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レビューブログ【レブログ!】 https://reblog.hateblo.jp

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書のレビューが5000件以上! レビューは毎日更新します。

ファン意識や世論に流されず、 自分の感じた感想を正直に伝えたいと考えています。

D.IKUSHIMA
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2008/06/18

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  • お終活 再春!人生ラプソディ

    お終活 再春!人生ラプソディ高畑淳子Amazon「熟春!人生、百年時代の過ごし方」の続編で、 認知症や老後の趣味など、高齢者の日常を描いたもの。 今回は死後に備えた準備というよりも 成長した娘との親子関係や 高齢者のあるあるネタを中心にした内容。 前作の登場人物を引き継いでいるが、 人間関係がわかりやすいので いきなり今作を観てもまったく問題はない。 気楽に観れるコメディには仕上がっているが、 全体的に2時間ドラマのような安っぽさが漂うので 映画としてのクオリティを期待すると厳しい。 前作ほどの面白さはないので そのあたりを割り切って観れる人向け。 【関連作品のレビュー】 お終活 熟春!人生、…

  • 梟 / フクロウ

    梟-フクロウ-リュ・ジュンヨルAmazon目が見えないながらも鍼治療の腕を買われて 宮廷で働くことになった若者が とある事件に巻き込まれていく話。 人間関係がつかみづらくて戸惑う部分はあるが、 盲目であることで鍼師としての腕や目撃証言が なかなか信じてもらえないという設定が非常に活きており、 主人公の実力が認められていく気持ちよさから トラブルに陥っていく怖さまでずっと引き込まれる。 中盤で明かされる秘密からタイトルの意味がわかり、 その要素が長所と短所の両方の効果を生みながら クライマックスに向けて盛り上げていくところも素晴らしい。 あまり馴染みのない世界観だが、 完成度の高いサスペンススリ…

  • スピリットサークル<全6巻>

    スピリットサークル (1) (ヤングキングコミックス)作者:水上悟志少年画報社Amazon幽霊が見える中学生が転校してきた少女から 前世でのトラブルを理由に恨まれる話。 輪廻転生がテーマになっているため、 定期的に新しい舞台とキャラクターが展開され、 そのたびに頭をリセットしないといけなくて混乱するが、 キャラクターの作り方がうまく、 世界観が一新されても毎回引き込まれるのは見事。 ただ、各エピソードの登場人物は 現代の身の回りの人を連想させる設定なのだが、 顔の区別がしづらかったり印象が薄くて あまり有効に働いていないのは残念。 徐々に人名が把握しきれなくなるのもキツい。 絵柄は子供っぽいが…

  • 侍タイムスリッパー

    作品情報: https://www.samutai.net 江戸時代末期から現代にタイムスリップしてしまった侍が 時代劇の撮影関係者と交流を深めていく話。 テレビの撮影現場に紛れ込んでしまう序盤は ほぼ予想通りの展開で進んでいくが、 2000年代の生活様式にいちいち驚く主人公が面白く、 実直で礼儀正しい言動も感情移入しやすい。 武士なら殺陣(たて)もうまいだろうという発想は単純だが、 実際に刀の扱いや身のこなしが見事で説得力があるし、 斬られ役の苦労も伝わってきて面白い。 実力が少しずつ認められていく主人公を応援したくなる。 そろそろ終わりそうな雰囲気になったあとに もうひと盛り上がりさせてく…

  • なぜ地方女子は東大を目指さないのか

    なぜ地方女子は東大を目指さないのか (光文社新書)作者:江森 百花,川崎 莉音光文社Amazon首都圏から距離のある地域に住む女子生徒で 成績優秀ながら東京大学に進学する割合が低い理由を いろいろなアンケート調査をもとに分析したもの。 実際に地方出身で東京大学に進学した2人の女性が 自分が見聞きした経験をもとに疑問を持ち、 女子学生の進学に影響する要素を考察していく。 全体的に冷静で論理的な語り口になっており、 ヒステリックにフェミニズムを主張するのではなく 純粋な現状分析がされていて説得力があるし、 仮説に対する裏付けも筋が通っていて納得できる。 チャプターが細かく分かれているおかげで 本と…

  • 監督のクセから読み解く 名作映画解剖図鑑

    監督のクセから読み解く 名作映画解剖図鑑作者:廣瀬純彩図社Amazonスティーブン・スピルバーグ、クエンティン・タランティーノ、 ウェス・アンダーソン、トニー・スコット、クリント・イーストウッド、 小津安二郎、山中貞雄、大島渚、相米慎二、黒沢清、 アルフレッド・ヒッチコック、エリック・ロメールといった 12人の映画監督ごとに作品に共通する部分を解説したもの。 有名な映画監督の定番の手法に注目する視点は面白いが、 解説文を読んで「なるほど」と思うためには 該当する画面の映像がパッと思い浮かぶほど 結構な作品を観ている必要があるし、 共通点と言うよりこじつけに感じる部分もある。 また、観たことがな…

  • わたしは最悪。

    わたしは最悪。(字幕版)レナーテ・レインスヴェAmazon自分の居場所を模索する女性の話。 主人公の男性との付き合い方が描かれるが、 全体的に脈略のない場面が多すぎて 何を楽しむ話なのかがよくわからない。 主人公の言動も単なる自分勝手にしか見えないし、 男性側にも魅力を感じる部分がない。 斬新だと思う演出はいくつかあるが、 映画としてはひたすら退屈で好みに合わなかった。

  • あそこの席

    あそこの席 [DVD]阪田瑞穂Amazonある高校に転校してきた女子生徒が かつて自分の席に座っていた生徒が おかしくなってしまったという噂を耳にする話。 心霊現象とイジメを融合したホラーで 全体的な筋書きはそれほど悪くないのだが、 70分しかないのに中だるみを感じるテンポの悪さと 全員の演技が素人臭いのが難点。 何度も何度も同じ曲を聞かされる構成なのも疲れる。 30分ほどの短編ドラマだったら楽しめただろうが、 映画として観るには辛い仕上がりだった。

  • ブルー きみは大丈夫

    ブルー きみは大丈夫Cailey FlemingAmazon子供が生み出した想像上の生き物が見える少女が 男性と協力して彼らの新たなパートナーを探していく話。 いろいろな特徴を持ったイマジナリーフレンドが 実写映像に自然に溶け込んでいる映像は素晴らしいが、 何かがうまくいく場面がやけに少なく、 期待していたほどのカタルシスを感じられないのが残念。 子供向けとも思える世界観なので もっとサクサクと成功体験を味わわせて欲しかったのに なぜか妙にシビアな味付けになっている。 主人公の家族の設定もあまり意味があったようには思えず、 全体的に面白さを感じる部分がなかった。

  • 碁盤斬り

    碁盤斬り草彅剛Amazon娘と2人で貧しく暮らす囲碁好きの浪人が 身に覚えのない嫌疑や過去の復讐に苦しめられる話。 堅物すぎて融通の効かない主人公は感情移入しにくいが、 いくつもの勧善懲悪が集まった構成で 見ていてスッキリする展開が多い。 なくてもいい要素だが、囲碁が絶妙なスパイスになっており、 人間関係を結びつけているというところも面白い。 シンプルな話でありながら魅力的な登場人物が多く、 退屈せずに最後まで観ることができる良作だった。

  • ブレイド3

    ブレイド3(字幕版)ウェズリー・スナイプスAmazon遺跡から蘇ったヴァンパイアたちの始祖を 仲間とともに打ち倒そうとする話。 今回のボスが暴れるシーンがあまりないので 人間社会にどの程度の被害をもたらすのかが イマイチ伝わってこないのは残念だが、 アクションシーンは過去作同様に見栄えがしてカッコいい。 敵味方とも大胆に殺されていく展開も容赦がなくていい。 見どころも作風も同じままの3作目なので いい意味でも悪い意味でも代わり映えしないが、 ファンが期待した通りに楽しめる安定したシリーズ。 【関連作品のレビュー】 ブレイド ブレイド2

  • クラスメイトの女子、全員好きでした<全10話>

    クラスメイトの女子、全員好きでしたAmazon中学時代の同級生の誰かが書いた小説を使って 人気作家としてデビューしてしまった男性が 当時の思い出を振り返りながら本当の作者を探していく話。 タイムカプセルに保存されていたノートの持ち主を突き止めるため、 毎回同級生の1人に焦点を当てて中学時代を回想していくのだが、 この回想シーンのエピソードがいちいち面白い。 女子と接する貴重な機会に浮かれる中学生の気持ちや 妙な個性を持った女子たちがコミカルに描かれているし、 それを演じる子役たちも素晴らしいの一言。 異性としての恋愛感情を持っていたというより 「一緒に過ごした時間が楽しかった」ぐらいの味付けも…

