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桃猫の『ものがたり』日記 https://ameblo.jp/taomao-story/

むかしむかし、森の奥にちいさな本屋さんがありました。 おみせの名前は「桃猫-Tào Máo-」。 桃の猫妖精が、おはなしと夢を届けます。 日々の生活やお仕事に疲れたあなたに、ささやかな癒しを。

桃猫-Tào Máo-
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2025/05/02

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  • ―苔の上のイモリ― ※イモリ写真あります

     ぬれた岩の影から、黒く光る小さな体がのそりと現れた。イモリだ。私は枝にとまり、しばし見守る。静かな呼吸のように、彼は苔の上を進んでいく。派手さのない動きにこ…

  • ミュミュのおくりもの

     今日は、涙ぐんだお客さまがいらっしゃいました。何も言えずにいたその足元に、ミュミュが忘れな草の花をそっと置いていきました。ぴょん、と跳ねて去っていく後ろ姿に…

  • ―ひなたのハリネズミ―

     木洩れ日の下、ふくらんだ落ち葉の山が小さく揺れていた。ハリネズミだ。私はすぐそばの枝にとまって、静かに羽根をひとふり。彼は気づいていたようだが、まどろみを妨…

  • 雨粒の音を読みとる

    く  午後になって、空がしずかに泣き出しました。屋根を叩く雨粒の音は、ぽつぽつとリズムを持っていて、まるで、どこか遠くの国の詩を読んでいるみたい。観葉植物たち…

  • ―旋律の共鳴―

     古い楽譜の匂いは、春の朝露に似ている。そのページを開いた瞬間、“鳴け”とでも命じられたかのように、私の声が出た。「ルルリリ、ルルル」――旋律は、紙の中にだけ…

  • 鳴きまねをする本

      古い楽譜集のページから、誰かの手書きの文字が浮かびました。「春の朝、うぐいすの声で始まる旋律」と。開いた瞬間、うたちゃんがその通りに鳴きました。 まるで、…

  • ―のそのそとカメ―

     小川のほとり、ぬるりと甲羅が動いた。カメがゆっくり歩いている。私は頭上を飛びながら、彼の速度に合わせて羽ばたきを緩めた。急ぐ必要のない者たちも、森の一部であ…

  • 森のドレッサー

      お昼前、鏡の前でスカーフを結ぼうとして、何度もやり直してしまいました。うまく結べない朝は、どうしてか気持ちまでぐずぐずになりがち。ふと窓の外を見ると、山桜…

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