観ると肩透かしを食うタイプの作品。

  • 第七女子会彷徨(だいななじょしかいほうこう)<全10巻>

    第七女子会彷徨(1) (RYU COMICS)作者:つばな徳間書店(COMICリュウ/COMICユニコーン)Amazon現代より微妙に発展した技術が社会に浸透した近未来を舞台に、 女子高生の身の回りで起きる不思議な出来事を描いた話。 「それでも町は廻っている」のキャラクターのようなノリと 他作品ではあまり見ないようなSF観の融合が絶妙で、 1話完結タイプの個性的なエピソードが面白い。 文字が小さくて読むづらいのが惜しい。 エピソードによる満足度の差は大きいが、 斬新なアイデアをもとにした世界観と それに接する主人公たちの無邪気な反応が楽しい良作。

  • アンダーニンジャ<実写映画版>

    映画『アンダーニンジャ』DVD通常版山﨑賢人Amazon現代の日本に潜んだ忍者の若者が 高校生として学校に通う様子を描いたもの。 他を寄せ付けない戦闘能力を持ちながらも 間の抜けた言動の主人公が魅力的で、 同級生との妙なやり取りについつい笑ってしまう。 それでいてスピード感のアクションシーンは 非常に見応えがあるのも素晴らしい。 ただ、佐藤二朗やムロツヨシによるギャグシーンは必要性が薄く、 面白くないのに長くてクドいのが残念。 こういう悪ノリは潔く省いてしまった方が 映画全体が引き締まったように思う。 何のために出てきたのかわからない登場人物や 笑いを狙う余計な場面さえなければ良作だったが、 …

  • 神速で稼ぐ独学術

    神速で稼ぐ独学術作者:山田 竜也技術評論社Amazon自己満足としての学びではなく、 収入に結び付けるための個人学習について解説した本。 教養を身につけるための漠然とした勉強ではなく、 学びをお金につなげていくことを目的に、 読書スタイルや検索エンジンの使い方、 SNSの活用から学習ツールとしての動画視聴まで 独学する上で役立つ手法がいろいろと紹介されている。 あくまで著者の好みに合わせた取り組み方だが、 いろいろと試行錯誤した上で努力している様子は 読んでいるだけでモチベーションをもらえるし、 学習スタイルの幅を広げる意味でも参考になる。 肝心の「稼ぐ方法」に関する情報は薄いが、 自己成長を…

  • 青春の海

    青春の海吉永小百合Amazon田舎の中学校に赴任してきた真面目な女性教師と、 ふとしたきっかけで知り合ったチンピラ男の話。 90分ほどの短い作品なのに登場人物が多く、 イマイチ誰に焦点を当てたいのかよくわからない。 真面目な主人公と人懐っこい妹はともかく、 男性キャラクターは魅力がなくて感情移入する気になれない。 男がスネる展開ばかりのストーリーだし、 主人公の恋心もまったく理解できなかった。 mclover.hateblo.jp

  • 漫画 1年で億り人になる

    漫画 1年で億り人になる作者:戸塚 真由子(原著)サンマーク出版Amazon同名の書籍をマンガ化したもので、 資産家になるための心構えと手順を解説したもの。 原作の内容をすべてマンガで説明してくれるのかと思いきや たびたび文章ページが挿入される中途半端な構成。 そういったページも含めて内容は薄く、 数行で説明できてしまう程度の情報しか読み取れない。 それでも億り人になるための真髄が得られればよかったが、 精神論や運に左右されるような話ばかりで どこまで再現性があるのか怪しい理屈でウンザリした。

  • せかいのおきく

    せかいのおきく黒木華Amazon幕末の時代に、各家庭の便所から 糞尿を集めて生計を立てる男たちと 貧しい長屋暮らしの女性の話。 ビチャビチャと音を立てる糞尿が容赦なく大写しになり、 排泄物にまみれる場面が頻繁に出てくるが、 大半がモノクロ映像なのでなんとか観ていられる。 人々に疎まれながら糞尿を集める様子はインパクトがあるが、 ストーリーは全体的に淡々としていて イマイチ何を描きたいのかわからず、 映画としての面白さにつながっていないのが残念。

  • 犬人間

    犬人間ガルド・ロッケAmazon犬の着ぐるみを着た人間と暮らす男性の話。 男性として魅力的な要素を取り揃えながらも 人間をペット代わりに飼っている点や それを平気で他人に見せるところに 突き抜けた異常性が感じられて非常に怖い。 彼と知り合った女性の視点を通じて 誰もが疑問に感じる違和感が投げかけられるも その非常識を徐々に受け入れてしまう様子も怖い。 山場となる終盤はもっと男性の狂気を感じさせるような 強烈なインパクトがあってもよかったように思うが、 わずか80分足らずというボリュームながら 本作特有の恐怖を味わわせてくれるホラー。

  • エスプレッソ・コーラ<1~5巻>

    第1巻「ダウン症編」 エスプレッソ・コーラ作者:ゆり子Amazonなんらかの障害を持つ子供を受け入れる 児童発達支援事業所を舞台に 症状ごとの特徴や対応の困難さを描いたもの。 ダウン症やADHD、自閉症など 1冊ごとに特定の症状を取り上げる形になっており、 それぞれの障害の大変さを理解できるとともに スッキリした読み応えが得られるよう構成されている。 障害を持つ子供を世話する苦労と 障害児やその親を支える療育という存在が どれだけ大切なのか知ることができる上に 全巻無料で公開されているという素晴らしい作品。

  • ファースター 怒りの銃弾

    ファースター 怒りの銃弾ドウェイン・ジョンソンAmazon刑務所から出たばかりの男が 恨みのある者たちに復讐して回る話。 筋書きは特に悪くないのだが、 映画としての撮り方や演出にセンスがなく、 どの場面もやたらとカッコ悪く見える。 主人公は単に凶暴なだけで 殺し方に工夫があるわけでもないし、 車の扱いに長けているようにも見えない。 観ている方をスカッとさせてくれれば ストーリーがシンプルでも別にいいのだが、 あまりに見応えのない平凡さが残念だった。