  • アグリーズ

    作品情報: https://www.netflix.com/title/81002266 何もかもが厳格に管理された近未来において 政府に定められた美容整形の日を心待ちにする少女の話。 「アグリーズ(=醜い者たち)」と呼ばれる設定にしては 主人公の顔が整いすぎているので 整形手術を待ち侘びていることに説得力が感じられないし、 利己的で都合が良すぎる言動にも感情移入できない。 SFの世界観らしい映像は悪くないのだが、 ディストピアものとしてはストーリーがありきたりで 刺激的に思える部分がほとんどないし、 ラストも投げっぱなしなのが雑すぎる。 全体的に腑に落ちない要素が多く、 終始モヤモヤした思い…

  • 家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった<全10話>

    家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だったAmazon幼い頃に父を亡くし、ダウン症の弟や 下半身不随の母親を世話しながら 自分の生きる道を模索してきた女性の自伝をもとにしたドラマ。 まだ若いうち手間のかかる家族の負担を背負う いわゆる「ヤングケアラー」と呼ばれる辛い状況ではあるが、 主人公の飄々(ひょうひょう)とした明るい人柄と 関西弁による日常的なツッコミが場を和ませてくれる。 いろいろなミスで周囲に迷惑をかける場面が続くが、 めげない性格と愛嬌のある言動のせいで ついつい応援したくなるというキャラクターがスゴい。 生活環境にいろいろな変化がありつつも 常に家族愛を感じることができる…

  • 極悪女王<全5話>

    作品情報: https://www.netflix.com/title/81351263 1980年代の女子プロレスで活躍したダンプ松本と その周囲のレスラーたちの生き様を描いたもの。 主人公に関するエピソードは非常にスローペースで 全部で5話しかないのになかなか我々の知るダンプ松本にならないが、 ビューティ・ペアやクラッシュ・ギャルズといった 当時有名だった女子レスラーたちの葛藤が描かれていて面白い。 ただ、全体的に打撃技は手加減しているのが露骨で冷めるし、 体重を10キロ増やして挑んだという長与千種役の唐田えりかや ライオネス飛鳥役の剛力彩芽は身体が華奢すぎてペラペラ。 当時の試合をよく再…

  • 神在月(かみありづき)のこども

    神在月のこども スタンダード・エディション [Blu-ray]蒔田彩珠Amazon母を亡くしたショックが拭えない少女が 神の末裔だったことがわかった母と再会するため、 島根県の出雲大社を目指して走る話。 ストーリーは割とシンプルで展開も王道だが、 いろいろな地方に神社が点在する日本の特徴と 年に1度、神々が出雲に集まるという言い伝えが 子供にも理解できるような作風に仕上がっている。 非常にシンプルで物足りない部分もあるが、 子供向けの教材代わりなら悪くないデキだった。

  • ランド・オブ・ザ・デッド

    ランド・オブ・ザ・デッド (字幕版)サイモン・ベイカーAmazonゾンビの侵入を防ぐための要塞化した都市で 富裕層が豊かで安全な暮らしをする中、 下働きをするグループのリーダーが 仲間に奪われた装甲車を取り返しにいく話。 よくあるゾンビ対人間のサバイバル戦ではなく 世界中にゾンビが蔓延する中で築かれた 大きな格差社会が舞台になっているところが斬新。 また、ゾンビ側にもメインキャラクターがいるなど、 これまでのゾンビ映画とは少し異なる作風になっている。 登場人物が多く、敵対関係がやや複雑だが、 序盤から迫力と緊迫感が続くので退屈しない。 2人の悪役の最後があっけないのは残念だが、 全体的にはまず…

  • V/H/S ネクストレベル

    V/H/S ネクストレベル(字幕版)ケルシー・アボットAmazon「シンドローム」に続くシリーズ2作目で、 いろいろな恐怖映像を収めたビデオテープが 次々と再生されていくオムニバス作品。 POV方式特有の揺れまくる映像ばかりなのは前作同様だが、 今作は幽霊やゾンビといったありがちな題材が多く、 独自の怖さがあまり感じられないのが残念。 ところどころ恐怖感よりも安っぽさが上回ってしまうところもある。 また、ビデオテープを再生していく 土台部分が面白くないのも相変わらず。 2作目ということで少しはパワーアップするかと思ったが、 クオリティとしてはほぼ変わらずでイマイチだった。 【関連作品のレビュー…

  • DOGMAN / ドッグマン

    DOGMAN ドッグマンケイレブ・ランドリー・ジョーンズAmazon何匹もの犬とともに暮らす下半身不随の男の 不幸な生い立ちから今に至るまでを描いた話。 ひどい虐待を受けた幼少期から少しずつ過去を振り返り、 大量の犬を連れて、車椅子生活を送る現在に 少しずつつながっていく構成が絶妙で、 退屈させることのないストーリーテリングが見事。 不幸な状況をなんとか好転させようと 必死であがいても空回りするばかりで、 ずっと孤独な人生を過ごしてきた切なさと そんな彼を健気に支える犬の姿にグッとくる。 光の当たらない裏社会に生きる主人公だが、 その弱々しい生き様が痛々しく、 最初から最後まで引き込まれる良作…

  • ドーン・オブ・ザ・デッド<2004年公開版>

    ドーン・オブ・ザ・デッド (字幕版)サラ・ポーリーAmazon1978年公開の「ゾンビ(原題:Dawn of the Dead)」をリメイクしたもので、 ゾンビが街にあふれて人々が混乱する中、 市街地からの脱出を試みた者たちが ショッピングモールに籠城する話。 舞台となる施設が共通なだけで リメイクということはあまり気にせず 本作単体で楽しむことができるゾンビ映画になっている。 ただ、映像的には割と迫力があるものの、 サバイバルものとしては頭の悪い行動が目立ったり、 1時間40分と短めなのに登場人物が多くて 存在感の薄いキャラクターが目につくのが残念。 安全に脱出するための準備を整えるというの…

  • ラーゲリより愛を込めて

    ラーゲリより愛を込めて二宮和也Amazon第2次世界大戦が終わったにも関わらず、 ロシアの捕虜収容所で監禁され続けた日本兵たちの話。 言葉の通じない捕虜収容所で 日本人がどんな生活をしていたのかという点は興味深いが、 映画としては「だからなんなんだ」という内容。 主人公が実在の人物で、ロシア語が堪能なだけでなく、 他人のために全力を尽くした記録があるというのは理解できるが、 二宮和也の演じるキャラクターはあまりに嘘っぽく、 その聖人ぶりが鼻についてしまうのが残念。 戦争の悲惨さを描いたにしては安っぽく、 他作品に比べて圧倒的にリアリティが足りないし、 感情移入できる場面のない残念な仕上がりだっ…

  • 空の青さを知る人よ

    空の青さを知る人よ吉沢亮Amazon両親を亡くし、姉とふたりで暮らす女子高生の前に 幼い頃に憧れていた男性が2つの形で現れる話。 13年で変化した人間関係が題材だが、 メインキャラクターはやたら自分勝手に育っているし、 全体的に嫌な気持ちにさせられる場面が多くてウンザリする。 努力してきたベースの演奏が認められる気持ちよさでもなく、 生き霊が出現したお堂の秘密を探るSF的な面白さでもなく、 大人の尊敬できない部分を寄せ集めて みんながウジウジとする様子を眺めるだけの筋書き。 自分勝手な人間をひたすら見せられるばかりで 何を楽しませたい作品なのかがまったくわからなかった。

  • 大名倒産

    大名倒産神木 隆之介Amazon実は当主の血を引いていたことが明かされた若者が 借金だらけの藩を計画倒産させる策を任されてしまう話。 莫大な借金の責任を取って切腹させられる運命を いろいろな手を尽くして回避しようとするコメディだが、 お人よしの主人公やサバサバした幼馴染をはじめ、 愛着の湧くキャラクターがそろっていてとにかく楽しい。 徐々に味方が増えていく幸福感と退屈しないテンポのよさ、 勧善懲悪の痛快さがバランスよく混ざっており、 2時間で綺麗に楽しめる良作だった。

  • ナチュラル・ボーン・キラーズ

    ナチュラル・ボーン・キラーズウディ・ハレルソンAmazon各地を巡りながら殺人を繰り返すカップルの話。 まったく異なる映像作品を 少しずつ切り出したような構成は斬新だが、 ストーリーは山場がなくてひどく単調。 特に刑務所のシーンになってからは相当にキツく、 とにかく刺激のない淡々とした映像が流れるだけ。 奇抜な演出がされているというだけで、 映画としては何が魅力なのか まったくわからない作品だった。

