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2024/04/09

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  • 216冊目『古代ギリシア哲学講義 生きるヒントを求めて』三嶋輝夫

    古代ギリシア哲学講義 生きるヒントを求めて (ちくま学芸文庫 ミー31-1) [ 三嶋 輝夫 ]価格: 1760 円楽天で詳細を見る 個人的評価★★★☆☆ 恐れてみっとて人間の身に、何をどうすることができましょう。人間には、運命の支配がすべて。先のことなど何一つ、はっきり見とおせるものではありません。 オイディプスとイオカステ(オイディプスの妻兼母)のやりとり P43 ソクラテス(やプラトン)の思想を中心に、古代ギリシアの個人と社会の関係や、法、正義、徳など様々な主題についての考え方を講義していく感じの本 古代ギリシア・ローマは割と現代に近い考え方をしている点も多いので、「人間の考えや行動は2…

  • 215冊目『専門医がやっている「がん」にならない50の習慣』佐藤典宏

    専門医がやっている「がん」にならない50の習慣 (SB新書) [ 佐藤典宏 ]価格: 1045 円楽天で詳細を見る がん専門医(がん治療認定医)の先生が書いた本 書店で見かけて、また胡散臭い内容の本(がん治療関係は、お医者さんが書いていたとしても胡散臭い本も多い)かな~と思いつつチェックしたら、youtubeで割とエビデンスベースで食事などのがん情報を発信している先生だったので購入 (治療中ちょくちょくですが動画参考にしてました) まあ僕の場合は既にがんになってるんだから予防法の本読んで意味あるの?とか言われそうだけれど 予防に意味あるんなら治療や再発防止にも意味あるやろ! の精神で予防法の本…

  • 214冊目『1417年、その一冊がすべてを変えた』スティーヴン・グリーンブラッド

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  • 213冊目『硬くて柔らかい「複雑系」骨のふしぎ』 石井優

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  • 212冊目『伝説とカフェラテ: 傭兵、珈琲店を開く 』トラヴィス・バルドリー

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  • 211冊目『あした死ぬ幸福の王子 ストーリーで学ぶ「ハイデガー哲学」』飲茶

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  • 210冊目『「ここは任せて先に行け!」をしたい死にたがりの望まぬ宇宙下克上(4)』のらしろ【ライトノベル】

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  • 209冊目『オリガ・モリソヴナの反語法』米原万里

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  • 208冊目『過去への旅:チェス奇譚』シュテファン・ツヴァイク

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  • 207冊目『『金剛般若経』全講義』岡野守也

    『金剛般若経』全講義 作者:岡野 守也 大法輪閣 Amazon 個人的評価★★★★☆ 空の思想(というかナーガールジュナ)に興味を持って金剛般若経読み始めたけれど、良く分からんな・・・なんか解説本みたいな本無いかなあ と検索して見つけて購入した本✨ コスモロジー(宇宙と一体という思想)というか、オカルティズムちっくというか、曹洞宗(禅)という感じもある不思議な感じの本 物凄く大雑把にいうと、全てが宇宙と一体=空という感じの説明をしている本 まあ、ナーガールジュナ(というか大乗仏教)も神秘主義的な雰囲気あるし、やはりそういう感じなのか!?という印象 空の思想を、『空』ということばを使わず論じてい…

  • 204~206冊目『ローマ人の物語29~31巻 終わりの始まり(上・中・下)』塩野七生

    ローマ人の物語 (29) 終わりの始まり(上) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon 『わたしは、すべてをやった。元老院議員でもあった。弁護士もやった・、執政官も務めた。大隊長もやった。将軍でもあった。そして、皇帝もやったのだ。つまりは国家の要職はすべて経験し、しかも十分に勤めあげたという自身ならばある。 だが、今になってみると、そのすべてが無駄であったようだ』 ローマ人の物語シリーズ第29巻~31巻は、五賢帝最後の一人であり、賢人皇帝(哲人皇帝)として名高い『マルクス・アウレリウス・アントニヌス』の治世から、コモンドゥス→(内乱)→セヴェルスの治世までの話 ストア哲学への理…

  • 203冊目『インドの死生哲学 「死とはなにか」』宮本啓一

    インド哲学教室1 インドの死生哲学:「死」とはなにか (インド哲学教室 1) 作者:宮元 啓一 花伝社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 著者と、元ゼミ生の少人数での気楽なゼミ形式での雑談の形をとってインドの輪廻への考え方を説明していく本 考えを教えるというよりは、自分で考える視点を与えていく形式をとった本なので、面白いには面白いんだけれど、ゼミっぽい形式で記述していることもあって話のまとまりがあんまりないような感じになっている印象があり残念(結局なんだったのか良く分からない本になっている印象) そういえば『シャングリラ』はミルトンの失楽園が元ネタ(エデンの園をシャングリラと言い換えた)だと…

  • 202冊目『座右のラテン語』ラテン語さん、ヤマザキマリ

    座右のラテン語 人生に効く珠玉の名句65 (SB新書) 作者:ヤマザキ マリ,ラテン語さん SBクリエイティブ Amazon 個人的評価★★★☆☆ 『世界はラテン語でできている』の著者ラテン語さんの新作と聞いて購入! ursusvirtus.hatenablog.com 『座右のラテン語』のタイトル通り、ラテン語の格言とその解説がラテン語さんとヤマザキマリさん(テルマエ・ロマエの作者)の対談形式で(本人たちの経歴や考え方なども含めた雑談をしながら)展開されていく感じ 面白かったけれど、格言よりも対談者たちが前面に出て来ていて、お2人自身にはそこまで興味ない身としては普通だったかな? 逆にヤマザ…

  • 201冊目『西洋音楽史 クラシックの黄昏』岡田暁生

    西洋音楽史: 「クラシック」の黄昏 (中公新書 1816) 作者:岡田 暁生 中央公論新社 Amazon 個人的評価★★★★★ 西洋音楽史の本を探しているときに、帯の『聴かずにわかるクラシック』の文字に惹かれて購入(笑 とはいえ今回西洋音楽史の本を探していた理由は、音楽の歴史追いながら書籍の中で言及された曲がyoutubeとかにあるなら聴きながら読書してみたいという欲求にあったので、ある程度はクラシックを聴きながら読みました 本書は、西洋音楽の起こり(中世音楽)から、現代音楽までを通史的に書いています。 各時代での音楽への考え方、和音や対位法、音楽技術などある程度分かりやすく書いてくれていてと…

  • 198~200冊目『ローマ人の物語26~28巻 賢帝の世紀(下)、すべての道はローマに通ず(上・下)』塩野七生

    ローマ人の物語 (26) 賢帝の世紀(下) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon ローマ人の物語 (27) すべての道はローマに通ず(上) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon ローマ人の物語 (28) すべての道はローマに通ず(下) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon 休日にローマ人の物語シリーズの26巻~28巻まで一気読み! 26巻『賢帝の世紀(下)』は、皇帝ハドリアヌスの治世の後半~アントニヌス・ピウスの治世まで。 5賢帝時代がテーマだから、賢人皇帝と名高いマルクス・アウレリウス・アントニヌスまでかなと思ったらアントニヌスまでで、塩…

  • 197冊目『西洋文学にみる魔術の系譜』田中千惠子編

    西洋文学にみる魔術の系譜 作者:田中千惠子 小鳥遊書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ 古代~中世、近現代(ユングあたりまで)の文学作品や書籍を巡りながら西洋での魔術の変遷を見ていく感じのオムニバス本 論文ぽいのもあればエッセイぽいのもある✨ 個人的には面白かったんだけれど、どうしても寄稿する人によって面白さ(自分との相性)に違いがあって、読みにくいものと面白いものが混在してしまう印象 まあそれもオムニバス本読むときの面白みではあるんだけれど、テーマのニッチさも相俟って、人によって好みは分かれそう あとは、アレイスタークロウリーをほぼ扱わないの意外だった この人、本人の作品以外にもいろんな…

  • 196冊目『平等について、いま話したいこと』マイケル・サンデル、トマ・ピケティ

    平等について、いま話したいこと 作者:トマ ピケティ,マイケル サンデル 早川書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ 『これからの正義の話をしよう』のマイケル・サンデルと、『21世紀の資本』のトマ・ピケティの対談集 サンデルの、ソクラテス的な問いかけに対してサンデルは歴史的経緯や世界の現状をみながら、『いま、なにをすべきか』を語っていく感じ。 大半はピケティの回答や問いかけが占めている(個人的には、サンデルがピケティの勢いに押されているようにみえた) このあたりは、政治哲学者と経済学者の視点や目的とするところの違いがあると思う。 サンデルの関心は多かれ少なかれ『(現象や言葉が)人にとって何を…

  • 195冊目『すべての、白いものたちの』ハン・ガン

    すべての、白いものたちの (河出文庫) 作者:ハン・ガン 河出書房新社 Amazon ある記憶は決して、時間によって損なわれることがない。苦痛もそうだ。苦痛がすべてを染め上げて何もかも損なってしまうというのは、ほんとうではない。 個人的評価★★★★☆ 去年のノーベル文学賞作家ハン・ガンのエッセイ?のような物語 ワルシャワを舞台に、ハン・ガンの姉(出生後まもなく死亡)のあり得た生と重なりあいながら、白いものをめぐる物語が紡がれていく。 韓国の作家の作品は初めて読むけれど、とても面白かった! 全体的にもの哀しい雰囲気が通底しているのはハン・ガンの特徴なのか、この作品の特徴なのか、はたまた韓国文学の…

