中西嘉宏「ミャンマー現代史」を読む3 スーチー政権は、大統領資格がないスーチーを国家顧問にする法案からスタートした。しかし、これは軍部を刺激した。憲法改正に拒否権をもつ軍部の権限がなくなってしまう。この法案を指揮していたコーニーが空港で撃たれる。続いて軍人の利権ポストであった閣僚ポストを大幅に削減した。 スーチー政権が目指したものは三つ。①少数民族武装勢力との和平、②民主的なものとする憲法改正、③国民の生活改善を目指す経済開発であります。 そして大前提として、非暴力による民主化推進なので、力の論理がものを言う軍部とは根本から対立しています。 その状況下で起きたのが2017年8月のロヒンギャ危機…