  • あすの花嫁

    あすの花嫁吉永小百合Amazon父を亡くして母子家庭で育った女性が 小豆島の実家を出て神戸の大学に通う話。 小豆島や神戸という舞台設定は「青春の風」とよく似ているが、 未亡人である母親の過去に焦点を当てるなど 内容は割としんみりした味付けになっている。 いろいろな心情に動揺しながらも 気の強さで乗り越えていく主人公が魅力的な佳作。 mclover.hateblo.jp

  • 怪獣を解剖する<上・下巻>

    怪獣を解剖する 上 (ビームコミックス)作者:サイトウ マドKADOKAWAAmazonその昔、世間を騒がせた巨大怪獣の 死骸を調査・解体する話。 今後の対策を立てるために死骸を入念に調べたい学者と 何か被害が出てしまう前にさっさと処分したい作業員の それぞれの事情が同時に感じられる人間ドラマや、 現場周辺に新たな危険の兆候が頻出する点など、 怪獣が死んでいるにも関わらず緊迫感のある世界観がうまい。 絵のクオリティはあまり高くないが、 怪獣の死骸を舞台にいろいろな題材が描かれており、 映画「大怪獣のあとしまつ」に期待していた内容が そのまま詰まっているような完成度の作品。 映画のデキに落胆した…

  • 罵倒村

    作品情報: https://www.netflix.com/title/81946025 集められた芸人がそれぞれの弱みを いろいろな場面で攻められるバラエティ番組。 「トークサバイバー!」のように複数話に分かれているのではなく、 2時間連続のスペシャル番組のような構成。 アンジャッシュの渡部、錦鯉の渡辺、ニューヨークの屋敷、 シソンヌの長谷川、ダイアンの津田、きしたかのの高野、 ぱーてぃーちゃんのすがちゃん最高No.1、キングコングの西野の 芸風やスキャンダルをネタとしてイジるため、 そういった彼らの背景を知っている必要がある。 中盤以降は単なる汚れ芸や アンジャッシュの渡部のような 不謹慎…

  • 10ミニッツ・アフター

    (字幕版)10ミニッツ・アフターショーン・アスティンAmazon時間を10分だけ巻き戻せる機械を発明した男が 銀行強盗の騒ぎに巻き込まれる話。 ストーリーも映像もキャラクターも すべてがチープで観ていられないレベル。 時間を巻き戻す機械を多用して状況を改善したり 逆にトラブルが起きたりするのかと思いきや、 ほとんど使わないままダラダラとしたやり取りが続く。 10分ずつ何度も巻き戻すのはダメなのか、 それが無理ならなぜ機械に執着するのかなど どうにも腑に落ちない部分も多い。 最初から最後まで全部ひどいデキなので、 よほどの理由がない限り観る必要のない駄作。

  • ホランド

    ホランドニコール・キッドマンAmazon夫の浮気を疑い始めた女性が 同僚の男性に協力してもらいながら その証拠を見つけようとする話。 退屈な逢引きシーンにたびたび脱線しつつ 1時間以上もダラダラと引っ張った割に 非常にくだらない真相が明かされてグッタリする。 この程度のオチならもっとテンポよく描けたはずだし、 時間をかけるなら予想を超えた驚きが欲しかった。 思わせぶりな場面が続くのに それに見合うだけの展開が何もなく、 薄っぺらくて見どころのない作品。

  • 銀のエンゼル

    銀のエンゼル小日向文世Amazon北海道のとあるコンビニを舞台に、 そこに出入りする関係者や客の様子を描いたもの。 非常に中身が薄く、見どころも見応えもないまま 時間だけが無駄に過ぎていく内容。 どの登場人物のエピソードも退屈だし、 何の感情も湧いてこないのが辛い。 「水曜どうでしょう」でお馴染みの ミスターこと鈴井貴之の監督作品だが、 映画としてはとても観ていられないデキだった。

  • 青春の風

    青春の風吉永小百合Amazon同じ短大を卒業した3人の女友達の 仕事や恋愛事情を描いた話。 女性の社会進出が加速した時代的背景もあり、 出てくる女性たちがみんな気が強くて しっかり自立している様子にホレボレする。 同じ男性をめぐって繰り広げられる恋愛模様は ラブコメとしても単純に面白いし、 素直になれないせいでたびたび衝突しつつも 80分あまりの短時間で綺麗にまとまる筋書きが見事。 吉永小百合の髪型はイマイチだったが、 強気な関西弁と神戸や小豆島の街並みが楽しめる良作。 mclover.hateblo.jp

  • アイミタガイ

    アイミタガイ 豪華版 2枚組 [DVD]黒木華Amazon親友の訃報を聞いたあとも スマホのメッセージを送り続ける女性の話。 非常にスローペースで刺激が少なく、 どうにも退屈な場面が続くばかり。 30分程度の短編ならまた違ったかもしれないが、 100分を超える長さだとさすがに中身が薄く感じる。 主人公が親友の存在を感じていたくて 死んだあともメッセージを送り続けていたなら ラストの母親の行動は最悪に余計だったと思うし、 白々しくタイトルの意味を聞いてしまう場面なども含めて どうにも冷めてしまう場面が多いのも残念。 娘や親友を亡くした人たちは辛いかもしれないが、 誰が死んでも誰かが悲しむわけだか…

  • 図解 人的資本経営

    図解 人的資本経営 50の問いに答えるだけで「理想の組織」が実現できる作者:岡田幸士ディスカヴァー・トゥエンティワンAmazon社員の採用や育成についてどういった考えと手法で行い、 理想的な組織に近づけていくかを解説したもの。 「図解」という割に文章に頼った説明が多く、 掲載されている図も理解を助けるほどわかりやすくはない上に、 その文章も全体的に冗長気味で あまり意味のないカタカナ語が多用されており、 読んでも読んでも内容が頭に入ってこない。 理想論ばかりが語られている印象で どうにも最後まで読み切る意欲が湧かなかった。