  • 194冊目『ローマ人の物語25 賢帝の世紀(中)』塩野七生

    ローマ人の物語 (25) 賢帝の世紀(中) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon 統治者としてのハドリアヌスは、新しく法制化したり制度化したりする必要に迫られないかぎり、そのようなことを強いてすることはないと考えていた。 原題の研究者の一人はこのハドリアヌスに、『機能と効率の信奉者』という評価を贈っている。P74~ ローマ人の物語シリーズの第25巻(賢帝の世紀(中)は、いわゆる五賢帝の一人、ハドリアヌスの治世が対象 読んでいると、ハドリアヌスは、治世の大半を帝国各地への巡幸+各地域の制度設計を行い、帝国の機能を完成させたという印象がある。 ローマ帝国は郵便制度も整っていたので…

  • 193冊目『ローマ人の物語24 賢帝の世紀(上)』塩野七生

    ローマ人の物語 (24) 賢帝の世紀(上) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon 個人的評価★★★★☆ ローマ人の物語シリーズの第24巻目は、いわゆる5賢帝の2人目『トライアヌス』の治世! トライアヌスは当時から、意訳すれば『至高の皇帝』と称された皇帝であり、ローマ帝国の領土を最大にし、また、初の属州出身の皇帝でもあるというまさにローマ帝国の世界化を体現する皇帝だったらしい。 また、その反面、現代においては文献などはほとんど残っていないことから塩野七生女史においても数少ない残された文献など(トライアヌスの円柱とかね)をもとに記述していくことが多い点で結構珍しい巻 基本的にはダ…

  • 192冊目『仏教の思想2 存在の分析<アビダルマ>』櫻部建・上山春平

    仏教の思想 2 存在の分析<アビダルマ> (角川ソフィア文庫 107) 作者:上山 春平,櫻部 建 KADOKAWA Amazon 個人的評価★★★★☆ 角川ソフィア文庫の仏教の思想シリーズの第2巻(昭和44年に角川書店からでた書籍が文庫化されたもの) 主として説一切有部(=上座部仏教(小乗仏教)から分派した学派)の思想体系を、世親のアビダルマ俱舎論を中心にアビダルマの考え方を一般向けに概説していく本 アビダルマは、いくつかの定義があるが、おおまかにいうと阿含経(ブッダの教えを集めたもの)にたいする研究・論議を通して体系化された論のこと ダルマ=法・真理 ちなみに、アビダルマ倶舎論の著者世親は…

  • 190・191冊目『帰ってきたヒトラー(上)・(下)』ティムール・ヴェルメシュ

    帰ってきたヒトラー 上 (河出文庫 ウ 7-1) 作者:ティムール・ヴェルメシュ 河出書房新社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 2015年に公開された同名映画の原作小説。(原作小説がヒットして映画化している) 映画公開時に観たかったけれどなんとなく観に行かないままだったけれど、中古本見つけて読みたくなり購入✨ 『ヒトラーがコメディアンになった!』くらいの印象しかなかったので、転生したヒトラーが現代のことを学んで自分の過去体験をブラックジョークにしていく作品なのかなと思ったら、(確かに風刺的ではあるんだけれど)かなりテイストの違った作品だった。 ヒトラーは現代によみがえった後も、ヒトラーのま…

  • 189冊目『涼宮ハルヒの劇場』谷川流

    涼宮ハルヒの劇場 「涼宮ハルヒ」シリーズ (角川スニーカー文庫) 作者:谷川 流 KADOKAWA Amazon 個人的評価★★☆☆☆ 涼宮ハルヒシリーズの最新作 もともとは2004年と2006年に雑誌に短編で掲載された作品がベースで、 (全4話中1・2話は雑誌が初出) それに加筆・追加書下ろし等を行った作品の模様 だけれども、作品のクオリティとしては一般的なライトノベル(のあまり質の良くない方)に近いという印象で、後半に量子力学の量子もつれの理論と絡めてメタ視点での世界描写と、劇場世界の脱出が描かれるところは少し面白かったけれど、 憂鬱~驚愕まであった面白さはかなり減じてるかなあという印象(…

  • 188冊目『これからの『正義』の話をしよう』マイケル・サンデル

    これからの「正義」の話をしよう ──いまを生き延びるための哲学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫) 作者:マイケル・サンデル 早川書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ 2010年5月に邦訳が発売され、哲学関係の本としては異例の爆発的ヒットを飛ばした本 なので、タイトルは知ってるという人は多いのではないでしょうか。 この時期、NHKの『ハーバード白熱教室』に関連して『~白熱教室』的な本や番組結構あった印象 手持ちの単行本は中古で購入したものだけれど、2010年10月10日の第104版って版数凄いね・・・ とはいえ、個人的にはトマ・ピケティの『21世紀の資本』と同じく購入した人は多いけれどちゃ…

  • 187冊目『コーヒーが冷めないうちに』川口俊和

    コーヒーが冷めないうちに 作者:川口 俊和 サンマーク出版 Amazon 個人的評価★★★☆☆ とある座席に座ると『座った者が望んだ過去の時間』に戻れる喫茶店での四つの物語 ※ただし、過去に戻れると言っても喫茶店の座席からは動けない(動くと現在に強制的に戻る)し、過去に戻って改変しようとしても現実は変わらないし、コーヒーが冷めてしまうと現在に戻ってしまうなど制約が多い ちなみに、若干ネタバレになるけれど未来に行くこともできる(ただし、未来の特定は難しいため、実行した人はほぼいない) なので、どの物語も基本的には、自分の気持ちの整理のために使われる感じになる。 座席には幽霊の女性が大体常に座って…

  • 186冊目『ローマ人の物語23 危機と克服(下)』塩野七生

    ローマ人の物語 (23) 危機と克服(下) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon 地味に少しづつ読み進めているローマ人の物語、文庫版の第23巻 今巻は、ヴェスパシアヌスの長男であるティトゥスの治世と、次男(?)のドミティアヌスの治世 ティトゥスの治世では現代でも有名なヴェスヴィオ山の噴火によるポンペイの全滅の描写が(当時の文献を引用しながら)あり、当時の様子と、噴火前後の人間の動き・様子がみられ興味深い (時代は変わっても人間の行動はあまり変わらないんだな~というのを再認識させられる) そのティトゥスは、不運にも病に倒れて短命の治世で終わり、ヴェスパシアヌスの取り決めを元に皇…

  • 185冊目『キャクストン私設図書館』ジョン・コナリー

    キャクストン私設図書館 (創元推理文庫) 作者:ジョン・コナリー 東京創元社 Amazon 個人的評価★★★★★ 表題作の『キャクストン私設図書館』の他、『虚ろな王』(失われたものたちの本の世界が舞台)、『ホームズの活躍』(キャクストン私設図書館の世界が舞台)、『裂かれた地図書ー五つの断片』(中編小説)が収録されている。 キャクストン私設図書館は、本に囲まれた生活を過ごしている主人公が、早期退職して隠居した田舎で、アンナ・カレニーナの場面を思わせる不思議な場面に遭遇したことからキャクストン私設図書館に誘われる話。 古今の名作の初版本が収録され、物語中の人物が実際に存在するものとして生活している…

  • 184冊目『ロンドン幽霊譚傑作集』Wコリンズ、Eネズビット他

    ロンドン幽霊譚傑作集 (創元推理文庫) 作者:W・コリンズ,E・ネズビット,他 東京創元社 Amazon ロンドンを舞台にしたゴーストストーリーの短編集(基本ヴィクトリア朝期が舞台) クリスマス前後に読了✨やっぱりクリスマスはゴーストストーリーだよね! 全13篇が収録されているけれど、ウィルキー・コリンズの『ザント夫人と幽霊』以外の12篇が本邦初訳という感じで今まで色々怪奇文学の短編集を読んでても楽しめる作品 また、幻想と怪奇のロンドン特集と同じで、小説の舞台となった場所の地図が付いていてグーグルマップとかでそのあたりの街並み見ながら読むと舞台をイメージしやすくて楽しい✨ まだ邦訳されてない作…

  • 183冊目『お梅は呪いたい』藤崎翔

    お梅は呪いたい (祥伝社文庫) 作者:藤崎翔 祥伝社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 表紙をご覧ください。どこかで見たことのある絵柄ですね・・・ そう、『赤ずきん、~で死体と出会う。』シリーズと同じ絵柄なのです!笑 というわけで、表紙の絵がらに惹かれて購入✨ ursusvirtus.hatenablog.com 内容は、戦国時代に大名一族を滅ぼした呪いの人形・お梅が500年振りに封印から解放され、現代人を呪い殺そうとする。 が、間違えたり、お梅の勘違いなども重なって関わった人がみんな幸せになっていくという展開の小説(笑 内容的には、面白いけれど読み返したりとかはしない小説かなw お梅が、戦…

  • 182冊目『ヴォイニッチ写本 世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑む』安形麻里、安形輝

    ヴォイニッチ写本 世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑む (星海社 e-SHINSHO) 作者:安形麻理,安形輝 講談社 Amazon 個人的評価★★★★☆ ヴォイニッチ写本についての最新の研究が載せられた本 『ヴォイニッチ写本の謎』(2004年)という本以降の研究の進展や、著者たちがデータサイエンスの手法を使って研究した概要が載っている。 おおまかなところでいうと、 ・発見の経緯の怪しさから贋作ではないかとの考えに対する展開 →2011年に写本が書かれている羊皮紙に放射性炭素年代測定が行われ、15世紀前半の仔牛皮であること、また、インクも中世のものであることが判明した (羊皮紙なのに…