  • あまろっく

    あまろっく江口のりこAmazon独身のまま仕事に打ち込んできたものの 突然のリストラを告げられた中年女性と 父親が再婚相手として連れてきた若い女性が同居生活を始める話。 序盤は偏屈な性格の主人公が痛々しく感じるが、 天真爛漫で思いやりのある継母に 少しずつ心を開いていく変化が微笑ましく、 全編に漂う明るい雰囲気が楽しい。 ただ、終盤が悲観的な展開に傾きすぎなのと 兵庫県尼崎市という舞台や 尼ロックというタイトルにほとんど意味がなく、 ターゲットとなる観客層が曖昧なのは残念。 風変わりな家族構成と 下町らしい人情が味わえる前半はまずまずだが、 後半は安っぽくなりすぎた印象だった。

  • ひとりずもう<上・下巻>

    ひとりずもう (上) (りぼんマスコットコミックスDIGITAL)作者:さくらももこ集英社Amazon「ちびまる子ちゃん」を描いたさくらももこが 自身の子供時代から漫画家になるまでをまとめた 同名のエッセイを本人がマンガ化したもの。 「ちびまる子ちゃん」とそっくりな世界観の中で 小学生だった主人公のその後を読んでいるような印象。 周囲より精神的に幼い作者が思春期をどう過ごし、 家族や友人とどういう付き合いをしてきたかがよくわかる。 まったく飾らない作風で、 流行に疎くノリの悪い人柄がいかにも作者らしいが、 ジワジワと漫画家への道が見えてくる展開にグッとくる。 何に対してもあまりに無気力で後ろ向…

  • ミッシング(2024年公開日本映画)

    作品情報: https://www.netflix.com/title/81720826 失踪した幼い娘の手がかりを探す夫婦と それを取材するテレビ関係者の話。 娘を失った大きな悲しみを背負う夫婦に 追い打ちをかけるいろいろな要素や 話題性を優先する報道関係者の都合が描かれており、 失踪事件の裏側をリアルに感じさせてくれる。 驚くような展開が用意されているわけではないので オチのようなものを期待すると肩透かしを食うが、 憔悴した母親を演じる石原さとみの 気も狂わんばかりの必死な様子は非常に見応えがあった。 事件の進展がないせいでストーリーはかなり薄いため、 生々しい人間臭さを味わいたい人向けの…

  • 海底47m 古代マヤの死の迷宮

    海底47m 古代マヤの死の迷宮(字幕版)ソフィー・ネリッセAmazon4人の女性が海底に沈む古代遺跡の中から 出られなくなってしまう話。 「海底47m」に続くシリーズ2作目となるが、 登場人物やストーリー上のつながりはまったくないので 完全な単体作品として観ることができる。 ケージに閉じ込められたまま海底に沈む前作に比べて 動き回れる範囲の広い遺跡だと閉塞感に欠けるかと思ったが、 いろいろと展開に工夫があって緊迫感が維持されている。 ただし、シチュエーションで怖がらせてくれた前作と違って 単なるサメ映画になってしまった印象はある。 また、冒頭で存在感を示したイジメっ子に 何も制裁が下されないま…

  • 本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む

    本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む~走れメロス・一房の葡萄・杜子春・本棚作者:かまど,みくのしん大和書房Amazonこれまでまともな読書経験がなかった男性が 短編小説を読みながら感じたことをその都度言葉にしたもの。 収録作品 ●走れメロス(太宰治) ●一房の葡萄(有島武郎) ●杜子春(芥川龍之介) ●本棚(雨穴) 著作権の影響なのか古い作品が多いが、 1、2行読むたびに感想が挿入される斬新な構成で、 各文章に対して何を思い、どう感じたかを 逐一書きまとめたレポートになっている。 読書に対して拒絶感を持っているのかと思ったが 単に経験がなくて不慣れというだけであり、 読み進めるたびに一…

  • マッシュル -MASHLE-<全18巻>

    マッシュル-MASHLE- 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:甲本一集英社Amazon 魔法が使えることが当たり前の世界に生まれた まったく魔法が使えない少年が 異常なほどに鍛えた肉体で危機を乗り越えていく話。 「ハリー・ポッター」シリーズを思わせる全寮制の魔法学校で 魔法能力の高さが評価に直結する中、 身体的能力でトラブルを打破していく展開が面白い。 バトル系の作品だが要所要所に間の抜けたやり取りがあり、 シュールなギャグマンガとしても楽しめる側面がある。 主人公があまりに強いせいで 勝つか負けるかというハラハラ感は弱いが、 どういう方法で状況を突破するのかの部分と 人柄のおかげ…

  • 隣の影

    隣の影(字幕版)ステインソウル・フロアル・ステインソウルソンAmazon庭の木を巡って隣同士で対立する老夫婦の話。 普通の老夫婦がちょっとしたことから険悪になり、 徐々にエスカレートしていくという設定は悪くないのだが、 妻に愛想を尽かされた息子やアパートの住民会議など まったくどうでもいいエピソードは余計でしかないし、 その割に誰の仕業か説明がないまま放置している要素もある。 心の底に隠れていたサイコパスな人間性が ジワジワと顔を出していくホラーかと期待したが、 90分に満たないのに長く感じるほどテンポが悪く、 中身の薄くて退屈な作品だった。

  • 雨の中に消えて<1963年公開映画版>

    雨の中に消えて吉永小百合Amazon同じ高校を卒業した3人の女性が いろいろな道を歩んでいく話。 選挙スタッフのアルバイトに挑戦する 主人公2人の淡い恋愛模様が微笑ましく、 互いの言動から垣間見える生き様が勇ましい。 しっかりと自分というものを持つ姿に 応援したくなる気持ちが湧いてくる。 また、同居する女性たちそれぞれの 複雑な心情が絡む恋愛事情も いいアクセントになっていて味わい深い。 女性同士が甘えたり頼ったりするのではなく、 サバサバして関係を築いているのがよかった。 若者たちの凛々しい姿が見れる青春ものの良作。 mclover.hateblo.jp

  • ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ

    ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディPaul GiamattiAmazon年末が近づき大半の者が帰省する全寮制の学校で、 実家に帰れない一部の生徒が堅物の教師と居残る話。 仲の悪い者同士が共同生活を送るという設定は悪くないのだが、 出てくるキャラクターに魅力が感じられなくて いつまで経っても面白くならないところが致命的。 どの登場人物の言動も自分勝手にしか思えず ほとんど感情移入することができなかった。 余計な場面を省いてもう少しテンポをよくすれば まだマシだったように思うが、 この内容で2時間10分を超えるのは退屈。

  • 青島くんはいじわる<全9話>

    青島くんはいじわる渡辺翔太Amazon30代半ばの女性が同じ会社の若い男性に 恋人を演じてもらったことをきっかけに 徐々に恋心を抱いていく話。 恋愛に関して諦め気味の主人公が社内で人気の若手社員から 積極的に言い寄られるというかなり都合のいい設定で、 初めての恋愛なのかと思うような反応を 女子高生ではなく30半ばの女性会社員でやっている印象。 また、男性の言動には意地悪さやあざとさが感じられないので タイトルと中身がイマイチ合っていないように思えるし、 通行人の女性まで騒ぎ出すほどの美形に見えないのも残念。 1話30分なのでテンポは割といいが、 モテモテの男性から迫られる優越感を味わうための作…

  • 落下の解剖学

    落下の解剖学(字幕/吹替)ザンドラ・ヒュラーAmazon雪に包まれた山小屋で 男性が転落死した原因を探るため、 彼の妻と息子がいろいろな証言をしていく話。 多くの時間が法廷の場面に割かれているが、 次々と新たな事実が明かされるというわけでもなく、 薄めの内容と変化のない映像が相当に退屈で これで2時間30分という長尺はかなりキツい。 さんざん引っ張った割に明確な真相が明かされない結末で、 それならそれでもっとテンポよくまとめて欲しかった。

  • 海底47m<2017年公開作品>

    海底47m(字幕版)クレア・ホルトAmazon旅行先でスキューバダイビングに挑戦した女性2人が サメから身を守るためのケージに閉じ込められたまま 水深47メートルの海底に落ちてしまう話。 設定は単純だがパニック映画としてはうまく作られており、 ハラハラする状況が次々と訪れて 緊迫感が維持されるよう工夫されている。 女性2人の金切り声は耳障りだが 考えられる限りの対処法を試してくれるので それほどストレスを感じずに観ていられた。 舞台となるシチュエーションは違うものの 「FALL / フォール」に似た面白さが味わえる作品だった。

