草野友子「墨子」を読む 非攻。墨子は侵略戦争を大量殺人と位置付け、なぜこれが不義でないのかと主張します。そして実際に戦闘集団を組織して、大国から攻撃を受けている弱小国の救援にあたるのです。実際にどのようにして城を守ればよいのか、その具体的な方法が書かれています。 墨子は職人出身であると言われていますが、概して貴族に批判的な論調が目立ちます。その例が厚葬久喪と音楽。長い期間喪に服することを批判しています。今日本ではコロナ禍以来家族葬が増えていますが、まるでその時代を見通していたかのようですね。音楽についても、それがどうして民の利益に繋がるのかと批判的です。貴族が音楽に親しむ様子とその影で人々が生…