  • 181冊目『大乗仏教と小乗蔑視』大竹晋

    個人的評価★★★☆☆(結論は割と衝撃的) インドや中国における小乗仏教蔑視の発生と受容と、日本においての小乗蔑視が小乗批判に変化したことからインドや中国の大乗仏教とは違う『日本式の大乗仏教』が成立した経緯を文献をもとに記述していく専門書 なんとなく購入したけれど、内容は専門的なもので、様々な仏典の記載を確認しながら論を進めて行く。また、仏教用語が特に解説無くでてくるので調べながら読まないと素人にはわけわからないw 1~8章まで論証が続き、結章でまとめているので、結章だけ読んでも素人的には(結論含め)とても面白いと思う✨ ・小乗とは、本書では声聞と声聞乗を指している ・声聞乗とは、三乗(菩薩乗、…

  • 180冊目『書くことについて』スティーヴン・キング

    書くことについて ~ON WRITING~ (小学館文庫) 作者:スティーヴン・キング 小学館 Amazon 個人的評価★★★☆☆ そのタイトルのとおり、アメリカホラー小説の帝王スティーヴン・キングによる小説を書くことについての本 なんだけれど、スティーヴン・キングの生い立ちやアルコール(+薬物)中毒になった経過が書いてあったり半分自叙伝的な感じでも読める。 小説はプロットなんてつくらずにストーリーを元に書いてけ! 仕事のように毎日文章書かないとダメ(最低1000文字は書け)とか、技法も載ってるけれど小説家になることはそんな甘いもんじゃないよということが色んな形で書いてあって面白い✨ スティー…

  • 179冊目『イスラームの論理と倫理』飯山陽×中田考

    イスラームの論理と倫理 作者:中田考,飯山陽 晶文社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ ネットの一部で話題のイスラム学者の飯山陽先生と、イスラム教に帰依しているイスラム学者である中田考先生の往復書簡集 なんだけれども、第一書簡で飯山先生から往復書簡の形式は止めて、各回ごとに交代で選んだテーマについてそれぞれ書いていこうという形式に変更になる(笑 全体を通じて思うのは、まあ同じ事象を見ていても(ハラール認証について以外は)かなり違った叙述になるんだな~ということ 中田先生は、イスラームについて啓蒙する感じで、『イスラームの分かりにくさ』を理解してもらう事が主軸にある感じ。 対して飯山先生はイス…

  • 178冊目『古代ギリシア・ローマの魔術のある日常』フィリップ・マティザック

    古代ギリシア・ローマの魔術のある日常 作者:フィリップ・マティザック 原書房 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 未来を予見するのは、昔のほうが簡単だった。なぜなら、古代人にとって未来は過去と同じく不変だったからだ。 物事は起こるべくして起こる。自由意志を否定しているのではない。 人は単に、あらかじめ定められた道を自ら進んでいく。人は選ぶことができるが、運命は人が何を選ぶかを知っているのだ。(P197~) 運命を変えられないという事実は、人は富や権力や成功によって判断されるべきではないということを意味している。真に人の勝ちを示すのは、運命づけられた道をどのように歩み、人生から投げかけられた問題…

  • 177冊目『図書館の天才少女2(ライトノベル)』蒼井美沙

    図書館の天才少女 2 ~本好きの新人官吏は膨大な知識で国を救います!~ (カドカワBOOKS) 作者:蒼井 美紗 KADOKAWA Amazon 前巻は、瘴気による世界の危機を救うために、瘴気を消せる力を持つ聖女を異世界から召喚したところで終了した本作。 ursusvirtus.hatenablog.com 召喚された聖女は、日本の読書好きな女子高生(バイトに行く途中に召喚された) 孤児院暮らしで身よりがないらしい。 いきなり異世界召喚されて世界を救ってくれと言われて、当然ながら戸惑う聖女ではある(ネット小説では、異世界召喚はスタンダードなので、これをを当然のように受け入れるのが主流だけれど、…

  • 176冊目『ペンギン・ハイウェイ』森見登美彦

    ペンギン・ハイウェイ (角川文庫) 作者:森見 登美彦 KADOKAWA Amazon 個人的評価★★★★★ ぼくがもっと何も知らなくて、わがままで、あまえんぼうであった時代、僕も妹と同じように大事な人たちがじつはみんないつの日か死んでしまって会えなくなるのだという事実に気づいて、本当にびっくりしたことがあった。 ぼくはもちろん生き物がいつか死ぬことは知っていたけれども、そのことが本当の本当に自分に関係あるものだという気がしなかったのだ。 どんなに運がよくても、どんなにいやだと思っても、ぜったいにそれから逃げられないという事実に気づいたとき、真っ黒の大きな壁がぐいぐい迫ってくるような気がした。…

  • 番外編『文学フリマ東京39に行ってきた(初文学フリマ参加)』

    先日東京ビッグサイトで開催された文学フリマ東京39に行ってきました。 文学フリマ 文学作品展示即売会 こういった同人誌即売会的なイベントは初めて行ったんですが、思ってた以上にジャンルの幅が広くて楽しめました✨ あと、もっと閑散としたイベントかと思ってたら開始前から行列ができていてびっくりしましたw(出店者4000人、来場者1万1000人くらいだったとのこと。) 年齢層も幅広くいた。比率的には若い人が多いかな? 出版者や、商業作家の人の作品もあって読書好きな人は楽しめること間違いなし! 有名どころだと、東浩紀のゲンロンが出展してた。(東浩紀本人も来ていたらしい) とういうわけで、購入した本と…

  • 175冊目『図書館の天才少女1(ライトノベル)』蒼井美沙

    図書館の天才少女 ~本好きの新人官吏は膨大な知識で国を救います!~ (カドカワBOOKS) 作者:蒼井 美紗 KADOKAWA Amazon 個人的評価★★★☆☆ ライトノベルコーナー(単行本編)のランキング1位になっていたのでなんとなく購入 魔法のある中世ヨーロッパ的世界観の王国(いわゆるナーロッパ)で、 読書マニアの平民少女(15歳)が官吏任用試験に満点合格し、国家公務員として異才を放つ話 主人公は、完全記憶能力を持ち、一度読んだ本等は忘れない(そして平民用図書館の本は全て読破し、王宮図書館の本を目当てに官吏任用試験を受けたらしいw 主人公が部署間の調整を行う政務部に配属されてしばらくして…

  • 174冊目『のだめカンタービレ新装版13(漫画)』

    最近、治療がひと段落して体力回復のために肉体労働していますが、帰宅後疲れて寝てしまう(休日は一日寝てる)生活が続き、なかなか読書が進まない・・・ のだめカンタービレ 新装版(13) (Kissコミックス) 作者:二ノ宮知子 講談社 Amazon 本屋さんで見かけてなぜか購入した『のだめカンタービレ新装版』の最終巻 なお、1~12巻は持っていないw まあでも、のだめカンタービレは昔ハマってコミックス集めてたしドラマや映画も観ていたので最終巻のみで良いだろう(笑 最終巻である第13巻は、シリーズ最終章(コミックスだと24巻だっけ?)の『アンコール:オペラ編』の後編が収録 ほかに、短編や、さらにその…

  • 173冊目『20世紀のパリ(絶版)』ジュール・ヴェルヌ

    二十世紀のパリ 作者:ジュール ヴェルヌ 集英社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 時は1963年。ヴェルヌが、執筆した時からちょうど100年後を想定した時代。 パリは文明の発展を謳歌していた 圧縮空気で駆動される高架鉄道。 街路に溢れる自家用ガス自動車。 全市を照らす電気街灯。 近郊には、大西洋につながる巨大運河を遡る貿易船の港があり、150メートルの大灯台が夜を照らす。 この【在りえたかもしれない】もうひとつのパリをひとりの青年詩人がさまよう。 彼にとってはこの驚異のまちは、同時に、絶望におおわれた街でもあった・・・ どんな本なの? 感想 どんな本なの? ジュール・ヴェルヌが若いころに執…

  • 172冊目『赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。』青柳碧人

    赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。 作者:青柳 碧人 双葉社 Amazon 名探偵赤ずきんシリーズの第3弾 表紙の絵が相変わらずシュールで大変宜しい(笑 ちなみに僕は第2弾は未読(本書と併せて買いたかったけれど、買いにいった書店では売ってなかった) どんな本? 感想 どんな本? 物語は、アラビアン(千夜一夜物語)と同じ感じで、シャハリアール王に対してシェヘラザードが(殺されないために)夜ごと赤ずきんの冒険を物語るという導入で始まる。 冒頭で赤ずきんはランプの精ならぬ指輪の精に『主人を助けて欲しい』と以来されてアラビアの世界に行く感じ。 モチーフになっている物語は、アラジン・アリババ・シ…

  • 171冊目『大暴落1929』ジョン・ケネス・ガルブレイス

    大暴落1929 (日経BPクラシックス) 作者:ジョン・K・ガルブレイス 日経BP Amazon 私は予想はしない。予想というものは、当たったことは忘れられ、外れたことだけが記憶に残る。それでも、目の前にあるのが昔から繰り返されてきたおなじみのことだとは言える。1997年版まえがきより ジョン・ケネス・ガルブレイスは、アメリカの制度学派の経済学者。 制度学派の考え方は、新古典派経済学に対して、市場は経済的合理性だけで動くわけではないから市場に対する公的機関による監視作用を入れながら経済活動すべきっていう考え方だった気がする。 有閑階級の理論のウェブレンとか有名。 本書は、1929年の株価大暴落…