  • あんのこと

    あんのこと河合優実Amazon劣悪な家庭環境のせいで 小学校すらまともに通えないまま 成人になってしまった女性が なんとか自立しようとする話。 子供の頃から売春を強いられてきた上に 薬物依存や自傷癖まである壮絶な生い立ちの主人公だが なんとかまともな人生を歩もうと 必死にもがく様子が痛々しくて目が離せない。 なんとか希望が見えてきたあたりで 何度も突き落とされる救いのない展開で、 「誰も知らない」や「岬の兄妹」同様の絶望感が漂う。 深刻な状況に直面したすることは誰にでもあるが、 知識や手段を持っていない弱者には 対処することすらできないという描写が強烈。 重いシチュエーションの連続なので相応の…

  • キラー・ナマケモノ

    キラー・ナマケモノリサ・アンバラバナールAmazon生徒会長選挙のための人気取りに必死な女子大生が 怪しい雰囲気のナマケモノを飼い始める話。 一番の特徴であるナマケモノが人形丸出しなのはともかく、 ホラー映画なのに肝心の殺害シーンが ダイジェストで飛ばされる構成がひどい。 似たような女性キャラが多過ぎて区別がつかないし、 どこで何をやっているのかが伝わってこない。 ただキャーキャー騒ぐばかりで何の工夫もなく、 バカ映画としても笑えるレベルに達していない。 ナマケモノという設定が活かされない ただデキの悪い映画だった。

  • サイレントラブ

    サイレントラブ山田涼介Amazon視力を失ったことで生きる気力を失った女性を 声の出せない男性が支えようとする話。 障害を持った者同士のラブストーリーだが、 登場人物の関係性がそれぞれ気持ち悪いし、 話の展開にもリアリティがなさすぎる。 性格の悪いキャラクターばかり出てくるし、 あまりに陳腐で見ていられない場面も多い。 いまどきマンガでもやらないような展開の連続で 涙よりため息ばかり出てくる駄作だった。

  • 悪いヤツほど出世する

    悪いヤツほど出世する (日本経済新聞出版)作者:ジェフリー・フェファー日経BPAmazon世間に広まった理想的なリーダー像やリーダー研修の内容が 実際に成果を上げている事例とズレていることを解説したもの。 かなりのページ数を割いた第1章は批判が中心なので 本としては第2章以降の方が勉強になるし面白い。 ただし、翻訳本特有の読みにくさがあり、 少しでも集中力が切れると内容が頭に入ってこなくなる。 さまざまな組織の事例をもとに リーダーに必要とされている資質と 実際に有能なリーダーとのズレに言及しており、 企業で働いた経験がある人なら納得できる部分が多い。 理論ではなく現実から逆算して考える流れで…

  • 島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん<2009年公開映画版>

    島田洋七の佐賀のがばいばあちゃん [DVD]島田洋七Amazonお笑いタレントの島田洋七が書いた自伝をもとにした映画で、 母から離れた祖母の家で育てられた少年の話。 2006年に公開された映画からわずか3年後に 島田洋七自身が監督や脚本を務めて作られたものだが、 冒頭で映る舌足らずで演技力のない少年や 優し過ぎて毒気の足りないばあちゃんの様子に いきなりクオリティの低さが伝わってくる。 2006年版の主人公には純粋さと愛らしさを感じたのに 本作はただ何も考えていない子供にしか見えないし、 重要な意味を持つ川にも情緒が感じられない。 芸人がたびたび登場するのも興醒めするばかり。 出演者の演技力、…

  • 死霊のえじき

    死霊のえじき<HDニューマスター版>(字幕版)ロリー・カーディルAmazonゾンビがあふれかえるようになった世界で わずかに生き残った者たちが ゾンビの研究をしながら生き延びる術を模索する話。 「ゾンビ」に続く3部作の3作目とされる作品だが ストーリーとしては独立しており、 いきなり本作を観ても特に問題はない。 ただし、いがみ合う複数の人物が一気に登場するため、 それぞれの立場や関係性が整理できるまでは混乱する。 ゾンビ映画ではあるものの、 極限状態で垣間見える人間の異常性がテーマになっており、 主義主張の違う者たちが衝突し合う様子がリアル。 いろいろな皮肉が込められた筋書きだが、 中でもクラ…

  • V/H/S シンドローム

    V/H/S シンドローム(字幕版)カルヴィン・リーダーAmazon迷惑行為を繰り返す男たちが不法侵入した家の中で 大量のビデオテープを発見する話。 山積みになったビデオテープが それぞれ独立したエピソードになっており、 異なる種類の恐怖が味わえるオムニバス形式。 調子よく騒いでいた若者たちが 唐突に恐ろしい事態に巻き込まれるのが斬新で、 うまく映像を飛ばすことで退屈な時間を省き、 スピード感を維持している構成もうまい。 ただ、冒頭に描かれる土台部分のエピソードは 単にビデオテープをデッキに入れるだけなので これなら各テープの内容を連続で流した方がよかった。 また、手ブレだらけのカメラ映像が2時…

  • オッペンハイマー

    オッペンハイマーCillian MurphyAmazon世界初の原子爆弾を開発した物理学者の話。 大部分が会話シーンとなる人間ドラマであり、 題材は原爆だが全体的に控えめな映像ばかり。 その上で核爆弾や第2次世界大戦に関する予備知識が必要なので 映画としては相当に玄人向けの味付け。 誰がどういう立場なのかという関係性もわかりにくく、 あまり説明がないまま 時間軸の異なる場面が次々と切り替わっていくので 長いストーリーを飛び飛びで見せられているような感覚になり、 それが3時間も続くのがかなり辛い。 いろいろな意味で大きな話題を呼び、 たくさんの受賞もしている作品だが、 全体的に地味であまり面白味…

  • 黒い十人の女<1961年公開映画版>

    黒い十人の女岸恵子Amazon9人もの女性と不倫関係になったことで 殺されそうになる男性の話。 冒頭から女性陣が一気に登場する上に 暗くて顔の区別もしにくいのでとにかく混乱する。 時系列も読み取りにくく、説明が少ないまま ダイジェストのように見せていく構成なので 話の流れがイマイチよくわからない。 リメイクされたテレビドラマ版は非常に楽しめたが、 オリジナル版は何が評価されているのかよくわからなかった。 【関連作品のレビュー】 黒い十人の女(2016年公開テレビドラマ版)

  • TSUYOSHI(ツヨシ) 誰も勝てない、アイツには<1~23巻>

    TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには(1) (サイコミ×裏少年サンデーコミックス)作者:丸山恭右,Zoo小学館Amazonコンビニで働くひ弱な青年に さまざまな格闘家が挑戦し、撃退されていく話。 目立たない主人公が実はズバ抜けて強いという 「ワンパンマン」あたりを連想させる設定で、 徐々に脇役の方が目立っていく流れも同様。 格闘家同士が闘う場面が頻繁にあり、 互いに繰り出される技も迫力を感じるが、 どちらかというと笑いのないギャグマンガという作風で、 リアリティのない世界観を真剣に描写するところが醍醐味。 太極拳が題材になっているマンガは割と珍しいが、 それ以外にもいろいろな武術が登場す…

  • ミッドナイト・ミートトレイン

    ミッドナイト・ミート・トレイン [DVD]ブラッドリー・クーパーAmazon売れないカメラマンが街でいろいろな写真を撮るうちに 深夜の地下鉄に人を襲う男がいることに気づく話。 激しいスプラッター描写があり、 序盤はまずまずの面白さを感じたが、 中盤以降は余計な設定に向けた展開が邪魔をして 急激に勢いが落ちてしまった。 都市に隠れた殺人鬼のホラーかと思いきや SFじみた世界観をベースにしており、 それが明らかになるにつれてつまらなくなるのが残念。 主人公の行動も納得しにくくて感情移入できない。 人気(ひとけ)の少ない最終電車を題材にしたのは悪くなかったが、 設定に凝り過ぎたせいで話がブレてしまっ…

  • ビートルジュース

    ビートルジュース (字幕版)アレック・ボールドウィンAmazon交通事故で死んでしまった夫婦が 慣れない幽霊の姿に戸惑いながら 自分たちの家に移り住んだ一家を追い出そうとする話。 肝心のビートルジュースの出番はそこまで多くなく、 かなり厄介者で毛嫌いされている点など 彼の立ち位置が独特な世界観なので混乱するが、 そのドタバタした雰囲気こそが醍醐味なので そのあたりが気にいるかどうかで評価が分かれる。 ただ、西川のりおによる吹き替えはかなりイマイチで、 俳優の動作にうまく合っていないどころか 世界観自体もねじ曲げてしまって邪魔でしかない。 また、たびたび起きる心霊現象が あまりにぶっ飛んでいて脈…

  • ステルス

    ステルス (字幕版)ウェントワース・ミラーAmazonテロ対策のための戦闘機チームに AIを搭載した無人機が加わる話。 自己進化するAIという設定はあまり珍しくないが、 中盤あたりからジワジワと予想外の展開を見せ、 話が進むほど目が離せなくなっていく。 戦闘機のドッグファイトばかりかと思いきや いろいろな危機をうまく織り交ぜていて 迫力ある映像とダイナミックなカメラワークで 常に緊迫感を味わわせてくれる。 AI搭載の戦闘機にばかり頼るのではなく、 多彩なエピソードをうまくまとめ上げた良作。

  • 何がジェーンに起ったか?

