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2025年6月
怪談 ~寿命~ カウンター席しかないバーでオカルトが好きな常連客の3人がインテリジェンスデザインの真偽について話をしていたが、議論が尽きたのか、みな次第に口数が少なくなってきた。そんな時、常連客の一人、40代くらいで身なりの良いスーツ姿、皆から”先生”と呼ばれる男が、知り合いの男性から不思議な力の話を聞いた、と話を始めた。 その男性の名前は宮下といいます。彼には、人の寿命の残り日数が見えるという不思議な力がありました。相手の顔をじっと見つめると、頭の中に数字が浮かんでくるのです。それが、その人の命が尽きるまでの日数でした。幼い頃、宮下さんはその数字の意味を理解していませんでした。しかし、数字の…
怪談 ~再生~ 熱気を孕んだ八月の風が窓から吹き込み、一翔の部屋に散らばる漫画雑誌のページをめくった。高校の夏休み、同級生の一翔、勝、壮真、そして守は、惰性のように一翔の家に集まっていた。蝉時雨が容赦なく降り注ぐ昼下がり、どこか倦怠感を覚える時間を破ったのは、勝の一言だった。「なあ、夜になったらさ、肝試し行かない?」その提案に、一翔と壮真の目が光る。勝はニヤリと笑い、皆の視線が守に集まった。守は、普段から物静かで、刺激を求めるようなタイプではなかった。「肝試し…どこに?」一翔が尋ねた。勝は少し声を潜めた。「この町の外れにあるだろ? あの刑場跡地。」その言葉に、部屋の空気が一瞬にして冷えた気がし…
2025年6月
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