  • 170冊目『怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版]※絶版』Aブラックウッド他

    怪奇小説傑作集 1 英米編 1 [新版] (創元推理文庫) 作者:アルジャーノン・ブラックウッド,ブルワー・リットン,ヘンリー・ジェイムズ,M・R・ジェイムズ,W・W・ジェイコブズ,アーサー・マッケン,E・F・ベンスン,W・F・ハーヴィー,J・S・レ・ファニュ 東京創元社 Amazon 怪奇幻想文学界隈で有名な平井呈一訳による怪奇小説傑作集の英米編第一巻✨ 平井呈一は紀田順一郎とか荒俣宏とかに影響を与えた人 荒俣宏は、具体的に知るまでは個人的にはトリビアの泉で『へえ~』のボタン押してた人のイメージが強かったけれどw 収録作品は、(当時は知らんけれど)今では有名な作品&作家が並んでるなあ~という…

  • 169冊目『黒いダイヤモンド』ジュール・ヴェルヌ

    黒いダイヤモンド 作者:ジュール・ヴェルヌ 文遊社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 1877年に発表されたイギリス(スコットランド)の炭鉱(地下世界)を舞台にした小説。ヴェルヌの驚異の旅シリーズの一冊 原題は『Les Indes noires(黒いインド)』 邦訳の題名は、英訳版『Black Diamonds』から採った模様。 黒いインドの由来は、もともと石炭が豊富だった地域にイギリス人が『黒いインド』の名前を付けていたことから。 どんな本なの? 感想 どんな本なの? 廃坑となったアーバーフォイル炭鉱の炭鉱主であったジェームズ・スターの元に、かつて同炭鉱の炭鉱夫であった老人サイモン・フォー…

  • 168冊目『哲学入門』戸田山和久

    哲学入門 (ちくま新書) 作者:戸田山 和久 筑摩書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ 人生の超越的な無意味さは、われわれの生から消すことはできない。ならばそれをわれわれの人生の構成要素としてアイロニーをもって受け入れて生きていこう 分析哲学(科学哲学?)者の戸田山和久先生による哲学入門 哲学入門というタイトルであるから、古代ギリシャの哲学者やソクラテスあたりに始まって有名な哲学者の思想を概説していく といった本では全くなく、僕らの想像するような哲学者(カントやデカルト、ハイデカーやら構造主義やら)の名前は殆ど出てこなくて出てくるとしたら最近の哲学者(ミリカンやデネット、ネーゲルとか)であ…

  • 167冊目『赤ずきん、旅の途中で死体と出会う』青柳碧人

    赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。 作者:青柳碧人 双葉社 Amazon 個人的評価★★★☆☆(面白いには面白い) 購入のきっかけ どんな本なの? 購入のきっかけ 書店をふらついていた時に『赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。』という同シリーズの最新作の表紙をみて『なんだこれ!?w』と笑い、買おうか悩んだものの、シリーズものになってるようなのでどうせなら1作目から読もうと思い購入✨ 赤ずきん、アラビアンナイトで死体と出会う。 作者:青柳碧人 双葉社 Amazon 僕は知らなかったけれど、結構有名な作品でネットフリックスで映像化もされているらしい(橋本環奈主演。橋本環奈どこにでも出てくるな…

  • 166冊目『自省録(岩波文庫版)』マルクス・アウレーリウス

    マルクス・アウレーリウス 自省録 (岩波文庫) 作者:神谷 美恵子 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★★★ どんな本なの? 唯物論(物理的)世界観が印象的 未来のことで心を悩ますな。必要ならば君は今現在のことに用いているのと同じ理性をたずさえて未来のことに立ち向かうであろう (P118~ どんな本なの? タイトルを聞いたことある人多いのではないだろうか。 賢人皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスの自省録岩波文庫版(神谷美恵子訳) (訳自体は1956年の訳だけれど結構読みやすい。古い岩波文庫だと文字の型も古いの多いけれど、増刷とかのときにみなおしてるのかな?) ストア派のマルクス・アウ…

  • 165冊目『量子力学の多世界解釈』和田純夫

    量子力学の多世界解釈 なぜあなたは無数に存在するのか (ブルーバックス) 作者:和田純夫 講談社 Amazon 個人的評価★★★★★ 科学の歴史を振り返ると、科学の理論には実在主義的見方と実証主義的見方の対立があった。実在主義とは、科学の理論とは何らかの実在のもののふるまいの規則性に関するものだという立場であり、多世界解釈の立場でもある。実証主義とは、科学とは人間が認識する情報の規則性を明らかにしようという立場である。(P254~ 量子力学のイメージというと、ミクロの世界では物質は確率的なふるまいをするというものではないかと思う。(僕はそう) これはコペンハーゲン解釈(ボルンの確率則と波の収縮…

  • 164冊目『思考の教室』戸田山和久

    思考の教室 作者:戸田山 和久 NHK出版 Amazon 分析哲学の哲学者戸田山和久先生が、一般向けに書いた思考方法についての教科書的な本 冒頭に書かれているけれど、対象層としては大学受験後入学前の高校生を主眼に置いて書いているとのこと。 だけれども、別に一般の社会人が読んでも(特にX:旧Twitter等で色々な言説が流れている昨今は)参考になる点が多々ある本。 主題を『じょうずに考える』ということはどういうことなのかということに置いて、思考方法や枠組み、思考のためのツール(紙へ書くことなども推奨している)を、多くの練習問題も解いていくことによって説明していくような感じ 『論理的思考』一辺倒が…

  • 163冊目『嘆きの亡霊は引退したい 12(ライトノベル)』槻影

    嘆きの亡霊は引退したい ~最弱ハンターによる最強パーティ育成術~ 12 (GCノベルズ) 作者:槻影,チーコ マイクロマガジン社 Amazon 小説家になろうでもWeb連載されている『嘆きの亡霊は引退したい』の書籍版第12巻 Webでちょいちょい読んだり、書籍も買ったり買わなかったりしていたけれど、今期アニメ化(10月1日~)されるとのことで最新刊購入した✨(なにか特別な特典とかがあるわけではないw) 今巻は、11巻に引き続き高度物理文明時代の遺産(都市要塞)コードを巡る話 勘違い系(ただし主人公はホントに無能)をある意味では極めたような内容なので、合う合わないはあると思うけれど、個人的にはと…

  • 162冊目『人生はゲームなのだろうか?<答えのなさそうな問題>に答える哲学』平尾昌宏

    人生はゲームなのだろうか? ――〈答えのなさそうな問題〉に答える哲学 (ちくまプリマー新書) 作者:平尾昌宏 筑摩書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ タイトルに惹かれて購入✨ どんな本なの? 感想 どんな本なの? 『人生はゲームなのか?』といった事柄について関連してきそうな哲学者の説や思想を紹介していき、主題について考えていく本 というわけでは全くなく、『人生はゲームなのか?』という問題について、読者と一緒に考えていくという感じの本✨ つまり、問題解決について哲学的に考えるということを目的とした本というべきか。 ちくまプリマー新書から発行されているが、ちくまプリマー新書は若者向けに普遍的…

  • 161冊目『マルクス入門講義』仲正昌樹

    マルクス入門講義 作者:仲正昌樹 作品社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 概要 概要 仲正昌樹先生の入門講義シリーズのマルクス版 実際に行われた全7回の連続講義をベースに書籍化したものなので、講義に参加した人からの質疑応答などもあって面白い 本書では、マルクスの経済学的側面というより哲学的側面に焦点をあてて、マルクスの著作を精読していくという形式をとっている。 使用されたテキストは、『ユダヤ人問題によせて』、『ヘーゲル法哲学批判序説』、『経済学・哲学草稿』、『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』、『資本論Ⅰ』。 それに補論で、ハンナ・アーレントのマルクス理解について述べられている(全体主…

  • 160冊目『科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキンスまで』三田一郎

    科学者はなぜ神を信じるのか コペルニクスからホーキングまで (ブルーバックス) 作者:三田一郎 講談社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 物理学者兼牧師の三田一郎先生によるコペルニクス以降の物理学の発展の歴史の概説と、発展のカギとなった主要人物たちの神に対する考え方等を織り交ぜて展開していく本。 最初の方は、キリスト教(カトリック)についての簡単な説明と、キリスト教の発展の歴史(に加えて、古代の科学に対する認識)など。 ローマ帝国についての叙述は、塩野七生女史の『ローマ人の物語』を愛読(?)している僕としては肯んじえない点も多い(笑 読後の感想としては、『信仰と科学は両立しうる』ということな…

  • 159冊目『華麗なる一族(下)』山崎豊子

    華麗なる一族(下) (新潮文庫) 作者:豊子, 山崎 新潮社 Amazon ※ネタバレあり 地方財閥の万俵財閥の一族の中核銀行『阪神銀行』の頭取万俵大介を主人公として物語った山崎豊子の華麗なる一族の最終巻 中巻までで、閨閥は一部崩壊し、新たなる閨閥(二子の結婚)は怪しい展開となるけれど、自社に不利になる銀行合併は阻止したり何だかんだ上手くいっていたところに、主人公の長男鉄平が専務(実質社長)である阪神特殊鋼で大口取引のキャンセルや爆発事故が! 鉄平が自身の子か怪しんでいる大介はこれを機に上位銀行を食う下克上合併を画策するが、、、 という感じの続きで始まる最終巻 まあずっと重い展開なんだけれど、…