    何がジェーンに起ったか?(字幕版)ベティ・デイビスAmazonかつて大人気子役だった老婦と、 彼女にいびられながら生活する元女優の姉の話。 自宅の2階に軟禁された下半身不随の姉に ことあるごとに嫌がらせをする主人公も恐ろしいが、 いまだに子役時代の栄光が忘れられない様子を たびたび垣間見せるのも違った怖さを感じる。 限られた登場人物をうまく使いながら 閉鎖空間で行われる凶行を見せていく展開で、 ややスローペースに感じる部分もあるが、 1962年の作品ながら色褪せない面白さが味わえた。

  • 専門学校JK Ctrl+Z<全2巻>

    専門学校JK Ctrl+Z (1) (電撃コミックスNEXT)作者:ほっけ様KADOKAWAAmazon「専門学校JK」の続編で、 実在する代々木アニメーション学院を舞台に 専門学校生にありがちな言動を取り上げたもの。 前作の登場人物が引き継がれているものの 今作からいきなり読んでも本作の醍醐味は問題なく味わえる。 いずれにしても各キャラクターの特徴が把握しにくいため、 読んでいて誰が誰だか頻繁にわからなくなる。 前作と違って4コマ形式ではなく 数ページ区切りでエピソードを展開する形に変わり、 マンガとしてはかなり読みやすくなった。 デザイナーや声優志望の若者が題材になっているが、 クリエイテ…

  • 地面師たち<全7話>

    作品情報: https://www.netflix.com/title/81574118 偽の土地所有者を仕立てて 高額の不動産詐欺を行うグループの話。 不動産の売買にはさまざまな人間やルールが絡むものの、 そのあたりに詳しくない人でも 詐欺集団がいかに分業して計画を準備し、 狡猾に相手を騙していくかが非常によくわかる。 各人物を演じる俳優も実力派揃いで、 どの立場のキャラクターも存在感が素晴らしく、 騙す側と騙される側と利用される側の立ち回りが面白い。 次々と状況が変化する上にヒヤヒヤする緊迫感が続き、 全7話を一気に観てしまう強い魅力がある傑作。 【関連作品のレビュー】 ダイ・ハード(映画…

  • ニワトリ 愛を独り占めにした鳥

    ニワトリ 愛を独り占めにした鳥 (光文社新書)作者:遠藤 秀紀光文社Amazon世界中で家畜として利用されている鶏が いかに優秀なのかを解説したもの。 卵や肉を頻繁に口にするニワトリだが、 生産効率を上げるためにとことん改良されている話は面白く、 動物としては不自然であっても人間にとって都合がよければ その特性が重宝がられるという残酷で理にかなった解説が読める。 ただ、第2章以降はニワトリの起源や品種の話ばかりで 第1章のように好奇心が刺激される部分が少なく、 ページを進めるたびにどんどん勢いが落ちていくのが残念だった。 全5章構成のうち第1章さえ読めば十分だが、 家畜としてのニワトリの性能が…

  • 佐賀のがばいばあちゃん<2006年公開映画版>

    佐賀のがばいばあちゃん [DVD]吉行和子Amazonお笑いタレントの島田洋七の自伝をもとにした映画で、 母から離れた祖母の家で育てられた少年の話。 まだまだ幼いのに親元から離れて 慣れない土地で生活するのは辛かっただろうが、 その状況をウジウジと嘆く場面は少なく、 祖母のたくましい生き様に影響を受けながら 健やかに育っていく少年を微笑ましく観ることができる。 生活は貧しくとも図太く生きる祖母の言動は笑えるし、 独特な考え方に振り回されながら成長していく少年の姿にもグッとくる。 それを演じる子役がどれもうまくて感情移入しやすい。 優しさと思いやりを感じるやり取りが多く、 何事も前向きに考える大…

  • 燃ゆるとき

    燃ゆるとき中井貴一Amazonインスタントラーメンを作る日本のメーカーが アメリカでの業績立て直しに奮闘する話で、 「マルちゃん」ブランドの即席麺で有名な東洋水産の 実際のエピソードをベースにしたもの。 日本人が現地でがんばる姿は心に響くのだが、 どうにもマイナスな状況をゼロに戻すエピソードが多く、 イマイチ爽快感を感じる場面がないのが残念。 「フレーミングホット!」あたりと比べると 熱くなれる要素が圧倒的に少ない。 問題が大きくならないように努力する様子ではなく アメリカ市場で勝ち上がるストーリーを観たかった。

  • ディア・ハンター

    ディア・ハンター デジタル修復版(字幕版)ロバート・デ・ニーロAmazonベトナム戦争に出征した アメリカ人たちの変化を描いたもの。 全体で3時間を超える長編だが、 徴兵された男の変化がテーマになっているため 緊迫感のある戦地の描写は非常に短く、 大半はアメリカの田舎町が舞台となる。 その上、最初の1時間は地元でのバカ騒ぎばかりだし、 帰国後の場面もあまり見応えを感じるところがなく、 戦場でどんなことがあったのかが明確に語られないこともあって 消化不良でモヤモヤとした気持ちになる凡作だった。

  • 亀は意外と速く泳ぐ

    亀は意外と速く泳ぐ デラックス版 [DVD]上野樹里Amazon夫が単身赴任をしているせいで 亀を育てながらのびのびと過ごす女性が ある夫婦からスパイになるための指導を受ける話。 省いても問題がないような場面がひたすら続くが、 各人物の間抜けな空気がなぜか面白く、 コントでも観ているような気分になってくる。 シュール系というかナンセンス系というか 不条理な空気にあふれた独特の作風は人を選ぶので あまり意味のない緩いコメディと割り切って観れる人向け。

  • カモのネギには毒がある<1~8巻>

    カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)作者:甲斐谷忍,夏原武集英社Amazon弱者を騙す詐欺の加害者に接触し、 巧妙に金を巻き上げていく経済学者の話。 一般の人が搾取されてしまう身近なトラブルを題材に その手口や心理などがうまく解説されていて面白い。 犯罪者たちがあまりにあっけなく手玉に取られるので そのあたりのリアリティは低いが、 詐欺行為の仕組みや行動経済の理屈について勉強になる。 ひとつのエピソードがちょうどいいボリュームで完結するし、 ビジネスに関する知識や感覚を磨きながら 勧善懲悪の痛快さを味わうことができる良作。

  • 羊のうた<2002年公開実写映画版>

    羊のうた [DVD]小栗旬Amazon血を求めてしまう奇病に悩む姉弟の話。 吸血鬼として人を襲っていく話ではなく、 周囲の人間を傷つけてしまう怖さや 血への欲求に苦しめられる様子を描くのは斬新だが、 全体的に淡々とした雰囲気とスローな展開で 映画としては刺激が少なく退屈な印象。 マンガを原作とした作品なので 筋書きを変えるのは無理だとは思うが、 1時間50分に見合う中身がもう少し欲しかった。

  • ザ・タワー<2022年公開フランス映画>

    ザ・タワーアンジェレ・マックAmazonいろいろな住民が暮らす団地が 闇によって外の世界と断絶してしまう話。 集合住宅1棟がまるまる孤立しているという設定は面白いが、 それ以降は住民同士の単なる揉めごとばかりが描かれて サバイバルや謎解きの要素がほとんどないのは残念。 いきなり大きく時間が経過する構成も斬新だが、 太陽光すら差さない状況で 水や電気をどう調達しているのか説明が欲しかった。 せっかくのシチュエーションを活かさず ただダラダラと退屈な場面を見せられるだけの駄作。

  • 変身<2005年公開映画版>

    変身玉木宏Amazon大怪我を負ったせいで 脳に手術を受けた青年の話。 天真爛漫なヒロインは魅力的だが、 映画としてはあまりに話が薄過ぎて退屈。 たいした真相ではないのに妙にもったいぶるせいで 観ている側が先にオチに気づいてしまう。 ダラダラと長い時間をかけて 安っぽい人間ドラマを描くだけの駄作。