  • ふしぎ駄菓子屋 銭天堂<実写映画版>

    映画「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」通常版 [DVD]天海祐希Amazon悩みを解決するはずの不思議な駄菓子が いろいろなトラブルを巻き起こす話。 原作小説の世界観が忠実に実写化されているが、 1話10分で展開するテレビアニメ版と比べると かなりテンポが遅く感じるのが難点。 また、小学生向けの児童小説ということを考えると、 ファッション雑誌の編集者や美大を目指す高校生など ターゲット層から外れた年齢の高い登場人物に やたら長い時間が割かれているのも残念。 ひとつひとつのエピソードをもっと短くして たくさんの駄菓子を見せてくれた方が 作品本来の面白さが味わえたように思う。 【関連作品のレビュー】 ふし…

  • 実録 保育士でこ先生<1巻>

    実録 保育士でこ先生 (中経☆コミックス)作者:でこぽん吾郎KADOKAWAAmazonSNSに掲載されているマンガを本にまとめたもので、 保育士として園児や保護者とやり取りした女性作者の経験を 男性のキャラクターに置き換えて描いたコミックエッセイ。 実際にはさまざまな苦労があるのだろうが、 どのエピソードも気軽に読める作風になっており、 子供たちの無垢な言動に振り回される様子が面白い。 「ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえん」のマンガ版という印象で、 園児たちの日常を垣間見れる作品。

  • 史記<1~2巻>

    横山光輝生誕90周年記念電子出版「Selected Works」 史記(1)作者:横山 光輝光プロダクションAmazon中国の長い歴史を一定期間ごとに区切り、 焦点を当てる人物を変えながら それぞれの時代の人々が争う様子を描いたもの。 各時代の出来事が短編として読めるよううまく分割されているが、 同作者による「三国志」と違って 馴染みのない難しい名前が多く出てくるので整理がしにくく、 特定の人物に感情移入して読むことができないのが難点。 1度読んだだけではストーリーが把握しきれないので 初回はダイジェスト的に歴史の流れを追い、 何度か読み返しながら理解を深めていくタイプの作品。

  • 花と娘と白い道

    花と娘と白い道吉永小百合Amazon年頃になり、結婚に憧れる女性の話。 いつもニコニコとかわいらしくて 周囲からの人気を集める主人公だが、 本人なりにいろいろと思い悩む様子を描く。 1時間あまりの短編ということもあるが、 ストーリーもキャラクターも薄くて それほど引き込まれる部分がなかった。 mclover.hateblo.jp

  • 天才ねこモーリスとゆかいな仲間たち

    天才ねこモーリスとゆかいな仲間たちヒュー・ロウリーAmazon言葉をしゃべる猫とネズミを連れた少年が 食べ物がほとんどない町に行き着く話。 天才を自称する猫、作戦行動をするネズミの集団、 住民たちとの交渉役の少年、ストーリーテラーの少女と、 焦点を当てるキャラクターがコロコロと変わるせいで 主役がボヤけて話にまとまりがないのが致命的。 誰を活躍させたいのかよくわからないし、 それぞれの特技も全然伝わってこない。 ボスの正体も最初から見当がついてしまうし、 笛の効果もイマイチよくわからない。 キャラクターにもストーリーにも 惹きつけられる部分がまったくない凡作だった。

  • ザ・エージェント

    ザ・エ-ジェントジェイ・モーアAmazon数々のスポーツ選手の契約交渉や 広報活動を管理してきたやり手のエージェントが 突然、会社をクビになってしまう話。 ほとんどの顧客をいきなり失ったところから エージェントとしてどう立て直していく話かと思いきや、 物語の大半は仕事ではなく恋愛を描いた内容だし、 終盤の展開も契約選手の活躍によるものなので エージェントの能力がイマイチ伝わってこないのは残念。 これは主人公の職業を邦題にしてしまった罪が大きく、 原題通り、「Jerry Maguire」という 個人名にした方が自然だったように思う。 愛情や友情、家族愛に浸れる内容で、 タイトルから受ける先入観を…

  • ソニック×シャドウ TOKYO MISSION

    ソニック × シャドウ TOKYO MISSIONJim CarreyAmazon「ソニック VS ナックルズ」に続くシリーズ3作目で、 50年間眠らされていたシャドウが目を覚まし、 恨みを持つ組織に復讐しようとする話。 実写とCGを織り交ぜた映像のクオリティは高いが ストーリーはそれほど面白いものではなく、 アクションシーンにもイマイチ迫力がない。 「TOKYO MISSION」というサブタイトルの割に 東京の景色が出てくるのはごく短時間だし、 コメディ要素も外し気味と全体的に期待ハズレ感が強い。 ストーリーの根幹だった敵対関係があっさり覆り、 終盤のご都合主義的な展開を迎えたのも腑に落ちな…

  • 青い芽の素顔

    青い芽の素顔川地民夫Amazon下町の飲み屋の娘として育った主人公が ふとしたきっかけで金持ちの大学生と知り合う話。 大学に行くことを夢見て地道に働きながらも なかなか思い通りの人生が歩めない若い女性と そんな事情を知らずに交際する男性の関係を描いたもので、 どれだけ真面目に生きていようが 埋めようのない貧富の違いを痛感する内容。 最初は嫌なヤツかに見えた男性も 主人公を思う純粋な気持ちが伝わってきて 徐々に感情移入できるようになってくる。 1時間あまりの短い作品だが、 いろいろな人の思いやりが味わえる筋書きで スッキリと観ることができる佳作だった。 mclover.hateblo.jp

  • インサイド・マン2

    インサイド・マン2 (字幕版)アムル・アミーンAmazon多くの人質とともに立てこもった銀行強盗犯と 解決に向けて動くFBI捜査官や交渉担当の話。 包囲された状況から犯人たちがどう脱出するのか、 主人公たちは人質たちをどう救うのかという話かと思いきや、 どちらかというと犯行動機や人間ドラマに焦点を当てた内容。 登場人物は一新されているものの 過去の事件が大きく絡むので前作の視聴は必須。 ただ、長々と気を持たせた割につまらない筋書きで、 前作のような迫力や面白さには遠く及ばない仕上がり。 わざわざ観るような続編ではなかった。 【関連作品のレビュー】 インサイド・マン