  • 158冊目『ローマ人の物語22 危機と克服(中)』塩野七生

    ローマ人の物語 (22) 危機と克服(中) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ ローマ人の物語の第22巻は皇帝ヴェスパシアヌスの治世! 塩野七生女史の書き方もあるのか、ヴェスパシアヌスは『久々にまともな皇帝来たな・・・』感がとても強いw ヴェスパシアヌスは騎士階級出身初の皇帝だけれども、アウグストゥスやティベリウス、クラディウスなどの堅実な政治をしっかりと踏襲している。 やはり、皇帝としてやるべきことをしっかりと認識し、側近など信頼できる組織を持ち、奇をてらわずに公務を行うことが大切なんだなあと思いながら読む巻でした。 ただ、皇帝法で自分の子供たちを次…

  • 157冊目『必修魔術論 アレイスター・クロウリーと<大いなる作業>』Hieros Phnoenix

    必修魔術論: アレイスター・クロウリーと〈大いなる作業〉 作者:Hieros Phoenix 国書刊行会 Amazon 個人的評価★★★★☆ ちょうどハリーポッターにハマっていた時期にタイトルに釣られて購入w タイトルもちょっとハリーポッターに寄せてるやん!的な感じでw Hieros Phnoenixは魔術師としての名前っぽく、日本人の方が著者 内容は、ヴィクトリア朝後期(1800年代後半)に実在した魔術師アレイスター・クロウリーの魔術論の概説と、実践方法の説明 アレイスター・クロウリーは、怪奇文学読んでると彼をモデルにしたと思われる怪人物が出てくる短編が結構あるので(ウェイクフィールドとかも…

  • 156冊目『現代思想10月臨時増刊号 総特集ダニエル・C・デネット』青土社

    現代思想 2024年10月臨時増刊号 総特集◎ダニエル・C・デネット ―1942-2024 意識と進化の哲学― 作者:木島泰三,戸田山和久 青土社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 自由意志や心の哲学など現代哲学の哲学者『ダニエル・C・デネット』が2024年4月にお亡くなりになられたとのことで組まれた追悼論集 デネットは、進化論や認知心理学の知見を取り入れたことでも有名らしい。 らしいというのは、僕自身は最近までデネットを知らず、最近読んだ『自由意志の向こう側』という木島泰三先生のご著書で知ったから。 ursusvirtus.hatenablog.com そして、木島先生によるデネットの主要…

  • 154・155冊目『タイムライン(上・下)※絶版』マイケル・クライトン

    タイムライン〈上〉 (ハヤカワ文庫NV) (ハヤカワ文庫 NV ク 10-21) 作者:マイクル クライトン 早川書房 Amazon タイムライン〈下〉 (ハヤカワ文庫NV) (ハヤカワ文庫 NV ク 10-22) 作者:マイクル クライトン 早川書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ ジュラシックパークで有名なマイケルクライトンのタイムトラベル小説 マイケルクライトンの小説は、ジュラシックパークだったらカオス理論だったり、基本的に何かしらの科学的知見をベースに物語が組み立てられているのが面白い 今作は、ものすごい大雑把な概要をいえば、ヨーロッパ中世にタイムトラベルして現地に取り残された教授…

  • 153冊目『なぜ難民を受け入れるのか』橋本直子

    なぜ難民を受け入れるのか 人道と国益の交差点 (岩波新書) 作者:橋本 直子 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★★★ 難民問題で有名な橋本直子先生による、難民についての概説本 (イメージとして)難民問題などの人権や弱者救済が絡む本って、いかに難民を保護しなければならないのかとかをひたすら説教するような内容になってるんじゃないかと思ってしまうのだけれど 本書はそんな感じではなく、難民に関する国際法規の歴史的経緯、定義や各国の実際の対応や問題を含めかなり客観的に記述されているのが印象的だった。 もちろん、日本の難民対応の現状やその問題点、難民や移民による犯罪についての章もあり、こちらもなるべ…

  • 151・152冊目『反緊縮社会主義論』松尾匡『マルクスを再読する』的場昭弘

    ※内容消化しきれていないのでほぼタイトル紹介のみ 反緊縮社会主義論 脱成長論と帝国主義の超克 作者:松尾匡 あけび書房 Amazon マルクス経済学者松尾匡先生の本 内容は、色んな媒体に載せた論文的なものをまとめたもの マルクス主義者の中でも争いがあるみたい(脱成長とか)で、今までされてきた批判に対する反論のような内容を含んでいる。 れいわ新選組の経済理論のブレーンらしく、あとがきでも『運動的なことは山本太郎さんに任せた』的なことを書いている。 思想に賛同するかはともかく、一つの視点としてはとても参考になる。 マルクスを再読する 主要著作の現代的意義 (角川ソフィア文庫) 作者:的場 昭弘 K…

  • 150冊目『失われたものたちの本』ジョン・コナリー

    失われたものたちの本 〈失われたものたちの本〉シリーズ (創元推理文庫) 作者:ジョン・コナリー 東京創元社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 母親を亡くして孤独に苛まれ、本の囁きが聞こえるようになった12歳のデイヴィッドは、死んだはずの母の声に導かれて幻の王国に迷い込む。 赤ずきんが産んだ人狼、醜い白雪姫、子どもをさらうねじくれ男・・・・・。 そこはおとぎ話の登場人物たちが蠢く、美しくも残酷な物語の世界だった。 元の世界に戻るため、少年『失われたものたちの本』を探す旅に出る。本にまつわる異世界冒険譚 裏表紙より引用 スタジオジブリの映画『君たちはどう生きるか』の元ネタらしい。 『君たちはど…

  • 149冊目『ロビンソン・クルーソー』ダニエル・デフォー

    ロビンソン・クルーソー(新潮文庫) 作者:ダニエル・デフォー 新潮社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 言わずと知れたダニエル・デフォーの名作、ロビンソン・クルーソー 新潮文庫の名作新訳コレクション版✨ 難波して孤島に漂着したロビンソン・クルーソーの28年間の無人島生活などを綴った冒険小説 なんだけれど、大人になって読み返してみると、キリスト教色(プロテスタント:カルヴァン派)が強かったり、孤島と言っても(結果的には)意外と近くに有人の大陸あるんだな・・・とか色々発見があって面白かった。 島での生活は結構淡々としていて、読みどころはやはり人食い人種が出てきてから。 しかしロビンソン、孤島に漂…

  • 148冊目『もし私が人生をやり直せたら』キム・ヘナム

    もし私が人生をやり直せたら 作者:キム・へナム ダイヤモンド社 Amazon 個人的評価★★★★☆ がんになると、嫌でも死ぬことの可能性と向き合うことが必要になってくる(別に気にしない人もいるだろうけれど) 死についての哲学とかの本や有名人のことばを見ていくと、『死はこわくない』とか『死を受け入れている』的な言葉が多く、とはいえ『お前健康な状態じゃん。その状態なら俺でも達観したこと言えるわ』という印象を持ってしまうことが多い。 知りたいのは、抗がん剤治療でしんどい時に『なんでこんな治療してるのかな。でも死にたくない(生きたい)しなあ』とか、楽しい時間の後の死への恐怖とどう向き合うのかといったこ…

  • 147冊目『自由意志の向こう側 決定論をめぐる哲学史』木島泰三

    自由意志の向こう側 決定論をめぐる哲学史 (講談社選書メチエ) 作者:木島泰三 講談社 Amazon 個人的評価★★★★★ まだちゃんと理解できてないから、折を見て読み返したい本 デネットやスピノザに依拠しつつ・・・ リチャード・ドーキンスの利己的な遺伝子(遺伝的決定論)や、脳、無意識、条件付による人間の行動の決定については、形はどうあれ昔から『決定論』として哲学的に議論されてきた。 そのなかで、因果的決定論(宇宙開闢以来、物質の数が有限なら、すべての行動は機械的・因果的に決定されている)を検討すると、人間の自由意志は存在しないのではないかという不穏当な帰結が導かれてくる それに対して自由意志…

  • 146冊目『時間と死 不在と無のあいだで』中島義道

    時間と死 ――不在と無のあいだで (ちくま学芸文庫 ナ-8-4) 作者:中島 義道 筑摩書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ カント哲学者の中島義道先生の時間論の現在(2016年時点)の考えを一般向けに解説した本 分かりやすいかと言われると分かりやすいわけではないけれど、じっくり読むと分かってくる部分もある 著者は、昔から『自分が死んだあとは永遠の無であり人生や世界自体になんの意味もない』という実感に恐怖し、『そんなわけない』というもう一つの直観のようなものに従って時間を研究してきている(らしい) そして、客観的時間も客観的世界もないかもしれないとの確信のもと、 客観世界が丸ごと仮象である…

  • 145冊目『絶望をどう生きるか』清水研

    絶望をどう生きるか 作者:清水 研 幻冬舎 Amazon 個人的評価★★★★☆ がん患者界隈で結構有名な、がん研究会有明病院腫瘍精神科部長の清水研先生による著書 がん告知を受けたAYA世代(若い世代)のがん患者6人の生い立ち→がん告知(再発等)による精神的絶望→精神的克服までの話をまとめたもの。 『レリジエンス』=復元力=困難な状況にしなやかに適応して生きる力(心理学的用語)が主題となっている感じ。 人間には困難な状況に立ち向かうためにレリジエンスがあり、それを発揮してがんと闘っているみたいな。 とはいえ、『だから私もレリジエンスを発揮しなくちゃ』と考える必要はなく、がんとの向き合い方は人それ…