  • 父と暮せば

    父と暮せば宮沢りえAmazon第2次世界大戦の終結から3年後、 広島に落とされた原爆で死んだ父の亡霊と 交流を続ける娘を描いた話。 舞台での2人芝居をもとにした作品なので ほぼ全編が父と娘の会話劇になるが、 そのやり取りから近況の変化や 関係者の様子が伝わってくる見事な構成。 死んだ父が家の中に現れることを不思議とも思わず 生前と変わらないやり取りを続ける娘だが、 言葉の端々から不安や迷いを感じさせ、 それを父が叱咤激励する様子にグッとくる。 なんとか意味が推測できる広島の方言も味わい深い。 大勢の被害者を出した原爆の投下から 運良く生き残ったことに罪悪感を抱き、 幸せになることに抵抗する娘の…

  • ドリフト

    ドリフト柏原収史Amazon峠道のドリフトバトルで強敵を次々と倒しながら ある人物を探そうとする青年の話。 「頭文字D」のような公道レースものによくある筋書きで、 展開どころかセリフまでマンガのようなので 観ていて恥ずかしくなるようなやり取りが多い。 それでも実写のレースシーンに見応えがあればよかったが、 暗くて見にくい上に早送りや使い回しが多くて残念。 ストーリー面でも映像面でも 5年も前に公開された「ワイルド・スピード」に遠く及ばず、 特に見どころといえるものがなかった。

  • 光る海

    光る海吉永小百合Amazon同じ大学を卒業した男女のその後を描いたもの。 社会に出た若者の人間関係が 少しずつ変化していく様子を題材にしているが、 1963年当時の時代背景を知らないからか、 それほど面白さや共感を感じる部分がなかった。 また、我が強くて身勝手な主人公はどうにも感情移入しにくく、 吉永小百合の出演作の中でも満足度が低かった。 mclover.hateblo.jp

  • オールドマン

    オールドマンスティーヴン・ラングAmazonひとりで山小屋に住む老人と そこに訪れた青年の話。 山小屋の中だけで展開される会話劇で、 偏屈そうな老人が狂気じみた様子で語りかけ、 何をしてくるかわからなかった序盤は緊迫感があったが、 いつまで経ってもとりとめのない話題ばかりで 徐々に中だるみしてくる。 ラストで真相が明かされるタイプの話だが、 それまでの流れがあまりにも退屈だし、 思わせぶりな割にたいした結末ではないので 満足度はかなり低かった。

  • 黒い十人の女<2016年公開テレビドラマ版・全10話>

    黒い十人の女船越英一郎Amazon妻以外に9人もの愛人を持つ男性をめぐり、 いろいろな女性たちの思惑を描いたコメディ。 1人の男性を軸に大勢の女性が絡んでくるが、 それぞれが非常に個性的な上に 関係者が少しずつ増えていくよう工夫されているので 混乱しなくて済むのが素晴らしい。 不倫を題材にしているのにドロドロした雰囲気がなく、 各女性が絶妙にボケとツッコミの役目を果たしながら 次から次へと予想外の展開が訪れて笑いが止まらない。 特に水野美紀が演じるキャラクターが最高で、 本作を盛り上げる一番の功労者になっている。 毎回濃いエピソードばかりで退屈しないし、 どの登場人物も活き活きとしていて 最初…

  • ワタシが私を見つけるまで

    ワタシが私を見つけるまで(字幕版)ダコタ・ジョンソンAmazon恋人探しに苦労する女性たちの話。 序盤から複数の女性が一気に登場するので それぞれの状況を整理するのが大変だが、 そのあたりの区別がついたらついたで 好き勝手に生きているくせに 不満を持つ女性たちにイライラさせられる。 独り身の良さを明るく描くのかと思いきや 愛に飢えている登場人物ばかりだし、 むやみに下品なネタが多いのもわざとらしくて どうにも面白みが感じられなかった。

  • サマー・オブ・84

    サマー・オブ・84(字幕版)グラハム・バーシャーAmazon好奇心旺盛な4人の少年たちが 地元で起きている失踪事件の犯人探しをする話。 仲間同士で遊ぶ少年時代の楽しさは伝わってくるが、 終盤ギリギリまで展開される王道の筋書き部分は もう少し切り詰めてテンポよく描いて欲しいし、 最後の最後で急に後味の悪い方向に転換するなら 前半の「スタンド・バイ・ミー」のようなノリが長過ぎる。 わざわざ1980年代のアメリカを舞台にした割に 作品のウリとなるところが定まっておらず、 もっとどちらかに集中して欲しかった。

  • TITANE / チタン

    TITANE/チタン(字幕版)ヴァンサン・ランドンAmazon周囲の人間をたびたび殺害する女性が 正体を隠して逃亡する話。 あまり詳しい説明のないまま 序盤から独特の展開が繰り広げられ、 映像的な迫力は感じるものの 中盤を過ぎても話の方向性が一向に見えてこない。 頭に埋め込んだ金属のプレート、 殺人行為、車とのセックス、謎の妊娠、 それぞれが結局なんの意味があったのかがわからず、 最後まで意味不明なままだった。

  • 愛にイナズマ

    愛にイナズマ松岡茉優Amazon若手の映画監督として意欲を燃やしながらも 思うように作品を撮らせてもらえない女性が もがきながら生きていく様子を描いた話。 2時間20分という長い間ずっと 主人公の生きづらい世界を追体験させられるので ストレスを受け続けるばかり。 不愉快な人間がたくさん出てくるくせに 反撃する場面が全然ないのでイライラする。 笑えるわけでも痛快なわけでも怖がれるわけでもなく、 ただ世の中の嫌な部分を描いただけの作品。

  • 母と暮せば

    母と暮せば吉永小百合Amazon第2次世界大戦の終結から3年後、 長崎に落とされた原爆で死んだ息子が 家に現れたように思い返す母を描いた話。 悲しみに打ちひしがれる時期を過ぎた3年後という設定が絶妙で、 泣いたり喚いたりするわけではないのに 母や婚約者の心にぽっかりと空いた穴が ヒシヒシと伝わってくる空気感が素晴らしい。 死んだ息子のことをいつまでも想いながら 周囲を気遣う優しい老婦を演じる吉永小百合が素晴らしく、 ちょっとした言動から母の深い愛情を感じさせてくれる。 嫌な気持ちになる場面がほとんどなく、 戦争映画なのに心が温まる作風なのも新鮮。 随所に戦争の傷跡を感じさせながらも いろいろな…

  • ヘイトフル・エイト

    ヘイトフル・エイト(字幕版)サミュエル・L・ジャクソンAmazonさまざまな目的を持って 大吹雪の山小屋で顔を合わせた8人の話。 メインの8人だけでなく、画面に映らない者も含めて 多くの人物が話に挙がるので それぞれの名前や立場を整理するのがかなり大変。 中盤の急展開以降、どんどん勢いを増しながら それぞれのキャラクターの思惑が明らかになり、 各要素が絶妙に結びついていく筋書きは見応えがあったが、 3時間近くというボリュームはさすがに長すぎる印象。 前半を削ぎ落として2時間ぐらいにまとめれば もう少し見やすい作品になったように思う。

  • ゾンビ

    ゾンビ 米国劇場公開版 HDリマスター版 [Blu-ray]ケン・フォリーAmazonゾンビが街にあふれて人々が混乱する中、 市街地からの脱出を試みた4人が ショッピングモールに籠城する話。 「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」に続く ゾンビ3部作の2作目と呼ばれる作品だが ストーリーとしては独立しており、 いきなり本作を観ても特に問題はない。 世の中がゾンビに混乱している場面からいきなり始まるため 前置きが飛んでいるように感じる導入部だが、 ショッピングモールに舞台を移してからがメインとなり、 誰もいない大型施設で好き勝手にできるという状況と 将来が見えない不安が入り混じっている様子が醍醐味…

  • ふたりの人魚

    ふたりの人魚ジョウ・シュンAmazonさまざまな依頼をこなす運び屋の男性と 犯罪組織の娘との恋愛模様を描いた話。 導入部で描かれ始めた内容から いきなり話が飛ぶので少し混乱するが、 主軸となるラブストーリーはわかりやすく、 2人の主人公に感情移入しやすく仕上がっている。 ストーリー自体はそれほど凝ったものではないが、 語り部となる第三者の主観視点で映像が展開されるのは珍しい。 シンプルな話なのに構成が独特で 不思議な感覚が味わえる作品だった。

  • パパはゲーム実況者 ガッチマンの愉快で平穏な日々

    パパはゲーム実況者 ガッチマンの愉快で平穏な日々 (コミックエッセイ)作者:トラちんKADOKAWAAmazonゲームの実況を本業にしているガッチマンの 仕事内容や家族とのやり取りをマンガにしたもの。 最近は実況配信を行うVTuberも多いが、 ゲーム企業から仕事として請け負う場合の いろいろな苦労や裏話が読めるのは新鮮。 ただ、4コママンガ形式なので ひとつひとつのエピソードが小ぶりなのと 話が散漫として読みづらく感じる部分もあった。 ガッチマンを取材対象に妻が描いたマンガということもあり、 全体的にノリが内輪ウケっぽいところも気になる。 純粋にゲーム実況の仕事を知るための内容というより、 …