  • 57秒 復讐のタイムループ

    57秒 復讐のタイムループジョシュ・ハッチャーソンAmazon57秒だけ時間を巻き戻せる指輪を使って 望まない状況を修正していく男性の話。 同じ場面を何度もやり直しながら 都合のいい現実に書き換えていく設定は悪くないのだが、 57秒という時間が短すぎてあまり応用が効かず、 面白さを感じるのは金庫を開ける場面ぐらいで それ以外は行き当たりばったりな展開ばかりなのが残念。 ヒロインに関しても日が浅いのに 妙に強い絆で結ばれているような関係は不自然だし、 手首につけているバンド型のアイテムにもあまり意味がなかった。 せっかくの設定をもっと活かした筋書きにできそうなのに どうにも小さくまとまった平凡な…

  • 化け猫あんずちゃん

    化け猫あんずちゃん ブルーレイ&DVDセット(通常版) [Blu-ray]森山未來Amazon身寄りがなくて寺に預けられた少女と そこで人間同様に暮らす大きな化け猫の話。 化け猫であることにそこまで意味はなく、 住民と気軽にやり取りするシュールな雰囲気に慣れると 筋書きそのものはたいして面白くないことに気づく。 自分勝手に振る舞う少女は可愛げがないし、 人間以外の生き物たちも何のために出てきたのかわからない。 何を描きたいのかまったく伝わってこないストーリーだった。

  • ザ・コンサルタント2

    ザ・コンサルタント 2ベン・アフレックAmazonある男が殺された事件の真相を探るため、 性格の真逆な弟とともに行動する殺し屋の話。 前作の設定が絡んでくるだけでなく、 新しい登場人物も割と多く出てくるが、 それぞれの関係性があまり説明されないので 各場面の状況をよく観て推測する必要がある。 体術や銃撃戦などのアクションシーンは 非常に迫力があって引き込まれるが、 主人公の内面を掘り下げるような静かな場面が長いので もう少し切り詰めてテンポよく見せて欲しかったところ。 面白くないことはないのだが、 傑作だった前作ほどの没入感はないので 2作目というより番外編程度の気持ちで観た方がいいだろう。 …

  • バジーノイズ

    バジーノイズ川西拓実(JO1)Amazon細々と作曲をしていた内気な男性が ある女性との出会いによって 少しずつ活動範囲を広げていく話。 ウジウジした主人公のキャラクターも嫌気が差すが、 肝心の音楽がまったく魅力的に聞こえないのが辛い。 あの曲がそんなに評判になるとは思えないし、 業界関係者を惹きつけていくという展開は説得力に欠ける。 ヒロインの行動もまったく理解不能で、 自分の感情や欲求を無理やり押し付けて 主人公を振り回していく様子にイライラする。 登場人物全員が気持ち悪くて どこにも感情移入できない内容だった。

  • ホビット 決戦のゆくえ

    ホビット 決戦のゆくえ 特典映像付(字幕版)イアン・マッケランAmazon「竜に奪われた王国」に続く3部作の完結編で、 宿敵のドラゴンを倒したドワーフの王が 城に残された黄金の山に魅せられてしまう話。 全3作でドラゴン退治を描くのかと思いきや その目的は序盤で早々に達成してしまい、 内輪揉めする展開になったのは拍子抜けした。 その後も本編の二番煎じのような場面が多いし、 オークとの戦争を題材にしたいなら 最初からそうしておけば1本にまとまったはず。 仲間のドワーフたちも相変わらず存在感が薄い。 結局誰に感情移入させたいのかわからないストーリーで、 長い時間をかけた割にそれに見合う満足感が得られ…

  • 僕の最後の失敗

    僕の最後の失敗 (ビッグガンガンコミックス)作者:福満しげゆきスクウェア・エニックスAmazonネガティブな性格の作者が 自分の不甲斐なさをひたすら嘆いたもの。 これまでの福満しげゆきと同じノリとはいえ、 ひたすら自分の過去や現状を嘆くだけで イマイチ面白さが感じられない。 妻が出てくる後半はまだマシだが、 全体的に「ただ暗いだけ」なのが辛い。 作者の内面にある悶々とした気持ちを描くなら 「僕の小規模な失敗」や「僕の小規模な生活」の方が読み応えがあり、 過去作の劣化コピーのような内容でイマイチだった。 【関連作品のレビュー】 僕の小規模な失敗(マンガ) 僕の小規模な生活(マンガ) うちの妻って…

  • こん、こん。

    こん、こん。遠藤健慎Amazon地味で冴えない大学生の恋愛模様を描いた話。 自主制作のような安っぽさが漂い、 全体的に退屈でパッとしない内容。 恋人がいる同級生が羨ましかったり 憧れの女性にときめいたりする様子は初々しいが、 筋書きとしては王道なもので特に面白みはない。 1時間ぐらいの短編ならまだよかったかもしれないが、 この内容でこの長さはテンポが悪すぎる。 長崎県や出演者に思い入れがない限り、観る必要はないだろう。

  • トラペジウム

    トラペジウム結川あさきAmazonアイドルになる夢を叶えるべく話題性のあるグループを作ろうと 条件に見合うメンバーを集めていく女子高生の話。 テニスの話かと思ったらロボコンの話になり、 そこからさらにアイドルグループの話になるなど 各キャラクターに感情移入する暇がないまま話が進む。 主人公がまっすぐで純粋な人間ではなく、 アイドルになるための戦略を抱く策士という設定は新鮮だが、 全体的にダイジェストのような構成で感情移入しにくく、 面白さを味わえる場面が少なくて薄っぺらく感じる。 アイドルを目指す割にクセのある主人公というのはいいとして、 それならそれでもっと隙のない狡猾さを見せて欲しかったし…