  • 144冊目『誰が勇者を殺したか 預言の章』駄犬(ライトノベル)

    誰が勇者を殺したか 預言の章【電子特別版】 (角川スニーカー文庫) 作者:駄犬 KADOKAWA Amazon 去年ライトノベル界隈で話題になった『誰が勇者を殺したか』の続編。 ursusvirtus.hatenablog.com 続編の情報聞いたときは、これどうやって続編書くんかなと思っていた(物語は綺麗に完結し、続編書くなら恋愛話になりかねない的な)けれど、 ネタバレになるからあまり書けないけれど、なるほど、過去の選択肢と現在を絡めるのね。 これなら続編書こうと思えば(著者は大変だろうけれど)ネタはいくらでもかけるじゃんwやったね!(?) 物語自体は変に謎要素がないのでスッキリ読みやすく、…

  • 143冊目『トランスジェンダーになりたい少女たち』アビゲイル・シュライアー

    トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇 作者:アビゲイル・シュライアー,岩波明,村山美雪,高橋知子,寺尾まち子 産経新聞出版 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 角川書店から出版予定だったけれど、LGBTQへの差別的表現がある(ヘイト)として、放火予告かなんかされて一度発売中止になったあと、あらためて産経新聞出版から発売された本 産経新聞社から発売の際も放火予告だったりがあったりして、大型書店では急遽取り扱わないとかあって凄かった印象があるw そのわりに、Amazonでは購入できたから、そうなると店舗型書店の存在意義がどんどん薄くなっちゃう感はあるよね という…

  • 142冊目『ねじの回転』ヘンリー・ジェイムズ

    ねじの回転(新潮文庫) 作者:ヘンリー・ジェイムズ 新潮社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 『さっきグリフィンが言った幽霊はーーーいや、幽霊だか何だか、そういうものがーーーまず年端もいかない子供の目に見えたということで、一ひねりした手稿が出ていたのだね。その点には同意しよう。だが僕の知るかぎりでも、そうやって人に魅入るような出来事が子どもを巻き込んだ話にも前例がなくはない。もし子供だということで、ねじを一ひねり回すくらいの効果があるならーーーさて、子供が二人だったらどうだろう』 P5より引用 心理的恐怖小説の古典的傑作とされているジェイムズの『ねじの回転』 イギリス郊外の貴族屋敷に住む兄妹…

  • 141冊目『幸福について』ショーペンハウアー

    幸福について―人生論―(新潮文庫) 作者:アルトゥール・ショーペンハウアー 新潮社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ ショーペンハウアーの幸福論 ショーペンハウアーと幸福論って結びつくの?という疑問を抱く方も多いと思うが、著者本人も『私の本来の哲学が目標としているいちだんと高い形而上学的・倫理学的な立場を全く度外視しなければならなかった』と記述している(笑要は、哲学的立場を離れて、ショーペンハウアーの考える人生の幸福論を述べたような感じの本 ショーペンハウアーは、人は幸福になるために生きるって考え方は迷妄だとしてるしね 印象としては、ブルジョワ高学歴陰キャの幸福論といった感じの印象 お金に困…

  • 140冊目『レーエンデ国物語 夜明け前』多崎礼

    レーエンデ国物語 夜明け前 作者:多崎礼 講談社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 生前、彼は言っていた。 『妹を愛していた』と。『心から信頼していた』と。『彼女も俺を理解し、信頼してくれた。自分がどう行動すれば、俺が何を選択するのか、彼女にはすべてわかっていた』と。 愛おしげに、誇らしげに、血を吐くように独白した。 『だから殺すしかなかった』と。 革命のファンタジー文学『レーエンデ国物語』の第4巻! 今作も前作『喝采か沈黙か』から約100年後が舞台。 主人公は、4大名家の一つペスタロッチ家の異母兄妹。 前作は兄弟愛が通底してたけど、今作は兄妹愛と男女愛の混合というかそんな感じ 舞台のレーエ…

  • 139冊目『ローマ人の物語21 危機と克服(上)』塩野七生

    ローマ人の物語 (21) 危機と克服(上) (新潮文庫) 作者:七生, 塩野 新潮社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ ローマ人の物語シリーズの文庫版第21巻目! 皇帝ネロの自死の後のローマ帝国の混乱時代を描いた巻の1巻目 上巻は、ガルバ・オトー・ヴィテリウスまで(+ヴェスパシアヌスが少し) ま~これまでの巻でも混乱時代とかはあったけれど、今巻の混乱は本当にひどい(笑 塩野七生女史の解釈なのかもしれないけれど、ガルバ・オトー・ヴィテリウスについては、ローマ皇帝(公人)としてではなく私人というか一貴族としての面が強くでて、ヴィジョンも何もない感じで即位したようにみえる(ゆえに混乱を治められず、…

  • 138冊目『ゴースト・ハント』H・R・ウェイクフィールド

    ゴースト・ハント (創元推理文庫) 作者:H・R・ウェイクフィールド 東京創元社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 最後のゴーストストーリー作家と言われる(らしい)H・R・ウェイクフィールド(英国)の、表題作ゴースト・ハントを含む怪奇幻想文学の短編集✨ 屋敷にまつわるゴースト・ストーリーが大半を占めるあたり、英国のゴースト・ストーリーらしさがあって良いなあと思う ゴースト・ハントは幽霊屋敷訪問のラジオ番組で、心霊バスターの教授と一緒にラジオパーソナリティが屋敷行く話。 途中から徐々にパーソナリティ自身の認識に異常が出てくるのが面白い 他、アレイスター・クロウリーを模した人物を登場させたっぽい…

  • 137冊目『幸福論(ラッセル)』ラッセル

    幸福論(ラッセル) (岩波文庫 青 649-3) 作者:B. ラッセル 岩波書店 Amazon 個人的評価★★★★☆ ラッセル=アインシュタイン宣言で有名な、イギリスの哲学者バートランド・ラッセルの書いた幸福についての本 第一部が、何が人々を不幸にするのか 第二部が、なにが人々を幸福にするのか の二部編成で、どう生きるべきかについてのラッセルの考え方を述べている 物凄く簡単に書くと、『陽キャの幸福論』といえる。 同じ幸福論系ではショーペンハウアーと対比して読んでみると面白いかも(笑 ショーペンハウアーのほうは、『陰キャの幸福論』 内容については、不幸の原因である被害妄想への予防公理が好きw 1…

  • 136冊目『華麗なる一族(中)』山崎豊子

    華麗なる一族(中) (新潮文庫) 作者:豊子, 山崎 新潮社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 山崎豊子の華麗なる一族の中巻。 上巻の一部展開必要だった?ってくらい一気に話が展開・収束していく感じ この、自分達の利益のための官僚・政治家・財閥・名家・閨閥含めた権謀術数的なことって、本を読んでる上では凄いなあと思いながら読んでるんだけど、一歩引いてみると喜劇的な感じがするよね 短い人生なにやってんだこいつら的な・・・ 実際の現実でも同じようなことやってるのかなあ。やってるんだろうなあ。 ともあれ、今巻は阪神特殊製鋼の高炉爆発事故、万俵大介の(息子を生贄にした)自身の野望への蠢き、政略結婚嫌がる…

  • 135冊目『レーエンデ国物語 喝采か沈黙か』多崎礼

    レーエンデ国物語 喝采か沈黙か 作者:多崎 礼 講談社 Amazon 個人的評価★★★★☆ レーエンデ国物語の第3巻は、劇作家と演出家(兼男娼)の双子の兄弟が主人公! おなじみ前作から約100年後、蒸気機関が発達してレーエンデと他地域を結ぶ鉄道も開通して一気に近代っぽい雰囲気に。 その中で、兄弟は忘れ去られた英雄であるテッサ・ダール(前作の主人公の一人)の演劇脚本を書くべくその足跡を追っていく 『レーエンデには絶望が足りない』という前作のルーチェの言葉が示唆していたように、ほぼ奴隷状態というか被差別民となっているレーエンデ人 けれど、テッサの物語がレーエンデ人に誇りを取り戻すきっかけになってい…

  • 134冊目『免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ』宮坂昌之

    免疫力を強くする 最新科学が語るワクチンと免疫のしくみ (ブルーバックス) 作者:宮坂昌之 講談社 Amazon 免疫力向上が喫緊の課題のため購入 免疫システムなどについて、素人向けとしてはかなり詳しく書いてくれている(ブルーバックスだしね) 個人的には『がん免疫療法』についての箇所と、免疫力向上の方法の箇所を読みたくて購入したので、気になる点の要約と抜粋 がん免疫について 免疫力について がん免疫について がんについての免疫システム等については詳細書きだすと分量めっちゃ多くなるので簡単にまとめると、単純にリンパ球増やせば良いとかではなく、ネオ抗原と呼ばれるものが関係していたり複数の要素が関連…