  • 鬼談百景

    鬼談百景岡山 天音Amazon日常の中で起きた心霊現象を10本集めた短編集。 特にオチもなく、なぜそういう現象が起きたのかという 説明がないまま終わるエピソードばかりだが、 1本が10分程度なので非常にテンポがよく、 ヒヤッとする恐怖感を連続して味わえるのがいい。 中でも、子供たちが墓場で遊ぶ 8話目の「続きをしよう」は痛々しい描写と 異様な雰囲気が加速していく展開でよかった。 【関連作品のレビュー】 残穢 -住んではいけない部屋-

  • 仕事と人生を激変させるなら99.9%アウトプットを先にしなさい

    仕事と人生を激変させるなら99.9%アウトプットを先にしなさい作者:金川 顕教SBクリエイティブAmazon仕事で評価され、充実した人生を送るために いかにアウトプットが大切かを解説したもの。 得た情報を知識として身につけたり 費やした時間や費用のリターンを得るために 常にアウトプットを意識することを推奨する内容。 本当にその話題だけに絞り、200ページをかけて 具体的な行動を起こすようにひたすら訴えてくる。 そのため、本としての中身はそれほど濃くないが、 書いてある内容はどれも納得できるものばかりだし、 読者のいろいろな言い訳を封じながら説得してくれるので 行動力が低い人が背中を押してもらう…

  • ナイアガラ

    ナイアガラ(字幕版)マリリン・モンローAmazon新婚旅行でナイアガラの滝にやってきた夫婦が 同じ宿に泊まる仲の悪い夫婦と出会う話。 愛人のいる女性の企みを軸にした話だが、 ミステリーとしてもサスペンスとしても薄っぺらく、 90分ほどの短編なのにダラダラした内容に思えた。 主人公は単に巻き込まれた一般人なので ただ災難に遭っただけでかわいそうな限り。 映画としては筋書きがあまりにも単純すぎるし、 かといってアクションやホラーとして 見応えがあるわけでもない。 1953年の作品なので仕方がないのかもしれないが、 あえて今見るような価値は感じなかった。

  • アルゼンチンババア

    アルゼンチンババア [DVD]役所広司Amazon母親の死去とともに失踪したと思ったら 変わり者の女性と同居していた父親を なんとか取り戻そうとする娘の話。 インパクトの強いタイトルで期待させるものの、 中身はそこまで奇抜な世界観でもないし、 話の方向性が見えてこなくて退屈するばかり。 肝心のアルゼンチンババアも小綺麗なビジュアルで とても家の外まで異臭が漂っているようには見えない。 文章なら1ページで終わりそうな内容を 薄く薄く伸ばして映像化したようなデキだった。

  • 東南角部屋二階の女

    東南角部屋二階の女西島秀俊Amazon父の残した借金の返済に悩む男性が ともに会社を辞めた後輩や 将来に不安を抱えるお見合い相手と 取り壊し寸前のアパートで生活し始める話。 全体的に淡々とした山場のない作品だが、 登場人物に不思議な魅力があって 微笑ましく見守ってしまう雰囲気がある。 ただ、最後までずっと盛り上がらないままで どうにも面白みを感じる場面がなく、 映画としてわざわざ観るほどの価値はなかった。

  • ナイト・オブ・ザ・リビングデッド

    ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(字幕版)デュアン・ジョーンズAmazon死体が歩き回って人を襲う事件が頻発する中、 ある家に逃げ込んだ者たちの話。 ホラー作品で広く使われているゾンビの概念を 広く周知させた金字塔といえる作品で、 登場人物もゾンビの知識がまったくないため 対処法も生態も何もわからないという設定が逆に新鮮。 ゾンビのモンスターとしての怖さというよりも 追い詰められた状況での人間ドラマがメインなので、 1968年公開ではあるものの そこまでの古さは感じずに楽しむことができる。 小心者で怖気付くばかりの男性や ショックを受けて何もできない女性など 見ていてイライラする場面も多いが、…

  • 浅草の灯(ひ) 踊子物語

    浅草の灯 踊子物語吉永小百合Amazon浅草でオペラを演じている劇団員たちの 人間ドラマを描いたもの。 何度も映画化・ドラマ化されている話のようだが、 テンポよく進行していくものの いろいろな説明が全体的に省かれ気味だし、 年齢差の大きな男女の恋愛感情に違和感を感じた。 当時の浅草の様子や文化的な背景を知らない身にとって イマイチ感情移入できず、面白さも理解できなかった。 mclover.hateblo.jp

  • エレベーター・ゲーム

    エレベーター・ゲームミーガン・ベストAmazonエレベーターに乗ってある順番で特定の階を行き来すると 心霊現象が起きるという噂をネタに、 YouTuberグループが実際に試してみる話。 ジャパニーズホラーのような設定で 映像的な迫力や怖さは十分なのだが、 エレベーター以外のシーンが退屈で辛い。 1時間半ほどの短編にも関わらず ダラダラした中だるみを感じるし、 登場人物に魅力や個性がなさすぎるのも残念。 設定と雰囲気に頼るばかりで早々に息切れしてしまい、 ラストまで勢いが持たなかった凡作。

  • キャンディ・ケイン・レーン

    キャンディ・ケイン・レーンエディ・マーフィAmazonクリスマスの時期に行われる 自宅の飾り付けコンテストの賞金を狙って 会社をリストラされた男性が奮闘する話。 コンテストで優勝するために クリスマスデコレーションが並ぶ奇妙な店で 怪しい契約を結ぶという流れは悪くないし、 小さな動く人形をはじめとする非日常な出来事を リアルに表現する映像も素晴らしい。 ただ、家族たちが積極的に探さなくても 金のリングの方から目の前に現れてくれる展開や 主人公のリストラや息子の成績不良といった設定に あまり意味がない点など、全体的に粗が目立つ。 導入部では今後を期待させるワクワク感があったが、 中盤あたりになる…

  • ロスト・フライト

    ロスト・フライトジェラルド・バトラーAmazon悪天候のせいで電気系統が故障した小型の旅客機が ゲリラが支配する無秩序な島に不時着する話。 武闘派の機長が乗客を守るというリアリティのない設定だが、 序盤から間を空けずに危機的状況が続き、 緊迫感を維持したまま一気に観れるのが素晴らしい。 バカな乗客が身勝手な行動をするような ストレスがたまる要素がないのも好印象。 大金を手に入れたとしてもあの状況で役立つのかとか、 ゲリラからあまり離れていないんじゃないかなど 微妙に腑に落ちない点が残るラストだったが、 パニック映画やアクション映画としては悪くない佳作だった。

  • あなたが寝てる間に…

    あなたが寝てる間に… (字幕版)サンドラ・ブロックAmazon密かに想いを寄せていた男性を事故から救ったものの、 彼が意識不明になっているうちに 家族に婚約者だと誤解されてしまう話。 男性の婚約者どころか面識すらないのに 言い出せないまま話を合わせてしまうという 無茶苦茶なストーリーではあるのだが、 主人公を含めて好感がモデル登場人物ばかりで 冒頭からグイグイと引き込まれてしまう。 秘密がバレないようドタバタしながらも 思いやりのある主人公の人の良さが伝わってくるし、 誰もが彼女に惹かれていく様子に観ている方まで幸せになる。 年齢問わずに楽しめるコメディタッチな雰囲気と サッパリとした軽めの恋…

  • 奈落のマイホーム

    奈落のマイホーム(字幕/吹替)チャ・スンウォンAmazon複数の家族が住むマンションが 一棟まるまる地面の下に沈み込んでしまう話。 地盤沈下によって地面に大きな穴が空き、 住宅街の真ん中でマンションが縦に沈んでいく映像は 非常にインパクトがあって目を引くのだが、 嫌なキャラクターの登場人物ばかりで 観ていてイライラさせられるのが辛い。 人間関係のドタバタに冒頭30分も費やしているのに 各住民の位置関係や人数がハッキリしないのも残念。 事故が起きた後、主人公たちが どこで何をしているのかがよくわからない。 映像のクオリティや設定は悪くないのに 妙なコメディタッチの作風が邪魔をして 純粋に楽しむこ…

  • 寝ずの番

    寝ずの番中井貴一Amazon重鎮として知られた落語家の死去に伴い、 世話になった弟子たちが思い出話に花を咲かせるコメディ。 全編にわたって下ネタのオンパレードだが、 生前の師匠の言動に苦労させられた弟子たちが それでも慕っている様子が伝わってきて微笑ましい。 人が死ぬ場面をこれほど明るい雰囲気で楽しめる作風は貴重だが、 後半になると急に失速してしまい、 笑いの勢いも話の見応えも落ちるのが残念だった。