  • ショウタイムセブン

    ショウタイムセブン阿部寛Amazonニュース番組の人気キャスターから 地味なラジオ番組へと左遷された男性のもとに 発電所の爆破予告をする電話がかかってくる話。 番組の出演者に対してテロリストが脅迫する様子が そのまま生放送で流れるという「マネーモンスター」や 「ミッドナイト・マーダー・ライブ」と似たシチュエーションだが、 主人公がかなりクセのあるキャラクターなのが斬新。 少しずつ明かされていくテロリストの真意と ジワジワと追い詰められていく緊迫感は悪くなかったが、 肝心のクライマックスが意外と生ぬるい展開で 期待したほどの切れ味がなかったのが残念。 序盤は勢いがあって引きが強かった割に 思った…

  • 雪の花 -ともに在りて-

    雪の花 ―ともに在りて―松坂桃李Amazon多数の死者を出した天然痘の拡大を防ぐべく 幕末に予防接種を広めた笠原良策を描いたもの。 序盤は割と面白かったのだが、 それ以降は思ったほどの逆境がなく、 主人公の活動がトントン拍子に進みすぎて イマイチ盛り上がらないのが残念。 同じ題材なら「大奥」の終盤の方が 遥かに惹きつけられたし、緊迫感があって興奮できた。 映画にするならもう少し山場が欲しかった。

  • ベッキー、キレる

    ベッキー、キレるLulu WilsonAmazon「BECKY / ベッキー」の続編で、 新たな環境で生活を築いていた主人公が 仕事先で絡んできた3人の男に復讐する話。 前作よりもさらに10分ほど短くなったのに 相変わらずなかなかバトルが始まらなくてテンポが悪いし、 身体が重そうで見栄えのしない主人公の戦い方には 見ていて興奮できるようなスタイリッシュさもない。 絡んできたチンピラに復讐しようとしたら たまたま危険思想を持つグループだったというだけで 主人公が戦いを挑む動機と男たちの正体は無関係だし、 敵の方もあまりに弱すぎて張り合いがない。 若い女性が血みどろで戦うというバイオレンス描写に頼…

  • ゆきてかへらぬ

    ゆきてかへらぬ広瀬すずAmazon大正時代の女優・長谷川泰子が 詩人の中原中也や評論家の小林秀雄と 関係を深めていく様子を描いたもの。 実在の人物を題材にした作品ではあるが、 キャラクターとしての魅力が全然伝わって来ず、 彼らの作品や活動への思い入れもないので 映画として惹きつけられる部分がまったく見つからなかった。 お互いの関係性がわかるような描写も少なく、 説明もなく時間が飛んだような感じる場面もあり、 変化していく人間関係がイマイチつかめなかった。 クセのある登場人物を扱うにしても せめて誰かに感情移入させて欲しかったが、 序盤からずっと傍観者のような気分を味わわされる作品だった。

  • 日々臆測

    日々臆測 (飛ぶ教室の本)作者:ヨシタケシンスケ光村図書出版Amazon絵本作家のヨシタケシンスケが 身の回りで見かけたものから いろいろな妄想を広げたもの。 たくさんのヒット作を生み出したクリエイターならではの作風で、 ふと見た日常の風景から突飛な発想が膨らむ様子が楽しい。 中盤には絵本のようなページも用意されていて、 1冊でいろいろな世界観に触れることができる。 他の人と同じものを見ながらも 空想力に満ちたさまざまなアイデアが詰まっており、 ワクワクしたり微笑ましくなれる1冊。 【関連作品のレビュー】 りんごかもしれない(絵本) たまに取り出せる褒め(マンガ)

  • ホビット 竜に奪われた王国

    ホビット 竜に奪われた王国 エクステンデッド・エディション(特典映像付)(字幕版)イアン・マッケランAmazon「思いがけない冒険」に続く3部作の2作目で、 ホビットを連れたドワーフの一団が 邪悪なドラゴンを退治しに行く話。 定期的にハラハラさせる場面が挿入されるとはいえ、 「ロード・オブ・ザ・リング」のスピンオフだからか 映像のクオリティは高いが既視感のある場面ばかりだし、 アクションシーンも本編で見たものの二番煎じという印象が強い。 主人公をホビットとドワーフのリーダーに絞った分、 その他大勢のキャラクターの印象はずっと薄いままだし、 仲間が大勢いる意味はあまりなく、 足手まといや意見の相…

  • 三国志<横山光輝版・1~26巻>

    横山光輝生誕90周年記念電子出版「Selected Works」 三国志(1) 桃園の誓い作者:横山 光輝光プロダクションAmazon西暦200年前後の中国を舞台に 激しい勢力争いをした3つの国の 成り立ちと各地での戦いを描いたもの。 実際に3つの国が出揃うまでには結構な巻数を要するが、 常に争いが絶えないせいでテンポがよく、 争いの原因となる人間ドラマに惹きつけられる。 焦点が当たる登場人物が次々と代わる上に 顔のパターンが少ないので区別しにくいが、 正義感と人情にあふれた劉備玄徳は主人公として感情移入しやすいし、 宿敵として立ちはだかる曹操の狡猾さにも目が離せない。 そしてそこに絡んでくる…

  • 早乙女カナコの場合は

    早乙女カナコの場合は橋本愛Amazon大学の演劇サークルで知り合った男女たちの 不器用な恋愛模様を描いた話。 女性たちが惹かれる男性キャラクターの どこに魅力があるのかが理解できず、 まったく共感できないまま話が進む。 ベテラン俳優たちの演技が下手になったかと思うほど 登場人物も筋書きも何もかもが薄っぺらく、 最後まで観たくなるような魅力が感じられない。 最初から最後までまったく盛り上がらない凡作。

  • 室井慎次 生き続ける者

    室井慎次 生き続ける者柳葉敏郎Amazon「敗れざる者」に続く2部作の後編で、 里子たちと暮らす室井慎次の生き様を描いたもの。 前編に引き続き、まったく面白い部分がない。 住民は嫌なヤツばかりでウンザリするし、 それに対して明確な解決法も提示されない。 元警察関係者としての主人公の実力が伝わってこないまま 腐乱死体が見つかった件はなんとなく終わってしまうし、 かなり反抗的だった里子や猟師たちが いつの間にか打ち解けているのにも納得できない。 物語の大部分は子育てに関する内容だが、 父親像として立派に思えるようなところはなく、 素っ気なさが対立を深めているような場面ばかりで 人間ドラマとしても全…