  • 133冊目『予告された殺人の記録』G・ガルシア=マルケス

    予告された殺人の記録 (新潮文庫) 作者:G. ガルシア=マルケス 新潮社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 『百年の孤独』で有名なガルシア=マルケスの中編。本人曰く最高傑作の中編らしい 町を挙げての婚礼の翌日に起きた殺人事件を約30年後に被害者の親友が町の人たちに状況を聞いていく話 犯人たちは、被害者を殺すことを街中で予告しており、一部の人以外は認識していたがそれでも殺人は起きてしまった。 カフカ的な不条理の香りと、ガルシア=マルケスのマジックリアリズム的な香りがまじりあって独特な世界観になっている印象 いちおう、モデルになった事件があるらしく、裁判を起こされたりもしたらしい 最後は割と衝…

  • 132冊目『独裁者のためのハンドブック』ブルース・ブエノ・デ・メスキータ&アラスター・スミス

    独裁者のためのハンドブック (亜紀書房翻訳ノンフィクション・シリーズ) 作者:ブルース・ブエノ・デ・メスキータ,アラスター・スミス 亜紀書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ ゾンビサバイバルガイドみたいなネタ本かな?と思って購入 が、実際の中身は、『権力支持基盤理論』という理論の一般向け啓蒙書という割とガチの政治に関する内容の本だったw 著者は、政治の本質は一言でいえば、ある者が権力の座を目指し、そして手に入れた権力を長く維持することだと言い切る。その上で、独りで国家や組織を支配できる独裁者はいないという前提に立って、独裁者の支配を支える人々を三つの層に分類する。 訳者まえがきより引用 こ…

  • 131冊目『レーエンデ国物語 月と太陽』多崎礼

    レーエンデ国物語 月と太陽 作者:多崎礼 講談社 Amazon 個人的評価★★★★★ 革命の話をしよう。 歴史のうねりの中に生まれ、信念のために戦った者達の 夢を描き、未来を信じて死んでいった者達の 革命の話をしよう。 の文言から始まる、王道ファンタジー。毎巻この文言ではじまるのかな? 第2巻は、第1巻から約100年後の話 各巻大体100年ごとに物語が紡がれて行くみたい 100年って結構絶妙な設定で、(一部を除き)人は自分の曾祖父・曾祖母くらいまでしか記録や記憶が引き継がれないっていうのがあると思う つまり、以前の物語が風化して、新しい物語が始まるけれど、以前の物語から引き継がれるものもある年…

  • 130冊目『今こそマルクスを読み返す』廣松渉

    今こそマルクスを読み返す (講談社現代新書 1001) 作者:廣松 渉 講談社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ マルクス主義者として有名(らしい)故・廣松渉先生のマルクス主義についての新書 廣松渉先生はマルクスについて、関係主義的な世界観を顕した思想家として捉えている(構造主義みたいな感じ?)模様 疎外論の先生とかからは猛批判くらってるらしいけれど、素人的にはそのあたりは良く分かんないかな(笑 個人的な感想としては、結構前にお亡くなりになられた先生(1994年逝去)なこともあり、読んでいてなるべく平易に解説しようとしてくれているけれどやはり読みにくい(難しい) 昔にマルクス主義について書か…

  • 129冊目『これからのマルクス経済学入門』松尾匡、橋本貴彦

    これからのマルクス経済学入門 (筑摩選書 130) 作者:松尾 匡,橋本 貴彦 筑摩書房 Amazon 個人的評価★★★★☆ マルクス経済学の教科書構想の序章を膨らませて一冊の本にしたものらしい。 この本は、マルクス経済学の重要概念ー『階級』とか『疎外』、『唯物史観』とか『労働価値説』ーを根本から見直して、これらの概念における、もはや捨て去るほかない意味付けと、そうではなく、きっちりと引継ぎ、発展させるべき側面とを厳しく吟味し、マルクス経済学がこれから進むべき方向を、私たちなりに示した一冊です。 はじめにP9より引用 第1章 階級と所有 第2章 疎外論と唯物史観 第3章 投下労働価値概念の意義…

  • 128冊目『魔王と勇者の戦いの裏で(3)』涼樹悠樹(ライトノベル)

    魔王と勇者の戦いの裏で 3 ~ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛戦)が俺のお仕事です~ (オーバーラップ文庫) 作者:涼樹悠樹 オーバーラップ Amazon 個人的評価★★★★☆ サブタイトル『ゲーム世界に転生したけど友人の勇者が魔王討伐に旅立ったあとの国内お留守番(内政と防衛線)が俺の仕事です』 サブタイトル長いw Web小説版読んでいたけれど、なんとなく第3巻から購入(なんで?w) 漫画も連載されていて、絵がとても気に入っているので漫画版連載続いて欲しい Web小説原作の漫画は、人気出ないと割とすぐに打ち切られるんだよね・・・まあ4巻まで出…

  • 127冊目『カイエ・ソバージュⅠ 人類最古の哲学』中沢新一

    人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ1[新装版] (講談社選書メチエ) 作者:中沢 新一 講談社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 21世紀の「第三次形而上学革命」を迎えるにあたり、旧石器人類の思考、国家の誕生、貨幣の発生、神の創造と一神教の成立まで、「超越的なもの」について、人類が考え得た全領域を踏破することをめざした伝説の講義録 Amazon紹介文より らしい。第三次形而上学革命がなんなのか良く分からない(本文中でも示唆されるだけで、あとは想像つくよね?みたいな書き方)けれど、人類の神話の思考を縦横無尽に紐解いていく本。カイエ・ソバージュシリーズとして全5巻あるんだけれど(最後は対称性人類…

  • 126冊目『「ここは任せて先に行け」をしたい死にたがりの望まぬ宇宙下克上(3)』のらしろ

    「ここは任せて先に行け!」をしたい死にたがりの望まぬ宇宙下剋上3【電子書籍限定書き下ろしSS付き】 作者:のらしろ TOブックス Amazon 個人的評価★★★★☆ Web小説発のスペースオペラシリーズ第3巻 やっぱタイトルがクソ長い・・・内容は面白いんだからもうちょっと短いタイトルでも良かったのではないだろうか・・・ ライトノベルって一時期タイトルめっちゃ長いの流行った感あるし、そのながれなのかなあ。 今巻は、宇宙海賊の拠点生活後、広域刑事警察機構(主人公の所属する新設の組織)の組織体制作りの話と、国内の宇宙海賊討伐までの話 味方であるはずの宇宙軍と(嫉妬から)いざこざあったり色々あるけれど…

  • 125冊目『ゾンビサバイバルガイド』マックス・ブルックス(絶版?)

    ゾンビサバイバルガイド (ホビー書籍部) 作者:マックス・ブルックス,卯月 音由紀,森瀬 繚 KADOKAWA Amazon 個人的評価★★★☆☆ 高慢と偏見とゾンビ以来、ゾンビものが軽くマイブームなので購入 『人類最大の脅威 ゾンビ襲撃から一般市民が生き延びるために。全人類必携』 という謎の本w この本によると、ゾンビはソラニュウムというウイルスへの感染が原因となっている。 ソラニュウムに感染すると、一度死に至り、ウイルスによって細胞が作り替えられ、ゾンビとして復活する感じ 以下、ゾンビの医学的解剖分析などによって判明した特性と、対抗策、攻撃方法(的確なヘッドショットが最有効)、防御方法、地…

  • 124冊目『飛ぶ教室』エーリヒ・ケストナー

    飛ぶ教室 (新潮文庫) 作者:エーリヒ ケストナー 新潮社 Amazon 個人的評価★★★★☆ ただ自分を騙さず、人に騙されずにいてほしい。不運はしっかり見据えることを学んでほしい。うまくいかないことがあっても、たじろがず、運が悪くても、しょげないことだ。元気を出せ!打たれ強くあることを覚えてほしい。 P24第二の前書きより ドイツの詩人・作家の児童文学の名作 新潮文庫2024のプレミアムカバーと池内紀訳に惹かれて購入 ドイツのギムナジウム(小学校4年修了で入学する9年制の高等学校)の寄宿舎に入っている5年生の悪ガキたちのお話 一応、クリスマス物語という形式なので、様々な事件を通しての生徒たち…

  • 123冊目『はじめての動物倫理学』田上孝一

    はじめての動物倫理学 (集英社新書) 作者:田上 孝一 集英社 Amazon 個人的評価★★★★☆ 倫理学が提起する規範はどんなに高邁な立派なものでも、万人があまねく実行できなければ現実的な意味を持たない。一部のエリートだけが実践するだけでは不十分なのだ。中略 しかし規範を提起するにあたっては、自分を基準にしないというのが大事な条件になる。このことは、理想社会の探求において、顕著に現れる。 P130より引用 動物倫理学の入門本のような感じの新書 動物倫理学は大雑把に言えば、動物にも権利を認めていきましょうよというような倫理学。ヴィーガンとかが分かりやすいイメージ? というわけで、肉食なんてトン…

  • 122冊目『悪の令嬢と十二の瞳(ライトノベル)』駄犬

    悪の令嬢と十二の瞳 ~最強従者たちと伝説の悪女、人生二度目の華麗なる無双録~ (オーバーラップノベルス) 作者:駄犬 オーバーラップ Amazon 個人的評価★★★★★ 『誰が勇者を殺したのか、『死霊魔術の容疑者』の作者の悪役令嬢もの ursusvirtus.hatenablog.com Web小説版で読んでいて、書籍化を待ち望んでいたのでとてもうれしい ライトノベルというか、Web小説で、『悪役令嬢の人生やりなおし』というジャンルがある。 主人公(聖女のことが多い)が貴族の通う学園に入学し、王太子とかと心を通い合わせる過程で、それに嫉妬したりして主人公を虐め、最終的に婚約破棄→死罪や追放刑に…

