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  • オヤジのあくび695

    武田幸男、宮嶋博史、馬渕貞利「朝鮮」を読む 1993年、今から30年以上前に書かれた本でありますが、古臭さをあまり感じないのは歴史書の強みでしょうか。 中国史の登場人物は、もちろん漢字で名前が表記されているのですが、その発音は日本の音読みです。例えば毛沢東は日本の読み方ではモウタクトウですが、現在の中国の発音ではありません。音読みは時代と共に変化しているからです。さてこの本も人の名前が漢字で表記されていますが、横に振ってあるルビは朝鮮語の発音で、日本語の音読みではありません。原則としては現地で呼ばれているように発音はするべきだと私は考えています。 朝鮮も日本と同様で国が成立する以前のことが神話…

  • オヤジのあくび694

    半藤一利「墨子よみがえる」を読む 漢籍にある程度通じていることが、教養人としての嗜みであった時代があったし、今もその伝統は続いているはず。本書前半では、漱石門下の墨子に対する見識の浅さを冷かしている。著者は漱石の遠い縁者なので、この程度の暴走は許されると思っているのでしょうか。 前回の拙稿683で、墨子の説く「鬼神」がわかりづらいと書いてます。悪行を働くと鬼神がそれを罰する。墨子は鬼神に出会った王の具体例を挙げている。一例目は無実の罪で家臣杜伯を殺した宣王。狩りで朱の服を身に纏い、朱の弓、朱の矢をつがえた杜白が現れるとその矢が宣王の胸を射抜き絶命してしまう。二例目は朝廷で政務をとっている王の傍…

  • オヤジのあくび693

    青野太潮「パウロ 十字架の使徒」を読む2 十字架。ロザリオの先端に、クリスマスツリーに、そしてもちろん教会で私たちは十字架を見ている。本書の副題、十字架の使徒とは何か? 「殺害されたままの状態のキリスト」こそが、同時に「神の栄光」の体現者である。この逆説は、もろくて弱い土の器である私たちの身体も、十字架にはりつけられたまま殺害されているのと同じなのだとパウロは伝えたいらしい。言うまでもなく十字架刑は極めて残忍な処刑法です。思わず目を背けたくなるような状態のイエスから目を逸らさずに、しっかり心にとどめ置くこと。 続けて「イエスは十字架にかかって、私たちの罪のために死んでくださった」という記述は、…

  • オヤジのあくび692

    青野太潮「パウロ 十字架の使徒」を読む1 キリストが教えを説いていた頃、パウロはこの新しい教えを迫害する側にいた。モーゼの十戒を元に律法を遵守するユダヤ教とキリストの教えは相容れなかったのです。 そのパウロ(=サウロ)が次の日ような体験をしたと使徒行伝には書かれている。 ・・旅の途中でダマスカスに近づいたとき、突然、天からの光が彼の周囲を照らしました。彼は地面に倒れ、声が彼にこう言うのを聞きました。「サウロ、サウロ、なぜ私を迫害するのか。」 「主よ、あなたはどなたですか?」サウルは尋ねました。 「私はあなたが迫害しているイエスです」と彼は答えました。「今、立ち上がって町に行きなさい。そうすれば…

  • オヤジのあくび691

    杉崎泰一郎「修道院の歴史」を読む2 最初の修道士は250年頃にエジプトで生まれたアントニオスです。彼は隠遁生活を送りながら修行を続け、人々へ病気の治療や説教を行いました。まだキリスト教が迫害を受けていた時代のことでした。始めは単独だったのです。 290年生まれのパコミオスが他の修道士と共同生活を始めると、エジプトのナイル河畔に修道院ができます。バシレイオスによって共住生活の体系的な規則が決められる。 これらの東方型の修道院が西方=ヨーロッパ型へと形を変えていくわけです。 話はジャンプして前回の続き、フランク王国で皇帝の文化振興政策の一翼を担った修道院は、やがて領主たちの寄進を受けて巨大化してい…

  • オヤジのあくび690

    杉崎泰一郎「修道院の歴史」を読む1 有名なミュージカル「サウンド オブ ミュージック」や「天使にラブソングを」には、修道女が登場する。そして修道院の厳しい戒律に馴染まない女性や身を隠すためにやってきた女性が主人公なのだ。 そもそも厳しい戒律とは、何なのか。ど素人の私はそこから読み始めなければなりません。本書第二章に、現在まで伝わるスタンダードと言ってよさそうなベネディクトの戒律が紹介されています。暖衣飽食の生活を満喫している今の日本人からすると、かなり禁欲的で、全てに節制が求められる生活がイメージされます。仏教でも修行中の僧侶が欲を断ち切り節制した生活を送ることに似ています。仏教はお釈迦様の修…

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