  • 彼女がその名を知らない鳥たち

    彼女がその名を知らない鳥たち蒼井優Amazon以前の交際相手が忘れられない女性と 彼女の機嫌を必死に取ろうとする同棲相手の話。 ネチネチと難癖を付けて周囲を困らせる主人公にウンザリするが、 予想外の人物が絡んできたあたりから面白くなってくる。 みんなが自分勝手に利己的な行動をとる様子がうすら怖く、 人間の薄っぺらさが味わえるところが本作の醍醐味。 種類の違うサイコパスが集まっているという意味ではホラーに思えるが、 終盤の展開でまた一気に印象が変わるところが斬新。 不快感をベースに、いろいろな感情を揺さぶってくれる作品だった。

  • 大停電の夜に

    大停電の夜に豊川悦司Amazon停電が起きたクリスマスイブの東京で語り合う 何組かの人間を描いた群像劇。 次々と新しい人物が登場する冒頭は混乱するが、 あちこちでペアが出来上がったあとも ダラダラととりとめのない話が続くばかりで いつまで経っても面白さが感じられない。 停電やクリスマスイブという設定が活きていないし、 それぞれのエピソードの中身も薄く、 引き込まれる要素がなくてひたすら退屈だった。

  • サンセット・サンライズ

    サンセット・サンライズ 通常版 [Blu-ray]菅田将暉Amazon新型コロナウイルスの流行で外出自粛が叫ばれる中、 東北の空き家に東京から移住した会社員の話。 寂しさを感じさせない底抜けに明るい主人公が 田舎での生活にいちいち感激するのが気持ちよく、 よそ者として疎外感を味わうのかと思いきや いつの間にか打ち解けてしまう様子が心地いい。 コロナ禍という状況をうまく活かした筋書きで、 単なる時代背景としてだけでなく 当時の生活様式があったからこそのストーリーになっている。 町の過疎化や東日本大震災など深刻な話題も出てくるが、 ほのぼのした雰囲気で重くなりすぎず、 スッキリとした後味で観終わる…

  • サンキューピッチ<1~2巻>

    サンキューピッチ 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:住吉九集英社Amazon正確無比な豪速球が1日3球だけ投げられる高校生と 彼を取り巻く野球部員の話。 野球とギャグが絶妙に融合した作風で わずか3球だけ全力投球できるというルールを 非常にうまく活用した勝負のやり取りが面白い。 厳しい制約がある中でどう勝つかという戦略部分は 「カイジ」や「賭ケグルイ」のような ギャンブル系マンガに通じる奥深さがあるし、 頭のいいキャプテンやキャッチャーが ボケやツッコミの役目を果たしているのも楽しい。 さんざん題材にされてきた野球というスポーツに まだこんな切り口が残されていたのかと感心させられる…

  • ぼくのお日さま

    ぼくのお日さま越山敬達Amazonスポーツの習い事にあまり身が入らなかった少年が フィギュアスケートを滑る少女に心を奪われて 独自にトレーニングを始める話。 「リトル・ダンサー」を思わせる導入部だが、 特に希望を妨げるような要素や保護者の介入はなく、 淡い恋愛模様を伴う練習風景が続くばかりで、 思ったよりもあっさりしたストーリーだった。 山場と言えるのもひとつだけで、 唐突な肩透かしを食らう展開は新しいものの やや消化不良な思いが残るという意味では残念。 吸い込まれるような画面の美しさや 子供達が成長していく清々しさは魅力的だが、 もう少し深みのある筋書きを味わいたかった。

  • わんこ THE MOVIE

    わんこ THE MOVIE [DVD]ポニーキャニオンAmazonフジテレビの朝のニュース番組「めざましテレビ」の 「きょうのわんこ」コーナーを映画として構成したもの。 いろいろな犬の生活を紹介していくが、 ほのぼのするものからしんみりするものまで テイストの違う境遇が混ざっている上に 長くても1本15分程度とテンポよく観ることができる。 今の時代だと咎められそうな飼い方もあるが、 それぞれの犬が幸せそうな様子は伝わってくるし、 創作ではないドキュメンタリーものとして 犬が好きな人におすすめ。

  • クレイヴン・ザ・ハンター

    クレイヴン・ザ・ハンターAaron Taylor-JohnsonAmazonライオンの遺伝子と融合したことで 超人的な身体能力を手に入れた青年が 悪人たちを制裁していく話。 派手で迫力のあるアクションシーンには目を見張るが、 人間関係が妙にわかりにくいことと あまり引き込まれないストーリーが難点。 映像面ばかりに比重が置かれて キャラクターやストーリーに魅力がなく、 1本の映画としてはそこまでの完成度ではなかった。

  • 室井慎次 敗れざる者

    室井慎次 敗れざる者柳葉敏郎Amazonドラマ「踊る大捜査線」シリーズの 室井慎次を主人公にしたスピンオフで、 警察を引退して里子とともに田舎で暮らしている話。 「生き続ける者」に続く2部作の前編となる。 家のすぐ近くで死体が見つかる導入部はよかったが、 それを発端とする事件の話が始まるのかと思いきや 田舎暮らしの日々が描かれるばかりで拍子抜けする。 何年も世話になっておきながら新しく来た少女に コロッと騙されてしまう子供の態度も腑に落ちないし、 地元住民との険悪な関係を見せられるのもストレスがたまるだけ。 ファンとしては、老いながらも元警察関係者の勘を働かせて 事件を捜査していく展開が見たか…

  • 101回目のプロポーズ<全12話>

    101回目のプロポーズ浅野 温子Amazon女性にまったくモテない中年男性が 100回目となるお見合いで出会った 自分と釣り合わない美女に想いを寄せていく話。 1991年に放送された30年以上前の作品だが、 序盤から一気に引き込まれる構成で 画面の古さはすぐ気にならなくなる。 しょぼくれた雰囲気が漂う冴えない主人公が 冷たくあしらわれたりからかわれたりしつつも 周囲の言葉を真に受けて必死でがんばる姿に感動する。 何度断られても主人公がしつこくつきまとう様子や 諦めさせるためにヒロインが無茶な要求をする流れは 普通なら嫌悪感を感じてしまいそうな筋書きだが、 誤解が解けるまでのペースが早いのと コ…