  • 121冊目『日本の政策はなぜ機能しないのか?EBPMの導入と課題』杉谷和哉

    日本の政策はなぜ機能しないのか? EBPMの導入と課題 (光文社新書 1320) 作者:杉谷和哉 光文社 Amazon 個人的評価★★★★★ EBPM(エビデンスに基づく政策立案)に関する新書 海外(というか主にイギリス)で発展してきたEBPMについての概観や、アメリカの公共政策、日本の公共政策(というか政策評価)の歴史を含めて全体像を分かりやすく説明してくれている。 日本の政策については、民間企業の視点を公的機関にも入れるという視点からの改革(+効率化)的な政策が多いが、それをプログラム評価と、業績管理/業績測定の大きく分けて二つの傾向に分類し、後者が基本となっていることが説明されている。 …

  • 120冊目『猫を処方いたします。(3)』石田祥

    猫を処方いたします。3 (PHP文芸文庫) 作者:石田 祥 PHP研究所 Amazon 個人的評価★★★★☆ 『猫を処方いたします。』シリーズの第3巻 前巻までの流れから、今巻がシリーズ最終巻になりそうな雰囲気があったけれど、どうやらまだ続きそう✨ 全4話構成で、1~3話は本編の大きな流れとはあまり関係なく、猫を処方する病院に迷い込んだ(みちびかれた?)人たちが猫との交流を通じて問題が解決だったり、その人や状況が変化していくきっかけになる話 第4話は、本筋に関する話 このあたりは1巻目・2巻目と同じ流れなので、続けようと思えばかなり長く続けられそうな構成ではある(著者は大変だろうけれど) 本筋…

  • 119冊目『生活魔術師達、王国会議に挑む(ライトノベル)』丘野境界

    生活魔術師達、王国会議に挑む 作者:丘野境界,川上ちまき 宝島社 Amazon 個人的評価★★★☆☆ Web小説で同じシリーズの短編読んでそこそこ面白かった記憶があったので、本屋さんの新刊コーナーで見かけた際に購入 結果的にはあまり面白くなかった・・・ 話が王国会議をテーマにした短編の寄せ集めみたいになってるのはまあ構わないんだけど、全体的な物語の目的のようなものが見えにくくて、行き当たりばったりを主人公たちのハイスペック能力スゲーで解決していっているような感じ これは賛否あるとは思うんだけど、Web小説系ってどうしても、主人公側は高い能力でその他の洞察力や人間性能というかそういった能力がドン…

  • 118冊目『ローマ人の物語20 悪名高き皇帝たち(4)』塩野七生

    ローマ人の物語 (20) 悪名高き皇帝たち(4) (新潮文庫) 作者:塩野 七生 新潮社 Amazon 個人的評価★★★★☆ ローマ人の物語、悪名高き皇帝たちの最終巻は皇帝ネロの治世 なんというか、塩野七生の描く皇帝ネロは、能力無くはないんだけど『皇帝』という立場を悪い意味で体現していて、例えばティベリウスまでいかなくてもクラウディウスにもあったような責任感というかそういったものが無い人物という印象を受けたなあ 公人であるよりも私人の側面が比較的前に出ているというか・・・ その結果が側近の離反による自殺だったのだろうか 塩野七生による皇帝ネロの評価はこんな感じ(カバーの銀貨についてから引用) …

  • 117冊目『哲学史入門Ⅲ 現象学・分析哲学から現代思想まで』斎藤哲也編

    哲学史入門Ⅲ 現象学・分析哲学から現代思想まで (NHK出版新書) 作者:谷 徹,飯田 隆,清家 竜介,宮﨑 裕助 NHK出版 Amazon 個人的評価★★★★☆ 哲学史入門シリーズの最終巻! 今巻は、 第1章『現象学』谷徹 第2章『分析哲学』飯田隆 第3章『近代批判と社会哲学』清家竜介 第4章『フランス現代思想』宮﨑裕助 終章『修行の場としての哲学史』國分功一朗 という感じで、それぞれの分野の日本の第一人者(らしい)人たちへのインタビュー形式での講義といった感じ 個人的には第2章の飯田隆先生のお話が一番面白かった印象 本全体としては、1巻目・2巻目と同じく個別の哲学者の考えを深堀というよりは…

  • 116冊目『高慢と偏見とゾンビ』セス・グレアム=スミス

    *1" title="高慢と偏見とゾンビ *2" /> 高慢と偏見とゾンビ *3 作者:ジェイン・オースティン,セス・グレアム=スミス 二見書房 Amazon 個人的評価★★★☆☆ ジェイン・オースティンの名作『高慢と偏見』にゾンビを加えた迷作 『高慢と偏見』の文章を8割くらいそのまま使っているらしく、物語は基本的には高慢と偏見の話に沿って流れていくけれど、所々にゾンビが入ってくるという謎の作品(笑 裏表紙あらすじ 18世紀末イギリス。謎の疫病が蔓延し、死者は生ける屍となって人々を襲っていた。田舎町ロングボーンに暮らすベネット家の五人姉妹は少林拳の手ほどきを受け、りっぱな戦士となるべく日々修行…

  • 115冊目『贋作 吾輩は猫である』内田百閒

    贋作吾輩は猫である―内田百けん集成〈8〉 ちくま文庫 (ちくま文庫 う 12-9) 作者:内田 百けん 筑摩書房 Amazon 個人的評価★★☆☆☆ 夏目漱石の門下である内田百閒が書いた『吾輩は猫である』の続編みたいな感じの小説 原作最後で、猫は酔っぱらって水甕に落っこちて溺れ死んだような描写で終わるけれど、実は酔っぱらって寝てただけで、その後目を覚ましてそれまでの家を抜け出して別の家に潜り込む そのあとは、原作と同じく、家に訪ねてくる人を猫の視点を通じて社会風刺や皮肉を含めておもしろおかしく描写していくといった形式で書かれていく 夏目漱石の弟子で、原作へのリスペクトもあるためか登場人物の名前…

  • 114冊目『哲学史入門Ⅱ デカルトからカント、ヘーゲルまで』斎藤哲也編

    哲学史入門Ⅱ デカルトからカント、ヘーゲルまで (NHK出版新書) 作者:上野 修,戸田 剛文,御子柴 善之,大河内 泰樹 NHK出版 Amazon 個人的評価★★★★☆ インタビュー形式の哲学史入門書の第2巻! 今巻は、イギリス経験論から大陸合理論、からカントを経てドイツ観念論までを俯瞰する感じの本 1巻と同じように、イントロダクションで各哲学史の概説と、そのあと専門家によるインタビュー形式の説明が入っている&それまでの定型的な図式に対して違った最新の見解を載せることを意識してくれている本 今巻でいうと、イギリス経験論・大陸合理論とカントによる総合という考え方が恣意的というか区分けとしては分…

  • 113冊目『続 シャーロック・ホームズ対伊藤博文』松岡圭祐

    続シャーロック・ホームズ対伊藤博文 (角川文庫) 作者:松岡 圭祐 KADOKAWA Amazon 個人的評価★★★★☆ シャーロック・ホームズは探偵業を引退し、ロンドンを離れて一人で養蜂を行っていた。久々に会ったワトソン博士と話していると、伊藤博文が満州で独立運動家の何者かに暗殺されたという報せが届く。 ロンドンに戻って伊藤博文惜別の会の招待状を受け取ったホームズのもとに怪しい女が現れ、『伊藤博文を殺した真犯人の存在』をほのめかす文章が彫られた木製の仏像を渡して姿を消した (裏表紙より引用) という感じで始まる『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』の続編 ursusvirtus.hatenab…

  • 112冊目『哲学史入門Ⅰ 古代ギリシアからルネサンスまで』斎藤哲也編

    哲学史入門Ⅰ 古代ギリシアからルネサンスまで (NHK出版新書) 作者:千葉 雅也,納富 信留,山内 志朗,伊藤 博明,斎藤 哲也 NHK出版 Amazon 個人的評価★★★☆☆ 概要 『哲学史』入門の新書シリーズの1巻目 斎藤哲也さんという東大の哲学科出てるジャーナリストの人が、それぞれの区分について専門家に話を聞くという形式の本 今巻は、序章の『哲学史の学び方』について千葉雅也先生 古代ギリシア・ローマで納富信留先生 中世哲学で山内志郎先生 ルネサンス哲学で伊藤博明先生 といった感じでそれぞれの先生へのインタビュー形式でその時代区分の哲学について語ってもらっているという本 編者が前書きにも…

  • 111冊目『一度読んだら絶対に忘れない哲学の教科書』ネオ高等遊民

    一度読んだら絶対に忘れない哲学の教科書 作者:ネオ高等遊民 SBクリエイティブ Amazon 個人的評価★★★★☆ 一度読んだら忘れないシリーズの哲学版 世界史があったのは覚えてたけど、色々出してるもんだなあ そういえば哲学の概説の本とか久しく読んでないなあと思い購入✨ 哲学関係でいうと最近、新書の哲学史入門が話題な感もあるので、こちらも併せて読みたいなあとか思いつつ読み始めることに(新書は未購入) 哲学史入門I: 古代ギリシアからルネサンスまで (1) (NHK出版新書 718) 作者:千葉 雅也,納富 信留,山内 志朗,伊藤 博明 NHK出版 Amazon 冒頭で著者も書いているけれど、古…

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