  • SNS 少女たちの10日間

    SNS-少女たちの10日間-(字幕版)テレザ・チェジュカーAmazon3人の女性が12歳の子供のふりをして メッセージを送ってくる見知らぬ男性と 交流する実験を記録したドキュメンタリー。 スタジオ内に子供部屋を再現し、 親に隠れてSNSを使う少女たちを演じるが、 親以上に歳が離れているにもかかわらず 次々とメッセージが届く様子と その過激で身勝手な内容に驚かされる。 加害者の手口や目的はほぼ共通しており、 SNS上でこういう行動を繰り返す男性たちが ゴロゴロといる現実は衝撃的。 ドキュメンタリーとしても見応えがあり、 子供にスマホやSNSを使わせるなら その危険な側面を実感させる意味で 本作を…

  • 屋根裏のラジャー

    屋根裏のラジャー [Blu-ray]寺田心Amazon寂しさを紛らわせるために子供が生み出した想像上の少年が 妙な男に付け狙われる話。 寂しさを感じている少女ではなく 想像力によって生み出された側を主人公にしているのが斬新で、 いろいろな子供が空想したイマジナリーフレンドたちが 独自のコミュニティを形成しているという設定も面白く、 本作特有の個性的な世界観を生み出している。 子供の想像力をそのまま再現したような映像は素晴らしく、 破綻するギリギリでストーリーが成立しているのもスゴイ。 世界観が暴走したようなめちゃくちゃなクライマックスなのに その向こう側にある子供心が伝わってきて感動させられた…

  • 僕の町はお風呂が熱くて埋蔵金が出てラーメンが美味い。

    映画 僕の町はお風呂が熱くて埋蔵金が出てラーメンが美味い。酒井大地Amazon過疎化が進む富山県の田舎町を舞台に、 3人の高校生が地元を救おうと活動する話。 無名な出演者ばかりだし、演技もたいしたことはないが、 田舎に住む高校生らしい日常の雰囲気や 地方創生を題材にした筋書きは割とよくできていて、 地域に密着したミニ映画としては悪くない内容。 コメディタッチで描かれた初々しい青春時代と スッキリした後味が楽しめる佳作。

  • 青春18×2 君へと続く道

    作品情報: https://www.netflix.com/title/81780831 36歳になった台湾の青年が日本で一人旅をしながら 日本人旅行者に恋心を抱いた18歳の頃を思い返す話。 台湾で話題になったエッセイの映像化ということだが、 映画としては非常に王道な筋書きに見えるし、 主人公の青年にもあまり魅力を感じない。 字幕と日本語音声が混ざって 観るのが面倒なだけの恋愛ものという印象。 実際の体験を書き留めたエッセイなら 「ドラマチックな現実」に感じられたかもしれないが、 映画になると「いかにもドラマっぽいドラマ」になってしまい、 ありがちなストーリーの凡作としか思えなかった。 【関連…

  • ボーはおそれている

    ボーはおそれているホアキン・フェニックスAmazonいろいろなことをネガティブに考えてしまい、 常に不安感に悩まされている中年男性の話。 強迫性障害の心境を映像化したような内容で、 非現実的なトラブルが次々と訪れて 展開がまったく読めない怖さと驚きに引き込まれる。 ただ、中盤から急にテンポが悪くなる上に 意味不明なだけで面白さにつながっていないため、 徐々に退屈に感じてくるのが残念。 意味もオチも伝わってこない脈略のなさで 3時間という長さなのはさすがに厳しかった。 意味ありげなモチーフを匂わせるだけで どうにも作り手の空回りに感じる作品。

  • SPY×FAMILY CODE:White

    劇場版 SPY×FAMILY CODE: White江口拓也Amazon全37話で構成されたテレビアニメ版の続編で、 ある菓子について調べるための家族旅行で いろいろなトラブルに巻き込まれてしまう話。 これまでの内容を観ていないと 理解しにくい設定や人間関係が多いため、 あくまでファン向けの劇場版だと思われるが、 だとすると冒頭の紹介シーンは時間の無駄だし、 ストーリーとしても中身が薄すぎて退屈。 子供向けにアレンジされた幼稚な場面も多いし、 アクションシーンの見せ方も単調。 ストーリー的な進展もないため、 これまでのノリが好きな人は見ない方が賢明だろう。 【関連作品のレビュー】 SPY×FA…

  • ダーウィンの悪夢

    ダーウィンの悪夢 [DVD]Amazon生態系を破壊した巨大魚のおかげで ギリギリの生活が維持できている東アフリカを舞台に 住民の貧困問題や経済状況を特集したドキュメンタリー。 他国に輸出される魚の加工業を発端に 映し出される範囲をジワジワと広げていって 国全体の問題に焦点を当てていく構成がうまい。 現地で暮らす人の様子やインタビューを通して 彼らの過ごす毎日がどういうものかが読み取れ、 衛生面や健康面、教育や経済の状況が 劣悪であることが伝わってくる。 みんながどうにかしたいと思っているのに どうにもできない環境が見ていて心苦しいが、 途上国のリアルな生活を垣間見れる作品。

  • WXIII(ウェイステッドサーティーン) 機動警察パトレイバー

    WXⅢ 機動警察パトレイバー綿引勝彦Amazon東京湾周辺の不審なレイバー襲撃事件を発端に、 違法に生み出された巨大生物の存在が明らかになる話。 シリーズの映画作品としては3作目となるが、 初期OVA系列からもテレビアニメ系列からも独立しており、 事件を捜査する2人の刑事を主人公にしたスピンオフ的な内容。 特車2課の面々もわずかしか登場しないため 過去作品のようなノリやバトルを期待すると肩透かしを喰らうが、 怪物の正体を徐々に突き止めていくパニック映画として観れば 大人向けのシリアスなタッチに仕上がっていて見応えがある。 パトレイバーの世界観を舞台にした単体作品として これまでのシリーズとは切…

  • ロードハウス / 孤独の街<1989年公開版>

    ロードハウス/孤独の街 [DVD]パトリック・スウェイジAmazon道路沿いのバーに用心棒として雇われた男が 次々とやってくるガラの悪い連中から店を守る話。 コーヒーを飲みながら店内をじっと見張り、揉め事があると サッと出ていって場を納める様子は見ていてホレボレするし、 彼の存在が周囲に認められていくとともに 店の評判も上がっていく展開が気持ちいい。 わかりやすい勧善懲悪の筋書きで 爽快感と悔しさを何度も行き来しながら 溜まりに溜まったフラストレーションを 最後に綺麗に昇華させてくれる良作。 【関連作品のレビュー】 ロードハウス / 孤独の街(2024年公開版)

  • ドクの贈物<上巻>

    ドクの贈物 上 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者:DODOTAN集英社Amazon美術の才能にあふれる高校生が ある悪行のせいで同級生に支配されていく話。 精神的に追い詰められたことで罪を犯してしまい、 それをネタにズルズルと脅迫される展開で、 主人公の選択が悪手ばかりなのは気になるが どんどん悪化していく状況に目が離せなくなる。 主要人物それぞれに狡猾な部分があり、 それらが大胆に衝突するところが見どころ。 居心地の悪さがずっと続く怪作。

  • フォーリング・ダウン

    フォーリング・ダウン (字幕版)マイケル・ダグラスAmazonすぐにカッとなる男が いろいろな被害を出しながら家へ向かう話。 物事が思い通りにいかないとすぐに癇癪を起こして 感情のままに暴れまくるめちゃくちゃな主人公だが、 彼が腹を立てる内容に共感してしまうのも皮肉が効いている。 被害を起こすたびに武装が充実していくのも斬新で、 倫理観を失ったまま市街地を突き進んでいくのが恐ろしい。 シンプルな筋書きなのにスピード感と迫力が保たれて 退屈せずに最後まで楽しませてくれる良作。

  • 夜明けのすべて

    夜明けのすべて Blu-ray(通常版)松村北斗Amazon生理が近づくと精神的に不安定になるPMSを患う女性が 同僚の男性と衝突しながら仲を深めていく話。 PMSのせいで周囲にイライラをぶつける様子は 見ていて気持ちのいいものではないが、 ドライな対応の同僚男性とのやり取りが微笑ましく、 淡々とした雰囲気の中に笑いを感じるのが不思議。 ただ、2人が仲良くなってからは急に退屈になり、 中盤からラストまで何も盛り上がらないまま終わってしまった。 職場の人たちが優しくて居心地は悪くないのだが、 映画としてはもう少し刺激を感じる部分が欲しかった。

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