  • ぼくが生きてる、ふたつの世界

    ぼくが生きてる、ふたつの世界吉沢亮Amazon小さな港町で育った青年が 耳の聞こえない両親のせいで思い悩む話。 聴覚障害者の親と暮らしているために 健常者でありながら独特の生活習慣が身についていたり たびたび肩身の狭い思いをする様子が描かれていて心苦しい。 また、そういう家庭環境に対するわずらわしさと 思春期の反抗期が重なった主人公の言動が非常にリアル。 同じ題材を扱った「コーダ あいのうた」と通じる部分もあるが、 本作は特に母との関係に焦点が当てられており、 少しずつ成長するにしたがって 母を思いやる主人公の様子にグッとくる。 青年が独り立ちしていく流れを追体験できる良作。

  • さびしんぼう

    さびしんぼう富田靖子Amazon田舎町で暮らす高校生が 友達や不思議な少女と交流する日々を描いたもの。 くだらないノリや笑えないギャグ描写のせいで 前半は非常にテンポが悪く、中だるみが激しい。 ピエロのような格好の白塗りのキャラクターも イマイチ狙いがわからなくて没頭できない。 後半は憧れの女性との淡い恋愛模様が描かれるが、 これならそこだけをクローズアップし、 余計な要素を混ぜることなく仕上げて欲しかった。

  • ぼくは本屋のおやじさん

    ぼくは本屋のおやじさん作者:早川義夫晶文社Amazonある町で小さな本屋を営む筆者が 日々の苦労や報われない思いをまとめたもの。 1982年発行とかなり古い本だが、 思い通りにいかない仕入れの構造や 重労働な割に利益が少ないビジネスモデルなど、 今でもまだ解決していない問題がズラズラと書かれていて驚く。 いよいよ書店の存続が危ぶまれる現代だが、 こんなにも長い間、同じ問題が放置されているなら 本の店頭販売が限界に来るのも納得できるし、 今のままでは書店も問屋も読書家も幸せにならないだろう。 状況や背景の説明が抜けていてわかりにくい部分もあるが、 規模の小さい本屋がいかに苦労しているかを追体験で…

  • 吉原炎上

    吉原炎上名取裕子Amazon明治時代に人気を集めた吉原遊郭を舞台に そこで暮らす遊女たちの生き様を描いた話。 表向きは華やかに見える遊女たちの 秘められた事情や思いがテーマになっているが、 明確な描写がされていない場面も多いので 前後の流れや会話から状況を汲み取る必要がある。 残念ながらよほど遊女か出演女優たちに思い入れがなければ 引き込まれるほどの面白さは感じないし、 一番の見せ場かと思われた炎上シーンも 出火の原因があまりにつまらなくて拍子抜けした。 たびたび名前を聞く作品だが、 その知名度に匹敵するほどの見応えは感じなかった。

  • がんばっていきまっしょい<2024年公開アニメ版>

    がんばっていきまっしょい雨宮天Amazon休部状態だった高校ボート部が 寄せ集めのメンバーで活動再開する話。 初心者ながら健気に努力する様子を見せてくれれば 部活動を題材にした話としては十分盛り上がるのに 妙に冷めた主人公や感じの悪いライバルたちによって どうにもスッキリと楽しめないのが残念。 4人の部員たちは個性が薄くて見分けがつかないし、 ボート部として強くなっている実感も湧かない。 主人公がグズグズといじけているせいで中だるみも激しい。 努力要素も恋愛要素もスポーツ要素もすべて弱く、 観た後に何も残らない作品。 【関連作品のレビュー】 がんばっていきまっしょい(1998年公開実写映画)

  • カッコーの巣の上で

    カッコーの巣の上で [Blu-ray]ジャック・ニコルソンAmazon社会に適合できない患者たちが暮らす精神病院に 精神異常を装った男が入所してくる話。 厳格な婦長によって厳しい管理下にあった患者たちが 主人公が起こす破天荒な言動によって 少しずつ生きる喜びを見出していく展開が心地いい。 トラブルを避けるための平凡で静かな日々が 彼らの喜怒哀楽も奪っていたことがよくわかる。 さまざまな心の病を感じさせる患者たちはリアルだし、 自由を手にした彼らが生き生きとする様子にグッとくる。 どうにもならないと思い込んでいた高い壁が ガラガラと崩れていくような気持ちよさがある。 映画史に残る名作として知られ…

  • Happy!<全15巻>

    Happy! 完全版 デジタル Ver(1) (ビッグコミックススペシャル)作者:浦沢直樹小学館Amazon両親を亡くし、幼い弟妹たちを育てていた少女が 兄が作った莫大な借金を返済するために プロテニスプレイヤーを目指そうとする話。 同作者による「YAWARA!」と非常によく似たキャラクターで、 真面目で純粋な主人公が強敵に立ち向かう姿を描いていくが、 ライバルの陰湿で執拗な嫌がらせのせいで ずっと悪評がつきまとう展開に結構なストレスがたまる。 強敵を打ち負かしても正当な評価が得られないし、 姑息な手段で本来の実力を発揮できない場面も多い。 話を盛り上げるために苦境にさらされるのは仕方がないに…

  • マイアミ・バイス

    マイアミ・バイス (字幕版)ジェイミー・フォックスAmazon2人組の刑事が捜査のために麻薬組織に潜入する話。 設定そのものはありきたりなのに 人間関係や状況がわかりにくく、 テンポもイマイチで映画としてあまり没頭できない。 最後の銃撃戦は迫力があったが 見応えがあったのはそれぐらいで、 映画としては特に観る価値のないデキだった。

  • ハードキャッシュ

    ハードキャッシュ [DVD]クリスチャン・スレーターAmazon巧妙な手口で金を強奪する一味の話。 計画を失敗するばかりの主人公で 仲間に頼られるほどの実力が伝わってこないし、 人間関係や状況の説明が下手で、 何のために行動しているのかがよくわからない。 もっと騙し合いの面白さが味わえるのかと思ったが、 とにかくストーリーがわかりにくい作品だった。

  • 室町無頼(むろまちぶらい)

    室町無頼大泉洋Amazon農民たちが圧政と貧困に苦しんだ室町時代において 一揆を率いた蓮田兵衛(はすだひょうえ)を描いたもの。 時代背景と登場人物が一気に描かれる冒頭は唐突で、 堤真一が演じる骨皮道賢が主人公の仲間なのか、 悪党なのか幕府の一派なのかがわかりにくく、 話が落ち着くまでしばらく混乱させられる。 また、主人公が引き取った弟子はあまり華がないし、 マンガのような修行シーンも映画全体で観ればあまり意味がなく、 もう少しテーマを絞った構成にして欲しいところ。 クライマックスの一揆の場面は非常に見応えがあるが、 せっかくならそこを集中して楽しめるよう、 もう少し余計な要素を削ぎ落として欲し…

  • もしも徳川家康が総理大臣になったら

    もしも徳川家康が総理大臣になったら浜辺美波Amazon新型コロナウイルスの流行で混乱する中、 AIによって復活した歴史上の偉人たちが 日本の政治を動かしていく話。 偉人たちの特徴や名言を現代の状況に当てはめて パロディに仕上げた冒頭40分ほどもくだらないし、 そこから始まるトラブルの展開もかなりつまらない。 いいように振り回される国民たちも頭が悪すぎるし、 ある動物が描かれたカードの意味も無理やりすぎる。 キャスティングは悪くなかったが、 インパクト勝負の出オチのような設定で 観れば観るほど冷めていく内容だった。

  • ロード・オブ・ザ・リング ローハンの戦い

    ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦いブライアン・コックスAmazon「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのスピンオフで 本編より200年ほど前の世界を舞台に 父親を殺されたことで離反した男との戦いを描いた話。 実写化された本編と違ってアニメーション作品となるが、 逆恨みとしか思えない男が敵となるくだらなさや 各キャラクターが妙に頭の悪い行動をする点など とにかく観ていて冷める要素が多くて熱中できない。 手間をかけたというだけあって映像のクオリティは高いが、 肝心のストーリーや展開が間抜けすぎるのが致命的。 本編が好きな人は不満を感じるだけだろうし、 本編を観ていない人には単なる駄作としか思…

  • 魔入(まい)りました!入間(いるま)くん<1~12話>

    魔入りました!入間くん村瀬歩Amazon気弱で優しい少年が悪魔の孫として引き取られ、 彼が理事長を務める魔界の学校に通うことになる話。 魔法はもちろん、目立った能力もない人間の主人公が いろいろな偶然が重なって特別扱いされつつ 徐々に味方を増やしていく展開が面白くて心地いい。 定期的に新しいキャラクターが登場するが、 どれもきちんと魅力があって好感が持てるのもいい。 ひとつのエピソードが短くてテンポがいい上に 人間とは異なる特徴を持った悪魔たちの設定と コメディがうまく結びついていて楽しめる良作。

  • 六人の嘘つきな大学生

    六人の嘘つきな大学生浜辺美波Amazon人気企業の最終面接に残った6人の就活生が ひとつしかない内定枠をめぐって議論する話。 受験者同士で内定者を選抜するという 特殊な条件のグループディスカッションで、 最初は紳士的だった優秀な大学生たちが 予想外のトラブルをきっかけに どんどんうろたえて疑心暗鬼になっていく展開が面白い。 新たな情報が出てくるたびに互いの意見を主張し合い、 印象や評価がどんどん変化していく様子は サスペンスとしてもミステリーとしても楽しめる。 ただ、後半で事件の全体像が明かされると 本作の魅力であった毒気がどんどん抜けてしまい、 前半のやり取りが一気につまらなく思えてしまうの…

  • Booth / ブース

    ブース/boothAmazon深夜のラジオ番組を担当する人気DJが 生放送中に奇妙な心霊現象に悩まされる話。 周囲をぞんざいに扱ってきた傲慢な男性が 生放送中のさまざまな出来事に ジワジワと追い詰められていく様子が痛快だし、 ホラーとしての怖さも味わえるという新鮮な作風。 意味のわからなかった心霊現象が 回想シーンを通して伏線であったことがわかり、 すべての要素が綺麗につながる筋書きもよくできている。 流れを止められない生放送という状況が 主人公の焦りを加速させるところもいい。 70分あまりという短い作品ながら 緊迫感と恐怖感にあふれた良作ホラー。

  • サル

    サル水橋研二Amazon新薬の投与実験に参加した若者たちが 少しずつ違和感を感じていく話。 参加者の1人が常に撮影しているという設定のPOV方式で、 仲間内で軽口を叩く雰囲気はなかなかリアルだが、 思わせぶりな映像が続くばかりで面白くない。 撮影方式の関係で登場人物の把握もしにくく、 名前が出てきても誰のことなのかがわかりにくい。 治験の様子をドキュメンタリー風に撮るという設定はよかったが、 肝心の中身が薄く、引き込まれるところがなかった。

  • デジタル時代のシン・アナログ経営

    デジタル時代のシン・アナログ経営 ~社員100人からの人的資本経営~作者:船井総合研究所技術評論社Amazon経営コンサルティング会社である船井総合研究所が 業務のデジタル化が進む中でも推奨している アナログ(フィジカル)なやり方を説明したもの。 コロナの影響でリモートワークやオンライン会議が各社で浸透したが、 効率化ばかりを意識すると発生するデメリットに注目し、 あえて前時代的な文化やルールを作ったという施策が面白い。 理論的には効率的に思える変化であっても 実際には意思疎通や就労意欲へのマイナス影響があり、 非生産的なやり方に見えない効果があることに気づかされる。 離職率を下げ、社内を活気…

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